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ネコ・ログ #24 [c a t a l o g]

  
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  • ジョン・レノンは猫が好きだった。いわゆる “失われた週末” のときに飼っていた2匹の猫 の名は「メジャー」と「マイナー」。ダコタハウスでも3匹の猫と一緒に暮らし、「サーシャ」「ミーシャ」「シャロ」と名づけていたという。もともとはジョンの母親が猫好きで、「エルヴィス」という名の猫を可愛がっていた。/ キース・リチャーズは「ロックンローラーは猫だ」という名言を残し、フレディ・マーキュリーも大の猫好きとして記憶されている。数々のミュージシャンたちと親交があったウィリアム・バロウズの著書『THE CAT INSIDE』には、彼の猫に対する偏愛ぶりが描かれてほほえましい。/ ミュージシャンと猫。運命的に出会い、生活をともにし、やがては命をまっとうして去っていく相棒。ミュージシャンに愛された猫たちの物語は、それぞれの音楽にとても似ている。
    佐々木 美夏 『ミュージシャンと猫』


  • ♯208│クリ│飼い猫 ── 色変わりしちゃった
    通い慣れたコースから外れて遠回りしてみた。S公園を通り抜けて奥の出入り口から舗道へ出る。数m低いところにある別の公園へ続く小道。雑草が生え傍らにバイクが駐車している空地に大きなネコが寝そべっていた。グレーの顔に水色の目がエレガントに映える。顔は灰色なのに躰は白っぽい。近寄って写真を撮っても全く動じる様子のない気品溢れるネコ。頑丈そうな首輪から大切に飼われていることが想像される。ポーチの前で撮っていると飼主の男性が出て来て、貰われて来た時は真っ白い子猫だった、雌ネコだと思っていたらオスだった‥‥と語る。撮られることに飽きたのか、暫くするとトコトコと歩いて行き、少し離れたクリーニング店の中へ何事もなかったように入って行く。エッ〜〜〜?‥‥目がテンなっていると、カウンターの女性が家のネコですと言う。奥から先の男性が顔を出して漸く疑問が解けた。ネコの飼主夫妻は自宅近くの場所でクリーニング店を営んでいたのだった。

    ♯209│スズ│飼い猫 ── 白い靴下をはいた猫
    子猫時代に1度だけ撮ったことのあるスズちゃんは白ソックス(右後脚だけは白ハイソックス?)を履いた縞ネコ。小さな躰に反して気は滅法強いらしく、隣家の三毛猫を威嚇しては追い回していた。内気なイチゴちゃんがアパートの外階段の上まで逃げて行って、なかなか下に降りて来ないこともあった。いつもならば素速い動作で機敏に動き回っているのに、今日のスズは少々大人しい。女飼主曰く、好物の高級キャットフードも全然食べない。食欲減退のイチゴちゃんも病院で3本も注射をしたと話す(そう言えば、最近イチゴちゃんの姿を見かけない)。連日の酷暑で人間もネコも夏バテ気味なのかもしれない。曇り空で手ブレ・マークが表示されているので、出来るだけカメラを動かないようにして撮った(F2.8 1/30秒)。カメラを固定しても被写体が動けばブレてしまう。少し元気のなかったのが幸いしたのか、撮影中のスズちゃんは静止していてくれた。

    ♯210│マイ│ノラ猫 ── ソラリキャット・マイ
    写真を撮ろうとして近づくと逃げ出しちゃうのに、神社の前の石段に坐っていると向こうから近寄って来て徐に膝の上に乗る不思議ネコ。一体どういうことなのかと思ったけれど、「aoimania」という猫ブログを見て腑に落ちたことがある。亡くなった保護ネコの詳細プロフィールの中に「しかし立っている人間はまだまだ怖い。近寄ると未だにさささささっと逃げてゆく」という記述があったからだ。内気なマイちゃんも直立している人間の威圧感が怖いのかもしれない。膝の上に乗ったネコを無理矢理降ろそうとすると、爪を立てて衣服にしがみつき必死に抵抗する。草叢の中に隠れているのが好きなマイは上着の中に潜り込もうとする。ダウンジャケットの中のネコは暖かいかもしれないけれど、真冬の夜、冷たい石段に腰を下ろして動かないでいると躰の芯から底冷えがして来る。もう、そろそろ降りようよ‥‥と猫撫で声でネコに話しかけてみるのですが。

    ♯211│ソラン│飼い猫 ── 可愛く撮ってね!
    夏の夕暮れ、室外機の上で寛ぐソラン。民家の玄関の前で鳴いて中に招かれたり、アパートの外階段を駆け上って2階の奥の部屋へ消えたり‥‥近隣の家々で可愛がられている人懐っこい黒ネコ。いつものように草を食べたり水を飲んだり爪を研いだり、気ままに動き回っていたが、散策に疲れたのか、ちょうど良い場所で休んでくれた。数多くのネコ写真を撮っていても、このソランのような柔和な表情はしてくれない。人に気を許した親愛の情だと勝手に解釈している。緑かかった黄色い目、ヴェルヴェットのような光沢のある黒い毛並み、スリムな体型、細長い尻尾、愛くるしい表情‥‥すべての面で理想的な黒ネコだと思う。この周辺には数匹の飼い猫が暮らしているけれど、道端でソランと出会う機会が一番多い。女飼主は「クルマに轢かれんじゃないよ」と注意を促しているが、バイクや自転車しか入れない裏道なので、表通りに跳び出さない限りクルマの脅威に曝されることはないだろう。

    ♯212│ラピ│地域猫 ── S井開運稲荷のネコ
    S井銀座からS降銀座へ続く商店街をK込駅方向に歩いて行く途中に小さな祠がある。入って右に赤い幟に彩られた「S井開運稲荷」があり、その奥は小さな空き地になっていた。たまたま入り口1匹のネコが屯していたので気づいたけれど、稲荷があることさえ見過ごしてしまうほど小さな空間である。奥の広場に数匹のネコたち、子ネコも2匹いた。写真を撮っていると不機嫌そうな婆さんが現われてネコに餌をやるなと言う。後日開運稲荷で出合った男性はネコたちに好意的だった。この開運稲荷にはネコにゴハンを運んで来る親ネコ派と嫌ネコ派が対立しているらしい。ネコ好きとネコ嫌いの分水嶺は一体どこに起因するのだろうか。日本人は嫌悪感を外に表さない比較的温厚な性格だと思って来たが、最近は善悪や好き嫌いの落差が激しくて、その中間を埋めるのは難しいような気さえする。情状酌量の余地のない厳罰化の風潮が人間だけでなくネコの身にも及ぶのは避けなければならない。

    ♯213│ソメ│地域猫 ── S井開運稲荷のネコ 2
    動物行動学者のデズモンド・モリスによると、猫嫌いの女性は幼児期に虐待された過去があるそうだが、何故パンダやコアラや犬ではなくネコなのかという疑問も湧いて来る。グレーとホワイトのツートン・カラーに緑色の目が神秘的なラピさんは適度に人馴れしているので撮り易い。大きな耳とピンク色のマズル、クルッと丸めた前脚が可愛いソメちゃんもS井開運稲荷のネコである。子ネコたちは警戒心が好奇心に勝っているので、近づいて距離を縮めようとすると植え込みの中に隠れてしまう。餌づけして手懐ける方法もあるが、ネコ嫌い婆さんの目が憚れる(物陰から見張っていたりして?)。民家との仕切りの格子フェンスには「悪臭・鳴き声・フンなどで大変迷惑しています。(この付近でむやみに動物にえさを与えないでください)T島区役所 住環境整備課 3981-2611」という白黒2パターンのネコ看板が2枚掲げてある。この看板も嫌猫婆さんが区役所に陳情して設置させたんでしょうね。

    ♯214│エミ│ノラ猫 ── マジキャット?
    日本語の「マジ」は「真面目」の略語らしいが、「本当?」の意味で使われることが多い。若者言葉の聞き返しには「ホント」「ウソ」「マジ」という歴史的な変遷があったはず。しかし、ジャック・ダン&ガードナー・ドゾワが編集した猫アンソロジー集『MAGICATS!』(1984)はマジック(Magic)とキャッツ(Cats)の造語だった。「マジック・キャッツ」ではなく「マジキャッツ」と短縮したことで、『魔法の猫』という本来の意味よりも、日本語の「マジ」のニュアンスが強くなっている。「マジ、キャット?」「いいえ、本当はアークトゥルス星から来たエイリアンなのよ」みたいな?‥‥チビ猫の左に閉鎖中の工場の鉄柵、右には廃校になった某都立高という不思議なロケーション。デジカメのストラップをネコジャラシにして撮ったエミちゃんと同じシチュエーションの1枚。耳が大きく見えるのは改めて言うまでもなく、まだ子猫だから。久しぶりに撮影現場に行ってみたけれど、廃工場の敷地内は取り壊し中で、ネコたちの気配は全くなかった。

    ♯215│ダイ│ノラ猫 ── ちょっと太ったニャン
    I袋駅前公園を根城にするネコたちは舌の肥えたグルメ猫。日がな世話人たちが立ち替わりゴハンを差し入れに来るので、今どきのノラには珍しい丸々と肥ったメタボ体型になってしまった。せっかく冷蔵庫の中にあった雪印6Pチーズ(塩分ひかえめ)を持って来たのに、全く食べようとしない。近所のノラ猫たちは喜んで食べるのに‥‥。人間社会だけでなくネコ世界にも地域格差があるんですね。歯を剥き出して笑っているネコの顔が描かれた「チェシャ・チーズ」(チェシャ猫の元ネタ)は「チェシャキャットのように笑う」という英語表現から生まれた商標だが、昔からチーズはネズミだけでなくネコの大好物なのだった(人間の食べるチーズには塩分が多く含まれているので、ネコには与えない方が良いという意見もあるけれど)。改めて写真を見ると、ダイちゃんには「首」というか「顎」がないですね。ネコよりもアザラシやセイウチに近いような気もします。

    ♯216│レナ│飼い猫 ── 三毛猫に超能力はあるか?
    寒い冬はネコ小屋の中から出て来ないレナさん。出入口に掛けてある暖簾を上げて挨拶すると、外へ出て来てくれた。一緒に遊んでいると、どこからともなく1匹の白黒ネコが現われた。いかにも意地悪そうな面構えのネコがレナ嬢を苛めるのだ。手で追い払っても屋根の上から抜け目なく狡賢そうに隙を狙っている。なかなか外に出たがらないのは、どうやら寒さのせいだけではないらしい。クラスの悪ガキに虐められる引きこもり女子生徒を連想されて憐れに思ってしまったが、人間の歳に換算したら高齢婦人なのかもしれない。隣家のチビ猫に追い回されるイチゴちゃんと同じく、眉目秀麗な三毛猫は周囲のネコから疎まれる傾向にあるのだろうか。彼女たちのように黒・茶・白の3色が鮮やかな幾何学模様に配色されている三毛を最近余り見かけなくなったように感じる。可愛がっていた三毛猫が、ある日失踪(攫われて?)してしまったと訴えるネコおばさんもいる。日本の美しい三毛猫は希少種になってしまうのかしら?

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    各記事のトップを飾ってくれたネコちゃん(9匹)のプロフィールを紹介する「ネコ・カタログ」の第24集です。サムネイルをクリックすると掲載したネコ写真に、右下のナンバー表の数字をクリックすると該当紹介文にジャンプ、♯ネコ・タイトルをクリックするとトップに戻ります。ノラ猫や地域猫、飼い猫を差別しない方針で、これまでに延べ210匹以上のネコちゃんを紹介して来ましたが、こんなにも多くのネコたちが棲息していることに驚かされます。第24集の常連ネコは膝乗りネコのマイちゃんと黒猫のソランくんに三毛猫のレナさん。『ミュージシャンと猫』(ブルース・インターアクションズ 2011)はタイトル通り「ミュージシャンと猫の関係性をテーマにした本」。著者と写真家が日本人ミュージシャンの家に出向いてインタヴュー&撮影している(ミュージシャン2人のエッセイも収録)。邦楽には疎いので遠藤賢司以外は殆ど知らないが、音楽と猫に対する愛情の深さが伝わって来る。歌にもなった寝図美やアルファルファ、みいこちゃんなどのプライヴェート写真を鏤めたエンケン・インタヴューが白眉!‥‥「猫が住めなくなったら人間もおしまいなんだよ」。

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    ミュージシャンと猫

    ミュージシャンと猫

    • 著者:佐々木 美夏
    • 出版社:ブルース・インターアクションズ
    • 発売日:2011/06/25
    • メディア:単行本
    • 目次:フミ かまちはなんでも知っている / 河野丈洋 眺めのいい部屋の箱入り娘 / 福岡晃子 子供ができたらこんな感じ? / 黒沢秀樹 You've got friends and cats / エマニュエル小湊 キノコホテルの従業猫 / 杉真理 迷子や捨て子の駆け込み寺 / うつみようこ 女3人の共同生活 / 浅田信一 人生のパートナー / 菜花知美 ロックンロール・キャッツ / 牧野元 僕...の同居猫だったマルさんについて / ワタナベイビー 僕のグリ&クロ / 遠藤賢司 猫が住めなくなったら人間もおしまい

    タグ:cats catalog
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