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ネコ・ログ #2 [c a t a l o g]

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♯10│イコ│捨て猫 ── S川緑地で舌出したのね
S川緑地に棲息する猫たちの多くは警戒心が強く、人間との距離が一定値(2〜3m)を越えるとソソクサと逃げてしまうが、ベベのように稀に人馴れしている猫もいる。イコも人間を全く怖れない。毛並みを撫でても一向に動じない無防備な態度は、悪意のある人の手に掛かったら‥‥と、逆に不安になるほど。「捨て猫」だとベンチの老人に教えられて合点が行く。遊歩道沿いの石垣の上にいることが多いので、通行人──通勤・通学、散歩、ジョギング、買い物(橋の向かい側にスーパーがある)する人たちの目を和ませてくれる。紅葉の季節、いつもの定位置でピンク色の舌を出している。左手前に宮部みゆきの単行本の一部分が写っています。飴色の目がチャーミングな白黒2トーン猫です。

♯11│ゴン│飼い猫 ── オイラに何か用あるの?
小振りなイコより2回りは大きい黒白猫。人懐っこい性格で、脚に頭突きをガンガン喰らわして痛いくらい。前回紹介したタッキーイチゴスズと同じ地域に棲んでいるけれど、基本的に家の中で飼われているらしく、出逢うチャンスは少ない。夕暮れ時、調子に乗ってフラッシュ撮影していたら発光を嫌って民家の可動式鉄柵(左のK字状の部分)の内側へ隠れてしまった。それでもノラ猫のように逃げ去る訳ではなく、光る謎の物体に興味津々の様子で、こちらをジっと睨んでいる。「せっかく遊ぼうとしているのに、その眩しいヒカリ大嫌い!」‥‥という感じ。撮影を止めると再び近寄って来て、何事もなかったようにゴロニャンする。メロン色の目が美しい‥‥普段はもっと優しい眼差しなんですよ。

♯12│シン│ノラ猫 ── 夢見る頃を過ぎても‥‥
夜間のフラッシュ撮影は難しい。特に小動物の場合、フラッシュ発光以前のAFイルミネータ(フォーカス合わせの赤い補助光)の時点で逃げられてしまうことも少なくない。S親水公園のシンを撮る際、何回シャッターを切っただろうか?‥‥この写真が撮れたのはカメラマンの腕ではなくて、単にマグレだと思う。石座の上で夢見るような憂いを帯びた耽美的な眼差し。こんな素敵なショットが撮れた時は思わずモデル猫を撫でたくなります。「被写体になってくれて、ありがとう。また、逢おうね!」‥‥ノラ猫は、その縄張りに何時もいるものと安心していると、ある日突然、失踪〜行方不明になってしまうことがあるので、要注意。明日はいないかも‥‥という思いでシャッターを押しています。

♯13│ハナ│外猫 ── 雄猫ですがハナと呼んでね
K図書館のマスコット的存在の外猫。鼻の両脇に茶色のアクセントがあるので雄猫なのにハナと呼ばれています。元飼い猫らしく甘ったれで、隣接するS公園のベンチに坐ると、直ぐ昇って来て膝の上で丸くなる。子猫の頃から公園内にいるので日常風景の一部に溶け込んでいましたが、昨年の衆院総選挙直後に謎の失踪!‥‥元飼主の婆さんが引っ越して行く際に一緒に連れて行ったんじゃないかと、館長は心配げに推測しますが、毎日公園や図書館に来ているネコウォッチャー同士に親密なネットワークがある訳でもなく、噂の域を出ません。母校のJ小学校が廃校(!)になった煽りで図書館の地下が投票所に使われた。図書館利用者は猫好き・嫌いを問わずハナの存在を視認している(ハナも人間を見知っている?)けれど、見知らぬ大人たちが1度に大勢来て公園の猫たちもビックリしたんじゃないか。驚いて逃げ出したのか、初対面の誰かが拾って行ったのか?‥‥失踪前、閉館後の図書館の玄関前にチョコンと坐って、人恋しそうにしていたハナの姿が忘れられません。

♯14│スヌーピー│飼い犬 ── スヌーピーのカラー・シルエットです
イヌの記事にネコ写真を付けるのもどうかと思って、今回だけお休みしました。スヌーピーのカラー・シルエット写真は(会場内が撮影禁止のため)寒風吹き荒ぶ夜、東京国際フォーラムA展示室の外から撮っています。スヌーピーを象ったワイアーの中にプリザーヴド・フラワー(緑の葉と枝)を詰め込んだエコロジカルな巨大なオブジェのことが気になっています。その時は「花の名前」かと気にも留めませんでしたが、花を枯れさせない保存技術の1つだったことをぶーけさんの記事で知りました。〈スヌーピー ライフデザイン展〉は今夏以降、大阪(サントリーミュージアム [天保山] 2006/7/8~9/24)、名古屋‥‥全国巡回予定なので、機会があったら観て下さい。ニコライ・バーグマンという新鋭フラワー・デザイナーの作品です。草間彌生の水玉スヌーピーや、宇津木えりの着ぐるみピーナッツ人形たちにも癒されます(男たちはTバック黒レース下着で目の保養?)。草間さんのポストカード(スヌーピー3匹セット)を買っちゃいました!

♯15│ラッキー│飼い猫 ── 夜食が喰いたいニャ〜
JR某駅前の理髪店Rの老猫。マンションの元住人が引っ越す際に捨てて行ったのを可哀相に思って飼っているの、1度クルマに轢かれたことがあるのよ、頸にある痼りが気になるけれど‥‥と、女主人は縷々話します。店の前や外部エアコンの上で寝ていることが多い。夜間のフラッシュ撮影なので睛が少し青みを帯びている。ちょうど女主人に向かって「ニャ〜」と鳴いているところ‥‥老猫(15歳?)なので、歯がありません(笑)。歳のせいか、全くフラッシュ(発光)を怖れない。不思議なのは女主人は「アカちゃん」と呼んでいるのに、娘さんが「ラッキー」と言っていること。本名「アカ」、通称「ラッキー」というところでしょうか。先日、店の前を通り掛かったら、硝子ドアの内側に坐って外を眺めていました。長生きしてね、ラッキー!

♯16│クビシロ│飼い猫 ── 猫にしては面長なのだ!
近所のタバコ屋さんで飼っている白茶の雄猫です。大人しい性格なので、身近な被写体としては申し分ない存在。昨年の夏は流石にグッタリしていましたが、勝手口や階段付近で寝転んでいることが多い。その一方で、ネズミを捕ったり(孫娘の少女が自慢げに教えてくれました!)、夜になると活発に行動する隠れた一面も‥‥。基本的に人に触られるのは嫌いみたい。キミが写真撮りたいのなら勝手にどうぞ、好きにしてOK‥‥でも撫でられるのはイヤよ、放って置いてちょうだい!──というクールなスタンス。この写真を眺めながら、「こんな顔の人いるよね、誰とは言わないけどさ」‥‥と何度思ったことか。猫にしては面長なので、人間の顔に見えるんでしょうか。首が白いからクビシロちゃんと言います‥‥何て分かりやすい名前なの!

♯17│ソラン│ノラ猫 ── 金眼碧眼の白猫です
いわゆるオッド・アイと呼ばれる金目銀目猫。空色の右眼がベラ・バラージュの『ほんとうの空色』やカンディンスキーの〈空の青〉を連想させます。C公園の宏大な敷地内には、かつて30匹以上のノラ猫たちが棲息していたという。それが、ある日を境に1日で半減した(そりゃネコ狩りだ!)と、ほぼ毎日自転車でキャットフードを運んで来るNさん(86歳)が語ります。今は4匹しか確認出来ず、手持ち無沙汰‥‥。ソランの写真も1年半前に撮った、この1枚だけ。今は他の猫たちと同じく消息不明です。ラッキーの女飼主が、近所のマンションに日本一になったグランプリ猫ちゃんがいるのよ、今度写真を見せるわね、左右の眼の色が異なって‥‥と言うので、「真っ白い猫ちゃんでしょう?」と訊くと、何で分かるのよ!‥‥と目を丸くして驚いていました。

♯18│メグ│ノラ猫 ── まだ人馴れしていません
ソランと同じくC公園内の黒白猫ですが、昨年の春に産まれたばかりの子猫──右側にある赤いヨーグルト・カップと比較して下さい──で、まだ人馴れしていません。人間が近づくと逃げ回る、でもエサは欲しいというジレンマ状態‥‥。小心者のチビ猫です。昨年の夏の夜、中距離から苦心のフラッシュ撮影。青い眼のネコになってしまいました。その後、懐いて強面のワイルド・キャットに成長!‥‥最近、誰かに貰われて行ったらしく、今は見掛けません。兄弟姉妹(?)の白茶猫2匹──1匹は人懐っこく、もう1匹は落ち着きがなかった──も既に公園から姿を消して久しい。同じ環境で育った兄弟姉妹でも異なる性格‥‥その性格も絶対ではなく、子猫の間に変化することを初めて知りました。それとも単に人見知りしていただけなのでしょうか。

                    * 

今までUPした記事のトップを飾ってくれた猫ちゃん(9匹)のプロフィールを紹介する「ネコ・カタログ」の第2弾です。今回は1回お休みしたので8匹になりました。飼い猫は今も健在ですが、姿を消してしまったノラ猫の多くは安否を確認出来ません。「ノラ猫の寿命は3年」という、あるネコ本の記述を無念な想いと共に噛みしめています。先日、久しぶりにゴンと出逢いました。相変わらず人懐っこい性格。ジャレ付いても爪を立てない。綺麗なメロン・グリーンの目で見つめ返す。赤い首輪に付いている小さな鐘がキラキラ光る。ちょっと肥り気味ですが‥‥顔の白い部分を除けばMaukie君にソックリです。サムネイルをクリックすると掲載したネコ写真に、右下にあるナンバー表の数字をクリックすると該当紹介文にジャンプするように工夫しました。

                    * 
          

  • 次回は回文シリーズ第5弾〈レモン缶漏れ〉を予定しています。ナゾナゾ回文‥‥誰か作ってくれないかなぁ(密かに作っていたりして?)

                    *



猫語の教科書

猫語の教科書

  • 著者:ポール・ギャリコ (Paul Gallico) / 灰島 かり(訳)/ スザンヌ・サース(写真)
  • 出版社:筑摩書房
  • 発売日:1995/07/25
  • メディア:単行本(ソフトカバー)
  • 目次:人間の家をのっとる方法 / 人間ってどういう生き物? / 猫の持ち物、猫の居場所 / 獣医にかかるとき / おいしいものを食べるには / 食卓でのおすそわけ / 魅惑の表情をつくる / ドアをどうする? / クリスマスのおたのしみ / 旅行におともするコツ / 母になるということ / じょうずな話し方 / 猫にとっての正しいマナー / 愛について / 別宅を持ってし...


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コメント 6

こにゃ

まってました☆
それぞれのにゃこ達のプロフィール読むの楽しい。
sknysさん目線の猫達の人生。彼らは人のことは気にせず
「あぁ、いたの」とか「うるさいなぁ」とか「ご飯くれ」とか
いつもどおり気ままにお相手してくれますよね。

猫の集会場所なんて周りには無く、車で移動なので
道端の猫(一瞬)や道路を渡る猫のみの観察?!
先日はキジトラが対向車の方はよく見て(猫から向かって左から来る車)
右から来るワタシの車両の確認せず渡っていきました。
(もちろんこちらは速度を落としてあげて)
ひとり車内で「あぁ!惜しい」「左右確認しなきゃだよ(笑)」

猫ウォッチングしたいなぁ。
by こにゃ (2006-07-26 11:06) 

sknys

こにゃさん、猫コメントありがとう。
都会のネコって行動範囲が広いのか、クルマに無頓着なのか、
平気で車道をトコトコと横断しちゃいます。

〈猫スリ〉の雌猫も数カ月前に車に跳ねられて短い生涯を閉じました。
育児放棄のダメ母猫と非難されて来ましたが、
まだまだ子供(幼な妻?)だったのかもしれません。

路肩に放置されていたのをネコウォッチャーが発見して、
公園の茂みに手厚く埋葬されました(合掌)。
傷1つない綺麗な躰だったそうです。
by sknys (2006-07-26 22:22) 

ぶーけ

猫ウォッチ、いろんなドラマがありますね。
ミレーヌの新作PVアニメ画像、ありがとうございました。SFの主人公みたいですね。(^^)
ポール・ギャリコって、やっぱり猫好きなんでしょうか?
by ぶーけ (2006-07-27 10:44) 

sknys

ぶーけさん、コメントありがとう。
〈アナタカモ〉のPVをYouTube (http://www.youtube.com/browse) で視聴しちゃいました。
やっぱり攻殻機動隊〜バイオハザード風のSFアニメで、
ミレーヌ姫らしい衝撃の結末が!‥‥。

ポール・ギャリコ先生は大の猫好きですよ。
『猫語の教科書』は母猫が仔猫たちに送る指南書(いかに人間たちを
メロメロにしてノラの身分から飼い猫に成り上がるか!)。
「猫語」で書かれたテキストをP・ギャリコが翻訳したという
洒落た体裁になっています。
by sknys (2006-07-27 22:46) 

ぶーけ

ギャリコ先生は本式の猫好きなんですね。(^^)
ミレーヌ姫、見てきました~♪雰囲気がよくでてましたね。あのキャラで、連続アニメが作れそう。ラストは本当にショックでした。。
by ぶーけ (2006-07-31 14:36) 

sknys

〈猫ふた〉でギャリコ先生の『さすらいのジェニー』を紹介しました。
白い猫に変身してしまったピーター少年の物語(ファンタジー)です。
訳者・矢川澄子さんの「解説」も引用しました。

〈アナタカモ〉は長編アニメのクライマックスみたいな緊迫感ですね。
ミレーヌ姫が囚われの身になった経緯が知りたいなぁ。
実はロング・ヴァージョンがあったりして?
by sknys (2006-07-31 23:59) 

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