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ネコ・ログ #5 [c a t a l o g]

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♯37│クロ│飼い猫 ── 花の薫りに囲まれて‥‥
黒猫や白猫のスナップ写真は難しい。クビシロと同じ家で飼われているクロさんは用心深く(孫娘は恥ずかしがり屋と言っていた)、人馴れしていません。これ以上近づくと逃げられちゃう距離からのフラッシュ撮影。植え込みのグリーン、ピンクや黄色い花々が黒猫を際立たせています。ネコが花に惹かれるのは、その鮮やかな「色彩」ではなく「芳香」の方ではないでしょうか。〈Rose Petals, Incense & A Kitten〉という素敵な歌があります。オリジナルはThe Associationの曲ですが、Mr. Loveletter(Simon Turner)のカヴァー・ヴァージョンで愛聴しています。薔薇の花びらの薫りを嗅ぐのが好きなファニーな仔猫ちゃん。「ミャオ〜〜〜ン、ブルブルブル‥‥」という声色も入っている、猫好きには堪らない「ネコ・ソング」。機会があったら1度聴いてみて下さい。

♯38│サカ│飼い猫? ── 読書の邪魔しないでね!
「徹子の部屋」で写真家の岩合光昭氏がネコ写真の撮り方を披露していた。大切なのは猫とのコミュニケーション、猫にも猫の都合がある、お互いに打ち解けて仲良くなってから写真を撮らせてもらう‥‥流石にプロ・カメラマンのように道端に腹這いになって撮ったりはしないけれど、いつも心懸けていることと全く同じなので笑ってしまった。外国のネコ、日本全国ネコ写真撮影の旅、周囲の景色を撮り込んだネコ写真。サカちゃんは不思議ネコのゼナと同じく都電沿線で出逢った。暫く一緒に遊んでから写真の撮らせてもらう(低姿勢!)。たまたま持っていた週刊朝日を路上に置く。ちょうど腹這いになった猫の姿勢が「読書するネコ」になってしまった。週刊誌の上下が逆さま(‥‥が語るイラク問題)ですよ。

♯39│モリ│飼い猫 ── 綺麗になって雪よりも白い
昨年(2006)、クルマに轢かれて急逝したブンコの遺児。写真を見てもらえば分かるように隻眼ネコである。自己防衛出来ない仔猫を公園に捨て去る飼主が悪いのか、育児放棄の母猫の責任か、獰猛なカラスどもに襲われてしまった。仔猫の頃から人懐っこく甘えて来る。兄弟姉妹は、里親に拾われて行って家猫になったけれど、モリだけは貰い手がない。一昨年の暮れに行方不明になって、C公園のネコ・ウォッチャーたちを心配させた。でも、年が開けて帰って来た!‥‥それも雪よりも白く綺麗になって(右側に白く見えるのが凍結した雪の名残り)。モリも飼い猫になったのだ。ときどき公園に遊びに来る。首輪に付いているネームプレートには「石松」と記されている。

♯40│ミュウ│飼い猫 ── 遅れまして、おめでとう
K塚商店会の猫。〈ネコ・ログ #4〉で紹介したキョンちゃんの仲間です。一般に猫が無抵抗のバンサイ姿勢でゴロニャンするのは相手を信頼した時の甘えポーズらしいが、一瞬で身を翻して何事もなかったかのごとく一心不乱に毛づくろいを始めたりする。一体ネコ族は人間に何を期待〜要求してゴロニャンするのだろうか(この状態で迂闊に手を出すと引っ掻かれる)。やっと親密になったと思ったら、その途端に知らんぷり!‥‥気まぐれ猫ちゃんの気持ちは分かりません。他の猫たちが傍にいる時は気のない素振り、2人だけになると急にゴロゴロ甘えるツンデレ・タイプの女性もいます‥‥って、猫の話ですよ。逆ツンデレならぬ「逆さゴロニャン」写真ですね。

♯41│チョビ│ノラ猫 ── まだチビ猫ですが‥‥よろしくね
S川緑地のチビ猫ですが、まだ仔猫のあどけなさが残っています。撮影者の向けるデジカメが珍しいのか、それともエサを貰えると期待しているのか興味津々の眼差しで見つめています。ネコも人間も子供の頃は好奇心旺盛で、見るもの聴くもの外界のあらゆる事物に興味を示す。同じ年頃の仲間と一緒に遊んだり喧嘩をしたり‥‥思春期になると異性に目覚めて好きな子に悪戯したり追い回したり、想い悩んで告白したりフラれたり。そんな若者たちも大人になると無関心、無干渉、無感動の人生(ネコ生?)を送ってしまう。『綿の国星』の中に、塀の上で寝そべっている有閑マダム風の怠惰な牝猫が登場します。チョビちゃんは、そんな退屈な成猫にならないでね。

♯42│クリ│地域猫 ── H幡商店会の長寿猫だよ
H幡商店会の長老猫。ここに10年以上も暮らしているらしい。結構な強面顔なのだが、屈んで(猫目線で)写真を撮ろうとすると、フギャーフギャーという特徴的な鳴き声で近寄って来る。前にも書いたように親密すぎるスリスリ猫は被写体として撮り難い。猫も年を取るとジジババ臭い嗄れ声になるのだろうか?‥‥商店街のマスコット的な存在といえば聞こえは良いけれど、猫嫌いの店主もいて‥‥「何も水を引っ掛けることはないんじゃないの!」と小声で非難する通りがかりの女性や、「見つからない間に早く食べちゃいなさいよ」と物陰に隠れてエサを与える人もいたりして、気苦労が偲ばれる。猫と人間との共存は難しい。

♯43│ハル│飼い猫 ── びっくり猫屋敷の殺人?
びっくり猫屋敷のハルは手招きすると遠くからでも駆け寄って来るほどの仲良し。一般の猫は近寄って来ても人と対面せずに、何故か後方へ回り込んでから寛ぐ。まるで風避けや物陰に隠れて安心するように。同じ行動パターンを示すハルちゃんは、振り向いて躰を撫でてあげると真正面から目を合わせ、ドングリ眼でジッと見つめる。何か言いたいことがあるのかな?‥‥猫は必ず目を反らす習性なのですが。現在、見重中とは思えないあどけなさ‥‥つい「幼な妻」かと気遣ってしまうけれど、その種の短絡的な擬人化は人間の勝手な思い込みだろう。『海辺のカフカ』の登場人物のように猫語が話せれば、あるいは猫が人語を解すれば、お互いに親密なコミュニケートが出来るのに。

♯44│ドナ│飼い猫? ── 美しすぎる、あたちが怖い
民家と民家の間のキャットウォーク。投棄されたTVや猫避けペットボトルのある穢い塀の上に、掃き溜めの鶴ならぬ美白猫がいた。見返り美人猫?‥‥その毛並みや白さから飼い猫だと思われるが確証はない。閑話休題。『ナーゴの猫たちミニ・カレンダー 2007』は描き下ろしではないものの、殺風景な机上を賑やかに飾ってくれる。1月は「花のモチーフのリボンが似合いすぎるあたちが怖い」ピンキー(Pinky)。2月は作者モーリーさんの飼い猫レイニー(Rainy)。3月はテディベアを口に銜えて遊ぶミュー(Meow)。4月はゼコネ森の野いちごが大好きなケイト(Kate)‥‥。家猫、城猫、自由猫を差別しないモーリーあざみ野の優しさが身に沁みる。自分の飼っている純血ペットしか可愛がらない自称「動物大好き」人間もいますから。

♯45│アンジー│ノラ猫 ── モノクロ風のカラーです
女子プロレスのヒール(悪玉)みたいな容姿の金髪コギャルが胡座坐りでタバコを喫っていたりする(マジ怖い!)I袋東口、P' PARCO裏の駅前公園に個性的なノラ猫たちが棲息している。アンジーは黒いクマ取りの目許も涼しい白灰猫。一見してモノクロ画像のようですが、カラー写真です。チャコールグレーというより墨色と白のコントラスト、気品ある色艶、往来する人にも動じない性格‥‥かつて人に飼われていた家猫(捨て猫)ではないでしょうか。夕暮れ時のフラッシュ撮影。iPhotoに入れたまま放置していたのですが、自動補正(Enhance)したら見違えるほど鮮明になりました。この細長い山手線沿いの公園には神社も併設されているので、社に屯する猫たちにも、どこかしら神妙な気配が感じられます。

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各記事のトップを飾ってくれた猫ちゃん(9匹)のプロフィールを紹介する「ネコ・カタログ」の第5弾です。サムネイルをクリックすると掲載したネコ写真に、右下にあるナンバー表の数字をクリックすると該当紹介文にジャンプします。これまでに43匹(9×5−2)のネコちゃんを「1匹1枚」というルールで紹介して来ましたが、これからは同じネコちゃんが再登場する機会が増えるかもしれません(イチゴ1)。道祖猫の招きにあいて1道2府43県──日本全国ネコ行脚の旅に出られたらなぁ。東京はノラ猫の住み難い都市になっているような気もします。街から猫の姿が消えてしまう日も近い?‥‥23区内の外ネコ写真ということで、今後も宜しく、お願いします。

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  • ネコちゃんの名前は適当に付けています。もし良い名前が閃いたら、貴方が名付け親になって下さい^^

  • この記事をカート・ヴォネガットに捧げます。プーティーウィッ、ハイホー

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猫のゆりかご

猫のゆりかご

  • 著者:カート・ヴォネガット・ジュニア(Kurt Vonnegut, Jr.)/ 伊藤典夫(訳)
  • 出版社:早川書房
  • 発売日:1979/07/31
  • メディア:文庫

タグ:catalog cats
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コメント 2

びっけ

クロ・・・知り合いだった猫に似ていて、しみじみ見入ってしまいました。

「黒猫は、西洋では魔女のペット、不吉の象徴のように扱われているけれど、日本では福猫なのよ」
と、夫の母がよく話しております。
ベルベッドのような黒猫の毛をなでていると、そんな気がしますね。

ヴォネガット・・・「猫のゆりかご」「スローターハウス5」「ガラパゴスの箱舟」「チャンピオンたちの朝食」・・・読んだのはもう20年以上前でしょうか・・・。
小学生にあやとりを教えながら
「これを猫のゆりかごって言うんだよ」
と話すと皆、とても面白がります。
さすがに小学生にヴォネガットは薦めませんけど・・・。(^^;
 ヴォネガット氏のご冥福を祈りつつ。
by びっけ (2007-05-06 21:46) 

sknys

びっけさん、コメントありがとう。
雨上がりの夜道でクロさんを見かけましたが、
すぐ植え込みの闇に紛れてしまいました^^

よく見ると「黒」ではなく焦げ茶〜黒チョコ色のヴェルヴェット・タッチ!
‥‥その質感を写真に撮るのが難しい。
「黒猫」には苦い思い出があります。
プロフィールの黒猫に可哀相なことしちゃったな‥‥と、
今でも胸が痛む(いずれ記事になるでしょう)。

日本のSFファン以外の読者にもヴォネガットが読まれるようになったのは、
村上春樹の『風の歌を聴け』以降ですね。
最初にUPした記事のタイトルが「猫のゆりかご」なので、とても感慨深い。
なかなか〈猫ゆり〉の続編が出せませんが^^;
by sknys (2007-05-07 01:04) 

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