スニーズ・シンクス 2 0 1 0 [b l o g]
回文シリーズは第20集〈復学薬学部〉で200回文を達成した。「突然ピンセット」は記事タイトルに使いたいほど気に入っていたが、既に「と」で始まる〈トビ魚追う人〉があるので断念。〈8人新婚、親日派〉は完璧すぎて、ストーリが全く思い浮かばなかった。阿修羅像(奈良・興福寺)の場面は萩尾望都が拝観中に眠ってしまったというエピソードを下敷きにしている。長澤まさみがクマとリング上で対戦する回文は過去最長(41文字)。第21集〈イレヴン憂い〉の中の「うの一番」は主演映画のタイトルではなく、井上真央がカード・ゲームUNOの達人という設定だった。海賊船船長の「小咄」は『紙葉の家』(ソニー・マガジンズ 2002)の中の「トムの寝物語」のパロディ。〈2時間ワイド‥‥〉の内科医の飼い犬イワンはイタグレ犬(イタリアン・グレイハウンド+ワンワン)の短縮形(苦しい?)。第22集〈黒豚ブログ〉の中の「ネコ日和」は『書店員のネコ日和』(ポプラ社)から。お花畑で遊ぶ可愛い子ネコちゃんのイメージは《Beats And Breaks From The Flower Patch》(Kindercore 1998)から借りました。
バルテュス回文は「蓮」にするか「茄子」にするかで最後まで迷ったけれど、和食の一品料理ということで「ハス」を茹でることにした。ちなみに酢蓮(酢レンコン)は湯ではなく、酢で煮染めるんですね。第23集〈目醒めさめざめ〉のストーリは意図的にハズしているところがある。佐々木希は翌朝二日酔いで目覚めるわけではないし、草食系作家も疲労困憊して夜中にユンケルを飲むようにカツサンドを頬張るわけではない(「まい泉」か「三代目たいめいけん」で迷ったけれど)。南方のジャングル奥地に進攻した小隊に「騎兵」(馬)がいるのは不自然だし、射殺された軍医の傍らで片目を瞑って息絶えているペットは「猛虎」ではなく「仔トラ」である。3人称から1人称という話者の視点変更も意識した。モーさま回文の「佐渡」は「ド・サト」(佐藤史生)の隠喩でもあるが、「冥界」のイメージも込めている。少女マンガ家5人のメンバーは花郁悠紀子のイラスト・エッセイ「ヨーロッパ旅行不始末記」から採っている。もちろん2人が存命中の国内旅行なので、ケータイなどという不粋なものは存在しない。ちょっと泣ける回文でしょう?
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年間ベスト・アルバム10を遡って行く「rewind」シリーズは〈トロピカリア1993〉〈ドライでも?1992〉〈愛なき世界 1991〉〈フー・フー・フープ 2009〉をアップした。〈愛なき世界〉の記事中でも触れたように、1991年はロックにとってエポック・メイキングな年だった。グランジとシューゲイザーを代表する2バンド、その後20年近くも語り継がれることになる2枚のアルバムがリリースされた年なのだから。さらに「湾岸戦争」の影響を蒙ったり、それに反発したアルバムも1991年を特別な年として記憶に焼き付けることになった。〈フー・フー・フープ〉はNatalia Lafourcadeのアルバム名とJesca Hoopの名前を折衷したタイトルで、前者はデモ2曲をプラスした国内盤が、後者もボーナス・トラック数曲を追加収録したUS盤が2010年にリリースされた。28年振りのニュー・アルバムを選出していただけに、Ari Up(The Slits)の突然の訃報はショックだった。〈アリ・アップ・リップ〉は出来ることなら書きたくなかった記事である。
毎年12月は海外音楽各メディアの年間ベスト・アルバムが出揃う時期でもある。2009年はAnimal Collectiveの1人勝ち〜総ナメ状態という感じだったが、2010年の最有力候補はPitchforkで満点(10.0)を獲得したKanye Westのニュー・アルバムでしょうか。その反面、CDが売れなくなったのと同じように、売り上げ部数低下に苦しむ音楽雑誌の危機意識が各紙のリストに表われているような気もする。たとえば、NME(Best Albums Of 2010)には洋楽を聴いているリスナーとっても耳馴れない知名度の低いバンドやアーティストが上位に並んでいる。このくらい強い主張がないと音楽誌は広大なネットの荒波や大渦に呑み込まれて、存在意義を失ってしまうのかもしれない。変わり映えのしないヴェテラン・アーティストのアルバムを十年一日のごとく選出している国内洋楽誌よりは刺戟的で面白い‥‥取り敢えず、未知のミュージシャンやバンドのアルバムを1〜2枚買ってみようかという気になります。
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「COMを読む」シリーズ(1967~69 / 1969~71)を終了して、「少年マガジン」シリーズを新しく始めた。〈ORIGINAL SHORT STORIES〉は上村一夫、川本コオ、真崎・守、旭丘光志、辰巳ヨシヒロ、松本零士の6人が短篇(上村、川本、真崎の3氏は3連作)を競作するシリーズ。〈未来がまつ落し穴〉は永井豪、川本コオ、石森章太郎、山上たつひこ、松本零士の5人による競作短篇シリーズ。原作つきの課題作(ロバート・ブロック、星新一、筒井康隆、小松左京)と自由作の2篇で、読者からの葉書投票によって「愛読者賞」競う。この2シリーズを記事にしようと思い立ったのは、40年前の少年マンガ誌の斬新な試みを紹介したかったことと、その作家陣の多くがCOMと重なっていること。COMは1971年で休刊してしまうが、それと交差するように常連作家たちが少年誌や青年誌に発表の場を移すことになった。もっとも、その後花開いたのは少年・青年マンガではなく、少女マンガの方だったのだが‥‥。次回の少マガ・シリーズは「サキ短編集」の予定。
美術展やアート関連の記事は岩合光昭のネコ写真展〈ネコの海(kai)ちゃん〉しか書かなかったけれど、画家の自画像だけをコレクションした「ウフィツィ美術館」(損保ジャパン東郷青児美術館)やロシア・アヴァンギャルドの視点から見直した「シャガール──ポンピドー・センター所蔵作品展」(東京藝術大学大学美術館)などが印象に残った。山尾悠子の掌篇小説集『歪み真珠』(国書刊行会)は面白すぎる。初期作品自選集『夢の遠近法』も10月に刊行された。「トマス・ピンチョン全小説」(新潮社)は『メイスン&ディクスン』も『逆光』も上下2巻本で超高価ということもあって、図書館から借りることになりそう。欲しいアルバム(CD)がリアル店鋪の在庫にないということも何度かあり、ショップから注文して取り寄せてもらった。Michael Giraの自筆サイン入りスペシャル・エディション《My Father Will Guide Me Up A Rope To The Sky》(Young God)はオフィシャル・サイトから買ったのかしら?‥‥ちなみにマイブームは「TEMPUR」です。
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W杯南アフリカ大会、HMV渋谷閉店、記事300、RIP(佐藤史生、Ari Up)‥‥など、2010年の個人的な10大ニュースの中に「エコ・ポイント」も入れるべきだろうか。省エネ・タイプの電化製品(地デジ対応TV、エアコン、冷蔵庫‥‥)に買い替えることで、商品券などに交換可能なポイントが政府から支給されるバラ撒き政策。その「エコ・ポイント」が12月から半減するとアナウンスされるや否や、まるで石油ショック時のトイレットペーパー買い占め主婦みたいに大手家電量販店に殺到した消費者たち‥‥。確かに地デジ対応の薄型TVは数年前に較べると低価格化が進んで買い易くなっているけれど、目先の「エコ・ポイント」に目が眩んで慌てて購入する必要があるのかしら。店頭に陳列されている最新機種には、2011年7月に終了するというアナログ放送用のチューナーが内蔵されている(リモコンには「地上A」のボタンがある)。7ヵ月後には不必要となる無駄な機能が付いているのだ。この家電製品の一体どこが「エコ」なのでしょうか。
先月、バスルームの白熱電球(60W)が切れたのを機に省エネ・タイプのLED電球に交換した。年間電気代は約1/5、40000時間という長寿命だが、価格が20倍以上もする(浴室など密閉型器具に対応しているのはP社製のみ)。浴室には全光束450ルーメン(電球色)では暗かったので、より明るい650ルーメンに付け換え、最初に購入したLED電球(450lm)を玄関用のダウンライト器具に挿し替えることにした。「エコ・ポイント」の付かない高価な買物(価格の半分のエコポイント数で交換可能)だったが、電球を省エネ・タイプに取り替えたことで地球温暖化防止(CO2排出削減)に貢献していると考えるのは気分が良い。余計なもの(アナログ・チューナー)が付いている地デジ対応TVに買い替えるよりも遙かに「エコ」だと思う。しかし、家電量販店の照明器具売場のレジはLED電球を買い求める人たちの行列で混雑しているわけではなかった。
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先日(12/7~8)、ログイン出来ない不具合がソネ風呂内で発生した。実はシステム・メンテナンス後(10/1)からログイン認証が不安定になっていて、数日前からは「読んでいるブログ(RSS)」の更新通知も一部のブロガーにしか届いていなかった。大障害の前兆でなければ良いけれど‥‥と危惧していた矢先のトラブルだった。今回の「ログイン障害」の原因の1つが「nice!自動化プログラム」にあるらしいことをテレマーカーさんの記事「ソネットブログ。トラフィック過多による障害」で知った。ソネ風呂の重さの一因がnice!機能にあることは以前から薄々感じていた。たとえば、新機能や不具合を報せる「What's new?」に付く数百のnice!アイコンが記事そのものの表示を重くしているという皮肉。新機能の紹介を歓迎するのなら兎も角、未対応・調査中の障害情報にnice!を押すブロガーの非常識さにも閉口するし、nice!を受け付ける設定にしているソネ風呂の無神経さにも腹が立つ。最重要情報が大量のnice!で逆に見難くなっているのだ。度重なる不具合・障害のストレスに辟易して、引っ越しを検討するソネ風呂ガーも少なくない。nice!機能は必要ですか?
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sknys - synks 2006 / 2007 / 2008 / 2009 / 2010 / sknynx / 303
Hello Kitty × TEMPURR マルマルクッション
- メーカー:テンピュール × サンリオ
- サイズ:40 × 38 × 3cm
- 材質:カヴァ生地/麻100%(側生地)
- メディア:おもちゃ&ホビー
Panasonic LED電球(EVERLEDS LDA9L-H)
- 全光束:650lm(電球色相当)
- 消費電力:9.2W
- 寿命:40000h
- メーカー:Panasonic
- メディア:ホーム&キッチン
2010-12-11 00:50
コメント(4)
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どこかで読んだのが、不具合時と同じ時期に「自動スパムコメント」が100通以上、同じ文言の投稿があったと言う話しも見かけました。
これはさすがに頒布されていないとは思う(思いたい)ですが・・・。
自動でのこういった動作って、何かが詰まると連打処理的になって大変なアクセスを生みますからね。
昔の重いパソコン時代なんか、処理途中に動作が緩慢になり、じれったくてキー連打したらいきなり押した分の処理が「LLLLLLLLLLLLLLLLLLL」ってなったりしましたからね(^^;
恐らく、RSSロボット巡回とブログレーダー、自動トラックバック、自動ナイス、自動コメント等が一時的に重なって許容を超えたんでしょうが、ナイスの場合、アクセスを弾けるキーワード等が無いため、ナイスエリアが開いてさえいれば簡単に押し捲れますからね・・・。
私はナイス・サービスをやめてもかまわないと思いますね。軽くなるなら。
引っ越すならどっちにしても足跡機能とかナイス機能の無いところに行きますから。
かといって今自分の所のナイスを閉じても自動巡回は無いのでメリットも無くなりますから開けたままですが・・・(^^;
実は、ウェブリ・ブログも「気持ち玉」サービスをやりだしてちょっと重くなりました。
やっぱりああいうリンクはネットワーク負荷は結構あると思っていいですね。
by テレマーカー (2010-12-12 01:12)
自分が押したり、バラ撒いたnice!が重くなる原因の1つだとは
夢にも思ってないんでしょうね。
nice!を廃止すれば負荷が軽減されるとアナウンスすれば、
無くても構わないというブロガーが案外多いかもしれません。
ソネ風呂は度重なる障害に愛想が尽きて引っ越しするブロガー数と、
ナイス・サーヴィスを停止することのデメリットを秤にかけているのかな?
nice!は決して減ることはなく、日々増殖し続けて行くので、
今回と同じような障害が再び繰り返されるはず。
もしサーバーの故障や事故、操作ミスやサイバー攻撃などで、
nice!が初期化(消去)されたとしても、全然困らないけれど‥‥^^;
by sknys (2010-12-12 23:45)
>もしサーバーの故障や事故、操作ミスやサイバー攻撃などで、
nice!が初期化(消去)されたとしても、全然困らないけれど‥‥
初期化・・・。気がつかなかった・・・。
なんか、ちょっと期待したりする部分かも・・・(^^;
止めたブログのnice!が残っていますからねぇ。案外こういう残骸も足を重くしているのかもしれませんしね。
それと、全く関係ない話、「nice!」と打つと「偽!」って変換出ます(^^;
毎回にやけてしまう・・・(^^;
by テレマーカー (2010-12-15 17:56)
もしnice!が強制的にリセット(nice!0)されたら、
ホッとするソネ風呂ガーも少なくない?
「ブログ環境に有害なnice!排出削減案」
〔1〕総量規制(例:上限を1万nice!とする)
〔2〕数量規制(例:1日10nice!までとする)
〔3〕時効制度(例:1年間更新されていないブログのnice!は自動消滅)
〔1〕1万nice!を越えたソネ風呂ガーは「殿堂入り」ということで^^
〔2〕の意見は過去にもありましたが、nice!数の設定が難しそう
〔3〕開店休業中のブログにリンク誘導されてもねぇ
これで「名椅子!」が半減すると良いけれど^^;
by sknys (2010-12-15 23:42)