- パリに着いたムンクは、持参した大量の絵を保管するために大きなアトリエを借りた。すると無愛想な野良猫が、出入りし始めた。「猫は不安そうな、まるで人間のようにもの問いたげな目つきをしていて、それを見ると恐ろしくなった」。猫は絵で用を足したり、爪を研ぐようになり、それを見てムンクは気が気でない。だれにも自由で独立した暮らしを営む権利がある。他人に自分の意志をおしつけてよいものだろうか。ムンクのアトリエでは数週間にわたりムンク、猫、絵が愛情と憎悪、罪悪感と所有欲、破壊欲と嫉妬の入り混じる、ストリンドベリのどの戯曲にもひけをとらない三角関係のドラマを演じた。最終的にはムンクが柄にもなく腕力に訴えて、猫に下のしつけを施し、一触即発の事態は鎮まった。
スー・プリドー 「生命のダンス」 - ♭ ミミちゃん、ワイルドライフを堪能したのち帰る。── 飼主の心 ネコ知らず お外で生まれたネコを室内で飼うのは難しいかもしれません。「ワイルド・ライフ」への冒険心が抑えられない、野性の血が騒ぐぜ‥‥みたいな。『LOST CAT』(講談社 2018)は飼いネコの首輪にGPSやカメラを着けて、失踪中(5カ月間)の謎を解こうとした女飼主2人の愛と絶望の記録。猫用追跡装置(GPS)や猫用カメラ(キャットカム)はネットで売られているそうです。
- ♭ Long Distance Voyager シン・ゴジラは高層ビル群に見劣りしないように巨大化したのでしょうか?‥‥大きくなりすぎて現実味が薄れたような気もします。伊福部昭の「ゴジラのテーマ」(9拍子?)は不滅です。「ガメラ座」はないのかしら?
- ♭ 何事にも先達はあらまほしきものなり 亥年の年賀状は「ハローキティ」にしたので、「おまけのキティちゃん」には頬が緩みました。偶然の一致?‥‥それとも見えない糸で繋がっているのでしょうか。喪中とのことですが、絵柄(イラスト)だけでも見て下さい。
- ♭ 岐阜県現代陶芸美術館 「フィンランド陶芸」 展 寒い季節には北欧美術が身に沁みます。同じ時季の開催された〈ムンク展〉(国立西洋美術館 2007-08)の館内は異常に寒かった。トビカン前にウネウネと続く大長蛇の列‥‥「ムンク展」は90分待ち!一通り見て回ってエレヴェータでエントランスに戻ると、行列は途切れることなく、開館時間も30分延長されていました。
- ♭ 賀正 2019 亥年(2019)年はキティちゃんの年賀状にしたのですが、手許に残っていた3枚の中の1枚が3等「お年玉切手シート」に当選していました。驚いたことに、干支(亥)ではなく、お年玉切手もネコ(招き猫)だった。「残り物には福がある」‥‥それともキティちゃんが福を招いたのかしら?‥‥新年早々に行った「ムンク展」(東京都美術館)は「90分待ち」だった。都内は多種多彩な美術展が開催されるけれど、大混雑を覚悟しなければならないこともあるので、善かれ悪しかれです。「ヒグチユウコ展」(世田谷文学館)も混雑しそうだなぁ。
- ♭ ボヘミアンラプソディ フレディやプリンスなど、毛むくじゃらなヴィジュアルは苦手ですが、彼らの音楽は魅力的だと思います。たとえば、夜道を1人で歩いていて、突然ホモ男に襲われたら怖いけれど、「同性婚」に反対する理由はないし、「夫婦別姓」も大賛成。性的マイノリティ(LGBT)を毛嫌いして、反対する人の気が知れません。もしかして、子供時代に少女マンガを読んだり、青春期にロックを聴いたりしなかったのかしら?‥‥フレディ・マーキュリーはネコ好きだったのね。
〈Delilah〉(Hollywood 1991)Queen- ♭ ボーっと生きてんじゃねーよ!── 折々のことば 1246(朝日新聞 2018・3・8)
- 折々のねことば ザビエル・タピエス 222
自分のウェブサイトに写真を掲載することで、ガザでの破壊行為にスポットを当てたかったが、ネットユーザーは「子猫の写真」しか見ないからね
バンクシー
2014年、イスラエル国防軍が、表向きはハマスのロケット攻撃に対抗するという理由で、「境界防衛作戦」を開始。その結果、ガザで2,104人が死亡。国連によると犠牲者の69%は一般市民だった。イスラエル側の死亡者は兵士が67人、市民が6人だった。バンクシーがこの絵を描いた壁は、攻撃で破壊された18,000軒の家屋のうちのひとつ。
2019・2・12 - ♭ 像の街~後編(註:ふじにぃさんはジョージアに移住しました) 六本木でパラジャーノフの映画を観たことを思い出しました。「ざくろの色」(The Color Of Pomegranates 1969)だったかな?‥‥ストーリは忘れてしまいましたが、鮮烈な映像美だけは記憶に残っています。夜になったら動き出しそうな銅像が多いなぁ。ファンタジー(夢)に出て来そうです。日本の道祖神や大魔神とは大違いです。
- ♭ 浅田真央は何と戦ってきたのか 記録への挑戦でもある陸上競技や勝ち負けを争う対戦型の競技(柔道やサッカー)に較べて、審査員の採点で決まる競技(フィギュアやシンクロ)の優劣判断は難しい。「芸術点」なんて、スポーツではなく、美術や文学賞の選考会みたい。競技者や視聴者(ファン)が納得出来ないこともあるでしょう。「星の王子さま」に登場するキツネならば、「採点して優劣をつけることに意味はない。心で見ないと物事はよく見えない。肝心なことは目に見えないのだから」と言うかもしれません。
- ♭ ソドム百二十日
- 折々のねことば sknys 223
世に猫好きの人間は多いらしいので、こんなことを書いたら、袋だたきの目に会いはしないかと心配にもなるが、どういうものか、私は猫というやつを見ると、いじめてやりたい衝動が身内にむらむらと湧き起ってくるのをおぼえるのである。
澁澤 龍彦
ネコの耳に洗濯バサミを挟んだり、鼻面に胡椒を振りかけたり、掘り炬燵の中のネコを足で思い切り蹴飛ばしたり‥‥学生時代や子供の頃の「動物虐待」を告白し、このエッセイの挿絵を描いている加山又造やボードレールの「玩具のモラル」を引いて、子供の破壊衝動には形而上学的傾向に通じるものがあるような気がすると書く。エッセイ集『玩物草紙』(1978)所収の「猫と形而上学」から。
2019・2・22 - 著者:キャロライン・ポール(Caroline Paul)/ ウェンディ・マクノートン(Wendy MacNaughton)/ グレッグ・ジェンカレッロ / 明子・ジェンカレッロ(訳)
- 出版社:講談社
- 発売日: 2018/01/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 目次:ティビィ失踪 / 超能力者にすがる / 動物保護施設通い / ティビィの帰還 /「ティビィ追跡作戦」開始 / GPSの線 / キャットカムに写ったものは / ティビィのごちそう / 猫語を習得する / フィビィの急変 / ニャンコの悲し / ペット捜査官たち / 新しい地図 / 残酷な真実 / ...
- Artist: Melody's Echo Chamber
- Label: Domino
- Date: 2018/06/15
- Media: Audio CD
- Songs: Cross My Heart / Breathe in, Breathe Out / Desert Horse / Var Har Du Vart? / Quand Les Larmes D'un Ange Font Danser La Neige / Visions Of Someone Special, On A Wall Of Reflections / Shirim
- アーティスト:エドヴァルド・ムンク(Edvard Munch)
- 会場:東京都美術館
- 会期:2018/10/27 - 2019/01/20
- メディア:絵画 / 版画 / 写真
- 展示構成:ムンクとは誰か / 家族──死と喪失 / 夏の夜──孤独と憂鬱 / 魂の叫び──不安と絶望 / 接吻、吸血鬼、マドンナ / 男と女──愛、嫉妬、別れ / 肖像画 / 躍動する風景 / 画家の晩年
- 著者:ザビエル・タピエス(Xavier Tapies)/ 和田 侑子(訳)
- 出版社:グラフィック社
- 発売日:2018/07/09
- メディア:単行本
- 目次:BANKSY EARLY YEARS / 2003-2004 / 2005-2006 / 2007-2008 / 2009-2010 / 2011-2012 / 2013 / RECENT WORKS
- 出演:ソフィコ・チアウレリ / メルコプ・アレクアン / ヴィレン・ガレスタイン
- 監督:セルゲイ・パラジャーノフ(Sargis Parajanyan)
- 販売元:紀伊國屋書店
- 発売日:2018/04/28
- メディア:Blu-ray(アルメニア・ヴァージョン復元版)
- 内容:宮廷詩人、サヤト・ノヴァの生涯を描いたセルゲイ・パラジャーノフの代表作。当初、製作された作品がソ連当局の検閲を受け、セルゲイ・ユトケーヴィチの再編集により公開された作品。サヤト・ノヴァの詩的世界を台詞なしの美しいイメー...
by sknys (2018-12-12 22:54:15)
ビアズリー好きのモバサムさんに、「クリスマス・プレゼント」があります。
by sknys (2018-12-24 20:12)
アルバム《Bon Voyage》(Domino 2018)のカヴァ・イラストを描いたのは、シリー・ジェーン(Silly Jane)という女刺青師ですよ。
by sknys (2018-12-27 13:18)
by sknys (2019-01-06 12:52)
by sknys (2019-01-27 20:12)
by sknys (2019-01-31 17:27)
by sknys (2019-02-12 12:06)
by sknys (2019-02-20 23:20) 未投稿
by sknys (2019-02-20 23:57)
by sknys (2019-02-22 00:18)
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ブログ記事に付けた「外コメント」を纏めてみたら結構面白いかも?‥‥というアイディアから生まれた再録シリーズの第53集です。コメントは原則としてオリジナルのまま時系列順に転載‥‥事実誤認(誤記)や誤字・脱字、改行の無効化、句読点や記号・顔文字の有無などを精査。内容の分かり難いコメントには補足説明(註)をして、コメントした元記事にリンクしました。過去3ヵ月間(2018/12/01~2019/02/28)に書いたものの中から、第三者がコメントだけ読んでも面白いものを中心にセレクトしています。Xmasにサプライズはなかったけれど、キティちゃんの年賀状が福を呼んだのか、「お年玉切手シート」に当選。しかも切手の絵柄も干支(亥)ではなく、ネコ(招き猫)だったという椿事が起こった。今年(2019)は「ネコ年」ではないかと錯覚してしまうような年明けだった。バンクシーが描いたと思われる「落書き」が都内港区の防潮扉で見つかり、K池都知事が記念写真を撮って喜ぶという見当外れのハプニングもあった。「ムンク展」のウネウネと続く長蛇の列は長く記憶に残りそう。「折々のねことば」は「折々のことば」(鷲田清一)のパロディです。
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