SSブログ

スニンクス 8 0 0 [b l o g]



  • ♭ クリアランス・セール 2011〔music〕2011-01-26
  • 700件を越えてから記事別閲覧数の上位が一変した。今までトップ5を独占していた〈猫のアート〉〈オレンジとレモン〉〈ミレーヌの憂鬱〉〈1998年のコンピュータ・ゲーム〉〈4シーズンズ〉の3〜5位が〈クリアランス・セール 2011〉〈FAVORITE ー ALBUMS 11〉〈花粉撒布か?〉と入れ替わった。その中でも1日に1000ページヴュー(Pageview)を超える驚異的なスピードでトップに躍り出た〈クリアランス・セール 2011〉には目を疑う。7年前の記事なのに、なぜ今頃になって閲覧数が跳ね上がったのか。毎年掲載していたタワレコ・クリアランス・シリーズの中で、この記事だけ突出しているのか?‥‥衣料品のセールと勘違いされているのか、それとも何かの教材に使われているのか、皆目見当もつかない。紹介している7枚のアルバムも、Julie Delpy、Ukulele Club de Paris、Szaloki Agi、The Ex、Brigitte Fontaine、Aimee Mann、Veronica Ferriani‥‥と、地味なアーティストばかり。80万PVに達してから、閲覧数がピタっと止まってしまったのも不思議です。

  • ♭ FAVORITE ー ALBUMS 11〔favorites〕2016-09-16
  • 「FAVORITE ー ALBUMS」はサイドバーに随時更新しているアルバムを20枚ずつ纏めたミニ・レヴュー集(224字)。リアル・タイムで愛聴しているアルバム中心に紹介しているので、年間ベスト・アルバムに選ばれることも少なくない。〈クリアランス・セール 2011〉と同じくシリーズ化して、今までに第13集までアップしているが、「第11集」の閲覧数だけが異常に多い。33位にランクしている〈FAVORITE ー ALBUMS 1〉とはダブル・スコアどころか、一桁も違うのだ。The Julie Ruin、Natalia Lafourcade、Angel Olsen、Melina Moguilevsky、Let's Eat Grandma、Bruno Pernadas、Lil BUB、Amel、Klo Pelgag、The Pop Group、Jenny Hval、Flor Otero、Joana Queiroz Sexteto、Jesca Hoop、The Shaggs、Arto Lindsay、Arca、Juana Molina‥‥閲覧数アップに繋がるようなアーティストとは思えないのですが。

  • ♭ 花粉撒布か?〔palindrome〕2012-03-01
  • 「回文シリーズ #28」が第3位にランクインした。〈タイヤキ焼いた〉から〈刀か鉈か〉まで、今までに52回、520回文を掲載して来たけれど、〈花粉撒布か?〉が急速に閲覧数を伸ばして最高位に立った。〈ACCESS RANKING 80〉にはベスト回文集2〈PALINDROME〔200〕〉を含めて、回文シリーズから10本ランクインしている。42位の〈辻斬り気質〉とは4倍近い差がある。〈テナガザル手すり、桑、柿食べ、滝川クリステル逆撫で〉の「滝川クリステル」、〈立つぞ、女くノ一20歳。落ちた8位の苦難襲った〉の「上戸彩」や「栗山千明」で検索する人が多いのかしら?‥‥ちなみに映画『あずみ』(2003)で、最上美女丸 (オダギリジョー)の首が飛ぶ場面が地上波ではカットされていた。個人的には黒猫コロネちゃんが客演する〈看板、激突スヌーピー、盗人危険犯か?〉や〈The Continuing Story of Bungalow Bill〉を下敷きにした〈象、虎狩り、飛ぶ鳥からどうぞ!〉の回文ストーリが気に入っています。

  • ♭ スプーキーな恋人〔books〕2006-01-11
  • 『スプートニクの恋人』(講談社 1999)の「ぼく=すみれ」の1人2役説は「誤読」なのだろうか。川上未映子が村上春樹にインタヴューした『みみずくは黄昏に飛びたつ』(新潮社 2017)の中で、『スプートニク』や『アフターダーク』などの「少し短めの長編」では実験的なことをしていると語っている。『スプートニク』は「これまでの文体の総決算」をしようとして書き始めたというけれど、果たしてそれだけだろうか。1人称単数で書かれた小説の欺瞞性を暴いたボルヘスが「完璧な小説」として例に挙げたA・ビオイ=カサーレスの中編『モレルの発明』(1940)を参照しなかったか。先のロング・インタヴューの中で「三人で会話をするというのが、なぜかうまく書けなかった‥‥『ノルウェイの森』で初めてそれができた」と明かしているが、『スプートニク』の「ぼく」と「すみれ」とミュウは最後まで3人で会話することが一度もなかった。せっかく上手く書けるようになったのに、なぜ3人で会話をする場面を書かなかったのでしょうか?

  • ♭ すべてはFから始まる〔books〕2006-12-21
  • 記事タイトルは誌名を「flowers」に変更して新創刊した月刊少女コミック誌のキャッチコピー「すべては 「f」 からはじまる!」から採っているが、前身の「Petit Flower」の創刊号に萩尾望都の「訪問者」(1980)が掲載されたことに思い至れば、森博嗣と全く無関係とはいえない。萩尾望都を天才と褒め称える森博嗣は「トーマの心臓」を小説化までしているのだから。N大工学部助教授・犀川創平と大学(院)生の西之園萌絵の師弟コンビが密室殺人事件の謎を解くS&Mシリーズは『すべてがFになる』(1996)に天才プログラマーの真賀田四季が登場したことで衝撃度が増した。彼女が現われるシーンは文章のテンションも上がり、登場キャラも読者にも緊張感が走る。真賀田四季はS&Mだけでなく、V、X、G、W‥‥など他のシリーズにも見え隠れする最重要人物。「森ワールド」で暗躍する裏主役ではないでしょうか。S&Mシリーズ(全10巻)を各巻ごとに章立てしていないので、ブログ記事としては読み難いかもしれない。Vシリーズ〈那古野の人々〉や四季4部作〈4シーズンズ〉、Xシリーズ〈カケル×カケル〉も参照して下さい。

  • ♭ 湯たんぽ、銅でしょう〔garage〕2014-11-11
  • 高校時代は夜鷹に住んでいたので、自転車に乗って、チキジョージへレコードを買いに行ったりしていた。現在の吉祥寺ほど人で溢れていないし、デパートなどの大型店も進出していなかったし、裏通りに小洒落た店舗も軒を連ねていなかった。銅製の湯たんぽを購入した輸入セレクト・ショップなども存在していなかったはず。毎年冬になると愛用している湯たんぽは小振りなサイズも、くすんだ色艶も理想的な風合い。座った膝の上に乗せて使うのは重いけれど、ベッドの中に置くには絶好の大きさ。就寝前のベッドに入れておくだけで、毎夜眠ることが愉しみになる。Grouperの《Grid Of Points》(Kranky 2018)は全7曲・22分。PitchforkやNMEなどの音楽サイトのレヴューにも判を押したように「22-minutes」と書いてある。レヴュワーもリスナーもレーベルも困惑しているようだが、Liz Harris本人は「1週間半以上かかって曲を書いた。高熱を発して中断された時に突然停止した。短いけれど、これで完成です」と述べている。低価格のミニ・アルバム(EP)としてリリースするべきだったのではないかと思う。

  • ♭ 僕もポロックじゃない。〔art〕2012-05-21
  • 中学時代の美術は決められた期日までに作品が仕上がらずに悪戦苦闘した。放課後に居残って、自主的に描いていたのが見つかり、美術教師に咎められたこともあった。中学三年生の終わりの課題は「模写」だった。模写する対象は自由。同級生の多くは教科書に載っているような「名画」を模写していたけれど、ビートルズに夢中だったので、《サージェント・ペパーズ》に封入されていた4人の肖像画(4枚の油絵)の中の「ジョン・レノン」を模写することにした。原画とは似ても似つかない肖像画になってしまったが、絵画の技法を学ぶには有益だった。なぜか自分の絵だけが返却されないので不審に思っていたが後日、担任の教師から教室のクラスメイトの前で、2枚の絵が2人の生徒に返された。1枚は「ジョン・レノン」、もう1枚は確か「水墨画」だった。心残りなのは最後の課題の「抽象画」が不本意な出来(未完成)に終わったこと。当時ジャクソン・ポロックの作画技法を知っていたら、絶対に試していたのに。

  • ♭ 変容する身体〔art〕2011-02-11
  • 「東京アートミーティング トランスフォーメーション」(東京都現代美術館 2011)の2周回目に、マシュー・バーニー(Matthew Barney)の〈クレマスター3〉を鑑賞した。閉館時間になって、上映が途中で打ち切られてしまったのは返す返すも残念だった。2013年にマシュー・バーニーと破局したBjorkは《Vulnicura》(2015)と《Utopia》(2017)を発表した。彼女の胸に開いた裂け目のような傷と額に花開いたスカルプチャーがヴァギナを想わせる2枚のカヴァ・アートは衝撃的だった。誰もが別れたパートナーへの返礼だと思ったのではないかしら?‥‥独ベルリンのファッション・ブランド「Namilia」の最新コレクションで発表された「ヴァギナ・ドレス」をバカバカしいと一笑に付する日本の男女はBjorkの音楽を聴いたことがない(アルバム・カヴァも見たことがない?)のかもしれない。

  • ♭ リップ・リグ+リパニック〔music〕2011-02-11
  • Rip Rig + Panicは元The Pop GroupのBruce Smith(ドラムス)とGareth Sager(ギター、サックス)の2人を中心に結成されたポスト・パンク・バンド。「ザ・ポップ・グループからレゲエの影響と政治性を引いたもの」で、Neneh Cherryが加入するまでヴォーカル不在だった。2013年にリイシューされた3枚のオリジナル・アルバム‥‥《God》(1981)、《I Am Cold》(1982)、《Attitude》(1983)はCD1枚に多数のボーナス・トラックを収録した「Expanded Edition」で、音質も収録曲数も価格も申し分ない。メジャー系レーベルからのリリースだったら、音質は兎も角、高価格の「Deluxe Edition」(2CD)になっていたはず。2010年に再結成されたThe Pop Groupは編集盤《We Are Time》(Freaks R Us 2014)などをリイシューした後に、2枚のオリジナル・アルバム《Citizen Zombie》(2015)、《Honeymoon On Mars》(2016)をリリースしている(前者については〈ゾンビ・デラックス〉参照)。

  • ♭ オレンジ党の冒険〔books〕2008-11-11
  • 天沢退二郎の〈3つの魔法〉シリーズは和製長編ファンタジーの金字塔(オレン字塔?)である。『オレンジ党と黒い釜』(筑摩書房 1978)、『魔の沼』(1982)、『オレンジ党、海へ』(1983)長らく絶版状態だったが、2004年にブッキングから復刊された。第3部で完結したのかと思っていたけれど、28年振りに『オレンジ党 最後の歌』(復刊ドットコム 2011)が刊行された。「あとがき」の日付が2008年1月20日なのに、出版されるまでに約3年も遅れたのは敬愛するジュリアン・グラック氏の急逝による喪失感から体調を崩して、絵(装画さし絵)を全く描けなくなったマリ林(著者の妻・天沢衆子)の回復を待っていたからだという。第4部は第2部『魔の沼』(1982)で転校してしまった名和ゆきえが復帰して、由木道也、李エルザ、鈴木ルミ、竜留三郎、森コージ〈オレンジ党〉の6人が揃う。第1部『オレンジ党と黒い釜』から33年‥‥小・中学校の図書室で読んだことがあるという元少年少女のオールド・ファンは感慨深いでしょう。

                        *

    スニンクスの記事総数が800本に達しました。100本記念の時は「ACCESS RANKING TOP 10」、500本記念の時は「TOP 50」の記事について「自作解説」したので、今回も80位以内に入った記事の中から過去7回と被らないように、順位がアップした10本を選んで自作解説をしました。41字×10行の段落を10ブロック並べるのが「スニーズ・スタイル」(skny-style)。写真や動画を貼っただけの空疎な泡沫ブログに抗って、長い記事を書くように心懸け、出来るだけ記事総数を増やさないという方針で、漸く800本に辿り着きました(2017年12月で丸12年になった)。ソネ風呂は1つの記事に5万字も書けるのだから、短い文章ならばブログにアップするまでもなく、TwitterやFacebookなどのSNSで事足りるはず。サイドバーの「ACCESS RANKING」にトップ5を表示しました。見出しのタイトルが〈ACCESS RANKING 80〉へのリンクになっています。

                        *
                        *




    s k n y s - s y n k s 8 0 0

    s k n y s - s y n k s 8 0 0

    • Author: sknys
    • Articles: 802
    • Provider: So-net
    • Date: 2018/10/11
    • Media: Internet


    みみずくは黄昏に飛びたつ

    みみずくは黄昏に飛びたつ

    • 著者:村上 春樹 / 川上 未映子
    • 出版社:新潮社
    • 発売日:2017/04/27
    • メディア: 単行本(ソフトカバー)
    • 目次:はじめに 川上未映子 / 優れたパーカッショニストは、一番大事な音を叩かない / 地下二階で起きていること / 眠れない夜は、太った郵便配達人と同じくらい珍しい / たとえ紙がなくなっても、人は語り継ぐ / インタヴューを終えて 村上春樹


    Grid Of Points

    Grid Of Points

    • Artist: Grouper
    • Label: Kranky
    • Date: 2018/04/27
    • Media: Audio CD
    • Songs: The Races / Parking Lot / Driving / Thanksgiving Song / Birthday Song / Blouse / Breathing


    オレンジ党 最後の歌

    オレンジ党 最後の歌

    • 著者:天沢 退二郎
    • 出版社:復刊ドットコム
    • 発売日: 2011/12/17
    • メディア:単行本(fukkan.com)
    • 目次:まえがき / オレンジ党の復活 / 万福山系の冒険 / 九十九谷へ / 物語の中の冒険 / オレンジ党の最後の歌 / エピローグ /〔付録〕/ あとがき

    タグ:blog sknynx
    コメント(0) 

    コメント 0

    コメントを書く

    お名前:
    URL:
    コメント:
    画像認証:
    下の画像に表示されている文字を入力してください。

    ※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。