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F A V O R I T E ー A L B U M S 2 3 [f a v o r i t e s]

  • IF I DON'T MAKE IT, I LOVE U (Bison 2024) Still House Plants460


  • 2015年、英グラスゴー美術学校で出会ったというJess Hickie -Kallenbach(ヴォーカル)、David Kennedy(ドラムス) 、Finlay Clark(ギター)の3人組スティル・ハウス・プランツ(SHP)の3rdアルバム。スネア、バスドラ、ハイハットだけのドラムス、胸に抱えた左利きストラトキャスター、そしてヒッキー・カレンバックのソウルフルなヴォーカルに圧倒されるポスト・ロック。全11曲・46分。オレンジ色のレヴァを押すとCDがスライドするトリガー・ケース(e-slimcase)仕様



  • HEAVEN (Forever Living Originals 2024) Cleo Sol459


  • 2023年9月に3rdアルバム、その2週間後に4th《Gold》を矢継ぎ早にリリースして驚かせたクレオ・ソル。このレーベルを主宰するプロデューサーのINFLOはSAULTのニュー・アルバム5枚を期間限定で無料DLするとか、2022年末に突然Little Simzの5thアルバムをリリースするとか、サプライズを引き起こすのが好きらしい。なかなかフィジカル化しなかったが、やっと9カ月遅れで入手出来たた。全9曲・30分(LPは45回転)。デジパック仕様。《Gold》は一体いつ入荷するのか?



  • TENHO SAUDADE MAS JA PASSOU (YB Music 2019) Luiza Brina458


  • ミナスのミクスチャー・バンドGraveola、8人の女性声楽アンサンブルColetivo A.N.A.に在籍するルイーザ・ブリーナの3rdアルバム。アフロフューチャリズム、未来派フォーク・トリオTuyo、Fernanda Takai(Pato Fu)、新ミナス派の吟遊詩人Gustavito Amaral、Cesar Lacerda、Thiago Amud、Joana Queiroz、LG Lopes(Graveola)など、多彩なゲストたちがルイーザの可愛らしいヴォーカルを引き立てる。全10曲・34分。ソングブック(36頁、コード付き)仕様国内盤



  • TODAS LAS FORMAS DE ESTAR (Independente 2019) Lucio Mantel457


  • ブログを読んで 「ツイート」 してくれたアルゼンチンのSSWルシオ・マンテル(ヴォーカル、ギター、ヴィブラフォン)の5thアルバム。Axel Krygier(ピアノ、トランペット、フリュ ーゲルホン、サックス)が4曲を共同プロデュース。スチール ・ギターが浮游する〈En cada latir〉、ポスト・ロック風の〈Este silencio〉など全9曲・31分。岩の上に座って焚火する森男のカヴァ・アートを描いたのは森娘Marina Fages。見開き三面紙ジャケ仕様、歌詞(コード付き)はインナーに記載



  • MADERA META (Marder 2016) Marina Fages456


  • アルゼンチン・ブエノスアイレスのSSWマリナ・ファヘスの1stアルバム(2012)の再編集盤(カヴァ違いの国内盤は盟友Lucy Pataneとのデュオ・アルバム《El Poder Oculto》(2013)から、自作5曲を追加収録)。彼女のヴォーカルとギター、Fernando Kabusackiのギター、Lucy Pataneのバスドラム、カリンバに、バリトン・サックス、クラリネット、コントラバスという編成のインディ・フォーク。見開き三面紙ジャケ仕様、歌詞はインナーに記載されている。全9曲・31分



  • ONAIDA (No Format! 2024) Natascha Rogers455


  • オランダ生まれの打楽器奏者、SSWナターシャ・ロジャース(ピアノ、ヴォーカル)の3rdアルバム。ヨルバ族の精霊、アフロ・キューバンのリズム、ネイティヴ・アメリカンの血筋。ジョイ・ハルジョ(Joy Harjo)から影響を受けたという英・スペイン・ヨルバ語の歌詞。3人の卓越したロングボーダーがダカール、パリ、リスボンの街を颯爽と走って優雅に踊るMV〈O Baba〉、Piers Facciniとデュエットした〈The West〉を含む全12曲・38分。デジパック仕様、4つ折りカード付き



  • MIMI (Sub Pop 2024) Corridor454


  • 加ケベック・モントリオールのインディ・ロック・バンド、コリドーの4thアルバム。いわゆる 「猫ジャケ」 で、Jonathan Robert(ギター、ヴォーカル)の飼い猫ミミ(Mimi)がアルバム・タイトルになっている(ドアップ・イラストもジョナサン本人が描いている)。迫り来る「死」について歌ったという〈Mourir Demain〉、マックス・エルンスト風のアニメーシ ョン・コラージュが次から次に目紛しく高速ジャンプ走行するMV〈Jump Cut〉など、全8曲・32分。見開き紙ジャケ仕様



  • HERE IN THE PITCH (City Slang 2024) Jessica Pratt453


  • ジェシカ・プラットの4thアルバムは 「LAのヒッピー時代の終焉」 にインスパイアされている。ハッピーな 「夢のカリフォルニア」 にならなかったのは 「ダークサイドを象徴する人物に取り憑かれた」 結果だという。「あなたが歌いたいと思っていること、それは知っている曲なのです」 というレナード・コーエンの言葉をインナーに引用しているように、どこかで聴いたことのあるような妖しく懐かしいメロディの 「催眠的フォーク」(hypnagogic folk)集。全9曲・27分。見開き紙ジャケ仕様



  • TO ALL TRAINS (Touch & Go 2024) Shellac452


  • Steve Albini(ヴォーカル、ギター)の急死から10日後にリリースされた6thアルバム。レーベルの主宰者コーリー・ラスク(Corey Rusk)も追悼しているように、この喪失感(胸中に空いた大きな黒い孔)はどんな代替え物でも埋められない。アルビニは唯一無二の存在だったからだ。カヴァ・アートの写真はBob Weston(ベース)が撮ったシカゴ・ユニオン駅の待合室(アーチ)である。「すべての列車へ」 というフレーズもアルビニは気に入っていた。全10曲・28分。スリップケース



  • HIT ME HARD AND SOFT (Darkroom 2024) Billie Eilish451


  • 前2作に引き続き、兄フィニアス(Finneas O'Connell)がプロデュースした3rdアルバム。Z世代のアイコンは三歩進んで二歩下がり、扉を潜って深青の海中に落ちた。アリスやルーシ ーや(隧道を抜けた)千尋のように。水中写真家ウィリアム・ドラム(William Drumm)によるカヴァ・アートの撮影は6時間に及んだという。「ラナ・デル・レイ、ただし緑髪の不眠症フェミニスト向け」 全10曲・44分。見開き三面紙ジャケ仕様、12折りポスター封入。歌詞はインナーに記載されている



  • CLOSER (Innovative Leisure 2024) Maria Chiara Argiro450


  • マリア・キアラ・アルジロはイタリア生まれ、ロンドンを拠点とするジャズ・ピアニスト、シンセ奏者。Joy Divisionを髣髴させるタイトルの4thアルバムに暗鬱さはない。薄曇りの空間を内省的なウィスパー・ヴォイスが浮游するエレクトロポップである。軽快なシンセポップの〈Light〉、突んのめるようなUKガラージの〈Grow〉、ブロークン・ビートの〈Time〉、ダウンテンポの〈Koala〉、ダブステップの〈Sun〉、ネオ・アンビエントの〈Air〉など、全10曲・30分。デジパック仕様



  • SOMETHING IN THE ROOM SHE MOVES (Domino 2024) Julia Holter449


  • 〈Something〉の歌詞みたいなタイトルの6thアルバム。パンデミック中に妊娠して娘シモーネが生まれ、その直後に亡くなった甥(18歳)に捧げられている。ウーリッツアー、フレ ットレス・ベース、フルート、亡き祖父のラップ・スチール。「 自分の快適ゾーンから、未知の遊戯とカオスに連れ出される」〈Sun Girl〉、歪んだアカペラの〈Meyou〉 、カラフルな巨大スカートが波打つMVの〈Spinning〉など、全10曲・54分。見開き紙ジャケ仕様、歌詞ブックレット(12頁)付き



  • VOU FICAR NESTE QUADRADO (Glitterbeat 2024) Ana Lua Caiano448


  • 葡リスボンのSSW、マルチ奏者アナ・ルア・カイアーノの1stアルバム。13歳までクラシック・ピアノを習い、ジャズ音楽学校で4年間学んだが、それは始まりに過ぎなかった。BjorkやPortisheadを聴き、ワークショップに通ってミュージック ・コンクレートや集団歌唱などジャズ以外の音楽を学ぶ。ポルトガルの伝統音楽とエレクトロニックの融合。多重ヴォーカル 、シンセ・ビート、フィールド・レコーディング。全12曲・27分。見開き紙ジャケ仕様、歌詞ブックレット(16頁)付き



  • CELEBRATE (Heavenly 2024) Halo Maud447


  • アロー・モードの魅力は可愛いヴォイスと60年代ヴィンテージ・ギター(Silvertone)によるサイケデリックなドリーム ・ポップ。「Deerhoofとの出会いは私の人生で最も大きな音楽的衝撃の1つだった」 と語っているように、2ndアルバムはGreg Saunierと4曲を共作・プロデュース。タルコフスキーの映画 「ストーカー」 から着想を得た〈Terres Infinies〉や仏SSWのFlavien BergerとアカペラでカヴァしたFred Frithの〈Iceberg〉など、全12曲・40分。4つ折りの歌詞カード付き



  • EFFUSIVE SUPREME (Skin Graft 2023) Lovely Little Girls446


  • アンリ・ルソーのグロテスクな肖像画みたいな7人の男女。2人の女性の左に薄緑のネコがいる。裏面にも異形のネコ4匹が描かれている。このネコには既視感があった。Tropical Fuck StormのEP《Moonburn》(Joyful Noise 2022)の化け猫ではないか。女装男Gregory Jacobsenの 「アートワーク」 がキモい。米イリノイ・シカゴの変態バンド、LLGの3rdアルバムはプログレ、ノーウェイヴ、ジャズ、アフロ、ラテンなどが渾然一体となった全10曲・36分。デジパック仕様、MOD CD



  • TICKET TO FAME (Fire 2023) Decisive Pink445


  • ケイト・エヌヴィ(Kate NV)とエンジェル・デラドゥーリアン(Angel Deradoorian)によるプロジェクト名はカンデ ィンスキーの絵画(Decisive Pink 1932)から採られたという。「Kate Bushの〈Waking The Witch〉を想起させるスペ ース・エイジ・ダンスフロアの卒倒」 と評された〈Haffmilch Holiday〉やTalking Headsの〈The Great Curve〉を髣髴とさせる〈Destiny〉など、全11曲・50分、スリップケース仕様。お花見のBGMとして決定的なシンセポップでしょうか?



  • LITTLE PIECES OF STEREOLAB (Duophonic 2024) Stereolab444


  • 入手困難だったシングルやレア音源を纏めた《Switched On Volumes 1-5》がCD8枚組BOXセット(全94曲)として再発された。既に5作品を購入済なので、大枚を叩いて屋上屋を架すほどの酔狂マニアではないが、嬉しいことに各アルバムから3曲ずつ全15曲(75分)を抜粋した廉価盤(A Switched On Sampler)も出ている。入門編の白眉はNurse With Woundとコラボした21分に及ぶ〈Trippin' With The Birds〉かな? Mary Hansenが不在のライヴ〈Cybele’s Reverie〉は淋しい



  • THE COLLECTIVE (Matador 2024) Kim Gordon443


  • 元亭主(Thurston Moore)の浮気を断じて赦さずに、バンド(Sonic Youth)を活動停止に追い込んだキム姐さんの2ndアルバム。トラップ・ビート〜インダストリアル・ノイズ〜ラップの〈Bye Bye〉(MVは愛娘ココが主演)。ジェニファー・イーガンの同名小説から着想した〈The Candy House〉。盟友Julie Cafritz(Free Kitten)の在籍したバンド名(Pussy Galore)を叫んで、「Pussy Pussy Pussy!」 と連呼する〈It's Dark Inside〉など全11曲・41分。紙ジャケ、ポスター付き



  • GOLD (Forever Living Originals 2023) Cleo Sol444

  • HEAVEN (Forever Living Originals 2023) Cleo Sol443

  • OH MY BELOVED (Independent 2020) Purnamasi Yogamaya442


  • リトアニア生まれのマルチ奏者プルナマシ・ヨガマヤの1stアルバム。本名(Eglė Sirvydytė)の弾き語りSSWではなく、彼女のピアノ、シンセ、ギター、ヴァイオリン、ベース、エレクトロニクスに、ベース、ドラムス、金管(サックス、トランペット)、弦楽(ヴァイオリン、ヴィオラ)を配したアンビエント風のサウンド。4分から8分という長めの時間の中で、深い森を彷徨い浮游するように、リトアニア語や英語、ヒンディ ー(サンスクリット)語で歌う。全7曲・43分。紙ジャケ仕様



  • SUAVE BRUTA (Cavalcade 2024) Eda Diaz441


  • フランス系コロンビア人ベース奏者の1stアルバム。パリとメデジンを何度も往復し、幼い頃から言語、文化、リズム、音楽制作に精通。仏音楽院で15年以上クラシック・ピアノを学んだが、24歳でコントラバスに出会って初めて楽器を演奏して歌う愉しさを知ったという。サルサ、クルラオ、デンボウ(レゲトン)に、生楽器、鳥、蠅、蝙蝠、梟をサンプリング。オクタビオ・パス、パブロ・ネルーダ、ガルシア・マルケスなどに影響されたという歌詞。全11曲・35分。見開き紙ジャケ仕様


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