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エレクトロニック・ミュージック 2 [r e w i n d]

  • ◎ ? (Tigersushi 2005) Sir Alice

  • Emilie SimonとNumbersを掛け合せたような感じでしょうか (Marianne Nowttonyも少し入っているかもしれない?‥‥ Sir AliceことAlice Daquetはフランスの女パンク〜エレクトロ・クラッシュ・ギャル。デビュー・アルバム《?》(“?”というのがタイトル名)はパンク、エレクトロニカ、ディスコ、テクノ、音響、ノイズ、ヴォイス・パフォーマンスが混然一体化した異色作。仏語なので意外とオドロオドロしくないし、舌足らずの可愛いラップ曲もある。輸入CDショップで偶然…#16



  • ◎ SCALE (Accidental 2006) Herbert

  • Doctor Rockit、Wishmountain、Radio Boyなど‥‥6つの顔を持つ男、Matthew Herbert。Herbert名義では《Bodily Functions》(2001)以来、5年振りのソロ作だが、前作との相違点は自ら歌っていること。と言ってもメイン・ヴォーカルにDani Scilianoを起用しているので、彼女のソロ・アルバムとの違いを見い出し難い。地と風と火の〈9月〉を引用した〈Something Isn't Right〉、シック風に洒落た〈Moving Like A Train〉、アブストラクト版Tom Tom Clubの...#17



  • ◎ UNTURE (Hyperdub 2007) Burial

  • ダブはレゲエからヴォイスを消したカラオケに、エコー&ディレイ処理加工を施したインスト音楽である。そのアナーキーなサウンドが暴力的に言葉を剥奪された人間の抵抗と絶望感を想像させる。1979年にDennis Bovellのプロデュースした2枚のアルバム──The Pop Group《Y》とThe Slits《Cut》が当時のニュー・ウェイヴに与えた影響は計り知れない。その後、英国で一世を風靡するグラウンドビート〜トリップホップ〜ドラムンベースも、進化したダブの一形態と捉えることも可...#18



  • ◎ MERRIWEATHER POST PAVILION (Domino 2009) Animal Collective

  • アニコレこと、Animal Collectiveの8thアルバム・タイトルになっている「Merriweather Post Pavilion」は米メリーランド州コロンビアにある野外コンサート会場(音響効果に優れている)の名称だが、そこでライヴ録音されたというわけではない。サイケデリックな「ウォール・オヴ・サウンド」。多幸感溢れる祝祭的なコーラス&ハーモニーの奔流に包まれる。音楽で作られたファンタスティックな桃源郷。《Sung Tongs》(Fat Cat 2004)や《Feels》(2005)の中に潜んで…#19



  • ◎ CERULEAN (Anticon 2010) Baths

  • Bathsは米カリフォルニア・ロス在住の宅録ミュージシャン、ウィル・ウィーゼンフェルド(Will Wiesenfeld)のソロ・プロジェクト。白地に水色の球体が描かれたデビュー・アルバム《空色》には驚かれる。心地良いグラウンドビート風トラックの上をシンセ、ギター、ピアノ、サンプリング、ノイズ、ヴォイス、コーラス‥‥などがアクロバティックに浮游するサウンドはアングラ・サーカス団の綱渡りや空中ブランコを観ているようで愉しい。蛇行回転する最新のジェットコースター…#20



  • ◎ EKSTASIS (Rvng International 2012) Julia Holter

  • Laurie Andersonの姪、それともJulianna Barwickの双子姉妹なのか?‥‥米ロサンゼルス出身のSSW、マルチ奏者の2ndアルバムは夢幻的なエレクトロニカでリスナーを魅惑する。可愛らしいヴォーカルとキーボードに、クラリネット、ヴィオラ 、アルト・サックスなどが響く異世界へトリップする。Julia Holterの神秘的なヴォイスは妖精の囀りにも、セレーンの誘惑にも聴こえる。カナダの詩人アン・カーソンのエッセイ集から採ったというアルバム・タイトルの〈Ekstasis〉はギリ…#21



  • ◎ QUARANTINE (Hyperdub 2012) Laurel Halo

  • 米ミシガン・アナーバー生まれのローレル・ヘイロー(Laurel Halo)はデトロイトやタイに移り住み、フリー・ジャズやテクノ・ミュージック、フォーク・ソングの洗礼を受けたという。その後、NYブルックリンに活動の拠点を移し、King Felix名義のEPなどで注目された彼女がダブステップを牽引する英レーベル(Hyperdub)からデビュー・アルバムをリリース。「検疫 ・隔離」(Quarantine)というアルバム・タイトルが示唆しているようなダーク・ポップ。シンセ・ドローンの幾重…#22



  • ◎ R PLUS SEVEN (Warp 2013) Oneohtrix Point Never

  • Oneohtrix Point NeverはNYブルックリンを拠点に活動するダニエル・ロパティン(Daniel Lopatin)のソロ・プロジェクト。《Replica》(Software Recording Co. 2011)の髑髏カヴァ‥‥手鏡に映った吸血鬼の真の姿は鬼面人を驚かす(リスナーを限定する)類いのものだったが、悪趣味なヴァージル・フィンレイ(Virgil Finlay)のモノクロ・イラストから一変して、スイスのアニメ作家ジョルジュ・シュヴィツゲベル(Georges Schwizgebel)の映像作品から採った4thア…#23



  • ◎ RUINS (Kranky 2014) Grouper

  • 法人類学者のテンペランス・ブレナンは「グルーピーよりもグルーパーの方が理に適っている」と発言していたが、諧謔的に自らGrouper(ハタ科の海水魚)と名乗るLiz Harrisのソロ・プロジェクトも良い感じ。2011年、彼女がポルトガル・アルジェズール滞在中にレコーディングしたというアルバムはオープニング曲の〈Made Of Metal〉とラストの〈Made Of Air〉(この曲だけは2014年に米ペタルーナの母の実家で録音されている)が呼応する構成になっている。今までのシュー…#24



  • ◎ PLATFORM (4AD 2015) Holly Herndon

  • Julia Holter、Laurel Halo、Jenny Hval‥‥Bjorkが切り拓いた前人未踏の荒野を女性たちが探検に出かける。米テネシー生まれの作曲家、ミュージシャン、音楽アーティストのHolly Herndon(灰色の瞳と赤毛の三つ編みヘアがトレードマーク)も女性探検隊の1人である。2ndアルバム《Platform》のエレクトロ〜エクスペリメンタル系のサウンドには気味悪さと心地良さが奇妙に混在している。耳触りが良くて、脳内もゾワゾワしちゃう?‥‥谷口暁彦(Akihiko Taniguchi)のPVで…#25



  • ◎ VARMINTS (Moshi Moshi 2016) Anna Meredith

  • BBCスコティッシュ交響楽団のコンポーザーだったという経歴を持つアンナ・メレディス(Anna Meredith)のデビュー・アルバム。Anna(エレクトロニクス、クラリネット、ヴォーカル)、Gemma Kost(チェロ)、Sam Wilson(ドラムス、シロフォン)、Jack Ross(ギター)という編成。高らかにファンファーレを鳴らすオープニングの〈Nautilus〉、Jack Rossと歌う変則リズムの〈Taken〉、インスト・ポリリズムの〈Scrimshaw〉、ヴォーカル多重唱の〈Something …#26



  • ◎ HOPELESNESS (Rough Trade 2016) Anohni

  • アントニー・ヘガティ(Antony Hegarty)から改名・性転換したアノーニ(Anohni)のソロ・アルバム。男なのか、女なのかという性別の穿鑿は意味がない。Anohniはフロルベリチェリ・フロルのようなトランスジェンダーなのだから。傾聴すべきは女性化したことで、一体どのように彼・彼女の音楽が変化したかである。Oneohtrix Point Never(Daniel Lopatin) 、Hudson Mohawke(Ross Birchard)の2人と共同プロデュースしたデュー・アルバムはエレクトロ色が濃い。…#27



  • ◎ HALO (Crammed Discs 2017) Juana Molina

  • 1人だけで録音した《Wed 21》(2013)から3年半‥‥フアナ・モリーナの7thアルバムは宅録から、スタジオ・レコーディングへ1歩踏み出す。テキサス郊外のスタジオで録音したアルバムにはライヴ・サポート・メンバーのOdin Schwartz (ベース、シンセ、ギター)とDiego Lopez de Arcaute(ドラムス)が参加している。John Dieterich(Deerhoof)がギターを弾く〈In The Lassa〉、6拍子の〈Paraguaya〉と〈Estalacticas〉、7拍子の〈Cosoco〉‥‥アルバム・…#28



  • ◎ SUIS UnE ILE (Heavenly 2018) Halo Maud

  • アロー・モード(Maud Nadal)はフランス・オーヴェルニュ出身の女性SSW。デビュー・アルバムはGwenno、Melody's Echo Chamber、Jane Weaverなどに通じる最新流行型のサイケデリック・ドリーム・ポップだが、「Francoise HardyからBjorkにひとっ飛びする弾力性のあるヴォーカル」に魅了される。共同プロデュースしたRobin LeducやBenjamin Gilber (Aquaserge)、Pablo Padovani(Moodoïd)が彼女を好サポート。英・仏語混じりで歌うBjorkっぽい〈Tu Sais C…#29



  • ◎ DOUBLE NEGATIVE (Sub Pop 2018) Low

  • アニコレの《Merriweather Post Pavilion》(2009)のように、良くも悪くも1年を象徴してしまうアルバムがある。米ミネソタ・ダルースで結成された3人組の12thアルバムもメンバーたちの思惑は兎も角、2018年に蔓延していた閉塞感を音像化している。自分だけが良ければという排他的利己主義、監視カメラの映像やクレジットカードの情報(閲覧履歴や購入記録)などでプライヴァシーが暴かれ、個人の行動や嗜好がビッグデータとして利用されてしまう管理社会。遅れて来た…#30


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    音楽月刊誌「ミュージック・マガジン」は「創刊50周年記念ランキング〜2020年代への視点」と題して2019年2月号からラップ / ヒップホップ、AOR / ヨット・ロック、50年の邦楽、ブラジル音楽、21世紀のシンガー・ソングライター、アフリカ音楽、エレクトロニック・ミュージック、50年のジャズ‥‥あらゆるジャンルの「オールタイム・ベスト100」を選出している。10月号は「R&B アルバム・ベスト100」とのことなので、年内に限れば残るところ後2回(11、12月号)‥‥ロックやパンク/ ニュー・ウェイヴ・ベスト 100はあるのだろうか(「エレクトロニック・ミュージック・アルバム・ベスト 100」にもBjorkは選ばれていなかった)。ジャンル別の「アルバム・ベスト100」をここまで延々と特集するとは思わなかった。創刊50周年企画ならば、オールジャンル、オールタイムで「ベスト500」を選出した方が分かりやすかったと思う。延べ1000枚にもなるような「ベスト・アルバム」が音楽ディスク・ガイドとして適切なのでしょうか。

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    • 記事が長くなってしまったので、15枚ずつ前後編2つの記事(1・2)に分けました

    • 「ミュージック・マガジン 8月号」 とは4枚、高橋健太郎とも4枚被っています^^;
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    ミュージック・マガジン 2019年 8月号

    ミュージック・マガジン 2019年 8月号

    • 特集:コーネリアス / エレクトロニック・ミュージック・アルバム・ベスト100
    • 出版社:ミュージック・マガジン
    • 発売日:2019/07/20
    • メディア:雑誌
    • 執筆者:安藤優 / 石川真一 / 石川真男 / 石田昌隆 / 今村健一 / 宇川直宏 / 大石始 / 大鷹俊一 / 小野島大 / 門井隆盛 / 川崎弘二 / 河村祐介 / 木津毅 / 近藤真弥 / 坂本哲哉 / 佐久間英夫 / 佐々木渉 / 四方宏明 / 高岡謙太郎 / 高橋健太郎 / 田山三樹 / 寺下光彦 / デンシノオト / 土佐有明 / 原雅明 / 廣川裕 / 松村正人 / 松山晋也 / ムードマン / 宗像明将 / ...

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