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ハニオ日記 [b o o k s]

  • hanioʼs diary / yuriko ishida


  • 今一緒に暮らしている、兄弟猫のハニオとタビは、生後1週間のところを保護しました。親猫がひょんなことからいなくなってしまい、このままでは生きてはいけない子猫達でした。/ 2時間おきのミルク、排泄の手伝い、彼らの世話に明け暮れ、自分のことなんて何もできない日々が数ヶ月続きました。感動的だったのは、雪(ゴールデンリトリバー、♀当時1歳)がまるで親猫のように彼らの世話をしたことです。/ あの大きな体の雪が、小さな小さな彼らを踏まないように、傷つけないように気をつけながら、大事に抱えてぺろぺろ舐め回す。ベッドから落ちそうになれば、慌てて駆け寄って堰きとめる。それはそれは可愛くてわたし自身の体は疲れでボロボロでしたけど、心は本当に元気で、幸せでした。/ 薄いピンク色の幸せです。ミルク色の幸せです。/ あれから1年、赤ちゃんだった2匹はすっかり大きくなり雪にくっついてぐうぐう寝ています。幸せです。どうか、猫として、犬としての彼らの一生が、ずっとずっと幸せでありますように。そしてその責任はわたしにあります。
    石田 ゆり子 「一緒に暮らそう」


  • ◇ Lily ──日々のカケラ ──(文藝春秋 2018)石田 ゆり子
    15歳の5月、自由が丘の街を歩いている時にスカウトされて、女優の道を歩んで来た石田ゆり子のエッセイ集。彼女が大切にしているのは毎日の生活に溶け込んでいる些細な小さなこと。「日々のカケラを拾い集めるように、自分の好きなものや、心の中でずっと思っていること、自分なりのこだわり」 を記している。モビール、絵や写真、小物、家具、ダイニングルーム、コーヒー、ポプリ、一輪の花、食器、動物(犬と猫)、本(小説や絵本)、シャム猫の縫いぐるみ(コチコチ)、セルフケア、洋服、アクセサリー、ピラティス、笑顔、書くこと、水泳、料理レシピ、インタヴューなど‥‥写真に手書き文字、「はにお」 「たび」 「おかーさん」 のコメントで構成された「ハニオとタビの成長日記」は「ハニオ日記」のプロトタイプ。「103のQ&A」 の「13 自分を動物に例えると?」という質問に、著者は「なんだろう? 猫のように生きたい。自由で、人に媚びず、マイペースに好きなように生きている、猫は理想的な生き物です」 と答えている。

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    ◇ ハニオ日記 I 2016-2017(扶桑社 2021)石田 ゆり子
    「ハニオ日記」は2016年10月10日から始まる。2016年春 、石田ゆり子は生後約1週間の仔猫兄弟を3匹保護した。ハニオ(茶トラ)とタビ(白ソックス)と、後に坂谷由夏に引き取られたメイ。ハニタビ兄弟は雪(ゴールデンレトリバー)とビスク先輩(チンチラゴールデン)に迎え入れられ、石田邸で一緒に暮らすことになる。おかーさん(ゆり子)のミルクまみれの日々。2017年正月、ビスク先輩がライオンカットされて戻って来たが、ハニオは新入りの「りすさん」だと思っていて気づかない。1月25日タビちゃんが風邪で入院。3月25日、16年間一緒に暮らしたビスクが永眠する。1年前に保護された日から逆算して5月1日にハニタビ兄弟は1歳の誕生日を迎えた。10月23日、「階段の手すりの下の隙間から滑り落ちた」 ハニオが左足の太腿を骨折してしまう。「ハニオ日記」 の書き手は、おかーさん(ユ)とハニオ(ハ)で、時々タビ(タ)とビスク(ビ)が加わる。石田ゆり子は飼いネコたちの思いを想像して、一人称ネコ視点で日記を綴っているのだ。

    ◇ ハニオ日記 II 2018-2019(扶桑社 2021)石田 ゆり子
    石田ゆり子がインスタ(Instagram)に投稿している 「ハニオ日記 2016-2021」 が3巻本として書籍化された。ネコが一人称視点で語る小説やエッセイは珍しくない。茶トラ牡猫のハニオ(ぼく)が写真と短文で綴る日記だが、ページ右上の年月日にハ、ユ、タ、はち、みつ‥‥と記されているように、主人公のハニオ(ハ)、おかーさん(ユ)、ゴールデンレトリバーの雪(ユ)、白足袋のたび(タ)、立ち耳スコティッシュ・フォールドのはちみつ兄弟(はち/みつ)、神(カミ)‥‥と視点もネコの目のように自在に変化する。著者はハニオたちの鳴き声や表情や行動などを注意深く観察し、彼らの思いを想像して言語化する。「猫語」 の翻訳はネコらしく言葉足らずで、一般読者には隔靴搔痒なところもある。ハニオが言及している「びーじー」 とは何か?‥‥著者が出演していたTVドラマ 「BG〜身辺警護人〜」(テレ朝 2018)のことなどは彼女のファンや事情通でなければ見当がつかない。注釈があれば良かったかもしれない。

    ◇ ハニオ日記 III 2019-2021(扶桑社 2021)石田 ゆり子
    「ハニオ日記 II」 のラストで、石田ゆり子は動物病院に保護されていた生後2カ月の仔猫(マンチカン♂)の世話することになるが、ばぶおは僅か4日後(2019/7/19)に急逝してしまう。ところが1年後(2020/7/1)、「ばぶちゃん、いつでも戻ってきていいんだよ」 と小さな骨壺に時々話しかけていた著者は月齢も性別も種類も境遇も同じ仔猫を迎えることになる。ばびぶー(バンビ)と名づけられた仔猫は、ばぶおの生まれ変わりのようだった。おかーさん(ゆり子)、ゴールデンレトリバー(雪)、茶トラ(ハニオ)、サバトラ(たび) 、立ち耳スコティッシュ・フォールド(はちみつ兄弟)、マンチカン(ばびぶー)‥‥。人1人、犬1頭、猫5匹の「ゆりごろう王国」も、2020年に新型コロナ・ウイルスの感染防止対策に伴う緊急事態宣言で、引き蘢り生活を余儀なくされた。2016年の秋から2021年1月までの日々をインスタ(Instagram)に綴った日記を纏めた3巻本の「印税は全て、日本中の、保護犬と保護猫たちのために使う」と著者は「あとがき」で宣誓している。

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    • 石田ゆり子(Lily)さんの愛猫記「ハニオ日記」の記事を纏めてみました

    • 二重投稿になっていたので、〈ハニオ日記〉に差し替えました^^;(2023・7・17)
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    Lily ──日々のカケラ──

    Lily ──日々のカケラ──

    • 著者:石田ゆり子
    • 出版社:文藝春秋
    • 発売日: 2018/01/30
    • メディア:単行本
    • 目次:日々のカケラを拾い集めるように / 大人になったいま / 暮らしのカケラ / わたしのカケラ / interview 美しさは、健やかさから / ハニオとタビの成長日記 / ロングインタビュー / 緒形拳さんのこと / 石田ゆり子に根ほり葉ほり 103のQ&A


    ハニオ日記 I 2016-2017

    ハニオ日記 I 2016-2017

    • 著者:石田 ゆり子
    • 出版社:扶桑社
    • 発売日: 2021/05/31
    • メディア:単行本(ソフトカヴァ)
    • 内容:女優石田ゆり子が5年間に渡って点描し続けた日々の記録。彼女と動物たちの「なんでもない」毎日。「日々は続いていく。悲しみも喜びも飲み込んで。そして今日も朝日は昇るのです」この本で著者が伝えたかったことは、この言葉に尽きる‥‥


    ハニオ日記 II 2018-2019

    ハニオ日記 II 2018-2019

    • 著者:石田 ゆり子
    • 出版社:扶桑社
    • 発売日: 2021/05/31
    • メディア:単行本(ソフトカヴァ)
    • 内容:女優石田ゆり子が5年間に渡って点描し続けた日々の記録。彼女と動物たちの「なんでもない」毎日。「日々は続いていく。悲しみも喜びも飲み込んで。そして今日も朝日は昇るのです」この本で著者が伝えたかったことは、この言葉に尽きる‥‥


    ハニオ日記 III 2019-2021

    ハニオ日記 III 2019-2021

    • 著者:石田 ゆり子
    • 出版社:扶桑社
    • 発売日: 2021/05/31
    • メディア:単行本(ソフトカヴァ)
    • 内容:女優石田ゆり子が5年間に渡って点描し続けた日々の記録。彼女と動物たちの「なんでもない」毎日。「日々は続いていく。悲しみも喜びも飲み込んで。そして今日も朝日は昇るのです」この本で著者が伝えたかったことは、この言葉に尽きる‥‥

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