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レインボー戦隊ヒカル [c o m i c]



  • □ レインボー戦隊(週刊少年マガジン 1965)風田 朗
  • 「レインボー戦隊」(1965)はTVアニメ 「レインボー戦隊ロビン」(東映動画 1966)の原作マンガ。東映動画(東映アニメーション)がトキワ荘に住む若きマンガ家たちの創立したアニメ制作会社「スタジオ ・ゼロ」に原案を発注したことから生まれた。鈴木伸一のペンネーム、風田朗(かぜた・ろう)を借用した合作で、作画は石森章太郎と安孫子素雄(藤子不二雄A)、長谷邦夫、石森氏のアシスタントが描いたという。連載中に人気が出ず、アニメがTV放送される前に未完で終わってしまった。厳密には石森作品と呼べないかもしれないが、主人公・星ヒカルや看護婦リリのキャラクターやストーリは石森色が濃い。「レインボー戦隊ロビン」(ソノレコード 1966)はTV主題歌 「ロビンの歌」、まんがドラマ「大星雲の決戦」を録音したLP 33回転ソノシートで、石森章太郎とスタジオ・ゼロ名義。「レインボー戦隊ロビン」(たのしい幼稚園 1971)はアニメが終了した6年後に、石森章太郎(石森プロ名義)が単独で描いている。

  • ■ 怪獣つかいの巻
  • 航空自衛隊立川基地から富士基地へTNT火薬を運ぶ輸送機が町田市上空で流星群に遭遇して左翼を折られた。岩山に激突する寸前、飛来した巨人ロボットに救出された2人の操縦士は秘密基地で怪我の手当を受ける。彼らを出迎えたのはレインボー戦隊。星ヒカルと6人のロボットたち‥‥巨人ベンケイ、看護婦リリ、戦闘士ウルフ、ロケット型ペガサス、案山子型のレーダー、老人教授だった。レーダーのモニタ画面が東京近郊各地に突然落下した謎の発光体を報じる臨時ニュースを映し出す。巨大な海胆のような怪物が動き出して、ビルを破壊する。それは自衛隊の輸送機に衝突した物体だった。戦闘機に変形したペガサスに乗り込んだヒカルとロボットたちが秘密基地から出撃する。超高周波で結合する怪物たちをベンケイの衝撃波で分離させ、ペガサスから発射したナパーム弾で破壊する。逃亡した怪物たちを追って来たレインボー戦隊が山岳の洞穴を破壊して、敵のアジトに侵入しようとすると、「ギョーザ型に長い腕がニョロニョロ生えた」(長谷邦夫) 巨大クラゲみたいな怪物が宇宙空間から現われて粘液を吐き、ヒカルたちを焼き殺そうとする。

    樹海の消化作業を終えて、山火事を未然に防いだレインボー戦隊が戻ると、宇宙怪獣ゲドラ(ギドラ)の姿が忽然と消えていた。リリが採取したゲドラの粘液を秘密基地へ帰って分析する。それは怪物の触手で発火する高濃度ガソリンのようなものだった。どのような物質の中にもウイルスのように潜り込めるゲドラが基地の診療室に現われて壁を破壊する。ヒカルたち5人は地下の特別待避室へ逃れた。ウルフとベンケイは外へ出て、ゲドラを操る怪人たちと戦う。地下シェルターに侵入したゲドラが電磁砲を破壊して、電磁遮蔽膜を破った。ウルフが怪物使いを倒したことで、ゲドラが地上へ引き上げて行く。ヒカルが必殺技「ミラクル・ノヴァ」を発動させると、ゲドラは一瞬にして灰と化す。瀕死の怪獣使いをイメージ・スクリーン室に運び、視覚化した意識を大型モニタに映し出す。銀河系以外の星雲、星から飛び立つロケ ット船団、母星の爆発、地球の画像‥‥異星人たちは地球を征服して、移住しようと企んでいたのだ。地球から遙か離れた太陽系の果て、海王星と冥王星の間に出現した異様な人工星から、ロケット大船団が地球へ飛来する。

  • ■ 地球上陸作戦
  • ペガサスに乗ってロケット大船団の後を追った星ヒカルは一機だけ船団から離れて止まったロケットに接近する。ロケットの起こした竜巻に巻き込まれたペガサスは遠方に跳ね飛ばされ、自動操縦装置によって山の中に不時着する。そこは偶然にもヒカルの両親が暮らしていた研究所の跡地だった。ボロボロになったクマの縫いぐるみを見つけたウルフと教授は過ぎ去った平和な日々を回想する。ある日突然、幼いヒカルの父親が打ち明けた怖しい秘密。地球から何万光年も離れたパルダ星は近々爆発するという危機に瀕していた。移住する惑星を捜す調査隊の一員として地球へ派遣されたが、事故に遭って不時着して1人だけ生き残る。瀕死の重傷を負ったところを女性に救けられ、彼女と結婚してヒカルが生まれた。裏切り者となった父親はパルダ星人の追っ手からヒカルの命を守るために6人のロボット「レインボ ー戦隊」を作った。ある日、パルダ星の円盤に研究所が発見され、両親が連れ去られて研究所も破壊されてしまったことを。

    東京上空に飛来したパルダ星のロケットが街を火の海にした。円盤がビルを破壊して、自衛隊の戦闘機を爆破し、人々を吸い込む。ロケットが円盤を収容して着陸する。両親を人質に捕らえられた少年がロケットに向かう。制止しようとした自衛官たちの前に怪人が現われて電磁ムチで殺す。マンホールに落ちた少年を捕らえて拉致しようとするデビル1が少年の泣き声を探知したヒカル、ウルフと戦う。負傷したヒカルにベンケイが加勢し、ペガサスに救出されるが、デビル2の操る重力調整機でベンケイの動きが止まって宙に浮く。レインボー戦隊とデビルたちとの戦闘でデビル2が死に、ベンケイもデビル3が放った誘導ミサイルで右腕を失う。政府の会議にヒカルが窓から飛び込んで、輸送用トラック10台を貸し出すように要請するが断られる。長官の派遣したレンジャー特別部隊10人中7人はデビル4の電磁針に心臓を一突きされる。残りの3人も襲われそうになるがヒカルに救われた。戦闘中に電磁針がヒカルの胸の星形に突き刺さり、意に反して「ミラクル・ノヴァ」が発動してしまう。

    「ミラクル・ノヴァ」で体力を消耗したヒカルにデビル1とデビル3が襲いかかる。電磁ムチと誘導ミサイルが相打ちとなってデビル1は爆死して、デビル3の誘導ミサイルもヒカルに撃たれて自爆する。最後の1人デビル5が電光撃ちでレンジャー部隊の3人を殺し、ヒカルとの1対1の対決となるが、デビル5は体力の回復したヒカルと正々堂々戦うことを誓って立ち去る。ロケット内に捕らえられた街の人々を救出するためにヒカルとウルフ、ベンケイがスピード攻撃を仕掛ける。ペガサスがロケットのミサイル発射口へロケット弾を叩き込んで内部へ侵入。ヒカルとデビル5はロケットから脱出して最終対決する。東京湾沖の海上にあるパルダ星の前進基地では「東京攻撃隊のロケット基地がレインボー戦隊のために破壊され、ロケット警備の任についていたきみの父上はもちろんのこと、デビル5たち全員も全滅した」という司令官からの報せを聞いた息子のムウは父親の仇を討つために、司令官の命令を無視して単身で、戦闘機サターン(秘密兵器)に乗って出撃するのだが‥‥。

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  • □ レインボー戦隊ロビン(たのしい幼稚園 1971)石森 章太郎
  • ゴーゴン星人の大ダコに襲われた客船からの救難信号を受けたレインボー戦隊が出撃する。空中に出現した巨大ウニ型の物体を破壊する。リモコンで操っていたパスタ星人の円盤を爆破することで、巨人ロボ・ベンケイと戦っていた怪獣を倒す。猫型ロボット・ベルが察知したミサイル蜂の襲撃を撃退する。主人公ロビンが裏山に着陸した円盤の捜索にロケット型ロボット・ペガサスに乗って行くと、パルタ星人に殺されたはずのママ(母親)が現われる。石森プロ名義のショート・ショート5篇(全24頁)。幼児向けの雑誌らしく、2色刷り、ひらがなネーム、大きなコマ割りだが、主人公ロビンや看護婦ロボット・リリのキャラクターは週刊少年マガジン版「レインボー戦隊」よりも大人っぽく描かれている。ヒカルからロビンに改名したことで、髪色や髪型も変化した。藤本弘(藤子・F・不二雄)がデザインした案山子型ロボット・レーダーもアニメ版の可愛い牝猫ロボ・ベルちゃんに変更された。

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    レインボー戦隊 ── 石ノ森章太郎萬画大全集 1-8

    レインボー戦隊 ── 石ノ森章太郎萬画大全集 1-8

    • 著者:風田 朗
    • 出版社:角川書店
    • 発売日:2006/02/22
    • メディア:コミック
    • 目次:怪獣つかいの巻 / 地球上陸作戦 / レインボー戦隊ロビン / レインボー戦隊ロビン(ソノシート版)/ イラストコレクション


    レインボー戦隊 [完全版]

    レインボー戦隊 [完全版]

    • 著者:風田 朗
    • 出版社:復刊ドットコム
    • 発売日:2012/04/21
    • メディア:コミック
    • 内容:1960年代、石ノ森章太郎、藤子不二雄、鈴木伸一等、トキワ荘出身の巨匠たちによ って結成された伝説のアニメ・漫画制作会社「スタジオ・ゼロ」。彼らが原案構成を手がけた日本SFアニメ史上に燦然と輝く傑作「レインボー戦隊ロビン」の原作漫画版が、ついに[完全版]で復活!!


    レインボー戦隊ロビン 第1話 「怪星人現る!」

    レインボー戦隊ロビン 第1話 「怪星人現る!」

    • 原案:スタジオ・ゼロ
    • 放送局:テレビ朝日系列
    • 放送日:1966/04/23
    • メディア:アニメーション
    • 内容:爆発まで数年の猶予しかないパルタ星は移住先の星として地球に白羽の矢をたてた。この日のために結成されたロビン率いるレインボー戦隊は、パルタ星の侵略から地球の平和を守るため、出撃する!

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