スニーズ・シンクス 2 0 1 4 [b l o g]
吉本 隆明 「猫の部分」
9年目のスニンクス(sknynx)は62本の記事をアップした(2013.12~2014.11)。回文シリーズは新年恒例の「回文かるた」を含めて5本。ネコ・ログは4本。音楽関連の記事は年間ベスト、タワレコ・クリアランス、ファブ・フォー、ゼップのリマスター・アルバムなど12本。石ノ森シリーズは「サイボーグ 009」の4本。サッカー記事はW杯ブラジル大会のTV観戦記3本。アート記事はバルテュスと「だまし絵」の2本。本(読書)に関する記事は〈美恵子コレクション 2〉の1本。記事がシリーズ化して軌道に乗ったのは良いけれど、代わり映えのしない「日替わり定食」というか一抹のマンネリ感は否めない。その一方で自分のブログよりも「読んでいるブログ」の更新頻度の落ち込みの方が気に懸かってしまう。嬉々として始めたブログが失速して、いつの間にか消えてしまったり、開店休業状態に陥っていたり‥‥。ブログという形式に興味が失せたのか、書き続けることに飽きてしまったのか、それともブロガーの比重がSNSやツイッターに移っただけなのだろうか。
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〈私物目潰し〉〈馬も獅子も舞う〉〈スマホ阿呆増す〉〈心霊痙攣死〉〈ロフト外風呂〉の5本をアップした回文シリーズ。記事タイトルは「回文かるた」の中にも紛れ込ませていますが、比較的出来の良い、お気に入りの回文を題名に採用しています。「パリンデックス」のレイティング(5段階評価)で五つ星を獲得したのは〈渋々爪弾く僕、暇つぶし節〉〈品増しニセ車海老は冷え丸く背に縞なし〉〈ドア越すと滑る浅田真央、まだ差あるベスト・スコアと〉〈煮て芋、お・も・て・な・し。粗品でも思い出に〉〈女子苦しむ蚊、デング熱、危機。キツネくん刑事、毟る駆除し〉〈烏賊蒸しサラダ、鱒、真鱈、差し向かい〉〈筏、雷鳴り、波が高い〉〈世界ハヤブサ、杉降らし。ゴジラ吹き荒ぶヤバい旋風〉の9回文。長い回文を作るのは、それほど難しくありません。〈筏、雷鳴り、波が高い〉のような短回文の方が難易度が高かったりします。回文を作成するというよりも、発見するわけですが。
石ノ森シリーズは〈サイボーグ 009ノ6〉〈サイボーグ 009ノ7〉〈サイボーグ 009ノ8〉〈サイボーグ 009ノ9〉の4本をアップした。「サイボーグ 009」(全27巻)を通読出来る機会を得たのは嬉しかったが、この代表作が未完に終わってしまったのは悔まれる。「風のように‥‥背を走り過ぎた虫」(1989)の中に「マンガ日本の歴史」(1997)を中央公論社の編集者から依頼される描写があるけれど、今から思えば断乎拒否して完結編「神々との闘い」に集中すべきだった。作者に残された時間は少なかったのだ。手塚治虫に「サイボーグ 009」は「地下帝国 "ヨミ” 編」(少年マガジン 1966-7)で1度終了している。マンガ史上に燦然と輝くラスト・カット‥‥夜空に流れ星を発見した姉弟が願いごとをする。弟は「おもちゃのライフル銃」を。姉は「世界に戦争がなくなりますように‥‥世界中の人がなかよく平和にくらせるようにって‥‥」。「神々との闘い編」は「地下帝国 "ヨミ” 編」と双璧になるはずだったと思う。
展覧会の記事は今まで書いて来た全網羅的な記述から、幾つかの作品にスポットを当てる形式に改めた。〈猫と少女とバルテュスと〉では〈ミツ〉〈猫たちの王〉〈鏡の中のアリス〉〈キャシーの化粧〉〈夢見るテレーズ〉〈美しい日々〉〈猫と少女〉〈地中海の猫〉〈朱色の机と日本の女〉〈読書するカティア〉、〈秋の夜長のトロンプ・ルイユ〉は〈司書〉〈風景 / 顔〉〈ジョージア / フィンガーペインティング〉〈無題〉〈蚊 II〉〈木の鏡〉〈広重とヒューズ〉〈赤いモデル〉〈海辺に出現した顔と果物鉢の幻影〉〈ピンク〉の各10作品を採り上げた。割愛した作品も多々あるけれど、印象に残ったり、興味を惹いたものについて書いている。「バルテュス展」は意外にも散漫、「だまし絵 II」も二番煎じだったが、愉しくなかったわけではない。〈夏の終わりのトロンプ・ルイユ〉が「夏の終わりのト短調」のパロディだったので、続編も大島弓子の「秋の夜長のサバ」から採った。
ネコ・ログは各記事のトップを飾るネコ写真9枚をサムネイル化してアルバム風に纏めたもの。〈ネコ・ログ #32〉〈ネコ・ログ #33〉〈ネコ・ログ #34〉〈ネコ・ログ #35〉の4本で延べ36匹のネコちゃんたちのプロフィールを紹介しました。長毛種のロンちゃんと三毛ネコのマープルさんが2度登場していますが、お気に入りのネコということで許して欲しいにゃん。ネコ写真は〈401匹ニャンちゃん大行進?〉で一覧出来るようにしています。1度でもネコを撮ったことのある人ならば分かるように、ネコ写真は難しい。用心深いネコは逃げてしまうし、人懐っこいネコはスリ寄って来る。カメラを向けると目線を反らすし、飽きると毛繕いを始める。忙しなく動き回るネコが歩き疲れるのを待つ。通過する車両や通行人、散歩中のイヌなどに気を奪われている隙に撮る。『岩合光昭のネコ』(新潮社 2014)のような日本列島47都道府県を巡る「ネコ歩き」は叶わないけれど、今後も23区内のネコたちを撮り続けたいと思います。
岩合光昭『ねこ歩き』(クレヴィス 2013)、シュー・ヤマモト『猫街道三拾三次 歌川猫重』(求龍堂 2013)、サム・ストール『歴史を変えた100匹の猫』(創土社 2008)、クロード・ロワ『おしゃべりねこ』(佑学社 1989)、大島弓子『キャットニップ』(小学館 2014)、タムシン・ピッケラル『世界で一番美しい猫の図鑑』(エクスナレッジ 2014)、『岩合光昭のネコ』(新潮社 2014)‥‥「FAVOR ITE ー BOOKS」欄で紹介する「ネコ本」率が増えて来た。「猫本シリーズ 7」として記事に纏めるつもりだが、なかなか10冊揃わない。「猫ジャケ」の方はクリアランスセールなどを漁って新たに10匹のネコちゃんを捕獲・保護したので、「ネコード 8」として近々記事になるでしょう。分厚い3巻本に圧倒された『ソロモンの偽証』(新潮社 2012)は記事にはならなかったけれど、文庫版(第III部 法廷 下巻)には20年後を描いた書き下ろし中編「負の方程式」が収録されているという。文庫本の第6巻だけを買うという選択肢もありでしょうか?
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年間ベスト・シリーズの〈ウェンズデー 21(2013)〉は記事タイトルを決めるのに腐心した。Juana Molinaはアルバム・タイトルを「11月21日、水曜日」にレコーディングした無題曲に由来するという。タワレコ恒例の〈クリアランスセール 2014〉〈真夏のクリアランスセール 2014〉はセールで見つけるという偶然性や、どのアルバムを採り上げるかという取捨選択することも含めて愉しい。ファブ・フォーのオリジナル・アルバムは〈ハードな日の夜〉〈4人はアイドル〉〈あるがままに〉の3本を書き継いで、残り数枚となった。ゼップの最新リマスター・アルバムは〈鉛の飛行船〉〈鉛の飛行船 II〉で紹介したように5枚リイシューされたが、今後の成り行きが気に懸かる。《Physical Graffiti》(1975)の「デラックス・エディション」は一体どういう仕様になるのかとか、《Coda》(1982)までリイシューされるのかしらとか‥‥。
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- 各メディアの「年間ベスト・アルバム」は「AOTY」や「Metacritic」でチェック!
- 某妖怪ソングがZepの〈Dancing Days〉に似てるって?‥‥ゲラゲラポーにゃん
sknys-synks 2006 / 2007 / 2008 / 2009 / 2010 / 2011 / 2012 / 2013 / 2014 / sknynx / 547
2014-12-21 00:05
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