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スニーズ・シンクス 2 0 1 1 [b l o g]



それまでとは決定的に何かが変わってしまった3・11後の世界。大地震と大津波、原発事故と放射能汚染。まるで出来の悪いパニック映画を観ているような荒廃した「現実」に目を背けたくなる。政府や東電の原発に対する「安全神話」と危機管理の杜撰さ。起こるべくして起こった天災と人災。残された人々は否応なく低線量被曝社会を生きなければならない。何事もなかったようにブログを更新し続けるのが理想なのだが、フィクションと断っている回文シリーズも放射能被害を被ってしまった。〈姪が赤い目〉に収録した2つの原発回文は気合いを入れて作った。〈人魂がまた飛び〉〈逃げた花畑に〉というタイトルも、3・11後の世界を反映しているのかもしれない。「スギ花粉症」「MacBook Pro」「地デジ化」「X Day」「なでしこジャパン」「オリンパス」‥‥という言葉も激動の2011年を象徴しているかしら。リアルすぎて笑えない回文ストーリを書いていて目頭が熱くなったこともあったけれど、迷宮探偵・綾取猫人と黒猫コロネのシリーズだけは愉しかった。

「猫のゆりかご」は猫本10冊や猫盤(猫ジャケ)10枚を紹介するシリーズ。2011年は第5集の〈猫のコクーン〉〈猫はゴロニャン〉をアップして仲良く50匹になった。可愛い仔猫ちゃんが描かれたネコードの中ではKitty Craftの《Beats And Breaks From The Flower Patch》が気に入っている。猫本では猫アンソロジー集の『魔法の猫』(扶桑社 1998)や『不思議な猫たち』(1999)でも冒頭を飾ったIQ160のスーパー仔猫ガミッチの存在が忘れ難い。ゴスロリ少女のエミリーが飼っている4匹の黒ネコちゃん、サバス、ニーチェ、ウィリー、ミステリーも名脇役として記憶に残っている。ロブ・リーガーが描いたネコウモリが跳梁跋扈する《Batbox》のイラストも愉しい。猫本・猫盤50選を記念して「猫ゆりすと」「猫どりすと」というリスト表を作ってみた(猫ジャケ画像は「麗しきネコードの世界」にあります)。ネコ本やネコードに興味のある人は今後の読書や音楽鑑賞に役立てて下さい。各タイトルをクリックすると紹介文へ飛びます。

石ノ森シリーズは〈ブルー・ゾーン〉〈おかしなあの子〉〈ミュータント・サブ〉の3篇をアップした。発表年を遡っているのは単なる偶然で意図したことではない。しかし、3作品にはSF・超能力という共通点で結ばれている。「おかしなあの子」にジュンが客演したように、「ミュータント・サブ」の中でサブと猿飛エッちゃんが共演しているのも興味深い。未確認飛行物体UFOという観点から光を当てれば「ブルー・ゾーン」は「サブ」の発展形なのかもしれない。ところが初出ではサブの母親が浴びた怪光線はUFOではなく、原爆だったという。放射能被爆による突然変異(ミュータント)という設定は口から放射熱線を吐くゴジラみたいで、3・11後の世界では逆に非現実的に映ってしまう。60年代の反核メッセージが色褪せることはないけれど、UFOという敵か味方か、異星人か未来人か分からない謎の存在の方が「サブ」には相応しいような気もしないではない。石ノ森章太郎萬画大全集『ミュータント・サブ 4』に「X指令」(1966)が収録されているのも示唆的である。

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街のネコちゃんのプロフィールをエッセイ風に綴った「ネコ・ログ」シリーズも第20〜23集となって、ついに延べ200匹を超えた。ネコを撮って来た光学3倍ズームの300万画素のデジカメは機能や性能面では最新機種に劣るのに、プリント(L判サイズ)した写真は一眼ミラーレスよりも綺麗に写っていたりする。被写体のネコが静止したままの状態で手ブレさえしなければ8年前のコンデジでも、1/30以下のスローシャッターで鮮明な写真が撮れるのだった。暗く沈んだような発色のNEX-5Nの標準ズームレンズには不満もあるが、暗くてもフラッシュなしで撮れる高感度ミラーレス一眼という利点がある(ネコ撮り用の明るいズームレンズが欲しいにゃん)。バッテリやメモリーカードの残量を気に懸けずに撮れるという心強さもある。3・11後のネコたちも、それまでとは異なった種族・個体として目に映る。避難地域に置き去りにされて餓死したネコたちの姿がオーヴァラップするのだ。2012年には黒目の大きな可愛いネコちゃんの写真をアップして行きたいと思います。

電源コードの「焼身自殺」で2週間余りも自室にパソコンのない環境が続いていたせいか、「100万PV」の達成は見届けたものの、期待していた以上の達成感や感慨はなかった。それよりも、USキーボード+SSD仕様のMacBook Proを購入(BTO)したことの方が嬉しかったして‥‥。ブログを始めてから丸6年で100万PVに達したわけだが、アップル・アプリの「iLife」からiWebが消えたように、ネット時代の潮流はHP〜ブログ〜ツイッターへと移っている。より安易で安楽な方向へ流れて行くようで歯痒いけれど、そもそもツイッターに収まる内容(分量)ならば無理してブログに書くまでもないことなのだ。たとえば家電製品や加工食品などの発達や変遷を見れば分かるように、より安逸で軽便な方向へ滑り落ちて行くのはウェブ世界に限ったことではない。TVとケータイが人間をバカにした(幼稚化させた)と書くべきかもしれないが‥‥その結末が低線量被曝なのかと、あえて短絡的に考えてみるのも悪くない?

OS X Lion(10.7.2)から見たSafari(5.1.2)とFirefox(9.0.1)の違いを修整した。ソネブロのCSSはFirefoxの方が正確に表示されているような気がする。Lionで特に気になるのは四隅が丸くなった検索ボックスや送信ボタンの形状と左の四角い入力ボックスのバランスが悪いこと。サイドバーに設置してある「Google Search」の入力ボックスと検索ボタンのズレを微調整した。それだけでは面白みに欠けるので、検索(Search)ボタンを虫メガネの画像に変更してみた(kovaioさんが作成した画像を借用しました)。「月間アーカイヴ」のドロップダウン・メニューのカラーと入力ボックスの枠色も虫メガネ画像と同じグレーに変えた。Firefoxをメイン・ブラウザにしている理由の1つはSafariで「Skin Switcher」が使えなくなってしまったこともある。「Google Search」のブログ内検索は入力した固有名詞や語句を含む全ての記事の文字列がヒットする。パソコン内のアプリやファイルしか検索しないLionの「Spotlight」よりも強力ではないかしら。



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個人的な年間ベスト・アルバム10を遡って行く「Rewind」シリーズも〈グーだってレコである〉(1990)〈マインド・ボム〉(1989)〈ラヴ・セクシー〉(1988)‥‥と2000年代から80年代まで巻き戻された。CDからアナログ時代への逆回転。今更アナログ盤を聴き返すのも面倒だし、リマスター再発CDで買い直そうかとも思っていたが、なかなか踏ん切りが着かない。デジタルとアナログという区切りも良いので、このシリーズは一時休止することにした。代案記事は考慮中。毎年恒例の年間ベスト・アルバム10は従来通り継続する予定。英米音楽誌、新聞、サイトなど各メディアの年間ベスト・アルバム選が出揃った。2011年はPJ Harvey、James Blake、Bon Iver、tUnE-yArDs‥‥などのアルバムが上位にランクインしている。ロックの王道から外れて、歪み捩じ曲がり、亀裂が走ったようなウィアードな音楽は3・11後の世界と奇妙にシンクロしている。年明けの「Rewind 2011」にも期待してね。



  The Best Pop Music of 2011: Kitty Empire's Choice

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2011年を漢字一文字で表わすような風雅な趣味は持ち合わせていないけれど、強いて選ぶならば薄気味の悪い「絆」などよりも「逝」の方が相応しいと思う。東日本大震災の犠牲者はもちろんのこと、エリザベス・テイラー、田中好子、団鬼六、ピーター・フォーク、原田芳雄、中村とうよう、小松左京、スティーヴ・ジョブズ、北杜夫、立川談志、市川森一、内藤陳(12/31 追記)‥‥など大勢の著名人が亡くなった(北の将軍さまも12月に急逝されたとか)。その中でも早すぎたスティーヴ・ジョブズの「死」は時が経つに連れて、徐々に重く深く胸の中に沁み入って来る。ペプシコーラの社長だったジョン・スカリーを「あなたは一生、砂糖水を売って暮らすつもりですか? それより一緒に世界を変えてみませんか?」という有名な殺し文句で引き抜いた若き日のジョブズ。音楽をリアル店舗で買わずにネットから有料ダウンロードする時代が来るなんて、一体誰が想像しただろうか。iPod、iTunes、iPhone、iPad‥‥などアップルの創り出したマルチデヴァイスによって、本当に世界は変わったのだ。

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  • 2011年のベスト・アルバム10は「Metacritic」で素速くチェック!
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追悼 スティーブ・ジョブズ ── Mac Fan 2011年12月 臨時増刊号

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  • 編集:Mac Fan編集部
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  • 目次:Apple_ism / rememberingsteve@apple.com / スティーブとの最後の別れ、そして天国へと届くメッセージ / 読者からのありがとう / なぜ、人はこれほどまでにジョブズに引きつけられるのか? / Appleという創造 / ジョブズのビジネス流儀 / ジョブズのデザイン哲学 / もう1つのApple物語 / 1984_2004 / Apple_story / 1976_●不世出の...


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