人間の死っていうのと動物の死っていうのと、一般論としてどっちが悲しいんだというような設問の仕方は、もともと成り立たないんじゃないかとおもったりしてね。要するに、より親しい生き物の死の方が切実だっていうことです。悲しみとか、いなくなったときの欠如感とか、とても切実なんだ。そんな法則はおかしいけれど、そういうことしか本当はないじゃないかとおもえたりね。人間だから悲しいとか、動物だから死んだら悲しいとか、そういうことはあんまり関係ないんじゃないかな。逆に言うとそれでいいのかな、疑問はないのかなとおもえて、やっぱり人間と猫とは違うぞっていうふうに、人間の死を悲しめないっていうのは、その方がおかしいのかな、とちょっと疑問の感じが残ります。これはたぶん僕だけじ ゃなくて、だれどもそうなんじゃないかとおもいます。あんまり親しくないような人の死と 、しょっちゅうかわいがっていた猫とか犬、その他の動物の死でもいいんですけど、その悲しさと比べたら、こっちの方が切実だぜっていうことは、たぶん普遍的な気がするんです。
吉本 隆明 『なぜ、猫とつきあうのか』
♭ dark childデビュー当時、編集者に連れて行かれた新宿の小さい酒場に「作品を敬愛する古井由吉氏がおられ、私は舞台の観客になったような気持ちでした」と皆川博子(1930-)は懐旧しています。
- 「澁澤龍彦と皆川博子は、たった二歳違い ── 同世代じゃないか」 東 雅夫
- 「鳥肌が立つほどに、凄まじい」 綾辻 行人
- 「トリッキーであり、技巧的であり、面白すぎて禍々しくて美しく、なおかつ知的で人間への洞察に溢れている」 恩田 陸
- 「部屋で一人興奮して、「すごい」 の一言を繰り返すしかなかった」 三浦 しをん
- 「現代日本で風太郎に匹敵する作品を書いているのは、皆川博子だけだと、掛け値なしにそう思う」 日下 三蔵
- 「敗戦後、突然、俄に、いっせいに、人間の命は何よりも大切だと、騒々しく叫びだしたのだ。民主主義。反戦平和。人命尊重。嘘つけ」 皆川 博子
by sknys (2020-03-09 19:36)
♭ ペストジャクソン・ブラウン(Jackson Browne)がコロナウイルスに感染しましたが、幸い軽症らしい。3月12日「The Love Rocks NYC benefit concert」に出演した時に、感染者数人(“several people” who also tested positive for the coronavirus)と接触したという。NYに行かなきゃ良かった?
(Jackson Browne Tests Positive for Coronavirus) ‥‥カミュの
『ペスト』(新潮社)は高校時代に読みました。
by sknys (2020-03-25 20:09)
♭ 蕾がたくさん♪「屋内行方不明者」はデジカメ、それともスマホ?‥‥花粉症なのに粋がってマスクをしていなかった。でもコロナ対策でマスクをするようになったら、症状が軽減しました。今更「アベノマスク」(小さな布マスク2枚)を貰ってもねぇ‥‥。
by sknys (2020-04-04 21:14)
♭ 巣籠日記 1(2020.04.08)「緊急事態宣言」を受けて区立図書館は休館、レコード店も休業‥‥残る愉しみはネコ撮り散歩だけになってしまった。休館する前に予約〜取置した資料を受け取らないと、最低でも1カ月先送りになってしまうので、2館を回った前日と当日(4/7, 8)は慌ただしかった。レコード(CD)は「猫ジャケ」2枚を事前に入手しましたが、お茶の水や新宿紀伊国屋書店(8F)は空いていたなぁ。外出して躰を動かさないと気分も晴れず、体調が悪くなるので、華龍さんと同じく散歩は欠かせません。未読の本や未聴のアルバム(CD)も少なからず卒塔婆のように積まれているので、「コロナ籠もり」中に退屈することはないと思うけれど、新刊や新譜を物色出来ないのはストレスです。
by sknys (2020-04-09 12:38)
♭ ネットの猫記事を貼っておきます。 ── ツァラトゥストラはかく語りきちょっと強引な気もする「ネコ・アイコラ」ですが、「フクロウ猫」 は違和感ありませんね。日本版画集
『ファット・キャット・アート』(エスクナリッジ 2017)が出版されています。作者のスヴェトラーナ(飼主)はアシスタントで、デブ猫のツァラトゥストラ(吾輩)がモデルになった経緯を語り、修正前の絵画(デブ猫の描かれている絵の方がオリジナルという設定)を解説。ツァラトゥストラはエドガーのように時空を翔るにゃん(註:
「生者の心における死の物理的不可能性」(1991) は英国の現代美術家ダミアン・ハーストの作品)。
by sknys ( 2020-04-21 12:55:44)
♭ 巣籠日記 20(2020.04.27)年末年始の某クリアランスで入手したビアンカ・ジスモンチ(Bianca Gismonti)のアルバムなどを聴きながら、ブログ記事を書いています。ボーナス・トラックのライヴ映像を見つけたので、リンクしておきますね。ピアノ弾き語りを終えて、
「おいしい水」を飲みます。
by sknys (2020-04-29 12:04)
♭ 巣籠日記 23(2020.04.30)ブラジル盤
《Mais》(1991)の
「歌詞ブックレット」は十字形の部分が切り抜かれています。カエターノ・ヴェローソ(Caetano Veloso)の
《Circulado》(1991)にも教授が参加していました。実は教授と同じく、小学生の頃から若白髪で一時期は染めていましたが、まあ年相応ということで‥‥今はカラーコンディショナー
(PRIOR)を使っています。
by sknys (2020-05-02 16:25)
♭ 巣籠日記 28(2020.05.05)華龍さんの少女時代の写真を見て、イーファ・オドノヴァン(Aoife O'Donovan)の2ndアルバム
《In The Magic Hour》(Yep Roc 2016)を思い出しました。左の金髪少女がイーファちゃん。その横で、トイレットペーパーの箱から作った凧を持っている子が従姉妹のシボーン(Siobhan)ちゃん。お母さん(Lindsay O’Donovan)がアイルランド・インシドニーの海辺で遊ぶ2人を撮った写真です。
by sknys (2020-05-09 12:53)
♭ マンガ読んでます。── テセウスの船 「テセウスの船」(TBS 2020)の再放送を視ています。原作コミックとは真犯人が異なるようです。主人公(竹内涼真)は頼りないけれど、父親役(鈴木亮平)は巧いなぁ。白髪老婆(麻生祐未)が怖すぎて‥‥魘されそう(追記:「未公開シーンを大幅に追加した」 という最終話(5/23)が25分もカットされた短縮版だったのは解せません)
by sknys (2020-05-16 13:54:41)
♭ twitterという場所twitterは本来の「囀り」ではなく、身も蓋もない主義・主張(誹謗・中傷)の捌け口になっていますね。耳障りな声でガァガァ鳴く鵞鳥のように。日本では「#検察庁法改正案に抗議します」というハッシュタグが拡散して、コロナ禍のドサクサ紛れに強行採決しようとしていた政府は今国会での成立を断念せざるを得なくなった。「絵空事の世界に生きている」きゃりーぱみゅぱみゅ(後に削除)や小泉今日子も抗議のツイートをしていました。「アベノマスク」(小さな布マスク)を国民に配った宰相が今一番怖れているのはコロナの感染拡大ではなく、「#◯倍逮捕」でしょうか?
by sknys (2020-05-21 13:43)
♭ 「萩尾望都 ポーの一族展」 のこと昨年8月、東京展(松屋銀座8階 イベントスクエア 2019)に行きました。エントランスの風に揺れる白いレースのカーテンに、原作の絵(1コマ)がスライドショーのように映し出され、床にはアーチ型の窓とエドガーの影が落ちている。オスカー・ライザーの子供時代を描いた「訪問者」(1980)の前で涙ぐんでいた女性や母と娘の二世代ファンもいました。男女比は1対9で、圧倒的にオバさん(元少女)が多い。モーさまが開発姉妹(花郁悠紀子・波津彬子)に贈ったイラスト6点は東京会場だけの特別公開とのこと。
by sknys (2020-05-21 23:04)
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ブログ記事に付けた「外コメント」を纏めてみたら結構面白いかも?‥‥というアイディアから生まれた再録シリーズの第58集です。コメントは原則としてオリジナルのまま時系列順に転載‥‥事実誤認(誤記)や誤字・脱字、改行の無効化、句読点や記号・顔文字の有無などを精査。内容の分かり難いコメントには補足説明(註)をして、コメントした元記事にリンクしました。過去3ヵ月間(2020/03/01~05/31)に書いたものの中から、第三者がコメントだけ読んでも面白いものを中心にセレクトしています。この3カ月は新型コロナウイルスのパンデミックで「コロナ籠もり」を余儀なくされた。図書館(休館中)やレコード店(休業中)にも行けず、ストレスが溜まる日々だった。「コロナ自粛」中に毎日更新されていた華龍さんの「巣籠日記」を愛読し、皆川博子の
『薔薇密室』(2004)や
『花の旅 夜の旅』(1979)などを耽読した。拙ブログが
「音楽 ブログランキング」の25位内に入ったのもコロナ禍の数少ない「小確幸」だった。
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ペスト
- 著者:カミュ(Albert Camus)/ 宮崎 嶺雄 (訳)
- 出版社:新潮社
- 発売日:1969/10/30
- メディア:ペーパーバック(新潮文庫)
- 内容:アルジェリアのオラン市で、ある朝、医師のリウーは鼠の死体をいくつか発見する。ついで原因不明の熱病者が続出、ペストの発生である。外部と遮断された孤立状態のなかで、必死に「悪」と闘う市民たちの姿を年代記風に淡々と描くことで、人間性を蝕む「不条理」と直面した時に示される人間の諸相や、過ぎ去ったばかりの対ナチス闘争での体験を...
辺境図書館
- 著者:皆川 博子
- 出版社:講談社
- 発売日:2017/04/19
- メディア:単行本
- 目次:『夜のみだらな鳥』とホセ・ドノソ /『穴掘り公爵』とミック・ジャクソン /『肉桂色の店』とブルーノ・シュルツ /『作者を探がす六人の登場人物』とルイジ・ピランデルロ /「建築家とアツシリアの皇帝 /「迷路」とフェルナンド・アラバール /『無力な天使たち』とアントワーヌ・ヴォロディーヌ /「黄金仮面の王」とマルセル・シュオップ /『アサイラ...
ファット・キャット・アート ── デブ猫、名画を語る
- 著者:スヴェトラーナ・ペトロヴァ(Svetlana Petrova)/ 喜多 直子(訳)
- 出版社:エクスナレッジ
- 発売日:2017/04/01
- メディア:単行本(ソフトカヴァ)
- 目次:ツァラトゥストラとわたし / ツァラトゥストラはかく語りき / 古代から中世の絵画 / イタリアのルネサンス期の絵画 / 北ヨーロッパのルネサンス期と16世紀の絵画 / 17世紀のオランダ絵画 /17世紀のオランダ静物画 / 17世紀のフランドル絵画 / 17世紀から18世紀のスペイン絵画 / 17世紀から18世紀のイギ...リス絵画 / 18世紀から19世紀初頭のフランス絵画 / 19世紀のアメリカ絵画 / 18世紀と19世紀のロシア絵画 / 19世紀の日本絵画 / 19世紀末から20世紀初頭のヨーロッパ絵画 / 20世紀初頭のロシア絵画 / 20世紀から現代のヨーロッパと新世界の絵画 / 感謝のことば
Mais
- Artist: Marisa Monte
- Label: EMI
- Date: 1997/05/05
- Media: Audio CD
- Songs: Beija Eu / Volte para o Seu Lar / Ainda Lembro / De Noite Na Cama / Rosa / Borboleta / Ensaboa / Eu Não Sou Da Sua Rua / Diariamente / Eu Sei (Na Mira) / Tudo Pela Metade / Mustapha
Circulado
- Artist: Caetano Veloso
- Label: Imports
- Date: 1992/05/05
- Media: Audio CD
- Songs: Fora Da Ordem / Circulado De Fulo / Itapua / Boas Vindas / Ela Ela / Santa Clara, Padroeira Da Televisao / Baiao Da Penha / Neide Candolina / A Terceira Margem Do Rio / O Cu Do Mundo / Lindeza
テセウスの船 Blu-ray BOX
- 出演:竹内 涼真 / 榮倉 奈々 / 安藤 政信 / 貫地谷 しほり / 芦名 星 / 上野樹里 / ユースケ・サンタマリア / 麻生 祐未 / 鈴木 亮平
- メーカー:TCエンタテインメント
- 発売日:2020/07/22
- メディア:Blu-ray(4枚組)
萩尾望都 ポーの一族展
- 会場:松屋銀座 8階 イベントスクエア
- 会期:2019/07/25 - 08/06
- 主催:朝日新聞社
- メディア:コミック(原画)
- 展示構成:ポーの一族の世界 / トーマの心臓の世界 / 宝塚歌劇の世界 / 萩尾望都の世界
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