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スニーズ・コメンツ #55 [c o m m e n t s]



  • スワンが喋っている。/「ちょっといろいろやり過ぎちゃったかな。反動が怖いや、この道をこう行けば、今夜のお使いは終わりだね。あねじゃはどうしていることやら、あのひと何だか頼りないというかウェットだからさあ、いもうと相手にじっと色気出されても困るんですけど。しかしいつの間にか秋になったもんだね、虫は集くし萩にススキ、秋の七草だよどうなのこれ。ミツンはもううちに帰って猫でも抱いているかしら。それならいいんだけどね。大事なミっちゃんなんだ」/「あっ電気消された。うわほんっとにぜんぶ消えたよ、やっだなあもう、誰だよ急に電気落としたの。ライトアップもう終わりかよ、こんなちっぽけなローソクの火だけじゃ、たいして何も見えやしないよ。それに帰りはいったいどうすればいいんだか。ああもう歩き難いったらありゃしない。うわ芝踏んだ。踏んじゃったよどうしよう。波柵がないなんて。仕方がないから、こうなればどんどん踏んでいきますよ。妙な歩き心地だなあ、ふかふかして気持ちいいけどあれあれ、これは変な気持ちというか、変な歩き心地ですね。あれあれあれ。うわ。ああっ」
    山尾 悠子 「飛ぶ孔雀、火を運ぶ女 II」


  • ♭ 薔薇の陶板
  • ノートブックのバッテリが膨張して、内部からトラックバッドを圧迫‥‥クリックが硬くなって、腱鞘炎になりそう。アップルストアに持ち込んでメタボ・バッテリを外してもらいました。型番が古くてバッテリ交換には応じてくれなかったけれど、外すだけならば無料とのこと。陶器も熱膨張するので、陶板を冷蔵庫で冷やしてから額に嵌めるとか?
    by sknys (2019-06-24 15:23)

  • ♭ 六号機
  • 山尾悠子が泉鏡花文学賞と日本SF大賞をW授賞する前の「1万字インタビュー」の関連記事で知ったのですが、角川文庫から『ドラコニアの夢』(2018)というアンソロジー(東雅夫 編)が出ていました。某都知事の「ポートレイト」かと思いましたが。
    by sknys (2019-06-30 14:43)

  • ♭ 感心してしまう
  • RSSに登録しているブログでも、更新しなくなった人が少なくありません。10年前の熱気は一体何だったのかと思います。作家の森博嗣は 「ブログを書き続ける人がずいぶん減ってきた」の中で、次のように書いています。

  • ツイッタの方が気軽だし、簡単だし、時間も取られない。自然に低い方へシフトする。〔‥‥〕ブログを続けられる人は、仕事としての報酬を得ているか、あるいはボランティアか、のいずれかである。いずれも、不可欠なのは不特定多数に対する「奉仕」の気持ちである。サービス精神がなくては続かない。自分が得たい、自分を売り込みたい、では続かないということだ。
    森 博嗣 「ブログを書き続ける人がずいぶん減ってきた」

  • by sknys (2019-07-02 19:26)

  • ♭ 国立新美術館「ウィーン・モダン」展
  • 「クリムト展」(東京都美術館)に行って来ました。会場内は混雑していましたが、クリムトの油彩画は意外に少ない。「ウィーン・モダン」と泣き別れになってしまったのは残念です 。閉館(午後8時)まで粘るつもりでしたが、躰が冷え切っちゃったので早目に退室しました。この日は羽海野チカ(@CHICAUMINO)さんが母子連れで来ていたようです。
    by sknys (2019-07-05 20:49)

  • ♭ 葉っぱの小皿 その3
  • クリムトは8匹のネコを飼い、アトリエの庭に咲く薔薇の手入れをしていた。カラフルな花花は女性たちの肖像画や風景画にも描かれていますが、大好きなネコも自画像も描くことはなかった。ネコ好きの画家バルテュスやレオノール・フィニは描いているのに?‥‥不思議にゃん。
    by sknys (2019-07-21 14:01)

  • ♭ 毎日が夏休み #2
  • 7月21日、参議院選挙に行って来ました。比例区は「新元号」を平仮名で書きました。今コメントを書きながら、Joanna Sternbergのアルバム《Then I Try Some More》(Team Love 2019)を聴いています。
    by sknys (2019-07-23 22:41)

  • ♭ 天気の子
  • 「ポーの一族展」(松屋銀座)に行って来ました。こんなにも大勢のオバさんたちと一緒に見て回ることになるとは‥‥。「訪問者」の前で泣いている女性もいました。出来れば少女の頃にお会いしたかったような。花郁悠紀子・波津彬子姉妹に贈ったイラストや週刊少女コミックで読者プレゼントした「トーマの心臓」の「扉イラスト」も特別公開されています。
    by sknys (2019-08-08 12:27)

  • ♭ ZEBRA
  • 毎日クソ暑いですね。今日(8/12)は「バダル・アリー&バハードゥル・アリー兄弟団」(@elsurrecords)を観に行きました。午後6時30分頃から1時間超の無料ライヴに熱狂にゃん。明日(8/13)は午後3時からのステージです。
    by sknys (2019-08-12 23:29)

  • ♭ BAJA FREQUENCIA / HOT KATS
  • 《Hot Kats》はFrank Zappa《Hot Rats》(1969)のパロディ。アルバム・カヴァに起用された女性モデルはガール・グループ The GTOsのMiss Christine(Christine Frka)で、Zappaの最初の娘(Moon Unit Zappa)のベビーシッターをしていたという。1972年11月、Christineは睡眠薬バルビツレートの過剰摂取で急逝している。ハリウッド男優エロール・フリン(Errol Flynn)の所有していた邸宅にある空のプールから出ようとしているのだが、今となっては墓場から這い出てくるように見えなくもない。by sknys


  • ♭ あいちトリエンナーレ2019 その1「表現の不自由展・その後」の中止
  • どのような作品であっても、展示された作品を観てから批評すべきです。政治的な圧力や暴力的な脅迫にビビって中止するなんて、そもそも腰が引けていませんか。
    その一方で、真の芸術は同時代人には理解されないのではないかと思う。19世紀人にはゴッホの絵の価値が分からなかったし、ロンドン・タイムズ紙はジョン・エヴァレット・ミレイの〈オフィーリア〉を「雑草だらけの溝」の中で横たわっているように見えると腐し、クリムトの〈天井画〉もウィーン大学の教授たちから激しく批判された。
    鑑賞者を挑発し、不愉快にさせるアートもある。ムンクやフランシス・ベーコンの絵画は不安や不快感を引き起こすし、マシュー・バーニーのパフォーマンスは変態的で、ダミアン・ハーストのホルマリン漬けされた水槽の動物も気味悪い。
    上に立つ人(為政者や権力者)たちが「芸術オンチ」なのも致命的‥‥名古屋市長にマルセル・デュシャンの〈泉〉や〈L.H.O.O.Q.〉を見せたら、何と言うでしょうか?
    by sknys (2019-08-28 22:33)

  • ♭『かがみの孤城』 辻村 深月
  • デビュー作『冷たい校舎の時は止まる』(講談社 2004)と同じように、登場人物の「脳内世界」を舞台にした『かがみの孤城』(ポプラ社 2017)にも師匠・綾辻行人譲りの伏線やヒント、ミスリード、同一人物などの「叙述トリック」が遺憾なく発揮されています。平易な文体からは大人だけでなく、小学校高学年〜中学生に読んで欲しいという切実な思いも感じられます。小6の時に読んだ『十角館の殺人』(1987)に感動して綾辻行人に100通ものファンレターを送ったら、作者本人から返信が来たという有名なエピソードやペンネームに「辻」が入っているのも伊達や酔狂ではない。筋金入りの「綾ツジドレン」です。
    by sknys (未投稿)

                        *

    ブログ記事に付けた「外コメント」を纏めてみたら結構面白いかも?‥‥というアイディアから生まれた再録シリーズの第55集です。コメントは原則としてオリジナルのまま時系列順に転載‥‥事実誤認(誤記)や誤字・脱字、改行の無効化、句読点や記号・顔文字の有無などを精査。内容の分かり難いコメントには補足説明(註)をして、コメントした元記事にリンクしました。過去3ヵ月間(2019/06/01~2019/08/31)に書いたものの中から、第三者がコメントだけ読んでも面白いものを中心にセレクトしています。今季のトピックは「クリムト展」(東京都美術館)と「ポーの一族展」(松屋銀座)‥‥自画像とネコを絵を描かなかったクリムトの代わりに、イタリア人女性画家のオクタヴィア・モナコが「クリムトと猫」(西村書店 2005)を描き捲っています。「ポー展」には読者プレゼントした「トーマの心臓」の扉イラスト8点と花郁悠紀子・波津彬子姉妹に贈ったイラスト6点も特別展示・公開されていました(花郁さんを見舞ったモーさまが手渡した「メッシュ」のイラスト2点は必見)。ヌスラット・ファテ・アリー・ハーン以来のカウワーリーにも心躍りました。

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    飛ぶ孔雀

    飛ぶ孔雀

    • 著者:山尾 悠子
    • 出版社:文藝春秋
    • 発売日:2018/05/10
    • メディア:単行本
    • 目次:飛ぶ孔雀(柳小橋界隈 / だいふく寺、桜、千手かんのん / ひがし山 / 三角点 / 火種屋 / 岩牡蠣、低温調理 / 飛ぶ孔雀、火を運ぶ女 I / 飛ぶ孔雀、火を運ぶ女 II)/ 不燃性について(移行 / 眠り / 受難 / 喫煙者たち / 頭骨ラボ / 井戸 / 窃盗 / 富籤 / 修練ホテル / 階段 /(偽)燈火 / 雲海 / 復路 I / 復路 II / 復路 III / 燈火)


    ドラコニアの夢

    ドラコニアの夢

    • 著者:澁澤 龍彦 / 東 雅夫(編)
    • 出版社:KADOKAWA
    • 発売日: 2018/02/24
    • メディア:文庫(角川文庫)
    • 目次:編者序言 / 三つの髑髏 / 髑髏 / 夢のコレクション / 豪華な白 / 林檎 / 秘密結社の輪廓 / 犯罪的結社 その他 / 横浜で見つけた鏡 / ランプの廻転 / 地震と病気 谷崎文学の本質 /『亂菊物語』と室津のこと / 江戸川乱歩『パノラマ島奇談』解説 /『夢野久作全集』第一巻 / 小栗虫太郎『黒死館殺人事件』解説 /『銀河鉄道の夜』宮澤賢治著 / 石川淳と坂口...

    冷たい校舎の時は止まる

    冷たい校舎の時は止まる

    • 著者:辻村 深月
    • 出版社:講談社
    • 発売日:2019/06/07
    • メディア:単行本(限定愛蔵版)
    • 目次:フラッシュバック / 初雪 / きっかけの日 / 女友達 / 事件当日 / おばけなんかいないさ / 明るい絶望 / 消えた1人 / ガラスの森 / 暗闇から手をのばせ / 不幸自慢 / CRAZY FOR YOU / スカーレット / あたしはここよ / HERO / カウントダウン / 解決編 / 冷たい校舎の時は止まる / 雪の終わり / ひとつだけ / エピローグ

    十角館の殺人(新装改訂版)>

    十角館の殺人(新装改訂版)

    • 著者:綾辻 行人
    • 出版社:講談社
    • 発売日: 2007/10/16
    • メディア:文庫(講談社文庫)
    • 目次:一日目・島 / 一日目・本土 / 二日目・島 / 二日目・本土 / 三日目・島 / 三日目・本土 / 四日目・島 / 四日目・本土 / 五日目 / 六日目 / 七日目 / 八日目 / エピローグ / 新装改訂版あとがき / 旧版解説(鮎川 哲也)/ 解説(戸川 安宣)


    Then I Try Some More

    Then I Try Some More

    • Artist: Joanna Sternberg
    • Label: Team Love Records
    • Date: 2019/07/12
    • Media: MP3
    • Songs: This Is Not Who I Want To Be / Step Away / My Angel / For You / Pimba / Nothing Makes My Heart Sing / Trying To Say No / You Have Something Special / Don't You Eve


    Hot Kats

    Hot Kats

    • Artist: Baja Frequencia
    • Label: Chinese Man
    • Date: 2019/04/12
    • Media: MP3
    • Songs: De La Locura / Windrush Scandal / Se Come Tambien / Crisis / Vitamin P / Mad Grade / O Galop / Hasta El Piso / Colombia / Brindo Mi Carino / Mermaid / Smokin' Loud / La Kumbia Se Baila Asi / Dembowgorgon / Holy Moly (Bonus Track)

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