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Han 2024
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『夜廻り猫』(講談社 2017-24)は 「泣く子はいねが〜ひとり泣く子はいねが〜」 と遠藤平蔵と懐の重郎が夜廻りして、心で泣く人の涙の匂いを嗅ぎつける8コマ・猫マンガ。家ネコ( 飼い猫)や外ネコ(ノラ猫)はヒトが世話をしているのだが、夜廻り猫は心の中で泣いている人たちを見つけて、悲しみや悩みを聞く。ヒトが辛い思いを吐露することで必ずしも癒されたり、気休めになるとは限らないけれど、遠藤平蔵と重郎が寄り添うことで柔和な時間が醸し出される。現実のネコた...
#657
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Ann 2024
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I**駅前公園の三毛は可愛いだけでなく見目麗しい。茶・黒 ・白のキャリコ・カラーは洗い立て毛並みのようにいつも光り輝いている。植え込みの中にいてもマスクを外して手招きすると、腰の高さまである縁まで来て、気が向けば膝の上に乗ったりするのだ。縁石の上にいるアンちゃんを撮った。普段と変わりのない元気な姿を見られてホっと安堵する。久々にサンシャイン・シティまで足を伸ばして、数年ぶりにスニーカーを購入した。メーカーはナイキ、サイズはUS9(27cm)に...
#656
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On 2024
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コンビニ裏の路地に小さな茶白ネコがいた。民家と民家の隙間に入り込んで振り返ったところを逃さずに撮った。少し距離が離れているけれど、これが標準ズーム(3倍)の限界である。リオ新世代のSSW、Ana Frango Eletricoの3rdアルバム《Me Chama De Gato Que Eu Sou Sua》(Mr Bongo 2023)には獰猛そうな二頭の虎が描かれている。「猫と呼んで下さい、私はあなたのものです」 と言われても俄かには信じられない。『ほぼねこ』(辰巳出版 2023)は会社員が休日に日...
#653
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Ken 2024
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S**川沿いの遊歩道にサバトラがいた。初めて見るネコだった。ちょうど男性が運んで来たペットフードを食べているところだった。食事の邪魔はしたくないけれど、この機会を逃すと当分撮れそうもない警戒心の強いネコだった。出来るだけネコにストレスを与えないように、往年の篠山紀信みたいに素早く撮った。先日、同じ場所に3匹のネコたちが遊歩道に出て来ていたので、これ幸いと思ってカメラを構えると、世話をしている件の男性に「食事中なので、撮影は遠慮して下さい...
#652
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Peta 2024
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白茶ブチのペタちゃんも足音を聞きつけると、甘い声で鳴きながら走り寄って来るようにな った。子猫の頃は逃げ回っていたのに、この豹変ぶりには驚かされる。お互いの信頼関係を築くのには一定の時間を要するということなのか。お尻を軽くタ ップすると、長い尻尾を垂直に高く上げて、直角三角形の姿勢になる。尻尾を摩ると腰を落として横たわるので、お腹を撫でる。この動作を飽きることなく何度も繰り返すのだ。自ら毛繕いを始めるまで。ディアフーフ(Deerhoof)の19th...
#651
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Sai 2024
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久々にサイちゃんを撮った。パーフェクト・サークルというか 、満月のような真ん丸顔に笑みが自然に零れる。その背後に茶トラが半分隠れている。皆既日食みたいに。2匹共にリードで繋がれているが、たとえ自由の身になったとしても外界へ出て行ったりする懸念は少ないかもしれない。数年前にパチンと音がして茶トラの首輪からリードが外れてしまったことがあったのに、積極的に外へ出て行こうという様子は全く感じられなか った。室内にいても足音を聞きつけるや否や素早く走...
#650
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Domino 2023
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虹の橋を渡ったネコたちのスライドショー〈にゃんこスライダ ー〉を拙ブログに設置した記念にイレギュラーではあるけれど 、ドミノちゃんに再登場してもらった。美術家・横尾忠則は画文集『タマ、帰っておいで』(講談社 2020)の掉尾で、横尾家の家族の一員として15年間暮らした愛猫タマ(本名タマゴ)が遺した手紙という体裁で「タダノリ君、どうぞ猫のように生きてください」と綴る。愛猫まると暮らす解剖学者の養老孟司さんは『まる文庫』(講談社 2013)の中で「要する...
#648
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Saka 2023
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水色の自転車の前にいた初対面のネコを撮った。強面の容姿なのに人懐っこい。駐車場はネコにとって危険極まりない場所である。クルマの下に隠れていると発進したタイヤに轢かれる可能性があるし、エンジンルームに入り込んでいると巻き込まれてしまう怖れもある。特に寒い冬場はクルマを運転する前にボンネットを掌で叩く「ネコバンバン」は欠かせない。車道を急いで渡るネコはクルマという「走る凶器」の実体を正しく認識出来ない。猛スピードで走る「得体の知れない怪物」...
#646
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Hoku 2023
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初対面で撮れるラッキーなネコもいれば、何年経っても撮れない不運なネコもいる。JRI**駅近くにある「きつね塚商店会」裏の露路に暮らすネコは後者だった。活動時間や行動範囲が異なるのか、なかなか出合うことが出来ない。先日、運良く見かけた時にネコの後を追 ってみたところ、周回パトロールするテリトリ(縄張り)は意外に広く、お気に入りの場所もあることが分かった。民家の門扉の中や家と家の狭い隙間に入ってしまうと見送るしかないけれど。ホクちゃんは左耳...
#645
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Bell 2023
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JR O**駅周辺の飲食街を歩いていると、ヘアーショップK**の前に数人の女子高生が集まっていた。何をしているのかと思ったら、スマホでネコを撮っていた。店内に敷いてある灰色の足拭きマットの上に寝そべって、三毛ネコが興味深そうに外界を見つめているではないか。これ幸いと彼女たちに便乗して撮ってみた。夕暮れの下校時なので外は暗いけれど、営業中の店内は明るい。ガラスのドア越しなので、不鮮明なソフト・フ ォーカスになってしまったが、大きく瞠った目とピン...
#643
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Milo 2023
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クリスマスやハロウィンの仮装よろしく、飼い主が面白がってペットの犬や猫にコスプレさせるのは動物にとって迷惑千万以外の何ものでもない。水玉模様の壷の中で睡るペルシャ、ピンクのハンモックで寛ぐハイランドなど、生後13週未満の子猫たちに最小限の小道具を添えた動物写真家レイチェル・ヘイルの写真集『S M I T T E N』(グラフィック社 2006)がギリギリの限界点で、それ以上に過多な演出は慎むべきだと思う。必要に応じて止むを得なく着装される「エリザベス ・カ...
#640
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Ann 2023
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暫く出会うことも、写真を撮ることも叶わず、野良ネコの世話人夫妻からロンちゃんの死を報された時のショックは少なくなかった。心の中に開いた空洞は埋まることなく、日々広がって行く。ペット・ロスならぬノラ・ロスだが、大切なものは失った後で初めて気づくという真理を実感することになった。この空白を埋めるのは記憶を希釈する時間の経過だけである。I**駅前公園で暮らすアンちゃんのことも気懸りだった。暫く姿を見かけなくても飼い猫のことは心配しないけれど、...
#639
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Psy 2023
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昨年サイちゃんは右耳先をカット(不妊手術)から少し大人しくなり、近寄っても逃げず、毛並みを撫でても嫌がらなくなった。いつも追い回していたロンちゃんの姿が見えなくなって、一体どのように感じているのだろうか。縄張り争いのライヴァルが突然消えて安堵しているのか、それとも不審に思っているのか。K**図書館裏の遊歩道は飼い犬たちの散歩コースにな っている。犬が近づいてくるとロンちゃんはベンチの下に潜り込み、奥の繁みの中に身を隠すが、サイちゃんは一歩...
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Lon 2023
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去る7月の連休前に、K**図書館裏で暮らしていた長毛種のネコちゃんが永眠した。世話をしているヴォランティアが食欲のなくなったネコを心配して病院で診てもらったら、何と推定20歳だった。検査で腫瘍も見つかったが、それが死因ではないと獣医がいう。短命のノラにしては超長生きしたのではないだろうか。10年以上に渡って撮り続けて来たロンちゃんの死は心の中に開いた空洞のように虚しく悲しい。余り親しくないような知人の死よりも、いつも可愛がっていたネコの死の...
#637
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Suwa 2023
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第20回小説現代新人賞を受賞した短篇 「アルカディアの夏」(1973)を読んで驚いた。転校することになった同級生・皓ニからカトキン(コノハズク)を譲り受けた少女(中3)が1年前に家を出た父親と同じように家出する元祖・腐女子もの。「腐女子という言葉は、1990年代末にネット上で使用が確認されており、2005年頃から一般にも認知されるようになった」(Wikipedia)そうだが、皆川博子の少女ヒロインは約30年も早い。主人公・令は夏期講習の帰りに新宿Lデパート...
#635
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Sim 2023
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滅多に通らない道順を行く。確かこの辺には数匹のネコがいたはずだと思いながら歩いていると、ある民家の前に三毛が佇んでいた。逃げられないように慎重に屈んで、ネコとの距離を縮める。ほぼ初対面なので、ネコも目を瞠って相手を見定めている。手動で焦点を目に合わせてシャッターを切ったが、素早く動かれて失敗。2度目で何とか満足の行くショットが撮れた。相手を見切ったのか、それ以後は外壁と車庫のクルマとの間に隠れて出てくる気配がない。恐らく民家の飼い猫だと...
#633
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Meow 2023
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グウェン・クーパーが飼うことになった3匹目の黒猫ホーマーは悪性の感染症のために眼球の摘出手術を受けていて、両目が見えなかった。生後四週間の子猫は自分が目が見えないことをハンディキャップだとは思っていない。2匹の先住猫ヴァシュティとスカーレットも同じ状態だと思っている。部屋の間取りを認識して、何度も失敗しながらテーブルの上にジャンプし、Holeのアルバム《Live Through This》(1994)を聴くと興奮して、180cmの高さのキャットタワーの頂上に躍り...
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Mone 2023
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4月某日、K区立中央公園に暮らすネコたちを世話している夫妻に同行して、広い園内のどこにネコが棲息しているのか案内してもらった。夕食時間を知らせる鈴を鳴らすと、どこからともなくネコが姿を現わす。グラウンド裏にいた2匹の黒茶縞ネコは初対面なので警戒していたが、鷹揚な茶トラを何とか撮れた。『ネコはここまで考えている』(慶應義塾大学出版会 20 22)によると、ネコは重力があることを体感的に理解しているらしい。テーブルの上の食パンが下に落ちること(「...
#630
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Malo 2023
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白黒ハチワレのマロちゃんはチョコチョコと動き回る活発なネコ。公園の石畳を徘徊し、植え込みの奥に消え去ったかと思うと、暫くして思わぬところから姿を現わす。落ち着きがないのは好奇心旺盛だから。まだ若い子猫なのだろうか。サイドバーで愛嬌を振り撒いている 「サンシャイン・キティ」(Sunshine Kitty)はトーヴ・ロー(Tove Lo)さまのヴァーチャル・ペット。明るく暖かい陽光を思わせる黄色い子猫である。「T**区立図書館」 のイメージ・キャラクターは駒込(馬)...
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Pino 2023
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ハリー&ヘレン・ハンター夫妻に飼われているスーパー仔猫ガミッチ(Gummitch)は2人のことを 「馬肉のせんせい」 「ネコちゃんおいで」 というニックネームで呼んでいる。ハリーが馬肉を食べさせてくれる先生(Old Horsemeat)だから、ヘレンがガミッチを 「Kitty-Come-Here」 と呼ぶことから。久々にミスちゃんとチビ三毛ピノの写真が撮れた。レースのカーテンの狭間から外を眺めているミスちゃんと目が合ったので、マスクを外して、「スコちゃんおいで」 と手招きすると暫...
#624
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Miss 2023
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民家の窓辺で、レースのカーテンの狭間から三毛ネコ(スコテ ィッシュ・フォールド)が外を眺めていた。スコと目が合って 、暫し見つめ合う。呼びかけて手招きするも微動だにしない。相手を容貌で視認しているのかもしれないと気づいてマスクを外す。少し逡巡していた後、横を向いて窓から姿を消す。飼い主が玄関ドアを開けるとネコが出て来た。スコちゃんの跡を追うように「チビ三毛」も跳び出て来る。30分ほど三毛ネコたちと戯れて写真を撮った。まだ馴れていないチビ三毛を...
#623
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Goto 2023
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ジュディス・ロビンソンは「シャーリー・ジャクスンの独特な閉塞感がただよう小説『ずっとお城で暮らしてる』のなかで、純粋に無垢な存在は猫のジョナスしかいない」と『名作には猫がいる』(原書房 2022)の中で解説している。メリキャットが修行中の魔女ならば、ジョナスは使い魔の役どころだが、妹に寄り添うリアル・キャットとして描かれている。「短歌ムック ねむらない樹 vol.7」(書肆侃侃房 2021)で、「偏愛の20冊」 に選出した幻想小説の若き騎士・川野芽生は《こ...
#622
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