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再選・精査 [p a l i n d r o m e]



  • 丸い顔に大きな丸い目、足が太くてしっかりした体型のまるは、「スコティッシュ・フォールド」(Scottish Fold)という品種の猫だ。その最大の特徴は、前に折れ曲がった(fold)小さな耳にある。 1961年にスコットランドのある農場で、突然変異として生まれたメス猫のスージー(Susie)が、「折れ耳」のルーツだ。この折れ耳という新しい品種の猫を確立するため、スージーが生んだ子猫とブリティッシュ・ショートヘアを交配させたことをきっかけに繁殖プログラムが始まった。その結果、この珍しい品種は、多くの猫の愛好家の心を捕らえることになった。その後、スコティッシュ・フォールドの前足や後ろ足の骨に異常が見られるようになる。この骨の異常は折れ耳の猫と密接に関わっていることから、骨の成長に関して、スコティッシュ・フォールド特有の遺伝的な問題があるのではないかと考えられている。病名は確立されていないが、「骨軟骨異形成症候群」などと呼ばれている。
    有限会社 養老研究所 「スコティッシュ・フォールドの歴史」


  • □ レズ区議・渚。フィアンセ左遷‥‥相武紗季、泣き崩れ
    LGBT(Lesbian, Gay, Bisexual, and Transgender)であることを自ら公表し、区議選に立候補して当選した渚。渋谷区や世田谷区に続き、同性愛者の事実婚を認める「パートナーシップ証明書」の発行を目指していたのだが、保守的な反対勢力によって条例は否決‥‥彼女と同棲していたフィアンセも人事異動という名目で地方へ左遷されてしまった。渚とは幼友達だった相武紗季は彼女たちの「結婚」を密かに応援していたが、渚からの哀しい報せを聞いて思わず泣き崩れた。どうして男たちは同性婚を認めようとしないのか。幼い頃から洋楽や洋画に親しんで来た紗季には俄には信じられない。エルトン・ジョンやジョディ・フォスターも同性愛者であることをカミング・アウトして「結婚」している。アップル社のCEOティム・クックがゲイであることをTVで告白した時も全く驚かなかった。同性愛を認めない偏狭な人たちは、iPhoneを使うことに何の抵抗感もないのかしら?

    □ 戯画「襟裳ゴミ屋敷」。易者、身籠り絵描き
    北海道幌泉郡えりも町に建つ古い屋敷「襟裳」。昭和初期に建築されたという大屋敷は風景画の題材として何度も描かれて来た。襟裳岬を臨む雄大な佇まいが画家たちの創作意欲を刺戟したのかもしれない。ところが数十年前から、「襟裳」がゴミ屋敷と化しているという噂が立つようになった。広大な敷地内に独りで住んでいる高齢の館主が認知症でボケたとか、既に死去してミイラ化しているのではないかという憶測が囁かれていた。噂の真相を知りたくなった1人の易者が襟裳屋敷を訪れた。どのような経緯だったのか不明だが、易者は長期滞在を許された。その後、屋敷原因不明の火災で全焼し、易者の消息も不明である。彼が数カ月滞在して描き上げたという「戯画」が某美術館の展示室に架かっている。彼は屋敷の内部を素人の真面目さで克明に描いている。なるほど「ゴミ屋敷」に見えなくもない‥‥と美術評論家は「戯画」を鑑賞して感想を洩らす。

    □ 綺麗・潔癖・惜別・経歴
    急逝した親友の告別式に出席した私は友人代表の弔辞を半ば上の空で聞いていた。故人を讃える紋切り型の言葉は式場に虚しく響く。生前の彼女は偽りなく、清く正しく美しい人だった。しかし、そのことが余計に遺族や友人たちの哀しみを誘うのではないかしら。惜しい人を失ってしまった、こんなに早く逝ってしまうなんて、美人薄命とは彼女のことだ。もし、死者が善人ではなく悪人だったら?‥‥私は彼女の輝かしい経歴を耳にしながら想像する。早く死んでくれて良かった、この世から消えて清々した、これで枕を高くして眠れる。家族や友人、知人たちに愛され、慕われて逝くよりも、嫌われ、憎まれていた方が遺された人たちの精神衛生上良いのではないか。葬式も重苦しい哀しみではなく、明るい解放感で満たされるのではないかと不謹慎にも考えてしまう。もっとも、彼女が嫌われていたのなら、こんなに多くの弔問者に見送られることはなかったけれど。

    □ 儚い化石、鳴く鴉、飢え鶉‥‥「核なき世界」半ば
    廃墟と化した戦場から鳥の化石が発掘された。ジュラ紀に生息していた始祖鳥だろうか。絶滅した恐竜から進化したといわれる鳥類の化石が現代人に語りかける。上空で騒がしく鳴くカラスや痩せ細って飢えたウズラを眺めていると、切ない気分に陥る。「驕れる者は久しからず」「盛者必衰」「諸行無常」‥‥プラハ演説(2009)から7年後、広島を訪れたオバマ大統領の胸に去来したものに想いを巡らす。核兵器や原発のない世界と核戦争で人類が死滅した地球を想像してみる。「核なき世界」と「人なき地球」‥‥どちらの可能性が高いだろうか。「核なき世界」への道程は険しい。道半ばというよりも、始めの一歩を踏み出したばかりなのかもしれない。人類が絶滅した後、一体どのような生物に進化(退化?)するのだろうか。少なくとも地球を支配する「盛者」ではないだろう。化石を手にした考古学者は遠い過去ではなく、未来へ想いを馳せる。

    □ 結婚詐欺、高いコスト。諭す恋敵、産後告げ
    結婚詐欺師に騙されたA子は身も心も高い代償を払わされた。現金、貴金属、宝飾品、高級腕時計‥‥など、詐欺男に貢いだ金品は数知れず。婚約して結婚の約束をまでしたのに、A子は身ぐるみ剥がされてしまった。これ以上A子から騙し取るものが何もないと察知するや否や、男は忽然と彼女の前から消えて行方を眩ました。A子は親友のB子に泣きつく。彼女とは昔、1人の恋人を取り合ったこともある「恋敵」だった。実はB子も結婚詐欺被害者の1人だったが、引き際が早かったのでダメージも少ない。怪しいと思って、男との関係を自ら断ち切ったのだ。その後、B子は新たな恋人と出逢って、結婚〜妊娠〜出産することになる。もっと早くA子に忠告しておくべきだったわ‥‥でも、男との恋愛に夢中で冷静さを欠いていた当時の彼女に何を言っても、馬耳東風だったのかもしれない。

    □ スコティッシュ、父母・祖母、冬、失意で越す
    スコティッシュ・フォールドは人懐っこい。「天然」ではないかと危ぶむほど無防備で、擦り寄って来る。我が家に来た子猫のスコちゃんは言葉で言い表せないくらい可愛かった。耳が折れているので、猫ではない何か別の小動物に見えなくもない。神様からの贈り物のような気もする。しかし、幸福な日々は長続きしない。家族の一員に迎えられて約2年経った、ある秋の日、スコちゃんが行方不明になってしまったのだ。いつもは家の周辺をパトロールして、暗くなる前に帰って来るののに、その日は夜になっても、翌朝になっても戻らなかった。母親は外に出していたのが大きな間違いだったと、放し飼い野性派の父親を激しく非難し、可愛がっていた祖母はショックの余り寝込んでしまった。毎日必死になって捜し回ったのに、「家出した飼い猫を探しています」というビラを何十枚もコピーして近所の電柱や塀に貼ったのに、交番に行って「失踪届け」も出したのに見つからなかった。きっと誰かに拾われて幸せに暮らしている、春になったら帰って来る‥‥と私は信じて疑わない。

    □ 銀盤審判員半信半疑
    遠目には綺麗に見えるサッカー場の芝生も、試合後にピッチ内へ入れば無数のスパイク跡で荒れていることが一目瞭然、「緑の絨毯」が戦場であったことが素人にも分かるだろう。美しい銀盤もスケート靴のブレードで傷つけられている。その傷痕が如実に際立つのは公式試合中ではなく、スポット・ライトを浴びる愉しいエキシビションの時だったりする。ソロや男女ペアで滑るフィギュア競技では稀だが、激しいボディ・コンタクトでファイトする「氷上の格闘技」では銀盤やフェンスが鮮血に染まることも珍しくない。血の気の多い血気盛んで筋骨逞しいプレイヤーたちを公平に裁かなければならない審判員も命懸けである。試合中に突然起こった殴り合いの乱闘!‥‥先に手を出したのは、どちらのチームの選手なのか、ペナルティ・ボックスに入れる選手は誰なのか、それとも喧嘩両成敗すべきなのか?‥‥アイス・ホッケーの審判は難しい。

    □ ダイヤモンド売りパリ、うどんも焼いた
    ダイヤモンド鑑定士のJ氏は海外出張でヨーロッパ各国を訪れた。パリ滞在中にレストランで食事をしようと物色していて、和食・日本食店の多さに驚いた。その時、香川県出身のJ氏の頭に閃いたのは「讃岐うどん」の海外出店だった。もしパリで「うどん店」を開いたら、大繁盛するかもしれない‥‥。5年後に夢が叶って、J氏はパリ9区の外れに小さな店「Sanui」をオープンした。しかし、細くて食べやすいヌードルに対して、太くてコシの強い「讃岐うどん」はパリっ子に敬遠された。同じ麺類で較べればイタリアン・パスタの方が種類もメニューも豊富だ。ある日、スパゲッティ・ナポリタンが日本独自のものであることを思い出したJ氏は「焼うどん」というB級グルメがあることに気づいた。醤油味で鰹出汁の利いた「讃岐焼うどん」‥‥この和風スパゲッティがパリの若者たちに受けた。半ばヤケクソで作ったメニューが大人気で、店の前には行列が出来るほどである。

    □ 知りたがり「躑躅」‥‥伯父、綴り語りし
    日常的に文字を手書きではなく、ワープロ(パソコン)でタイプするようになって久しい。「難読漢字」は書けても容易には読めない漢字のことだが、平仮名やローマ字入力で文章を書くようになってから、読めるけれど書けない「難書漢字」が増えて来た。憂鬱、薔薇、髑髏‥‥。小学校に入学したばかりの姪は知的好奇心旺盛の知りたがり。目にしたり耳にしたりする事象の1つ1つに、これは何なの、何故なの?‥‥と執拗に質問を投げかける。もう少し年長の高学年になれば「図書館やネットで調べてみたら」とアドヴァイスも出来るのだが、まだ多くの漢字を読めないし、スマホを持つことも禁じられている。今日も書斎の窓から見える中庭の植物を指差して、花の名前を訊いて来た。女の子らしく、花やガラス玉など綺麗なものに興味があるらしい。「ツツジ」だよ。「どうしてツツジっていうの?」「ツツジって漢字で、どう書くの?」‥‥姪の質問責めは終わらない。

    □ 喜多嶋舞、夜這う日々。乳母酔い、ママ下着
    結婚して子供が生まれても娘・舞の夜遊びは止まない。仕事のない時は夜な夜な歓楽街へ外出しては朝帰りを繰り返す。米ロサンゼルスでは保育園ではなくベビーシッターを雇うのが常識だが、娘は同居している母親に幼い孫の世話を押しつける。娘の母親が手軽な乳母代わりというわけである。深夜になっても帰って来ない娘の身を案じる母・洋子は育児ストレスも重なって酒浸りになってしまった。約半世紀前、清純派女優として映画やTVドラマで華々しくデビューした頃の面影は殆どない。「氷点」「白馬のルンナ」‥‥女優やアイドル歌手として活躍した後、20歳の時に潔く結婚・引退した母親とは対照的に娘は結婚・離婚後も女優業を続けている。しかし、今や「清純派女優」と呼ぶには程遠い存在になってしまった。明け方に帰宅した舞。衣服を脱ぎ捨てた肢体(下着姿)からは、妖艶な色香だけでなく、頽廃の美さえが匂い立つ。

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    • 回文と本文はフィクションです。一部で実名も登場しますが、該当者を故意に誹謗・中傷するものではありません。純粋な「言葉遊び」として愉しんで下さい

    • 半年振りの更新にゃん(3月の回文シリーズは諸般の事情で休載しました)

    • 喜多嶋舞回文は「スニンクスなぞなぞ回文 #43」の解答です^^

     スニンクスなぞなぞ回文 #44

     ◯▽けやしこね▢☆◎☆▢「猫ジャケ」▽◯

     回文作成:sknys

     ヒント:病膏肓に入る


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    岩合光昭の世界ネコ歩き パリ

    岩合光昭の世界ネコ歩き パリ

    • 出演:岩合 光昭 / 相武 紗季(語り)
    • メーカー:NHKエンタープライズ
    • 発売日:2015/09/25
    • メディア:Blu-ray
    • 収録内容:モンマルトルを一望するアパルトマンでパリジェンヌと暮らす白ネコたち! エッフェル塔を見ながらセーヌ川に横付けされた船に住まうニャン! 花の街と呼ばれる住宅街では、少女とネコがお互いに歩み寄って‥‥。岩合さんがフランス・パリでネコに出会います。パリネコ満喫の1時間!


    うちのまる 養老孟司先生と猫の営業部長

    うちのまる 養老孟司先生と猫の営業部長

    • 著者:有限会社養老研究所
    • 出版社:ソニー・マガジンズ
    • 発売日: 2008/11/28
    • メディア:単行本
    • 目次:私はマルの「餌出し器」/ ボク、養老まるです / まるの日課 / まるのお気に入り / まる部長のお仕事 / 困った存在 仕事の邪魔 / まる学 / まるムービー / オトーサンとまる / 寿命の長さ 競争である / 刊行によせて。コホン。/ あとがき

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    コメント 2

    ぶーけ

    私、回文の才能、ゼロです。ヒントあっても全然わかりません。><

    猫漫画、Flowersの「ふるぎぬや文様長」というのにも猫がよくでてきますね。
    作者さん、猫がお好きみたい。
    by ぶーけ (2016-06-15 14:50) 

    sknys

    猫ジャケ・コレクターの「悲劇」でしょうか。
    波津彬子は早世した花郁悠紀子さんの実妹ですね。
    「ふるぎぬや紋様帳」の白妙は白ネコの化身なのかしら?‥‥
    緻密で濃密だった少女マンガも、コマ割りがデカくなっちゃったなぁ^^;
    by sknys (2016-06-16 12:08) 

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