F A V O R I T E ー V I D E O S 5 [f a v o r i t e s]
A New Wave - Sleater-Kinney (Sub Pop 2015)
2014年に再結成した米ワシントン・オリンピアの女性トリオが人気アニメ「ボブズ・バーガー」(Bob's Burgers)とコラボしたMV。3人の容姿は派手にデフォルメされているのに、2本のギター(レスポールとテレキャス)はリアルに描かれている。彼女たちがデビ ューしたのはニュー・ウェイヴの波が引いた後で、当時はライオット・ガルー(riot grrrl)と呼ばれていた。10年振りの8thアルバムはポスト・パンクという名に相応しい #100
Kim's Caravan - Courtney Barnett
デビュー・アルバム《Sometimes I Sit And Think, And Sometimes I Just ...》(Mom + Pop 2015)のハイライトでもあるグランジ風のクールで気怠いスロー ・ナンバー。Kim Gordonへのオマージュなのかどうか半信半疑だったが、2015年5月、地元の豪メルボルンで行なわれた「ライヴ・ヴィデオ」を見て嬉しくなった。Sonic YouthのTシャツ(レイモンド・ペテ ィボンの有名なアルバム・カヴァ)を着ている!#99
Mojo - -M- (Barclay 2012)
-M-(Matthieu Chedid)をセンターに、強面そうな不良中年ミュージシャン4人がキモい振りで踊るオフ ィシャルMV。このバカバカしい狂騒がロックンロールの真髄です。ヴィデオを撮ったのは女性映画監督のベリル・コルツ(Beryl Koltz)。サビが〈渚のシンドバット〉に似ているような気もするけれど。〈Mojo〉のような日常は、いつパリの街に戻るのかな? #98
Nina - Gustavito (Independente 2012)
陸橋を渡るニーナが写真をパラパラ捲ると、森で遊んだ記憶が生々しく甦る。謎の仮装パフォーマンス集団(グスタヴィトは案山子に扮装している)が草原を練り歩く。カーニヴァルやハロウィンのような非日常的な愉しさ。高速で巻き戻した後にオチもある。《So O Amor Constroi》(Independente 2012)のアルバム・カヴァはMVから採られている。ヒッピー風のグスタヴィトは学究的なミナス派の中では異端児です #97
Prisms Of Glass - Linda Perhacs (Asthmatic Kitty 2014)
女性監督ジェシカ・ハンドリー(Jessica Hundley)が撮ったMV。〈Prisms Of Glass〉というタイトル通りプリズムが光り輝く幻想的な室内でLinda Perhacsが歌い、3人の女性ダンサーが踊る。Linda Perhacsを真中に、Julia HolterとRamona Gonzalez(Nite Jewel)が左右横に並ぶカットには目頭が熱くなる。Lindaと2人の年齢差は親子どころか、祖母と孫娘くらい離れているのではないかしらと想像して‥‥ #96
Bailar Con Tu Sombra - Lucio Mantel (Lucio Mantel 2010)
2ndアルバム《Miniatura》(2010)に収録されていた曲のセルフ・カヴァ。Lucio Mantelのヴォーカルとギター、グロッケンシュピール、Ezequiel Borraのギタレレ(guitalele)とコーラスに、ロンロコ、チャランゴ、メロトロン、フルートという編成のオリジナルを弦楽四重奏(Cuarteto de Cuerdas)で新録。レコーディング風景をモノクロで撮っているだけの映像なのに何度見返しても、その麗しさに魅了される #95
Gatinha Manhosa - Adriana Partimpim (Sony Music 2010)
パルピンチンのシャム猫は抱かれるのが嫌い。ニャンと鳴き、彼女の胸から擦り抜けてベッドへ避難。ボール、人形、ミルク、お魚、宅配ピザ、ポップコーン、飴玉、ペロペロキャンディ、ネズミ、携帯ゲーム、エイリアン、紙幣、赤い風船、指輪、チューリップ‥‥玩具や食物で気を惹こうとするけれど、ネコは知らんぷり。堪忍袋の緒が切れたパルピンチンはラケットや爆弾、手錠、水鉄砲で、お仕置きしようとするが‥‥#94
O Superman - Laurie Anderson (Nonesuch 2007)
左手で握り拳、左腕で力瘤を作ったLaurie Andersonは危ない権力者を演じる。「愛」(love)→「正義」(justice)→「武力」(force)→「ママ」(Mom)という人類の歴史というか、戦争の無限ループ。25周年記念盤の《Big Science》はリマスターされただけでなく、〈O Superman〉のMV2種(flv. mp4)と同シングルのB面曲〈Walk The Dog〉2種(wav. mp3)がボーナス・トラックとして入っている #93
Mr. Frosty Man - Sufjan Stevens (Asthmatic Kitty 2012)
5枚組Xmasボックス第2集からのオフィシャルMV。母子に襲いかかるゾンビ軍団やサンタクロースを雪だるま(Frosty Man)が退治するはずなのに!‥‥ゾンビ映画や「バイオハザード」のパロディなのか、素朴で可愛いクレイ・アニメで、ここまでグロいスプラッタ・ホラーが作れることが大ショック。気持ち悪くて悪趣味なMVを公開するところがSufjan Stevensの真骨頂。幸福で愉しいだけがXmasじゃないって? #92
In The Same Room - Julia Holter (Rvng Intl. 2012)
Julia Holterは〈Our Sorrows〉でヴァージニア・ウルフの『The Waves』(1931)を引用する。「Then the others follow: one, two; one, two; one, two」 は教会の鐘の音‥‥「Birds are singing up and down and in and out all round us.」 は小鳥たちの囀り声 ‥‥『波』(みすず書房 1999)では、「ほら、つづけて鳴っているよ‥‥」 「あちらでもこちらでも、あたり一面、小鳥が囀っているわ」 と和訳しています #91
Tekken - Lili Rochefort Photoshoot Cosplay - Michelle Monique (2012)
対戦格闘アクション・ゲーム『鉄拳』シリーズの美人キャラ、エミリ・リリ・ロシュフォール(Emilie de "Lili" Rochefort)のコスプレ・メイキング映像。完成したミッシェル・モニーク(Michelle Monique)の作品はCGかと見紛うほどだが、リリ嬢に扮した2人のモデル、ジェン(Jen)とマッケンジー(Mackenzie)を撮った実写を加工している。アイドル顔のリリと前宙・側転・跳び蹴りのリリ‥‥あなたの好みは? #90
50 Words For Snow - Kate Bush (Fish People 2011)
Kate Bushがエスキモー(イヌイット語)に対抗して作ったというアルバム・タイトル曲です。「drifting、twisting、whiteout」 ‥‥彼女に急かされながら、ジョセフ・ユピック教授が雪を表わす50語を挙げて行く。聴きどころは42番目の「peDtaH 'ej chIS qo'」というクリンゴン語。ナレーションを担当したスティーヴン・フライも登場するプライヴェート・ヴィデオはオフィシャルMVではないけれど、良く出来ている #89
I've Been Waiting - Matthew Sweet (Zoo 1991)
左上腕部に「ラムちゃんのタトゥ」を入れているほどのジャパニメーション好きのMatthew Sweet。巨漢中年おたくも20年前はスリム体型の若者だった?‥‥このMVにもラムちゃんが登場するだっちゃ。一般には「パワー・ポップ」と呼ばれているが、彼のヴォイスやメロディはMichale Stipe(R.E.M.)に良く似ている。甘酸っぱく懐かしい青春ギター・ポップ・サウンド。12弦ギターの華やかな響きがByrdsっぽいね #88
Strawberry Fields Forever - The Beatles (Apple 1967)
映画『Magical Mystery Tour』(1967)がTV放映された際にメディアから酷評されたのは当時ミュージック・ヴィデオという概念がなかったから。このMVも逆回転再生や二重写しによってサイケデリックな映像を作り出している。当初は《Sgt. Pepper's ...》に収録される予定だったが、〈Penny Lane〉と両A面でシングル・リリースされたために、米編集盤《Magical Mystery Tour》のB面に収録された経緯がある #87
Savoy Truffle - The Beatles (Apple 1968)
大の甘党で歯痛に苦しんでいたEric Claptonを皮肉った曲。creme tangerine、montelimat、pineapple heart、ginger sling‥‥など、歌詞の大部分はタイトルも含めて、友人が食べていたラウントリ ー・マッキントッシュ製菓の「グッド・ニュース」というチョコレートの箱の蓋の裏に書かれていた名前から採られている。甘いチョコばっかり食べていると虫歯になっち ゃうよ!‥‥ 「食は人なり」 というブラス・ロック #86
岩合光昭さん、土佐の猫を撮る!- 日本国憲法前文お国ことば訳 (小学館 2010)
『日本国憲法前文お国ことば訳』は日本全国各地の方言で憲法前文(正文)を平易に読み替えた訳文とネコ写真のコラボ本。その表紙を動物写真家・岩合光昭が撮り下ろしたメイキング・ヴィデオ。モデルは高知県香南市のニラ農家主婦・山猫母の飼い猫・弥哉ちゃん(11歳)。「怒っちゃったかもしれない」‥‥世界の岩合さんもネコには気を遣う。おネコさまを撮る時は嫌われないように低姿勢。上から目線は厳禁です #85
London Calling - The Clash (Sony 1979)
東日本大震災後、脳内自動再生された回数が一番多い曲。歌詞はウロ覚えだが、"A nuclear error, but I have no fear"というサビの一節だけは30年以上経っても耳について離れない。強がっているように思えた歌詞が今は逆説的に聴こえて来る。1番のコーラスは "The ice age is coming, the sun is zooming in / Meltdown expected, the wheat is growing thin / Engines stop running, but I have no fear" #84
On My Way - Cocoon (Sober & Gentle 2007)
パンダって可愛いかなぁ?‥‥コアラの方が可愛くないか。可愛いさは大きさに反比例する。ネコが可愛いのは小さいから。ウィリアム・バロウズ爺さんも「小さいこと。ヒョウは可愛いというには大きすぎるし、危険すぎる」と書いている。Mark DaumailとMorgan Imbeaudの乗ったパンダの赤いプロペラ機も山肌に激突して墜落してしまう。「My Friends All Died In A Plane Crash」 というアルバム・タイトル通りに #83
Helpless - CSN&Y (Atlantic 1970)
D→A→Gという循環コードの名曲。《Deja Vu》に収録されたNeil Youngの代表曲の1つ。映画『いちご白書』の挿入歌としても知られる。〈Helpless〉の流れるシークエンスは80年代のMTV(プロモーション・ヴィデオ)を先取りするかのような美しさ。〈Down By The River〉〈The Loner〉〈Our House〉なども効果的に使われていた。イタリア版では「苺と血」(Fragole e Sangue)というタイトルだった? #82
Super Duper Rescue Heads !- Deerhoof (Polyvinyl 2011)
10thアルバム《Deerhoof Vs Evil》と連動して、アルバム収録曲のライヴ・ヴァージョンを全世界12都市の地域限定でストリーム配信(全曲試聴可能)している鹿蹄。マツザキ・サトミ(松崎里美)が主演したMV〈Super Duper Rescue Heads !〉は東京でオールロケされたという。監督は映像作家の大石規湖。1人パフューム(Perfume)みたいなサトミ嬢のぎこちない振つけに、TVの前のネコちゃんも吃驚にゃん? #81
*
- サイドバーに貼っているYouTubeのヴィデオを纏めて一覧表示しました。削除されたり、リンクを切られたりして視聴出来なくなる場合も想定されますが、御了承下さい
favorite-videos 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 / sknynx 316
- Artist: Deerhoof
- Label: Polyvinyl Records
- Date: 2011/01/25
- Media: Audio CD
- Songs: Qui Dorm, Només Somia / Behold A Marvel In The Darkness / The Merry Barracks / No One Asked To Dance / Let's Dance The Jet / Super Duper Rescue Heads! / Must Fight Current / Secret Mobilization
コメント 0