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スニーズ・コメンツ #75 [c o m m e n t s]



  • b チコの形見
  • 『LOST CAT』(講談社 2018)に同じような図面(GPS)が掲載されています。操縦していた飛行機(試作機)が墜落して負傷した 「私」(キャロライン・ポール)が退院して自宅に帰った1カ月後に、双子姉弟のティビィが姿を消した。友人たちがチラシを方々に貼り、近所中に聞き込みをする。「私」 も藁に縋る思いで、怪しげな女超能力者に行方を訊いたり、動物保護施設を訪ねたけれど全く手懸かりなし。同居する女友達のウェンディと悲嘆に暮れる日々だったが、5週間後に突然ティビィが帰って来た。ところがティビィは家で食事をしない。不審に思った「私」は真相解明するために猫用追跡装置(GPS)や猫用カメラ(キャットカム)を首輪に付けるのだった‥‥最後のページに泣かせる言葉があります。

  • 「ティビア / 1994-2012 / とてもいい猫だった」
  • by sknys (2024-06-01 14:16)

  • b ハルノ宵子『隆明だもの』
  • 『隆明だもの』は未読(註:後日読了)ですが、『それでも猫は出かけていく』(2014) 、『猫だましい』(2020)、『猫屋台日乗』(2024)などは読みました。乳がん(片乳全摘出)、大腿骨骨折(人工股関節置換手術)、大腸がん(腹腔鏡手術)、脱腸で入院しても動じない、七転八倒というか抱腹絶倒の最強(猫・病・食)エッセイです(少女マンガも読んだことがあります)。「ま◯こからう◯こ」 なんて、ハルノさんにしか書けません。

  • 折々のねことば sknys 042

    「イヤ! お母さんは出ていかなくていい。私がこのコを連れて出ていくから」
    ハルノ 宵子

  • ある夏の月夜、著者は隣の墓地で真っ白い子猫を拾う。「馬尾神経症候群」 という障害を持っていた。尻尾の脊髄損傷は先天性のものではなく、何らかの事故によるものと思われた。自由に動き回れるけれど、排泄のコントロールが出来ない。「おしっこ・ウンコタレ流し!」 だった。父親(吉本隆明)は「いや〜‥‥オレも尿モレだから、捨てろとは言えないなぁ」と容認するも、潔癖性の母親は猛反対。猫を飼うのならば出て行くと、常套手段を繰り出した。"支配する母" には長女も父親も屈服せざるを得なかった。今まで幾度となく挫折して来たが、この時は未知の力に押されるように、思いもよらぬ言葉が口を衝いたという。少女マンガ家の猫エッセイ『それでも猫は出かけていく』から。
    2015・1・21

    by sknys (2024-06-07 20:46)

  • b レトロなポップソング ──《Here In The Pitch》(City Slang 2024)Jessica Pratt
  • 1stアルバム《Jessica Pratt》(Birth 2012)からのファンです。彼女のデビュー・アルバムを世に出すだけのためにレーベルを作ったというエピソードが泣かせます。4thアルバムは 「LAのヒッピー時代の終焉」 にインスパイアされている。ハッピーな 「夢のカリフォルニア」 にならなかったのは 「ダークサイドを象徴する人物に取り憑かれた」 結果だという。「あなたが歌いたいと思っていること、それは知っている曲なのです」 というレナード・コーエンの言葉をインナーに引用しているように、どこかで聴いたことのあるような妖しく懐かしいメロディの 「催眠的フォーク」(hypnagogic folk)。全9曲・27分、見開き紙ジャケ仕様。タワレコで輸入CD(City Slang)を購入しました。
    by sknys (2024-06-17 12:15)

  • b セントラルパーク1981のサイモン&ガーファンクル
  • 昔TVで視たことがあります。〈Feelin' Groovy〉で観客が異常に盛り上がるのはマリファナ・ソングだから?‥‥猫画家スーザン・ハーバート(Susan Herbert 1945–2014)を偲んで、英ザ・ガーディアン紙が 「史上最も狂った猫クイズ」(The Craziest Cat Quiz Ever 2015)を作りました(註:〈クレイジー・キャッツ・クイズ〉からの抜粋。全14問・4択クイズです)。

    Graduate-Susan-Herbert.jpgGraduate-Simon-Garfunkel.jpgThe Graduate © 2015 The Estate of Susan Herbert


    《参考》
    「キャット・クイズ」 が面白すぎたので、「15問目」 を自作してみました。
    by sknys (2024-06-28 12:12)
  • b 上州御用 登利平・八ッ場ダム ── MIMIちゃん
  • 「ダムはムダ」かどうかは兎も角、建設に何十年もかかるので、雇用を生む経済的な効果があるそうです。でもダムが完成した途端に仕事を失って無職になっちゃうとか?‥‥山岸凉子さんも愛猫ケイトちゃんと一緒に旅行していましたよね。「猫ジャケ」 をゲットしました。モデルのミミ(Mimi)ちゃんがアルバム・タイトルになっています。黒猫でなかったのは残念ですが。 by sknys (2024-07-03 22:24:19)

  • b 加藤和彦・前田祥丈『あの素晴しい日々』
  • 早川義夫の『女ともだち』(ちくま文庫 2024)と『海の見える風景』(文遊社 2023)を読んだところです。フォークルがカヴァしたのは〈からっぽの世界〉ですね。〈不思議な日〉は学生時代にコピーしました。ネヴィル・シュートの『渚にて』がモチーフになっているので、核戦争後の世界でしょうか?‥‥キーはA#mですが、トノバンはギター(Martin D-45?)の弦を半音下げて、Bmで弾いているようです。今は 「YouTube」 で弾き方を教えてくれる良い時代になりました。 by sknys (2024-07-09 20:34)

  • b CAETANO VELOSO■CAETANO VELOSO(1986)
  • 〈《シルクラドー》がない。不味いアイス、マイナカード、ラグるし〉という回文を先月作りました。
    『「教授」 と呼ばれた男』(筑摩書房 2024)の中に、「モレレンバウムは、ボサノヴァの創始者アントニオ・カルロス・ジョビンのバンドの元メンバーで、坂本龍一とアート・リンゼイがプロデュースしたカエターノ・ヴェローソのアルバム『シルクラドー』(Circulado 1991)のレコーディングで知り合った」 という記述がありました。アルバムを聴きたくなって部屋中を探してみたけれど、なかなかアルバム(CD)が見つからないので、(YouTube Music)で手速く試聴しました。〈Fora Da Ordem〉で「新世界の無秩序」と日本語で歌っているのはカズ・マキノ(Blonde Redhead)さんです。
    「冷凍庫の片隅で凍っていたハーゲンダッツは不味いし、マイナンバー・カードの申請も手続きの遅延で諦めた。まさに 「新世界の無秩序」(out of new order)ではないかしら?」
    by sknys (2024-07-25 20:15)

  • b J・D・サリンジャー『ナイン・ストーリーズ』
  • サリンジャーも 「バートルビーと仲間たち」(エンリーケ・ビラ=マタス)の1人ですね。教授と同じく 「若白髪」 だったので、ホールデン君には親近感があります。『ナイン・ストーリーズ』は旧訳しか読んでいませんが。
    『異邦人』や『ペスト』は高校時代に読みました。『最初の人間』(新潮社 1996)にも感激しました(サッカー少年だったのね)。カミュの悪筆を読める(判読出来る)人が1人だけいたというエピソードも凄いなぁ!
    K**早紀の〈異邦人〉は〈悲しき天使〉のパクリじゃないの?
    by sknys (2024-08-01 20:35)

  • b 2024年上半期 洋楽ベスト5
  • 上半期(2024 So Far)の一推しは、Still House Plants(SHP)の《If I Don​’​t Make It, I Love U》(Bison 2024)。スネア、バスドラ、ハイハットだけのドラムス、胸に抱えた左利きストラトキャスター、そしてJess Hickie-Kallenbachのソウルフルなヴォーカルに圧倒されるポスト・ロック。オレンジ色のレヴァを押すとCDがスライドするトリガー・ケース(e-slimcase)仕様。
    「The Quietus Albums of the Year So Far 2024」 第8位。《Double Negative》(Sub Pop 2018)で泣いた野田努(ele-king)、『「教授」 と呼ばれた男』(筑摩書房 2024)を書いた佐々木敦(X)も絶賛しています。
    by sknys (2024-08-04 12:41)

  • b デ・キリコ展
  • 「会場限定」 という惹句に誘惑されて、「ギュリコ缶バッジ RD」 を購入しちゃいました。ギュリコ(G. D. Gurico)こと、猫画家ヒグチユウコの〈形而上絵画に潜むギュスターヴたち〉はデ・キリコの〈不安を与えるミューズたち〉の中に 「ギュスターヴくん」(蛇手・蛸足の猫キャラ)が入り込んだパチモン ・アートです。
    「山田五郎 オトナの教養講座」 でも参照している長尾天の『ジョルジョ・デ・キリコ』(水声社 2020)は必読にゃん!
    by sknys (2024-08-10 13:22)

  • b パリ・オリンピック!
  • パリ五輪閉会式でアンジェル(Angele)さんが歌いましたね。オバマ氏の 「夏のプレイリスト」 にビリー・アイリッシュ(Billie Eilish)の〈Chihiro〉が入っています。「あんたも好きねぇ」(古っ!)みたいな。
    by sknys (2024-08-14 23:48:47)
  • b 百年の孤独1
  • 「本の雑誌 4月号」 の特集 「マジックリアリズムに酔い痴れろ!」 の予想通り、ガブリエル・ガルシア=マルケスの『百年の孤独』(新潮社)が翻訳刊行から52年の時を経て、6月に初文庫化されました。単行本や全集版も出ているのに、なぜか売り切れ店続出という異常事態になっちゃった。特別仕様の金スピン(紐栞)ということで売れているのかしら? 今でも不思議に思っていることがあります。手許にある『百年の孤独』(1999)の表紙カヴァがレメディオス・ヴァロの〈螺旋の路〉(Spiral Transit 1962)だったこと。作中にはレメディオス・モスコテ、レメディオス(小町娘)、レナータ・メレディオスという3人の女性が登場するけれど、メキシコに亡命したスペインのシュルレアリスム画家との関係はないのに。 トマス・ピンチョンの『競売ナンバー49の叫び』(サンリオ文庫 1985)の表紙に〈大地のマントを織り紡ぐ〉(Embroidering The Earth's Mantle 1961)が使われたのには真っ当な理由がありました。メキシコ・シティで開催されていた 「レメディオス・ヴァロ絵画展」 で〈大地のマントを織り紡ぐ〉を観たエディパ・マースが泣くのだから。デ・キリコの〈愛の歌〉を画集で見たルネ・マグリットが涙を流したように。『V.』も文庫化して欲しいな。 by sknys (2024-08-27 12:00)

  • b 挫折したあの日へ還り、あえてハードカバーで読んでみた 『百年の孤独』G・ガルシア=マルケス
  • 『百年の孤独』(新潮社 1999)の表紙にレメディオス・ヴァロの〈螺旋の路〉(Spiral Transit 1962)が使われていた理由がやっと分かりました。文字通り 「昇天」 したレメディオス(小町娘)はマルケスのヴァロへのオマージュだったんです。

  • また1967年にはガブリエル・ガルシア・マルケスの有名な本『百年の孤独』が出版されました。その本についてどこにも言及されていないのですが、裸で純真無垢に歩き回り、すべての男性を恋に落とす美女レメディオスのキャラクターは画家レメディオス・ヴァロにインスピレーションを受けており、彼女の絵画やパス〔引用者註:オクタビオ ・パス〕の詩のように、彼女は本から姿を消し、高みに持ち上げられ、目に見えない旅に向かって風に運ばれます。アンパロ・セラーノ・デ・ハロ 「レメディオス・ヴァロの作品における言葉と絵画」


  • by sknys (2024-08-29 18:36)

                        *

    ブログ記事に付けた「外コメント」を纏めてみたら結構面白いかも?‥‥というアイディアから生まれた再録シリーズの第75集です。コメントは原則としてオリジナルのまま時系列順に転載。事実誤認(誤記)や誤字・脱字、改行の無効化、句読点や記号・顔文字の有無などを精査。内容の分かり難いコメントには補足説明(註)をして、コメントした元記事にリンクしました。過去3ヵ月間(2024・6・1~8・31)に書いたものの中から、第三者がコメントだけ読んでも面白いものを中心にセレクトしています。「折々のねことば」 は朝日新聞朝刊一面に連載中のコラム 「折々のことば」(鷲田清一)の猫ヴァージョン。スーザン・ハーバートの猫名画は映画 「卒業」(The Graduate 1967)のパロディ。今日から顧みると、主人公は元祖ストーカーで、しかも 「母娘(おやこ)丼」 いただき男子ベンちゃんという、とんでもない鬼畜ストーリー。S&Gの〈Mrs. Robinson〉は今聴いてもカッコ良いけれど。翻訳刊行から52年の時を経て6月に初文庫された『百年の孤独』(新潮社 2024)が売れまくっていますが、表紙は単行本(1999)を踏襲したレメディオス・ヴァロにして欲しかったなぁ。

                        *


    ロスト・キャット 愛と絶望とGPSの物語

    ロスト・キャット 愛と絶望とGPSの物語

    • 著者:キャロライン・ポール(Caroline Paul)/ ウェンディ・マクノートン(Wendy MacNaughton)/ グレッグ・ジェンカレッロ(訳)/ 明子・ジェンカレッロ(訳)
    • 出版社:講談社
    • 発売日: 2018/01/17
    • メディア: 単行本(ソフトカヴァ)
    • 目次:ティビィ失踪 / 超能力者にすがる / 動物保護施設通い / ティビィの帰還 /「ティビィ追跡作戦」開始 / GPSの線 / キャットカムに写ったものは / ティビィのごちそう / 猫語を習得する / フィビィの急変 / ニャンコの悲しみ / ペット捜査官たち / 新しい地図 / 残酷な真...

    隆明だもの

    隆明だもの

    • 著者:ハルノ 宵子
    • 出版社:晶文社
    • 発売日:2023/12/12
    • メディア:単行本(ソフトカヴァ)
    • 目次:じゃあな!/ 父の手 / eye / 混合比率 / ノラかっ / 党派ぎらい / 蓮と骨 / あの頃 / 小さく稼ぐ / めら星の地より / お気持ち / ヘールボップ彗星の日々 / ギフト / 空の座 / 花見と海と忘年会 / '96夏・狂想曲 / 幻の機械 / 魂の値段 / 境界を越える / ボケるんです !/ 非道な娘 / 片棒 / 銀河飛行船の夜 / 蜃気楼の地 / Tの悲劇 / 孤独のリング / 科学の...

    名画の中のネコ: ネコ好きに贈るファンタジー

    名画の中のネコ ネコ好きに贈るファンタジー

    • 著者:スーザン・ハーバート(Susan Herbert)
    • 出版社:河出書房新社
    • 発売日:2018/08/10
    • メディア:単行本
    • 内容:ネコがアートの主役になった!ルネサンス絵画や印象派、ラファエロ前派の傑作、そして映画黄金時代の名作をネコで再現! 著者のスーザン・ハーバートは、さまざまな名画、オペラ、映画の場面を題材に、魅力的なネコたちを使って、楽しく、かつ品がある作品を生む水彩画家です。ダヴィンチの『モナリザ』、ゴッ...

    Mimi

    Mimi

    • Artist: Corridor (Rock)
    • Label: Sub Pop
    • Date: 2024/04/26
    • Media: LP / Audio CD
    • Songs: Phase IV / Mon Argent / Jump Cut / Caméra / Chenil / Porte Ouverte / Mourir Demain / Pellicule

    形而上絵画に潜むギュスターヴたち

    形而上絵画に潜むギュスターヴたち

    • アーティスト:ヒグチユウコ(G. D. Gurico)
    • 販売:ボリス雑貨店
    • 発売日:2024/06/01
    • メディア:ギュリコ缶バッジ 3種(BK / RD / GR)
    • 内容:アーティストのヒグチユウコさんが、本展のためにアートワークを描きおろしました。デ・キリコの《不安を与えるミューズたち》からインスパイアされた作品に、ヒグチさんの絵本に出てくる「ギュスターヴくん」が描きこまれています。描き下ろしのアートワークを使用した缶バッジが3種類登場します

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