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ネコ・ログ #35 [c a t a l o g]

  
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  • 特徴的なのは尾だけではない。つり上がった美しい目、ピンと立った賢そうな耳 ── そうした要素が組み合わさって、ジャパニーズボブテイルの顔はオリエンタルな雰囲気を漂わせている。体型はスレンダーで、運動能力が高く、ボールを取ってくるなど、人と遊ぶのが大好き。時には水遊びをすることもある。その高い声は、まるで「歌っているよう」と形容されることもある。そんなジャパニーズボブテイルは、必ずや家族の一員としてかけがいのない存在となるだろう。この猫も古代から続く種だが、その起源についてはさまざま伝説が残っている。昔々、日本でのこと。1匹の猫が囲炉裏のそばでうずくまっていると、残り火からパチパチとはぜた火花が尾に燃え移った。驚いた猫が飛び上がり、都を駆け抜けると、その通りにあった家々に火が燃え広がり、翌日には辺り一面が焼け野原になってしまった。怒った帝は、「2度とそのようなことを起こしてはならぬ。すべての猫の尾を切り落とせ」とお触れを出した ── これが、ジャパニーズボブテイルの起源とされる伝説の1つだ。
    タムシン・ピッケラル 「ジャパニーズボブテイル」


  • #307│ソロ│ノラ猫 ── 真摯な眼差し
    狭い車道に面した青空駐車場に数匹のネコがいた。往来を通るクルマやバイク、自転車、人間たちを注意深く見つめたり、毛繕いをしたり、微睡んだり‥‥思い思いの動作や姿勢で屯している。民家の中庭や公園など、駐車場の周辺には安全な場所があるのに、なぜか人目に着くところで寛いでいる。近づいて手招きすると近寄って来る人懐っこいネコもいるし、一定の距離を保つために離れて行く人馴れしていないネコもいる。腰を下ろして目線の下げるとクルマの下で身を潜めている用心深いネコと目が合った。写真を撮っていると通りかかった中年男性が自転車を止めて携帯電話(ガラケー)のカメラを向けたり、下校中の子供たちが興味を示したり‥‥。灰縞や黒ネコなど、色彩を持たない多崎つくるのようなモノトーンのネコたち。穢れのない真摯な眼差しが心を打つ。ネコは人間を外見で判断せずに一瞬で本質を見抜く。ソロちゃんの背景は白いクルマのボディである。

    #308│クリ│飼い猫 ── 青い目のクリー
    クリーニング屋さんの看板ネコと久々に対面した。飼主以外の人間にも物怖じしない大柄なネコ。青い目と灰色の顔はシャミー系の血筋を想わせる。名前を呼べば徐に近寄ってくるけれど、ベタベタ甘えたりしない大人のマナー。でも機嫌が悪いとネコパンチも繰り出す。敏捷な子ネコというわけではないのに、ちょっと目を離した隙に近所の家の塀の奥へ姿を消してしまう。直ぐに戻って来る時もあるし、待っていても一向に帰って来ない場合もある。自分のテリトリ内をパトロールしているのだろうか。「外に出るのが好きなネコなんです」と飼主が語っていたように、クリ君の行動範囲は意外に広いのかもしれない。クリーニング店から少し離れた場所にある飼主宅の玄関前で撮った。なかなか視線をカメラのレンズに合わせてくれない。クリ君は家の中に入りたがっているような素振りをみせているけれど、主人に閉め出されちゃった?

    #309│サイ│飼い猫 ── ネコのプロフィール
    サイちゃんは活溌で好奇心旺盛な飼いネコ。綺麗な毛並みを撫でると気持ち良さそうにゴロニャンする。お腹に触れると指を舐めて手をガシガシと噛む。皮膚の薄い手の甲に歯を立てるので痛いし、噛み痕も赤く残るけれど、決して血は出ないという絶妙な力加減である(ネコの愛情表現?)。これが飼いネコではなく馴れたトラやライオンなどの大型ネコ科動物ならば、戯れているつもりでもムツゴロウ(畑正憲)さんのような大怪我になってしまうだろう。幸いネコはマーモセットのミッツが見た「黒ヒョウ」のようにクモザル並みに小さいので噛む力も弱い。スニーカーやジーンズなど靴や衣服の匂いを嗅ぐ。写真を撮ろうとして屈んでいると前肢で衣服に凭れて後脚で立ち、目と鼻の先に迫って来たり、肩や頭の上に乗ったりする。サイちゃんが撮影者の頭の上で何をしているのかは全く分からない。居心地が良いのでしょうか。

    #310│マープル│飼い猫 ── 三毛ネコ戦線異状なし
    鋭い視線で遠くを見つめている三毛ネコのマープルさん。テリトリ内で何か異状が発生していないかどうか確認を怠らない。同僚のレイちゃんほど人懐っこくはないけれど、機嫌が良い時は柔らかい毛並みに触れても嫌がらない。しかし、虫の居所が悪い時は他人行儀で、馴れ馴れしい素振りは一切見せない。鉢植え花壇の陰に隠れて出て来なかったり、飼主宅のベランダ(2階)に昇ったまま降りて来なかったりする。調子に乗って腹部を撫でていると突然ネコパンチに見舞われる。頑固というか、気性の荒いところのある雌ネコなのだ。人間と共存して暮らしているネコたちにも彼ら自身の「猫生」がある。縄張り内のパトロールだったり、小鳥やネズミを捕る狩猟本能だったり、子孫を残すための求愛行動や性行為だったりする。ネコたちは人間の4倍のスピードで「猫生」を駆け抜ける。

    #311│モト│ノラ猫 ── 魅惑のゴロニャン
    陽が暮れる頃になると、周辺の繁みや物陰に身を隠していたO無親水公園のネコたちも姿を現わす。世話係の女性が運んで来る「夜ゴハン」を待っているのだ。彼女と一緒に居合わせることが出来れば、ネコたちに逃げられる心配はない。食事を終えたネコたちと戯れていると、モトちゃんはゴロニャンして恍惚状態に陥った。好物のマタタビ(マリファナ?)でラリっちゃったようなトリップ状態?‥‥瞳孔が開いて焦点も定まらず、どこかへ飛んでイッちゃったのか。世話係の女性は「カメラのシャッター音に反応しているんじゃないの?」と言う(女性モデルもカメラマンの連射するシャッター音が心地良くて、つい脱いじゃったりするのかしら?)。シャッター音に驚いて目を瞬き、ビクッと躰を震わせる敏感なネコもいるし、不思議なことに体育のマット運動のように連続でデングリ返し(前方回転)するネコもいる。

    #312│チイ│ノラ猫 ── 橋の上の黒ネコ
    O無親水公園には水も流れていない川に古風な水車があったりして、TVドラマ「土曜ワイド劇場」などのロケ地に使われることも少なくない。時代劇に出て来そうな木製の太鼓橋も架かっている。ゴツゴツした石畳の階段や湾曲した小さな橋も歩き難いので余り人は通らないけれど、ネコたちにとっては居心地の良い場所らしい。小さな黒ネコが置き物みたいに橋の上に鎮座していた。チビ黒のチイは、もう1匹いる黒ネコの子供なのかもしれない。でも、まだ子ネコだからと油断して近づくとネコパンチを食らってしまう。爪を立てた先制攻撃は母ネコから習得した自己防衛本能なのだろうか。A鳥山公園と共に春には多くの花見客で賑わう公園も、夏場は薮蚊に悩まされる。通行人や休憩している人だけでなく、公園に暮らしているネコたちも蚊に襲われる。デング熱ウイルスに感染した蚊に刺されたネコも発症するのでしょうか。

    #313│リン│ノラ猫 ── 一時避難場所?
    I袋駅前公園は改装工事が行なわれて、駐輪場(I袋駅東自転車駐車場)が地上にも拡張された。地下駐輪場の出入口付近にいるリンちゃんは気が向くと膝の上に乗ったりするほど人馴れしている。でも駅に近く人通りが多い場所なので、時には緊張も強いられるのだろう。工事現場に置いてあるような「A型バリケード」(「自転車・バイク放置禁止」というサイン看板が付いている)の中に一時避難して、目の前を通る通行人や自転車を注意深く見つめていた。地元では「うなぎ公園」という名称で呼ばれている細長い公園の裏手はJR山手線や埼京線が通る立入禁止区域になっているが、ネコたちは金網フェンスの隙間から自由に出入りしている。ネコにとっては人の手の届かない「避難場所」でもある。植え込みの奥にはダンボールで作ったネコ小屋も見える。リンちゃんの尻尾は太く、体重も重い。膝の上に長時間居座るネコも良し悪しである。

    #314│リョウ│飼い猫 ── 目元涼しげなニャンコ
    薄水色の目が涼しげなネコちゃんを眺めていると、猛暑の体感温度も2〜3℃は下がる。I袋駅前公園のネコたちは水天宮神社前の石畳で自由気儘に寛いでいることが多かったが、最近は線路沿いの植え込みの中に隠れていて余り人前に姿を現わさなくなってしまった。それでも夕食時になるとネコおじさんたちが運んで来るゴハンを求めて繁みの中から出て来る。久しぶりに駅前公園に立ち寄ってみたら、植え込みの中に2匹の子ネコが隠れていた。生後4〜5カ月くらいだろうか。ゴハンを食べに出て行こうかどうか迷っている。近づくと逃げちゃうけれど、興味深そうに戻って来る。好奇心と怖れが子ネコの内部で葛藤しているのかもしれない。真っ白い子ネコは目が大きく、白黒の子ネコはシコちゃんに良く似ている。可愛い子ネコ時代の写真が撮れるかしら?

    #315│バル│飼い猫 ── Y中霊園のデブ猫です
    上野の美術館へ行く時は1つ手前のU谷駅で下車して、人気のない裏道を歩くことにしている。「バルテュス展」(東京都美術館)は谷中のネコに会えるかも?‥‥という淡い期待を抱いて、N暮里駅で降りて歩いてみた。ところが「ネコ銀座」への道を間違えたのか、両側が墓地の通りには1匹しかネコがいなかった。檀家の手桶の前で休んでいるデブ猫‥‥貫禄ある体躯は「ネコの王」という名称に相応しい。首輪に付いているターコイズブルーの鈴が飼いネコであることを主張している。歩き疲れて美術館の中に入ると、〈ミツ〉〈猫たちの王〉〈夢見るテレーズ〉〈猫と少女〉〈金魚〉〈決して来ない時〉〈猫と裸婦〉〈地中海の猫〉‥‥現実世界とは対照的に数多くのネコたちがタブローの中で待ち構えていた。画家バルテュスの描くネコは少女たちと同じくらい麗しくも愛らしくもないのだが、デブ猫のバルも可愛くない。ネコの子1匹いない殺風景な「ねこ歩き」にならないで良かったにゃあ。

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    各記事のトップを飾ってくれたネコちゃん(9匹)のプロフィールを紹介する「ネコ・カタログ」の第35集です。サムネイルをクリックすると掲載したネコ写真に、右下のナンバー表の数字をクリックすると該当紹介文にジャンプ、ネコ・タイトルをクリックするとトップに戻ります。ノラ猫や地域猫、飼い猫を差別しない方針で、これまでに延べ300匹以上のネコちゃんを紹介して来ましたが、こんなにも多くのネコたちが棲息していることに驚かされます。第35集の常連ネコはマープルとモトちゃん。『世界で一番美しい猫の図鑑』(エクスナレッジ 2014)は56種類のネコたちの歴史と物語を綴った大型本。エジプシャンマウ、ターキッシュバン、ソコケ、マンクス、キムリック、ノルウェージャンフォレストキャット、サイベリアン、ブリティッシュショートヘア、ジャパニーズボブテイル、ドラゴンリー、シャム、コラット、バーマン、ペルシャ‥‥。大きくて重い本ですが、タムシン・ピッケラルの文章とアストリッド・ハリソンの写真に魅了されます。

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    • 記事タイトルの右に一覧リストのリンク・ボタン(黒猫アイコン)を付けました^^

    • オリジナル写真の縦横比は2:3ですが、サムネイルは3:4にリサイズしています
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    世界で一番美しい猫の図鑑

    世界で一番美しい猫の図鑑

    • 著者:タムシン・ピッケラル(Tamsin Pickeral)/ 五十嵐 友子(訳)
    • 写真:アストリッド・ハリソン(Astrid Harrisson)
    • 出版社:エクスナレッジ
    • 発売日:2014/07/03
    • メディア:単行本
    • 目次:古代から中世の血統(エジプシャンマウ/ターキッシュバン...)/ 中世から19世紀の血統(ターキッシュアンゴラ/ロシアンブルー...)/ 19世紀後半から1959年の血統(タイ/バリニーズ...)/ 1960年から1969年の血統(デボンレックス/スコティッシュフォールド...)/ 1970年から現在の血統(シンガプーラ/アメリカンカール...)

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