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F A V O R I T E ー A L B U M S 1 2 [f a v o r i t e s]

  • GOAT GIRL (Rough Trade 2018) Goat Girl


  • 英サウス・ロンドン出身の女性4人組のデビュー・アルバム。「山羊少女」というバンド名は米コメディアン、ビル・ヒックスのネタ「Goat Boy」に由来する。いわゆるポスト・パンクで、ロッティ・クリーム(Clottie Cream)の気怠いヴォーカルと隙間の多い音像空間はThe Slits、グランジ風のギター・サウンドはPJ Harveyを想わせる。全19曲・40分。見開き紙ジャケ仕様。4つ折りカード入り。アルバム・カヴァはミゲル・カサルビオス(Miguel Casarrubios)のアクリル画 240



  • AMERICAN UTOPIA (Nonesuch 2018) David Byrne


  • 《Grown Backwards》(2004)以来、14年振りのソロ・アルバム。全10曲中8曲をBrian Eno、2曲をDaniel Lopatin (OPN)と共作。EnoプロデュースのTalking Headsや2人名義の《Everything That Happens ...》(2008)を想わせる作風で、ワールド・ミュージック色は薄まった。《Love This Giant》 (2012)でコラボしたSt. Vincentなど、女性の参加もない。表現主義化した谷内六郎みたいなパーヴィス・ヤング(Purvis Young)のカヴァ・アートがタイトルを逆照射 239



  • ALL NERVE (4AD 2018) The Breeders


  • Kim Deal(Ex-Pixies)率いるバンドの10年振りの5thアルバム。Kelly Deal(Kimの双子姉妹)、Josephine Wiggs、Jim MacPhersonという2ndアルバム《Last Splash》(1993)と同じ4人編成。リル・バブちゃんは「ケリー・ディールが次のシングルを私にプロデュースして欲しいという噂がある」とアルビニにギャグを飛ばしていたが、アルバム・タイトル〈All Nerve〉、Amon Duul IIの〈Archangel's Thunderbird〉、〈Skinhead #2〉の3曲をSteve Albiniが録音している 238



  • RECOMECAR (Independente 2017) Tim Bernardes


  • サンパウロのロック・バンド、オ・テルノ(O Terno)を率いるチン・ベルナルデス(Tim Bernardes)の1stソロ・アルバム。優柔なヴォーカルとギター、ピアノ、メロトロン、鉄琴(Metalofone)、ドラムス、パーカッションなどにヴァイオリン、クラリネット、コントラバス、サックス、ハープなどが優雅に奏でられるソフィスティケートされたソフト・ロック。オープニングの〈Abertura (Recomeçar) 〉はインスト。全13曲・44分、デジパック仕様。6つ折り歌詞カード付き 237



  • PLUNGE (Rabid 2017) Fever Ray


  • スウェーデン・ストックホルムのエレクトロ姉弟デュオ、ザ・ナイフ(The Knife)のカリン・ドレイヤー(Karin Dreijer)による2ndソロ・アルバム。赤眼の金髪ショート女性の顔に血糊でペインティングしたようなカヴァに、「FEVER RAY」というソロ・プロジェクト名が隠されている。ゴシック風の気味悪さに覆われた不穏なエレクトロ・ポップだが、スキンヘッド女が主演するPVはマシュー・バーニー(Matthew Barney)を想わせるほど悪趣味である。6つ折り歌詞ポスター付き 236



  • IN THE MAGIC HOUR (Yap Roc 2016) Aoife O'Donovan


  • イーファ・オドノヴァンは米マサチューセッツ・ニュートン生まれのSSW。アメリカーナと称されるサウンドだが、プログレの風味もある。デビュー・アルバム(2013)は《Fossils》という自嘲的な笑みを伴うタイトルだった。少女時代の写真をカヴァに使った2ndアルバムの限定盤はBruce Springsteenの〈Nebraska〉、Joni Mitchellの〈You Turn Me On, I'm A Radio〉のカヴァなど6曲入りアクースティックEPを同梱。見開き3面紙ジャケ仕様、歌詞ブックレット(12頁)付き 235



  • BEST OF FRANCE GALL (Universal 2015) France Gall


  • 全21曲を収録したフランス・ギャルのベスト盤。日本でヒットした〈夢見るシャンソン人形〉(Poupée de cire, poupée de son 1965)など13曲はモノラル録音だが、物議を醸した〈アニーとボンボン〉(Les sucettes 1966)や〈ティニー・ウィニー・ボッピー〉(Teenie Weenie Boppie 1968)など8曲はステレオ・ヴァージョン。英語版ブックレット(16頁)はライナーノーツとカラー・フォト、国内盤は日本語訳解説・歌詞・対訳付き。カヴァ画像はアナログ盤(2017)です 234



  • CRACK-UP (Nonesuch 2017) Fleet Foxes


  • Josh Tillman(Father John Misty)の脱退(2012)と4年の活動休止(2013-16)を経てリリースされた3rdアルバム。Robin Pecknoldには苦悩や葛藤があったはずだが、6年間の空白を埋め合わせるように〈I Am All That I Need / Arroyo Seco / Thumbprint Scar〉は前作《Helplessness Blues》(Sub Pop 2011)の〈Grown Ocean〉が終わったところから始まる。〈Crack-Up〉までの11曲・55分は壮大な組曲のようだ。W紙ジャケ仕様、歌詞ブックレット(20頁)付き 233



  • MASSEDUCTION (Loma Vista 2017) St. Vincent


  • 豹柄のレオタードにピンクのタイツと紅いハイヒールを履いたAnnie Clarkが尻を向けて誘惑する5thアルバム。アップビートから〈Dear Prudence〉風にクールダウンする〈Pills〉。日本人女性が「政権の腐敗」とシュプレヒコールを挙げるタイトル曲〈Masseduction〉。デジタル・ビートに歪んだギターが乗った〈Los Ageless〉‥‥カヴァを兼ねた4つ折りポスター入り(プラケースの表裏にアーティストとタイトルを記した透明シールが貼ってあるだけで、バック・インレイはない)232



  • REST (Because 2017) Charlotte Gainsbourg


  • シャルロット・ゲンズブールの5thアルバム。SebastiAnのプロデュースでエレクトリック色が濃い。作曲はSebastiAn(シンセ、ベース、ピアノなど)で、全歌詞(英・仏語)は彼女自身が書いている。異父姉のKate Barryを追悼した〈Kate〉、Guy-Manuel de Homem-Christo(Daft Punk)のタイトル曲〈Rest〉、Paul McCartney(ギター、ピアノ、ドラムス)の〈Songbird In A Cage〉など、全11曲・46分。シークレ ット・トラックは愛児が歌う 「きらきら星」(ABCの歌) 231



  • UTOPIA (One Little Indian 2017) Bjork


  • 《Vulnicura》(2015)に引き続いて、Arcaが全面参加した9thアルバム。痛ましい胸の疵(裂け目)が額に花開いたジェシー・カンダ(Jesse Kanda)のカヴァ・アートが強烈無比。アルバムを聴く前に、このアートワークに直面するリスナーの人間性が問われてしまう。中島らもの「DECO-CHIN」の女性版「DECO-MAN」でしょうか。フルートやハープ、チェロなどが優雅に奏でられる桃源郷‥‥全14曲・72分。「Special Edition」(3面紙ジャケ仕様)は9折りポスターを封入 230



  • MOUNTAIN MOVES (Joyful Noise 2017) Deerhoof


  • 14thアルバムは多彩なゲストを迎え、カヴァも収録。一見纏まりのない散漫な印象を持つかもしれないが、Juana Molinaが悲鳴を上げる〈Slow Motion Detonation〉、「ミュートで」 というイタリア語のタイトルの〈Con Sordino〉、聴衆に罵倒されたボブ・ディランが放った言葉をタイトルにした〈Come Down Here & Say That〉、松崎里美がスペイン語で歌ったチリのフォルクローレ音楽家Violeta Parraの〈Gracias A La Vida〉‥‥鹿蹄の揺るぎない立ち位置が鮮明に見えて来る 229



  • OUT IN THE STORM (Merge 2017) Waxahatchee


  • ワクサハッチー(Waxahatchee)は米アラバマ・バーミングハムで結成されたKatie Crutchfieldのソロ・プロジェクト。4thアルバムはKatie Crutchfieldとギター、ベース、ピアノ、ドラムスなどのバンド編成で、双子姉妹のAllisonもキーボードで参加。写真家ダニエル・シェア(Daniel Shea)の撮ったポートレイトは耽美風だが、USインディ・ロックである。ハスキーなヴォーカルがサウンドに陰影をつけている。全10曲 ・33分。デジパック、歌詞ブックレット(12頁)付き 228



  • CHERRY (Italians Do It Better 2017) Chromatics


  • アナウンスから3年近く経っても一向にリリースされる気配のない《Dear Tommy》に痺れを切らしたファンも少なくない中、LP《Cherry》(2016)がデラックス・エディションとしてCD化された。12インチ《Lady》の収録曲などを追加した全18曲・77分。New Order〈Ceremony〉のカヴァも紛れ込んでいる。紙ジャケ仕様で、歌詞・ブックレットなどは付いていない。アルバム(CD)としては破格の安さですが、「レーベル・サイト」では$3.00(DLは$1.00)で売られている 227



  • OKOVI (Sacred Bones 2017) Zola Jesus


  • 元のレーベルに戻って、サウンドも初心に返ったZola Jesus (Nika Danilova)の5thアルバム。ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、ダブルベースという弦楽編成はポスト・クラシカルだが、強烈なビートはエレクトロ・ポップ。アルバム・タイトルの「Okovi」はスラブ語で「拘束」という意味。〈Soak〉「Didoの〈Here With Me〉を想起させるビートとチェロ・コンボの向こうへ、ダニロワはオフィーリアとヴァージニア・ウルフの伝統に身を投げて、彼女らしく死に踏み込む」 226



  • VEM (Sony Music 2017) Mallu Magalhaes


  • 女児を出産して母親になったというブラジル・サンパウロ生まれのSSW、Mallu Magalhaesの4thアルバム。ジョルジュ・ベンジョール風の〈Você Não Presta〉〈São Paulo〉、シングル・カットされた〈Casa Pronta〉‥‥〈Culpa do Amor〉などの乾いたサーフ・ギター・サウンドはMarcelo Cameloと結成した3人組、Banda Do Mar(海のバンド)の延長線上にある。英語詞1曲を含む全12曲。ショッキング・ピンクに横顔が映えるデジパック仕様。12折りポスター・歌詞付き 225



  • SLOWDIVE (Dead Oceans 2017) Slowdive


  • 2014年1月に再結成した英レディング・バークシャー出身の5人組による22年振りの4thアルバム。ノイジーなギターやシンセの驟雨から聴こえて来る囁くような男女ヴォーカルはシューゲイザーの王道。シングル・カットされた美メロの〈Sugar For The Pill〉、サウンドとヴォーカルが渾然一体となって疾走する〈Everyone Knows〉、目頭が熱くなるくらい美しい〈Go Get It〉‥‥ノイズが低周波マッサージのように強ばった躰を解きほぐし、ヴォイスが荒んだ心を優しく愛撫する 224



  • MENTAL ILLNESS (SuperEgo 2017) Aimee Mann


  • エイミー・マンのヴォーカル、ベース、ギター、パーカッション。彼女のデュオ・プロジェクト(The Both)のTed Leoによるバック・ヴォーカル。ギター、ドラムス、ピアノ、ハーモニウムという編成に弦楽四重奏が加わるアクースティック・サウンド。「心の病」というアルバム・タイトル、アンドレア・デジョー(Andrea Dezsö)のキモ可愛いイラスト・カヴァ、アイルランドのツアー中にインスタで見た友人のネコの写真に触発された〈Goose Snow Cone〉のPVも胸に沁み入る 223



  • POWERPLANT (Anti- 2017) Girlpool


  • Girlpoolは米ロサンゼルスのインディ・ポップ・デュオ。2ndアルバムはCleo Tucker(ギター、ヴォーカル)、Harmony Tividad(ベース、ヴォーカル) の2人にMiles Wintner(ドラムス)が加わってトリオ編成になった。シューゲイズ風のギターに魅了される〈Sleepless〉、牧歌的なフォーク・ロックから轟音ギター・ノイズへ豹変する〈Corner Store〉‥‥優しげなヴォーカルとギター・サウンドが心地良い。全12曲・28分。収録時間が短いのはパンク〜DIY精神の顕われかも? 222



  • BRAZIL (White Sun 2017) JFDR


  • アイスランドの双子姉妹の片割れ、ヨフリヅル・アウカドゥッディル(Jófríður Ákadóttir)ちゃんがソロ・デビュー。JFDR名義のアルバムはフォーク・デュオのPascal Pinonやエレクトロ・ポップ・トリオのSamarisとも異なるアート・ポップ。アルバム・カヴァの「藤壷の化石」や「Brazil」というタイトルは謎ですが、ヴェール(網状のマスク)で顔を覆ったヴィジュアルや〈White Sun〉〈Airborne〉などのPVからはミステリアスな妖美さも感じられる。Bjorkも注目する女の子です 221


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    コメント 2

    ふじにぃ

    こないだ偶然Pascal Pinonのライヴ映像をYoutubeで観ました。シアトルのラジオ局KEXPのライヴ映像だったと思う。あそこのラジオ局のライヴで採り上げられているものはそのまま米国の音楽シーンの今である気がしています。あと米国ものではTiny Desk Concertが個人的にはツボです。
    by ふじにぃ (2017-06-25 02:00) 

    sknys

    KEXPのライヴ映像を観ました。
    向かって右の女の子がヨフリヅルちゃんです。
    https://www.youtube.com/watch?v=RDCHaAmL9e4

    Tiny Desk Concertはボブ・ボイレンのデスクで行なうライヴなのね。
    Aimee Mannのライヴを視聴しました。
    〈Goose Snow Cone〉のネコちゃんが可愛かったので^^
    https://www.youtube.com/watch?v=XgYT7zB3w5M
    by sknys (2017-06-25 19:47) 

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