• 小説は批評するために読むわけじゃなくて、楽しむために読むわけだから、自分の好きなところを見つけて読むのがいちばんいいと思います。好きだったら最初から最後まで読んでもらえるし、気に入らなかったら読まなければいいっていうだけですよね。だって、ピンと来るものがなかったら最初から最後まで読む気を失っちゃうわけだから。『噂の娘』には、たいていの女の人なら好きな部分っていうのがあるんじゃないのかなと思っています。可愛らしいものとか懐かしい宝物がある人は、好きじゃないかな。/ あとこれは強調しておいてもらいたいけれども、断然、読者は女の人しか考えていないです。もちろん男が読んでもかまわないけれども。それって、やっぱり選ばれた男じゃないと無理でしょう(笑)。私の小説を読んで女性化すればいいわけですけれど(笑)。
    金井 美恵子


2007年12月1日に〈s k n y s - s y n k s〉はブログ開設2周年を迎えた。2年目に公開した記事は61本(2006/12/1?2007/11/30)。1ヵ月平均5本と少ないものの、質は兎も角、1つの記事が長いので分量的には少なくないと思う。更新日は毎月1日・11日・21日の旬日を軸として、その間に6日・16日・26日を配する月6回(中4日)を目指しているけれど、なかなか実現出来ない。〆切日を設けないと記事を書かないので、自主的に更新日を決めています。〈スはスニーズのス〉で記事100本を達成した時は感慨深かった。これで1人前のブロガーになれたような気がして(1年目は肩に力が入っていた?)‥‥。1年前の激重?トラブル続きの状態に較べれれば、今年のソネ風呂はウソのように安定している。1年目はブログもブロガーも鈍重だったが、2年目は疾風のように駆け抜けた。

〈猫にも出来るワイド・ヘッダ攻略〉は、出来れば書きたくなかった記事。突然のワイド・ヘッダ変更は通常サイズ(width:770px)のスキンに馴染まないだけでなく、公式スキン・デザインも損なわれている(ヘッダ部分に画像が入っているタイプは上部が切れてる!)。ヘッダのCSS(header.css)がカスタムスキン編集ページ(style.css)の外にあるために反映されない。仕方がないのでカスタムペイン内に入れる‥‥公式サポート以前の「禁カスタマイズ時代」に逆戻りしてしまった気分だ。単に横幅を変更しただけでは右リンク文字が2行表示されてしまう。試行錯誤の末に右リンクを非表示化した。ログアウト状態で表示される「ログイン」項目が消えてしまう不具合は、プロフ欄に「」を置くことで対処した。ついでに目障りなフッタ(footer)も非表示にして、代わりにコピーライト「© 2007 sknys. All Rights Reserved.」をサイド欄に入れることにした。これでスッキリ、ストレス解消?‥‥ソネ風呂への細やかな抵抗である。

〈すべてはFから始まる〉〈那古野の人々〉〈4シーズンズ〉の3記事で森博嗣氏の人気シリーズ、犀川&萌絵(S&M)、紅子(V)、「四季」4部作を纏めて紹介した。那古野という架空都市を舞台にしたS&MとVシリーズの間に20年以上の「時間差」があることは改めて説明するまでもないが、3シリーズの完結後、犀川2世を想わせる寡黙キャラ海月及介と加部谷恵美、山吹早月(院生)の大学生トリオが事件に巻き込まれるGシリーズと、『四季 秋』に登場した椙田泰夫(美術鑑定業)の助手・小川令子と芸大生・真鍋瞬市のコンビを主人公にしたXシリーズも始まっている。Gシリーズには西之園萌絵や犀川創平も登場するものの、オブザーヴァ的な脇役に徹していて舞台の中心にはいない。一連の事件に真賀田四季の影もチラつくし、「ギリシア頭文字」の意味も依然として謎に包まれている。今後の展開は予断を許さないが、2008年はアニメ化される劇場公開版『スカイ・クロラ』の方に注目が集まるでしょう。

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2007年9月末に100000pvを達成した。〈PAGE VIEW 100000〉に転載した管理ページの閲覧数(今日:496)は誤解を招いたかもしれない。つい先日も1日に880pvも回って慌てたけれど、台風一過の最大瞬間風速みたいでした。記事別閲覧数のベスト5はサイド欄に表示してある通り。2年目に公開した記事のベスト3は1位〈辻斬り気質〉、2位〈ミレーヌの憂鬱〉 、3位〈FAVORITEーVIDEOS 1〉の順。1000pvを越える記事が1つもないのは少し寂しい気もしますが、所詮は実体のない数字マジック!‥‥それもページを開いた延べ数なので、記事が最後まで読まれたという確証はない。どの記事に人気が集中(やっぱり下ネタ系?)しているかを判断する相対的な数値と看做すべきだろうか。完読してくれた読者が1人でも増えれば嬉しいけれど。

「記事」「回文」「ネコ」のインデックスは良しとしても、「FAVORITES」の一覧リストが無制限に長くなるのはレイアウト的にも読み辛い。2年目に入ってから「FAVORITES」と「SCRAPS」を2つに分割した。「ALBUMS」「BOOKS」「VIDEOS」は20作品で区切るとサイド欄とバランスく良く収まる。しかし、幾ら小さく縮小してもYouTubeの動画を20本も貼ると記事が重くなってしまう(画像リンクにした方が賢明かも)。「VIDEOS」は余り開きたくないページになっている。「CALEDARS」の一覧表は過去カレンダーが表示されなくなったことから思いついたコロンブスの卵的なアイディアだったが、2007年11月分を入れようとしたら字数制限のアラートが出て焦った。テーブル・タグは字数が嵩む。サイド欄のカスタムペインに字数制限(2000字以内)あるように、本文記事にも50000字以内という文字数制限があったのだ(400字詰め原稿用紙に換算して125枚!‥‥100枚以上の原稿を1度にアップするブロガーがいるのでしょうか?)。

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〈少年ヴィーナス〉〈サイ・ビョークが行く〉〈メドゥーラ第5の首〉はビョーク・シリーズの3作。「ヴィーナス」はソロ・デビュー作、「サイ・ビョーク」は私家版ベスト・ボックス《Family Tree》とプロモーション・ヴィデオ集『Volumen』、「メドゥーラ」はライヴ・ボックス《Livebox》とアカペラ・5thアルバム《Medulla》を紹介している。〈Venus As A Boy〉の邦題名。サイボーグ(cyborg)とビョーク(bjork)の合成語。Medulla → Medusaの連想から、ジーン・ウルフの『ケルベロス第5の首』をモジったタイトルを付けた。最新作《Volta》はAntonyとのデュエット2曲に異和感があってビミョー(ク?)な感じ。年間ベスト・アルバムを遡って行く〔rewind〕2006年200220012000年度版の4作をアップした。お気に入りのアルバムは単独でも記事にしたいので、〔rewind〕と重複して兼ね合いが難しい。2007年度版もサイド欄の「FAVORITEーALBUMS」でリアルタイムに紹介しているアイテムと重なってしまう。

アーカイヴス・シリーズ〔archives〕は「少女マンガ」と「洋楽アルバム」の異化効果作用を狙った記事で、過去に書いた手書き原稿を加筆・改稿して載せている。〈ファンカデリックな子供たち〉は三原順+Was (Not Was)、〈パスカル的恋愛〉は大島弓子+XTC、〈兎男の夏休み〉は樹村みのり+Echo & The Bunnymen、〈亡き王子のための降雨曲〉は山岸凉子+Kate Bush‥‥。20年以上前に書いた文章にも拘らず、余り古びていない(昔の方が頭が冴えていた?‥‥それとも「マンガ」や「ロック」が進化していない?)。この異種異化エッセイには牽強附会的な無理があるけれど、〈亡き王子‥‥〉は比較的上手く行ったかな。「少女マンガ」と「洋楽ロック」はジャンルを横断した近親関係にあるはずだが、両者に共通する切り口を見つけるのが難しい。

アート関連の記事、展覧会の感想文はアップするのに手間取って、会期終了後というパターンが少なくない。鑑賞中のメモ(カタログは買わない!)、参考文献の精査なども億劫。特に「ダリ回顧展」のように大混雑という噂を聞くと、入場制限の大行列や館内の人混みを想像するだけで気分が悪くなって来る。〈ダリとリア〉はアマンダ・リアの『サルバドール・ダリが愛した2人の女』を読んだことで書けた記事。愛人アマンダの視点からダリに光を当てると、奇人変人の「素ダリ」が露わになって面白い。〈ルドンの蜘蛛〉は「ルドンの黒」ではなく「クモ」とタイトルを捻ったところがミソ。『ODILON REDON』を読了するのに時間がかかってしまったけれど、韜晦?難解のルドンの「人と作品」の謎に1歩躙り寄れた気がする。CGアニメでルドン・キャラたちが動く『NOIR』(DVD 17分)は値段が少々高すぎた‥‥DVD付き限定前売り券を販売しても良かったのではないでしょうか。

TVアニメ番組は殆ど視ないけれど、『009-1』の放映は毎週愉しみだった。石ノ森原作を忠実に再現しているところにリスペクトを感じる。〈ミレーヌの憂鬱〉はコミック版『009ノ1』を読み返して、女スパイにして女サイボーグのミレーヌ・ホフマンの内面を考察した記事。〈リュウの道程〉「原始少年リュウ」というアニメ記事に触発されて書いたもので、SF長編『リュウの道』を再読して石ノ森章太郎の代表作の1つという思いを強くした。今まで見逃していた「地球と人類」「人間とミュータント」の共生共存という深いテーマに気づいて感銘を受けた。35年以上を経た今でも古色蒼然としないどころか、新作として読めるところに作者の技倆、先見性が漲っている。期せずして「石ノ森シリーズ」と化してしまったが、第3弾は何を取り上げようかなと思案しています。

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初年度は2ヵ月の1回のペースで年6回アップした「回文シリーズ」は、2年目から3ヵ月に1度(年4回)へスローダウンさせた。回文記事だけが突出するのを回避するためだったが、「回文カルタ」「回文100作記念」「なぞなぞ回文集」など‥‥当初の目論見に反して「palindrome」の記事数が増えてしまった。「ネコ」と「洋楽」と「回文」のブログを標榜している建前上、1つのジャンルだけが増殖・肥大するのはバランスが悪い(「ネコ」は〔cat's cradle〕〔catalog〕、「洋楽」は〔music〕と〔rewind〕のカテゴリーに分かれているので記事総数では「洋楽」が一番多い)。「なぞ回文」の出題は後継者に委ねて、新作回文作りに励みたい‥‥と言いつつ、慌ただしい師走に〈回文カルタ 2008〉を作っていたりするのですが。

「s k n y s - s y n k s」を縮めて「スニシン」とコメントに書いたら、密かに「スニンクス」と呼んでいたブロガーがいた。「スフィンクス」に(音が)似ている‥‥と言うのだ。旅人に「謎かけ」をするスフィンクスと、読者に「なぞ回文」を出題するスニンクスは従姉弟関係にあるのかもしれない。レオノール・フィニが好んで描いたスフィンクス(sphinx)は女の頭と獅子の躰に大きな翼を持つ人頭獣身の神話上の怪物。スニンクス(sknynx)は人の頭とネコの躰に一対の翼を有する怖しいモンスター?‥‥ではなく、ル=グウィンの可愛い「空飛び猫」でしょうか。「なぞ回」が解けなくても殺したりはしないので、安心して下さい。これからは「スニーズ・シンクス」=「スニンクス」の愛称で呼んでね。

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  • 3年目も「スニンクス」をよろしくね^^

  • 「疾風のように」と褒めた途端に激重ブログに逆戻り‥‥やっとUP出来ました^^;

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s k n y s - s y n k s

  • Author: sknys
  • Provider: So-net blog
  • Date: 2005/12/01
  • Media: Internet