音楽ブログ「MONCHICON」が「Monchicon's Best of 2022」という小冊子を出版した。毎年ブログで発表している「年間ベスト・アルバム」とBig Thief、Dry Cleaning、Stella Donnellyの来日インタヴューを1冊に纏めたジン(Zine)だが、ネットではなく、敢えてブックレット(A5判・20頁)という紙媒体で出したことに惹かれる。「20 BEST ALBUMS OF 2022」(ベスト・アルバム20+隠れた名盤4枚)は寸評(290~350字)付き。1. Big Thief《Dragon New Warm Mountain I Believe In You》(4AD)、2. Alvvays《Blue Rev》(Poyvinyl)、3. Black Country, New Road《Ants From Up There》(Ninja Tune)、4. The Beths《Expect In A Dying Field》(Carpark)‥‥ちなみに「モンチコン」という名称はブログを清水祐也と共同運営していた佐藤一道の命名である。「モンチッチ」(Monchhichi)と米インディ・レーベル、アンチコン(Anticon)の造語ではないかと思われるが、本人が2015年1月に亡くなってしまったので確かめようがない。
ブラジル・ミナスの女性SSWレオポルヂーナ(Leopoldina)の2ndアルバム《Semente Crioula》は2021年11月のリリースだが、4カ月遅れで日本に入荷して来た。「クレオール種子」 というアルバム・タイトルは新ミナス派というよりも、ノルデスチ(北東部)までを含めた地域的な広がりがあって、スティール・ギターやアコーディオン、ウクレレなどを混じえた汎愛的なサウンドの種子は南米からカリブ海を渡って、北米まで飛来して開花するかのようだ。ペダル・スティールが優しく奏でられる〈Girassóis〉、ロックっぽいギター・ポリリズムの〈Folia de Reis para Deus Menino〉、ポエトリー・リーディングのアルバム ・タイトル曲〈Semente Crioula〉、ウクレレや口笛(assovio)が軽やかに鳴り響く〈O Que Eu Tenho Pra Te Dar〉など、全12曲・49分、見開き三面紙ジャケ仕様。歌詞ブックレット(28頁)にはギター・コードと画家でもある彼女自身が描いた、各曲をイメージしたイラスト(12葉)も添えられているので、音楽だけでなくヴィジュアル面でも愉しめる。
『幸せを語るネコ』(青春出版社 2021)は古今東西ネコに纏わる格言や諺などを集めた名言集。チャールズ・ディケンズ、アルベルト・シュバイツァー、ポール・ギャリコ、マーク ・トゥエイン、コレット、マーク・トゥエイン、ルイス・ウェイン、エドガー・アラン・ポ ー、レオナルド・ダ・ヴィンチ、デズモンド・モリス、ア ーネスト・ヘミングウェイなど、有名な「ねことば」から、作者不明の「ことわざ」まで、138篇の名言が「喜び・安らぎ・愛 ・豊かさ・知恵 ・自由・誇り・人生観・学び・想像力・真理」のテーマ別に分類されている。「ネコのように謎めいた作品が書けたらなあ」(I wish I could write as mysterious as a cat.)という 「ポーの言葉」(本当はポーの言葉ではないらしい)のように、日本語訳に英文も併記されている。装飾的にデフォルメされたネコたちのカラー・イラストも魅力的。正確を期すためにも、引用文の出典や著作者たちの経歴を添えて欲しかったにゃぁ。
Songs: Sit Down, Let Me Tell You A Story. / My Lovely Cat! / The Poignant Melody / Everybody, Marvel / Jet-Black Double-Shield / Miracle-Level / And The Moon Laughs / The Little Maker / Phase-Out All Remaining Non-Miracles by 2028 / Momentary Art Of Soul! / Wedding...
Songs: Amor de Nanã / Girassóis / Sanfoneira / No Nosso Tapete / Folia de Reis para Deus Menino / Pra Tu / Semente Crioula / Orvalho / O Que Eu Tenho Pra Te Dar / Morena Faceira / Sem Você / Cadê Teus Olhos
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