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猫のジョナス [c a t 's c r a d l e]



  • やめたほうがいいわ。さ、なまけものの姉さん、荷物を少し持ってちょうだい。ネコはどこ?」/「あなたが遅いから、ちょうちょを追いかけていってしまったわ。卵を買ってきてくれた? 言うのを忘れていたんだけど」/「もちろん。お昼は芝生で食べましょうよ」/ あたしは小さいころ、コンスタンスを妖精のお姫さまだと思っていた。よくコンスタンスの似顔絵を描こうとしたものだ。長い金色の髪と、クレヨンで出せる限り青い目を描き入れ、両方の頬にはピンクの点をつけた。絵ができあがるといつもびっくりした。なぜってコンスタンスはほんとうにそんなふうに見えたからだ。いちばんみじめだったときにも、コンスタンスはピンクと白と金色で、その輝きを弱めるものは何一つないようだった。姉さんはいままでずっと、あたしの世界の中で何よりたいせつな人だった。あたしは姉さんのあとを追ってやわらかい草の上を横切り、姉さんが育てている花の横を通り過ぎて、屋敷の中へ向かった。するとあたしのネコ、ジョナスが花の中から現れ、あとからついてきた。
    シャーリイ・ジャクスン 『ずっとお城で暮らしてる』


  • ◆ 日常生活の冒険(新潮社 1971)大江 健三郎
  • 「ぼく」は二歳年下の友人・斎木犀吉からバスケットに入っているオレンジ色の縞猫(歯医者という名前)とヴァイオリンや夏服、潜水用具などを詰め込んだトランクを預かる。斎木犀吉は横浜から東支那海へ海賊の宝を探しに行くという船に乗り込むが、突然銃撃されて沈没、漂流していたところを香港の巡視船に救助された。中国からの避難民と看做されて九竜のキャンプに収容される。ドイツの博愛家(旧アナーキスト)に救い出されてホテルの20階で療養していたが、同性愛の性関係を暗示されたため、自ら娼婦を買って性病に感染した。ヨット《バクーニン支持者号》に乗って日本に帰還する際に、香港で貰った猫(牙医)を柳のバスケットに入れて一緒に連れて来た。「ぼく」 は四国の谷間にある実家まで歯医者を運んで、祖父に預けた。青年小説家の「ぼく」が北アフリカの架空都市ブージーのホテルの浴室で首吊り自殺したモラリスト斎木犀吉の冒険を物語るパセティックな青春小説である。

  • ◆ 猫のまぼろし、猫のまどわし(東京創元社 2018)東 雅夫(編)
  • アンソロジー・レストラン「山猫軒」の妖猫譚フルコース。アペリティフ(食前酒)は別役実の 「猫」。「パート1 猫町をさがして」 は萩原朔太郎の 「猫町」、アルジャーノン・ブラックウッドの 「古い魔術」、江戸川乱歩のエッセイ 「猫町」 「萩原朔太郎と稲垣足穂」、日影丈吉の掌編 「喫茶店 「ミモザ」 の猫」、つげ義春の 「猫町紀行」。「パート2 虚実のあわいニャーオ」 は萩原朔太郎の 「ウォーソン夫人の黒猫」、エリオット・オドネルの 「支柱上の猫」、池田蕉園の 「ああしんど」、泉鏡花の 「駒の話」、岡本綺堂の 「猫騒動」、柴田宵曲の 「化け猫」、未達の 「遊女猫分食」。「パート3 怪猫、海をわたる」 は怪猫絵巻 「鍋島猫騒動」、上原虎重の 「佐賀の夜桜怪猫伝とその渡英」、A・B・ミッドフォードの 「ナベシマの吸血鬼」 「忠猫の話」、レ ・ファニの 「白い猫」、花田清輝のエッセイ 「笑い猫」。お口直しのデザートは澁澤龍彦訳シャルル・ペローの 「長靴をはいた猫」。東雅夫シェフの「おまかせ料理」なので、怪猫ホラー味が濃い。悪酔いや食当たりに注意してね。

  • ◆ 月夜の森の梟(朝日新聞出版 2021)小池 真理子
  • 愛の夫(藤田宜永)に先立たれた作家は喪に服して1年、亡き伴侶との過去の記憶や現在の心境を綴る。朝日新聞日曜版「be」に1年間連載されたエッセイ52篇を収録。亡夫に纏わるセピア色の追憶や思慕の中で、夫妻と暮らした猫たちが印象派の明るい絵画のように点描される。夫の遺した介護ベッドで寝る2匹の飼い 「猫たち」。道先案内する茶トラ「猫のしっぽ」を軽く握って、誰もいない森の中を散歩したこと。突然食事をしなくなった飼い猫を連れて行った「動物病院にて」見た幻影‥‥「帰路、燦々と降り注ぐ春の陽差しを浴びながら、私は忘れかけていた深い幸福に酔いしれた」。夫への愛情が湖のように深いだけに、喪失感も涸れた井戸のように空虚だ。「愛と死」 は表裏一体。「愛」 は月夜のように輝くけれど、「死」 は暗い月の裏側に隠れている。霧深い森の彼方から聞こえて来る精霊のようなLiz Harrisの儚いヴォイスのバックグラウンドで梟が鳴く。本書のBGMとして最も相応しいのはGrouperの《Shade》(Kranky 2021)ではないだろうか。

  • ◆ ねこは るすばん(ほるぷ出版 2020)町田 尚子
  • 家族が出かけた後、あなたの飼い猫が大人しく留守番していると思ったら大間違い。人間たちが出て行くのを窓から確認した茶トラは部屋のクローゼットの中に入って樹洞から出る。そこは「ナルニア国」ならぬ、ニャルニア(猫町)だった(「私」 やアーサー・ヴェジンが迷い込んだ萩原朔太郎やアルジャーノン・ブラックウッドの妖しき「猫町」ではないので、読者は兎も角、ネコたちの振る舞いに異和感はない)。コーヒー・ショップで喉を潤し、ヘア ・サロンで毛並みを整え、書店で本にスリスリする。映画館、釣り堀、回転寿司、バッティング・センター、銭湯、公園‥‥家族のいない 「休日」 を満喫したネコは家に戻り、何事もなかったように玄関の前で主人の帰宅を待つ。野性味溢れる「猫町」の茶トラと、愛くるしいペットの対比が鮮やかに描かれている。

  • ◆ ねこの絵集(グラフィック社 2016)ブリティッシュ・ライブラリー(編)
  • ブリティッシュ・ライブラリー所蔵(1170~1936)のキャット・アート・コレクション。「中世の時祷書、動物寓話集、風刺漫画・おとぎ話やイソップ物語の挿絵、インドをはじめとするアジアの写本絵など、8世紀にわたって描かれてきたねこたちを紹介」 している。アーサー・ラッカム、スタンラン、ギュスターヴ・ドレ、セシル・アルディン、ケイト・グリーナウェイ。ヴィクトリア朝の猫画家ルイス・ウェインは表紙を含めて9点掲載。「長靴をはいた猫」や「チェシャ猫」など、全120点を収録している。グウィネズ・ハドソンの 「アリスとダイナ」(Alice & Dinah 1922)は100年前に描かれたとは思えない麗しさ。エドワード・トップセル、エラズマス・ダーウィン、チャールズ・ディケンズ、ジュール・ベルヌ、ミシェル・ド・モンテーユ、パーシー・ビッシュ・シェリー、ルディヤード・キプリング、ジェロ ーム・K・ジェローム、P・J・ウッドハウス、サキ、テオフィル・ゴーティエ、シェイクスピアなどの有名な「ねことば」も添えられている。

  • ◆ ネコ・ロマンチスム(中央公論新社 2022)吉行 淳之介(編)
  • 原本(青銅社 1983)に内田百閒の「ネコロマンチシズム」を追加した増補文庫版。全13篇中、星新一のショート・ショート 「ネコ」、小松左京の近未来デストピア 「猫の首」、萩原朔太郎の白日夢ファンタジー「猫町」は他のネコ・アンソロジーに収録されたこともある定番ネコ短篇。冒頭の梶井基次郎 「愛撫」、倉橋由美子 「恋人同士」、金井美恵子 「海のスフィンクス」 の並び、前半の宮沢賢治 「猫の事務所」、別役実 「猫貸し屋」、後半の芥川龍之介 「お富の貞操」、谷崎潤一郎 「ドリス」、吉田知子 「猫」 など、39年前に編まれたとは思えないほど、編者・吉行淳之介の慧眼が光っている。「猫貸し屋」 はNHKの幼児番組「おはなしこんにちは」に書き下ろした不条理童話で、うら若い田島令子がTVで朗読していた。「ドリス」 は米映画女優P嬢から友人のAを介して譲り受けた波斯猫ドリスを溺愛する語り手(彼)が亜米利加の雑誌広告や倫敦から取り寄せた「家庭的愛玩猫」から延々と引用する異色作。「猫踏んじゃった」 を実妹(吉行理恵)のネコ小説に差し替えれば完璧だったかもしれません。

  • ◆ 猫の街から世界を夢見る(東京創元社 2021)キジ・ジョンスン
  • 「猫の街から‥‥」という邦題(原題:The Dream-Quest Of Vellitt 2016)が紛らわしいけれど、萩原朔太郎の「猫町」やルイス・ウェインの「キャットランド」のようなネコ・フ ァンタジーではない。ウルタール大学女子カレッジの学生で、大学理事の娘クラリー・ジュラットが「覚醒する世界」から来た「夢見る人」スティーヴン・ヘラーと駆け落ちしてしまう。クラリーは愛情深い神の孫娘だった。夢の国を去ったことを知った祖父がウルタールを憤怒、復讐、報復、絶滅させるかもしれない。数学教授ヴェリット・ボー(55歳)が彼女を連れ戻すために黒猫と共に長い旅に出る。若い頃の彼女は広大な夢の国(六王国)を冒険した「遠の旅人」だった。ズーグ、グール、ガースト、ガグ族など、異形の獣たちが跋扈する夢の国はH・P・ラヴクラフトの〈クトゥール神話〉を下敷きにしている。焔の神殿の神官ナシュトや元恋人ランドルフ・カーター(イレク=ヴァド王)の援助、命を助けたガグ族(地底の穴に落ちて竹杭に貫かれていた幼子)の警護を得て、現実世界(米ウイスコンシン)へ辿り着き、モンタナ州マイルズ・シティにいるクラリーと邂逅する。

  • ◆ ずっとお城で暮らしてる(東京創元社 2007)シャーリイ・ジャクスン
  • メアリ・キャサリン・ブラックウッド18歳(通称メリキャット)は姉のコンスタンス(コニー)、伯父のジュリアン、飼い猫のジョナスと共に母親の生家で暮らしている。村で一番美しいロチェスター屋敷では6年前、両親ジョンとルーシー、弟トマス、伯母ドロシーの4人がブルーベリーにかけた砒素入りの砂糖で毒殺されるという惨劇が起きていた。ディナーを作ったコニーが殺人容疑で逮捕されたが、裁判で無罪となって釈放される。それ以来、村人たちは悪意に満ちた噂を立て、2人の姉妹は屋敷に隠れ住むようになった。週二回、村へ買い物に出るメリキャット(あたし)は子供たちに「メリキャット お茶でもいかがとコニー姉さん / とんでもない 毒入りでしょうと メリキャット」と囃し立てられるのだ。妹は「魔女」となって美しい姉を邪悪な訪問者たちから護っていたが、ある日曜日、従兄チャールズ(父親の兄アーサーの息子)が屋敷を訪れたことで、姉妹の隠遁生活に亀裂が生じる‥‥ジョナスは人間たちの醜悪な笧に巻き込まれることなく、ネコらしく自由気儘に生きています。

  • ◆ 猫たちの世界旅行(日本放送出版協会 1993)ロジャー・テイバー
  • 英ナチュラリスト・生物学者による大型ネコ本。邦題からは地理的な広がりのある「ネコ紀行記」を想わせるが、原題は「ネコの増大」(CAT The Rise Of The Cat 1991)。ネコと人間の関わりを神聖化された古代エジプトのミイラから、魔女の使い魔として迫害された中世ヨーロッパのネコ、ペットとして愛玩されるようになった現代英米の飼い猫までの歴史を簡潔に辿る。「ネコの社会システム」 と 「世界各地の品種」。カラー写真(48頁)やモノクロ図版も豊富で愉しい(ルイス・ウェインの〈ナプスベリーお茶会〉も掲載)。30年前に出版された本なので、イエネコの祖先が砂漠地帯で暮らす野生のリビアヤマネコであるというゲノム解析による最新の研究成果は反映されていない。著者は屋内に閉じ込められるようになったアメリカのネコたちの未来を憂うけれど、今日では逆に推奨されている。人間に依存するネコとネコに従属する人間‥‥ネコと人間の親密な関係をアップデートしたのがアビゲイル・タッカーの『猫はこうして地球を征服した』(インターシフト 2017)ではないかしら。

  • ◆ まる ありがとう(西日本出版 2021)養老 孟司
  • 2020年12月21日に永眠した愛猫まるの写文集。書き下ろしエッセイではなく、聞き書きを纏めたもので、まるの写真を撮った秘書・平井玲子のコラム「今日のまぁくん日和」4篇も挿み込まれている。ペットロス、実感信仰、ものさし、自足、多様性の否定など、まるの生き方を通して人間を観察する。「銀河鉄道999」 や「火の鳥 未来編」を引いて、ネコ(まる)を偲び、高度に進化したナメクジを憂う。「まえがき」 に《物事を理屈にすることに長年励んできた。80歳をじゅうぶんに超えてみると、馬鹿なことをしたものだと感じている。理屈で説明しようがしまいが、物事が変わるわけではない。その意味では、理屈にすることは一種の虐待であって、何に対する虐待かというなら、「生きること」 に対する虐待であろう》とある。養老先生の推薦文を載せたジョン・グレイの『猫に学ぶ』(みすず書房 2021)に通底する「猫のように生きなさい」というメッセージである。まるの写真(114枚)に映り込んだ養老先生の柔和な表情も印象深い。

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    • お気に入りのネコ本を10冊ずつ紹介する「猫のゆりかご」シリーズ第15集です^^

    • 『猫のまぼろし、猫のまどわし』『月夜の森の梟』『ネコ・ロマンチスム』『まる ありがとう』は再録(一部加筆・改稿)です

    • 『ずっとお城で暮らしてる』の「解説」で、桜庭一樹は今でもメリキャットに苛立っていると書いているけれど、アンファン・テリブルな語り手(あたし)に感情移入してしまう読者は無遠慮な村人や無神経で厚かましい伯父チャールズに苛立つのだ!

    • 一覧リスト〈猫ゆりすと(猫本 150)〉〈素晴しきネコ本の世界 2〉を更新しました
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    ねこは るすばん

    ねこは るすばん

    • 著者:町田 尚子
    • 出版社:ほるぷ出版
    • 発売日:2020/09/10
    • メディア:単行本
    • 内容:にんげん、でかけていった。ねこは、るすばん。とおもったら? 留守番の間に 、こっそり猫の街にでかけている猫の、知られざる世界。にんげん、でかけていった。ねこは、るすばん。とおもいきや? 猫だってカフェに行くし、身だしなみを整える。──あなたのしらない猫の世界。「ねこがおとなしく、るすばんしてるとおもうなよ」

    月夜の森の梟

    月夜の森の梟

    • 著者:小池 真理子
    • 出版社:朝日新聞出版
    • 発売日:2021/11/05
    • メディア:単行本
    • 目次:梟が鳴く / 百年も千年も / 猫たち / 音楽 / 哀しみがたまる場所 / 作家が二人 / 不思議なこと / 夜の爪切り / 光と化して / 降り積もる記憶 / 最後の晩餐 / 猫のしっぽ / 生命あるものたち / 喪うということ / あの日のカップラーメン / 金木犀 / それぞれの哀しみ / Without You / 先人たち / 亡き人の書斎 / 蜜のような記憶 / 三島と太宰 / 夢のお告げ / ...

    猫の街から世界を夢見る

    猫の街から世界を夢見る

    • 著者:キジ・ジョンスン(Kij Johnson) / 三角 和代(訳)
    • 出版社:東京創元社
    • 発売日:2021/06/30
    • メディア:文庫(創元SF文庫)
    • 内容:猫の街ウルタールの女子カレッジに大問題が起こった。学生のクラリーが“覚醒する世界"の男と駆け落ちしてしまったのだ。彼女の祖父である神が目覚めたら、街を灰燼に帰してしまう──かつて“遠の旅人"だったカレッジの教授ヴェリットは、クラリーを連れ戻すための長い旅に出る。ヒューゴー賞・ネビュラ賞受賞作「霧に橋を架ける」の著者がラ...


    ずっとお城で暮らしてる

    ずっとお城で暮らしてる

    • 著者:シャーリィ・ジャクスン(Jackson Shirley)/ 市田 泉(訳)
    • 出版社:東京創元社
    • 発売日:2007/08/25
    • メディア:文庫(創元推理文庫)
    • 内容:あたしはメアリ・キャサリン・ブラックウッド。ほかの家族が殺されたこの屋敷で、姉のコニーと暮らしている。悪意に満ちた外界に背を向け、空想が彩る閉じた世界で過ごす幸せな日々。しかし従兄チャールズの来訪が、美しく病んだ世界に大きな変化をもたらそうとしていた。“魔女”と呼ばれた女流作家が、超自然的要素を排し、少女の視線から人間...

    猫好きに捧げるショート・ストーリーズ

    猫好きに捧げるショート・ストーリーズ

    • 著者: ロアルド・ダール(Roald Dahl)/ アリス・アダムズ(Alice Adams)/ ...
    • 出版社:国書刊行会
    • 発売日:1997/11/01
    • メディア:単行本
    • 目次:賢いわたし / 猫を飼う / 二匹の猫と / 危機 / 猫が消えた / 土地っ子と流れ者 / シカゴとフィガロ / お気をつけて / 絵の中の猫 / つれあい / 漫画組曲 / 屍灰に帰したナッシュヴィル / 暴君エドワード / 屋根裏部屋の猫 / テッド・ローパーを骨抜きにする / 愛情 / フェリス・カトゥス / 老女と猫 / ラルフ / ふれあいは生き物

    ネコ・ロマンチスム

    ネコ・ロマンチスム

    • 編者:吉行 淳之介
    • 出版社:中央公論新社
    • 発売日:2022/04/20
    • メディア:文庫(中公文庫 よ 17-17)
    • 目次:愛撫 / 恋人同士 / 海のスフィンクス / ネコ / 猫の事務所 / 猫貸し屋 / 猫の首 / お富の貞操 / ドリス / 猫 / 猫町 / 猫踏んじゃった / ネコロマンチシズム / 解説・福永 信

    日常生活の冒険

    日常生活の冒険

    • 著者:大江 健三郎
    • 出版社:新潮社
    • 発売日:1971/08/27
    • メディア:文庫(新潮文庫)
    • 内容:たぐい稀なモラリストにして性の修験者斎木犀吉──彼は十八歳でナセル義勇軍に志願したのを手始めに、このおよそ冒険の可能性なき現代をあくまで冒険的に生き、最後は火星の共和国かと思われるほど遠い見知らぬ場所で、不意の自殺を遂げた。二十世紀後半を生きる青年にとって冒険的であるとは、どういうことなのであろうか? 友人の若い小説家が...

    猫たちの世界旅行 古代エジプトから日本まで

    猫たちの世界旅行 古代エジプトから日本まで

    • 著者:ロジャー・テイバー(Roger Tabor)/ 丸 武志(訳)
    • 出版社:日本放送出版協会
    • 発売日:1993/03/01
    • メディア:大型本
    • 目次:古代エジプトのネコ崇拝 / ネコがヨーロッパに来た / 魔女の使いから愛されるペットへ / ネコの社会システム / 原型のネコはタビー / 長い歴史をもつショートヘア / 西欧と中東のロングヘア / アジアのネコたち / 新しい品種 / 育種の行きすぎが何を招いたか / 人とネコのよい関係とは / ネコたち──かわいらしくしたたかな野生(伊澤 雅子)

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