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F A V O R I T E ー A L B U M S 1 9 [f a v o r i t e s]

  • I LOVE YOU JENNIFER B (Rough Trade 2022) Jockstrap380


  • Black Country New RoadのGeorgia Ellery(ヴォーカル、ヴァイオリン)がギルドホール音楽演劇学校で出会ったTaylor Skye(プロダクション)と結成した男女デュオ、Jockstrap (男子用局部サポーター)が1stアルバムをリリースした。ストリングスとグリッチ・ノイズが渦巻くエレクトロ・ポップ。映画監督エディ・ウィーラン(Eddie Whelan)と共に撮った〈Concrete Over Water〉のMVは凝っている。全10曲・44分。ソフト・ケース仕様、2つ折りカードとステッカー封入



  • FLORIST (Double Double Whammy 2022) Florist379


  • FloristはNYブルックリンのインディ・フォーク・バンド。セルフ・タイトルの4thアルバムは宅録風インスト曲とヴォーカル曲を挿み込んだ構成。2014年、Emily Sprague(ヴォーカル、ギター)の初期のソングライティングは喪失から生まれたという。自転車走行中の轢き逃げ事故で重傷を負い、数年後に母親を亡くした。言葉のないアンビエントから〈Spring In Hours〉〈43〉〈River's Bed〉〈Sci-Fi Silence〉などが安らぎとして立ち現われる。全19曲・59分。デジパック仕様



  • MOONBURN (Joyful Noise 2022) Tropical Fuck Storm378


  • 同郷のCourtney Barnettも気に入っている豪州アート・パンク・バンドの4曲入りEP。〈Moonburn〉はGareth Liddiard (ギター)が作詞・作曲したバラード。Fiona Kitschin(ベース)が歌う〈Ann〉はThe Stooges、〈Heaven〉はTalking Headsのカヴァ。〈Aspirin (Slight Return)〉は2ndアルバム《Braindrops》(2019)収録曲のアクースティック・ヴァ ージョン。フィジカル(CD)をゲットしたい「猫ジャケ」なのだが、カセットと7インチのみのリリースなのが惜しまれる



  • AIR (Forever Living Originals 2022) SAULT377


  • Inflo(Dean Josiah Cover)は6thアルバムで過去のSAULTを払拭する。ファンク、ソウル、ヒップ・ホップ、ダブなどを封印したビートレス。メンバーのLittle Sim、Cleo Sol、Kid Sisterも参加していない。〈Time Is Precious〉1曲だけに歌詞がある。ミュージック・コンフェクショナリー合唱団とオーケストラによるブラック・ミュージック。全7曲・45分。デジパック仕様。黒一色で覆われた無愛想で素気ないSAULTにしては珍しく、インナー左面にカラー・イラストが描かれている



  • SUSPENSO (Carimbo Porta-Jazz 2022) Manuel Linhares376


  • ポルトガル・アゾレス諸島オルタ生まれのジャズ歌手マヌエル ・リニャレス(Manuel Linhares)の3rdアルバム。Antonio Loureiro(シンセ、ドラムス)のプロデュース、Alexandre Andrés(フルート)やFrederico Heliodoro(ベース)も参加している。Manuelの優しげなハイ・トーン・ヴォイスと12人編成のラージ・アンサンブル(Coreto Porta Jazz)と新ミナス派の融合は限定紙ジャケ(19.4cm)のように、ポルトガルからブラジルに渡るスケールの大きさがある。全9曲・52分



  • HELLFIRE (Rough Trade 2022) black midi375


  • 3人組となったポスト・パンク・バンドの3rdアルバム「地獄の業火」はデヴィッド・ラドニック(David Rudnick)の禍禍しいカヴァ・コラージュが死と死後の世界を表徴する。高速フリージャズやプログレなどが渾然一体となった目まぐるしい展開、動と静の激しい落差に戸惑うかもしれない。Cameron Pictonのフラメンコ〈Eat Men Eat〉やトロピカリア〈Still〉もあるが、Geordie Greepのヴォイスはパンクだ。全10曲・39分。三面デジパック仕様、歌詞ブックレット(24頁)付き



  • HEAVEN, WAIT (Akira 2022) Ghostly Kisses374


  • Ghostly Kissesはカナダ・ケヴェック出身のSSWマルゴー・ソーヴェ(Margaux Sauvé)のプロジェクト。名前はウィリアム・フォークナーの詩 「喪われた女たちのバラッド」(Une Ballade des Femmes Perdues 1920)の一節(And brush my lips with little ghostly kisses)から採られている。いわゆるウィスパー系のドリーム・ポップだが、全曲英語で歌っている。儚げなヴォイスは「霊的な接吻」のように、リスナーの罅割れた口唇に触れる。全10曲・36分。見開き紙ジャケ仕様



  • CREASE (Constellation 2022) Kee Avil373


  • Kee Avilは加モントリオールのギタリスト兼プロデューサ、ヴィッキー・メトラー(Vicky Mettler)のソロ・プロジェクト。1stアルバムのタイトルは 「皺」(crease)。カヴァ・ポ ートレイトの彼女の顔は目鼻口を描いた透明マスクで覆われている。Arto Lindsay風のノイズ・ギターが炸裂する〈See, my shadow〉はラヴ・ソングなのかという質問に 「ハナカマキリのように、恋人の頭を噛みちぎるロマンス小説のサントラならば」 と答えている。全10曲・36分。見開き紙ジャケ仕様



  • POMPEII (Mexican Summer 2022) Cate Le Bon372


  • ケイト・ル・ボン(Cate Le Bon)はウェールズ・カーマーゼンシャー生まれのSSW、プロデューサ。6thアルバムはサムール・クージャ(Samur Khouja)と共同プロデュース。コロナという 「中断のない真空」(uninterrupted vacuum)の中でのレコーディング。ドラムス(Stella Mozgawa)とサ ックス以外の楽器(ギター、ベース、シンセ、ピアノなど)を1人で演奏している。彼女のハイトーン・ヴォイスに抱擁される全9曲・43分。見開き紙ジャケ仕様、4つ折りポスター付き



  • I AM A GEM (Dox 2022) Marta Arpini371


  • マルタ・アルピーニは1994年イタリア生まれ、現オランダ・アムステルダム在住のSSW。《Forest Light》(2019)はジ ャズ・ヴォーカル・アルバムだったが、2ndはAndy Shauf、Elliott Smith、Dirty Projectors、Adrianne Lenkerなどからインスピレーションを得たインディ・フォークに、ジャズ・テイストを加味した多彩なアレンジで愉しませる。ドリーム・ポップっぽい〈The Same Way〉、3ヴァージョン収録した〈Frogs〉など全10曲・36分。9つ折りポスター・歌詞付き



  • SEMENTE CRIOULA (Independente 2021) Leopoldina370


  • ブラジル・ミナスのSSWレオポルディーナ(Leopoldina)の2ndアルバム。「クレオール種子」 というタイトルは新ミナス派というよりも、ノルデスチまでを含めた広がりがあり、ステ ィール・ギターやアコーディオン、ウクレレなどを混じえたアクースティック・サウンドは南米からカリブ海を渡って北米まで飛来する。全12曲・49分、見開き三面紙ジャケ仕様。歌詞ブックレット(28頁)にはギター・コードと画家でもある彼女自身が描いた各曲をイメージしたイラストも添えられている



  • SUPERNOVA (Marshall 2022) Nova Twins369


  • 2014年英ロンドンで結成された双子新星はAmy Love(ベース)とGeorgia South(ヴォーカル、ギター)による女性デ ュオ。2ndアルバムはラップ / ヒップホップ、ノイズ、インダストリアル、パンクなど、ライオット・ガルーなミクスチャ ・ロックが大爆発。鉄拳、バイオハザード、ウンジャマ・ラミーみたいなMV〈Choose Your Fighter〉にキュン死。ビッチ風コスチュームやヘアスタイルもインパクト大。全11曲・31分。見開き紙ジャケ仕様、歌詞ブックレット(16頁)付き



  • GLOWING UP (Epitaph 2022) The Linda Lindas368


  • 2018年米ロサンゼルスで結成されたアジア・ラテン系女子4人組のパンク・バンド。メンバー全員が十代(11~17歳)という若さなのに、ライオット・ガルーの遺伝子は継承されている。Eloise Wongが絶叫する〈Racist, Sexist Boy〉。LA公立図書館のライヴでは、最年少のMila de la Garzaが「Bikini Kill」のTシャツを着ている。〈Nino〉は年長のBela Salazarの飼っているシャム猫。Lucia de la Garzaが歌う〈Growing Up〉のMVには彼女たちの猫4匹も登場する。全10曲・26分



  • SOMETIMES, FOREVER (Loma Vista 2022) Soccer Mommy367


  • Sophie Allisonの3rdアルバムはDaniel Lopatin(OPN)がプロデュースしている。この変貌ぶりは激肥りした体型以上の驚きである。彼女とレトロフューチャリストとの邂逅は刺戟的で胸躍る。「散弾銃の弾が発砲されるのを待っている」 と歌う〈Shotgun〉 、Portisheadを想わせる耽美的な〈Darkness Forever〉、シューゲイズギターの壁に覆われる〈Don't Ask Me〉、ダビーな重低音が響く〈Unholy Affliction〉など全11 曲・43分。ジュエルケース、歌詞ブックレット(16頁)付き



  • TWO RIBBONS (Transgressive 2022) Let's Eat Grandma366


  • 英イーストアングリア・ノリッジ出身の女性デュオ、婆喰い娘の3rdアルバム。Rosa WaltonとJenny Hollingworthの2人は一心同体だった「双子座」の二重螺旋から「2つのリボン」に結ばれて解れる。2019年の米ツアー前夜に、Jennyの恋人Billy Clayton(21歳)を骨肉腫で亡くしたことが反映されているが、過去3年間に彼女たちの体験した出来事を綴ったというアルバムは溌剌としたエレクトロポップへと変化している。全10曲・39分。見開き紙ジャケ仕様、4つ折りポスター付き



  • VERSIONS OF MODERN PERFORMANCE (Matador 2022) Horsegirl365


  • 2019年、米シカゴ・イリノイで結成された10代トリオはThe Linda Lindasの姉貴分という感じ。元々は4人組だったが、ベースが抜けたことで、Penelope Lowensteinが6弦ベースを弾くようになった。Gigi Reece(ドラムス)は長身、Nora Cheng(ギター)は東洋風の顔立ち。〈Anti-glory〉はSonic Youth風のポスト・パンクである。〈Beautiful Song〉にLee Ranaldo(ギター)、〈Billy〉にはSteve Shellyもゲスト参加。インスト3曲を含む全12曲・34分。見開き紙ジャケ仕様



  • WATERSLIDE, DIVING BOARD, LADDER TO THE SKY (Secretly Canadian 2022) Porridge Radio364


  • 英ブライトンで結成されたポスト・パンク・バンドの3rdアルバム。タイトルとアートワークは英シュルレアリストのアイリ ーン・エイガー(Eileen Agar)のコラージュに触発されたという。ダナ・マゴリン(Dana Margolin)が「愛されたくない」と執拗に繰り返す〈Birthday Party〉、「あなたほど私を悲しませるものはない」 と歌う〈Jealousy〉、ギター弾き語りのタイトル曲など、ノンタイトルのイントロを含む全13曲 ・44分。三面見開き紙ジャケ仕様、4連綴り歌詞カード付き



  • KIND OF GLUE (Ultra Gash 2022) Alex Antunes & Death Disco Machine363


  • サンパウロのポスト・パンク・バンドAkira S & As Garotas Que Erraramのリード・シンガー、アレックス・アントゥネスによる1stアルバム。Fausto Fawcett、Sandra Coutinho (Mercenárias)、Fabio Golfetti(Gong)、Ana Deus (3 Tristes Tigres)、Kodiak Bachine(Agentss)などがゲスト参加。パンク、ファンク、ディスコ、ジャズ、エレクトロが渾然一体となったコラージュ・サウンドは刺戟的。全14曲・44分。3連綴りスリーヴ、ジャケ・ステッカー3種封入



  • MOTOMAMI (Columbia 2022) Rosalia362


  • ロサリア(Rosalia Vila Tobella)ちゃんの3rdアルバムは挑発的なカヴァにキュン死。インナーにもヌードが満載されている。黒い防護マスク・コスプレはコロナ禍の救世主「けっこう仮面」みたい。〈Chicken Teriyaki〉〈Hentai〉〈Sakura〉など、日本文化を想起させるタイトル曲もある。ヒップホップ / ラップ色も濃厚で、エレクトロ・フラメンコ、レゲトン、デンボウ(Dembow)など、アフリカ系カリブ海音楽のリズムが爆発する。全16曲・42分。歌詞ブックレット(20頁)付き



  • MiiRROR (Gloo 2021) BABii361


  • BABiiことデイジー・ワーン(Daisy Emily Warne)は英ケント・マーゲイトを拠点に活動するヨークシャー生まれの学際的アーティスト。2ndアルバムのカヴァには本人と思しき少女とドラゴンのイラストが描かれている。「綿菓子で作ったチェインソーのようなサウンド」 と称されるフューチャー・エレクトロ・ポップはRPGやファンタジー・ノヴェルを想わせる。〈DRiiFT〉〈BRUiiSE〉〈VOiiD〉のように 「i」 を「ii」 と2つ重ねるのがBABii流の表記。全10曲・42分。デジパック仕様


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