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F A V O R I T E ー C A T S 1 4 [f a v o r i t e s]

Ann 2020
プレハブ小屋やフェンスで囲われた資材置き場が撤去されて元の姿を取り戻したI袋駅前公園に行くと、顔馴染みの三毛ネコがいた。少なくともアンちゃんだけは健在だったことに安堵する。仮設小屋の設置が原因なのかどうかは不明だが、公園内のネコたちの個体数が減ったことは明らかだ。アンちゃんと仲良しで良く戯れ合っていた白黒ネコの姿が消えたから久しい。一段高い植込みの縁に腰かけると、少し逡巡してから膝の上に乗 って来た。飼いネコだから膝の上に乗るとは限らない...#511


Ken 2020
I袋駅前公園に設置されていたプレハブ小屋が漸く撤去された。ただでさえ鰻の寝床のように細く長い公園を占拠したことで見晴しが悪くなって、遮蔽・圧迫感も増した。人々が憩う公園としての機能が失われてしまったのだ。ネコたちの遊び場も制限されて生き難くなったのかと思いきや、ちゃっかり囲いの中に入り込んでいた。ネコにとっては雨風を凌げる絶好の避難場所なのかもしれない。「天井の低さが致命的‥‥」という男性の話を聞いて、東口と西口を横断する地下通路「ウ...#510


Mis 2020
三毛ネコのミスちゃんが毛繕いしているところを撮った。後肢を前方に投げ出して座るのは「スコ座り」と呼ばれるスコティ ッシュ・フォールド特有のポーズである。ネコ離れしていて可愛いと思っている人も少なくないけれど、「スコ座り」 は遺伝性の軟骨異状(遺伝性骨軟骨異形成)と関係があるらしい。四肢で体重を支えようすると痛いので、この姿勢をとるという。日本では解剖学者・養老孟司先生の愛猫まるが有名だが、世界的には新種のネコとして認めないという動きもある。...#508


Skny 2019
「新型コロナウイルスの感染拡大防止」をするために、都内の区立図書館は軒並み「休館」してしまった。「サービス一部休止」 と告知しているけれど、図書館内の書架への立ち入り禁止 、新聞や雑誌などの閲覧も出来ないので事実上の休館である。ネットや電話で「予約した資料の受け取り」は出来る。ところが先夜の都知事による「外出自粛要請」を受けて、今週末(3/ 28~29)の来館は控えるようにという図書館からの通達があ った(その間の予約資料の取置期限や返却期限は一定...#506


Pino 2019
自分で撮るまで分からなかったことだが、快晴の日よりも薄曇りの方が良い写真が撮れる。明るければ明るいほどシャッター ・スピードが速く、動く被写体もブレ難くなる。しかし、それが必ずしも良い写真になるとは限らない。ネコは暗くなると瞳孔が開いて、少女マンガのヒロインのように黒目が大きくなる。写真としては暗くて解像度も落ちているのに可愛いく写る。もっと明るいレンズを使えば良いのだが、単焦点レンズは兎も角、ネコ撮りのズーム・レンズはデカくて重くて...#505


Toko 2019
良く似た兄弟姉妹ネコだが、コトは鼻筋が白く、トコは茶色い。軒先で撮ったコトはオレンジ色の洗濯カゴ、駐輪場で撮ったトコは車輪の大きさが子ネコの小ささを際立たせている。面白いことに子ネコが無邪気に戯れつくと、親ではない成ネコの方がビックリして逃げてしまう。1年前は自分が子ネコだったのに、もしかしたら子ネコ時代の記憶がないのかもしれない。2匹が仲睦まじく外で遊んでいたのは僅か1カ月程の期間だった。ジャクソン・ブラウンも歌っていたように 「マジ...#503


Koto 2019
子ネコを撮るのは難しい。小さくてピントを合わせ難い。瞳の輪郭も暈けている。外界のあらゆるものに興味があるのか、子ネコは好奇心で溢れている。動作も敏捷で、自由気儘に動き回る。岩合光昭写真集『こねこ』(クレヴィス 2019)を見ても 、瞳にピントの合っている子ネコの写真は意外に少ない。母ネコと一緒に寛いでいる写真や子ネコ同士で遊んでいるショットが多い。同じ子ネコの写真集でもレイチェル・ヘイルがスタジオで撮った『S M I T T E N』(グラフィック社 200...#502


Ban 2019
ネコは一体何を考えて生きているのだろうか。ヒトならば学業や仕事、人間関係や体調・健康面での悩みごと、趣味や遊びなどの愉しみに思いを巡らす。独身者ならば友人や恋人のこと、専業主婦ならば子供や夫のこと、あるいは今夜の夕食のメニュ ーを思案しているかもしれない。ネコの本能ならば食事と性愛だろうか。種族繁栄の営みは兎も角、ネズミや小鳥など、生きるために野性の獲物を捕えない都会のネコたちは飼いネコやノラネコに関わらず、ヒトから提供される食料が命綱で...#500


Domino 2019
民家の玄関前にいることの多い茶トラ。唐草模様のリボンと金色の鈴と小判のチャームが付いた「猫に小判唐草模様」、可愛い縁飾りのあるエプロン風の首輪‥‥定期的に首輪が新調されているのは飼主に可愛がられている証しでもある。オレンジ色の新しい首輪も明るい茶色の毛並みに似合っている。ドミノち ゃんは人懐っこく、自ら近寄って来ては足許でスリスリする。両前脚を内に曲げた「うらめしや」のポーズも超可愛い。近くにはT区図書館が併設されている「I袋さくら公園」...#498


Swan 2019
「猫の目のように変わる」という慣用句はネコの黒い瞳孔が明暗によって細くなったり丸くなったりすることに由来する。「 女の心は猫の眼」 という諺もある。「猫の目」 は「物事が目紛しく変化しやすいことの喩え」として使われるが、黒い瞳の色が変わるわけではない。ところがネコの目(ヒトの白眼部分)は金、碧、緑、橙、黄色‥‥など千差万別。エメラルドやサファイアなど、美しい宝石のようにキラキラと煌めく。白、黒、茶 、灰色の毛並みよりも多彩で変化に富む。しかも周囲...#496


Ao 2019
往来する多くの老若男女、密集する飲食・歓楽街、軒を連ねる家並み、狭い道路を走る自動車や自転車‥‥都会は環境も景観も悪く、ネコたちが日々生活するには不向きで、写真もインスタ映えしない。人混みやゴチャゴチャした人工物の少ない田舎や、海外の風光明媚なところで暮らすネコを撮りたいと切に思う。ところが殺風景な都会(23区内)をネコ歩きしていて、不思議な「ナニコレ珍百景」に出遭ってしまうことがある。たとえば2年2年前に撮った「黄色い人と茶虎ネコ」‥‥ゴ...#494


Ani 2019
ジョージ・オーウェルの『動物農場』(1945)をコミック化した石森章太郎の『アニマル・ファーム』(1970)に登場するネコはスノウボールのスパイと看做されてナポレオンのイヌたちに咬み殺されてしまうが、原作では搾取される動物たちの群れから姿を消して生き延びたようだ。「すべての動物は平等である」という動物主義の七戒は「すべての動物は平等である。だが一部の動物は他よりもっと平等である」というスローガンに掏り替えられてしまう。「一部の動物」とは指...#493


Sen 2019
S石図書館のエントランス前に三毛ネコが寝ている。近所の民家で飼われている老齢ネコなのだが、毎日欠かさず図書館へ通 って来るという。猛暑の夏場でも冷房の効いた図書館内に入ろうとはしない。リードに繋がれた犬ならば、図書館から出て来る主人を待っていると分かるけれど、図書館前のセンちゃんが人待ちしているようには見えない。頻繁に出入りする利用者たちも意に介さない。顔見知りの人が近寄って柔らかな毛並みを撫でるとニャーと鳴く。子供たちに手荒く弄られても...#491


Satsuki 2019
先日通ったことのない細い裏道から都電沿線に出ると、民家の前に三毛ネコが座っていた。初対面だったので挨拶して写真を撮っていたら、隣家の住人が「ミーちゃんは飼主だけにお手をする」と教えてくれた。ネットには招き猫みたいに片手を上げて飼主とハイタッチする「ネコ動画」などもアップされているが、ネコを躾けて芸を仕込むのは難しい。「お手」と言って、掌を目の前に出しても無反応。舌でペロペロと舐めてくれるだけ。ネコの柔らかくてプニュプニュした肉球をで掴む...#489


Ron 2019
連日の猛暑で注意力が散漫になっていたのか、デジカメのレンズキャップを無くしてしまった。キャップだけならば今までに何度か紛失したことがあるけれど、今回はプロテクト・レンズごと落としてしまった。首から下げているミラーレス・カメラ(NEX-5N)から散歩中に脱落したのだから気づきそうなものだが、何時何処で落としたのか全く分からない。高温でレンズの捻じ切りが膨張して緩んだのだろうか。8年間も使用して来たので、今さらレンズキャップやプロテクト・レンズ...#488


Elle 2019
「人間は約9500年前にネコを飼い始めたとされ、現在世界中で6億匹が一緒に暮らしている」‥‥J智大研究チームの実験によると「飼い猫は人間の言葉の中から自分の名前を聞き分けている」(朝日新聞 2019・4・5)という。中央図書館裏の遊歩道にいる長毛種のロン(仮名)ちゃんは名前を呼ぶと必ず駆けて寄って来るのに、少し離れたところに暮らすエルちゃんは知らんぷり。そもそも何という名前で呼ばれているのか分からないのだが、この日は偶然ネコおばさんが運んで来た...#486


Hun 2019
茶トラのレイや三毛のマープルの暮らしている地域に新入りネコが加わった。黒白のハチ割れネコちゃんは小柄なのに血気盛んで勇ましい。写真を撮ろうとして近づくと、足早に逃げて行く。そのまま尻尾を巻いて去って行く小心者なのかと高を括っていたら、急に引き返して来た。何とネコパンチを一発喰らわしに戻って来たのだ。捨てゼリフならぬ、捨てパンチである。「ネコ通り魔」と称すべきかもしれない。ところがネコの鍵爪が手の甲に食い込んで抜けない。その時の困惑したよ...#484


Bal 2019
シャッター音にもビクッと躰を震わせるほど敏感でセンシブルなバルちゃん。何度も通っているので顔を覚えてくれたのか、近寄って来て躰を撫でさせてくれるようになった。同じように逃げ回っていたチビ三毛も先日初めて擦り寄って来て、ブロガ ーの足に頭をスリスリするではないか。やっと馴れてくれたのかと感慨一入だったが、一番興味を惹かれるのはネコがヒトに対した時の態度‥‥その場に留まるのか、逃げ去るのか、近寄るのかの判断を一体どのように行なっているのかとい...#482


Soran 2019
お気に入りのネコ・カレンダーを作るとしたら、黒ネコのソラン、長毛種のロン、白茶のソン、茶トラのレイ、三毛ネコのアン、スコティッシュ・フォールドのミス‥‥などの常連ネコたちが12カ月を飾るでしょう。春は桜、夏は海、秋は紅葉、冬は雪‥‥という風に四季の移ろいを反映させたいけれど、季節感の乏しい都会では難しい。どの月にどのネコ写真が入るかは未定ですが、5月だけはサバトラのサツキ(皐月)ちゃんに決ま っています。ちなみに「CALENDAR」にネコ写真を使...#479


Gaku 2019
ガングロ・サビネコのガクちゃんはタクシー運転手の飼っていたネコだった。大柄で大人しい性格で、近づいても逃げ去ったりしない。被写体としては理想的なネコだった。最近見かけなくなったなぁと気に懸けていたら、裏手のアパートに住んでいた「運転手がネコを置いて引っ越してしまったので、今は私が室内で飼っている」と民家の女性が話してくれた。座敷ネコになったので、滅多に外に出ることはない。もう撮る機会はないのかと残念に思っていた。ある日家の前を通りかかる...#478

                    *
  • 〈ネコ・ログ〉のダイジェスト版「FAVORITE - CATS」の第14集です

  • 〈ネコ・ログ〉の中から、お気に入りのネコちゃんを20匹ずつ紹介して行きます

  • ポラロイド風のサムネイル(ネコ写真)をリニューアルしました(2021-03-09)
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写真集 ねことじいちゃん

写真集 ねことじいちゃん

  • 著者:岩合 光昭
  • 出版社:クレヴィス
  • 発売日:2018/12/18
  • メディア:単行本(ソフトカバー)
  • 内容紹介:動物写真家・岩合光昭の初監督映画「ねことじいちゃん」の写真集が出来ました。 本作は、監督・岩合光昭が撮りおろしたスチールフォトを掲載。 映画をご覧になっていない方も楽しめる内容となっており、 「ねことじいちゃん」が暮らす島を巡るような、写真集「ねことじいちゃん」の世界観をお楽しみ下さい

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