◎ U.F.O.F(4AD 2019)Big Thief「大泥棒」(Big Thief)はNYブルックリンを拠点に活動する4人組。紅一点のエイドリアン ・レンカー(Adrianne Lenker)が全ての曲を書いて自ら歌うインディ・ロック・バンドである。3rdアルバムのタイトルは「U.F.O. Friend」という意味。未知なる自分や他者との共存を示唆している。彼女のソロ・アルバム
《Abysskiss》(Saddle Creek 2018)に収録されていた〈From〉と〈Terminal Paradise〉を再演している。2曲を聴き較べることで、女性SSWのソロとバンド・サウンドの違いを如実に体感出来る。フォークから激ロックへ豹変する〈Contact〉、生ギター弾き語りの〈Orange〉、Buck Meek(ギター)とデュエットした〈Terminal Paradise〉、フィードバック・ノイズが吹き荒れる〈Jenni〉‥‥ギター、ベース、ドラムスが生々しいヴォイスを際立たせる。全12曲・43分。見開き紙ジャケ仕様、4つ折り歌詞カード付き。彼らは5カ月後の10月にライヴ・レコーディングによる4thアルバム
《Two Hands》をリリースして、2019年を象徴するロック・バンドとなった。
◎ Two Hands(4AD 2019)Big Thief《U.F.O.F.》の完成から僅か5日後、米テキサス・トーニロで録音された4thアルバム。ワシントン・ウッディンビルの湿った森と緑、乾燥した暑い砂漠地帯の対比‥‥バンドが前者を「天上の双子」(the celestial twin)、後者を 「地上の双子」(the earth twin)と呼んでいるツイン姉妹アルバムだ。Adrianne Lenker(ヴォーカル、ギター)、Buck Meek (ギタ ー)、James Krivchenia (ドラムス)、Max Oleartchik(ベース)という編成で、ライヴ・レコーディングされたという。3拍子の〈Rock And Sing〉、Buck Meekがバック・ヴォーカルでサポートする〈The Toy〉、カントリー・ロックのライヴ・レパートリー曲〈Shoulders〉、Neil Youngの魂が憑依したようなAdrianne Lenkerのノイズ・ギターが炸裂する
〈Not〉、アクースティック・スリーフィンガーの〈Wolf〉、フォーク・バラードの〈Cut My Hair〉など、全10曲・40分。見開き紙ジャケ仕様、4つ折り歌詞カード付き。
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◎ Abysskiss(Saddle Creek 2018)Adrianne LenkerBig Thiefのフロント・ウーマンは米インディアナ・インディアナポリス生まれ、ミネソタ育ち。8歳で作曲し始め、13歳で最初のアルバムを録音したという。テコンドーに興味を持って研究を重ね、3年連続で 「空手チャンピオン」(the State Karate Champion)に輝いたという異色経歴の持ち主でもある。2ndソロ・アルバムはLuke Temple(シンセ、ベース、ギター)のプロデュース。彼女のアルペジオ・フィンガー・ピッキング・ギターの伴奏で歌われる静謐なフォーク・ソング集だが、音響的な広がりも感じられる。オープニングの2曲〈From〉と〈Terminal Paradise〉はBig Thiefの3rdアルバム《U.F.O.F.》(2019)で再演されることになる。水面下の深淵から聴こえて来る歌とギターが漣のように波立ち、リスナーの琴線に触れる。エレキ・ギター・アンサンブルの〈Out Of Your Mind〉、荒野の広大な深淵でキスをする〈Abyss Kiss〉、「nothing is real」 と歌う〈10 Miles〉など、全10曲・34分。見開き紙ジャケ仕様・4つ折り歌詞カード付き。
◎ Songs And Instrumentals(4AD 2020)Adrianne Lenker《U.F.O.F.》と《Two Hands》(2019)は別々のアルバムだったが、エイドリアン・レンカーの3rdアルバムは2枚組(LP・CD)としてリリースされた。《Songs》はアクースティ ック・ギター弾き語りフォーク・ソング、《Instrumentals》はアンビエント風のコラージ ュで構成されている。コロナ禍によってツアーが短縮された後、米マサチューセッツ州西部の山小屋に籠もって、8トラック・レコーダ(Otari 8 track)で録音。室内の空間は「アクースティック・ギターの内部」の空洞を想わせたという。《Songs》の前半はヴォーカルやギターを多重録音しているが、後半は一発録りで、
〈Come〉は雨垂れの音、
〈Zombie Girl〉は野鳥の鳴き声も聞こえる。《Instrumentals》はギターとチャイムのインプロヴィゼーションによるインスト・コラージュ〈Music For Indigo〉と〈Mostly Chimes〉を収録‥‥全13曲・77分(11曲・40分+2曲・37分)。見開き紙ジャケ仕様、4つ折りライナーノーツ付き。歌詞はインナーに記載されている。
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◎ Two Savoirs(Keeled Scales 2021)Buck MeekBig Thiefのギタリスト、Buck Meek(バック・ミーク)の2ndソロ・アルバム。米テキサス・ウィンバリー生まれとのことで、子供の頃から聴き親しんで来た70年代のカントリーが色濃く反映されている。2019年7月、ニューオーリンズのヴィクトリアン・ハウスでレコーディング(7日間)されたという。Big Thiefと同じくAndrew Sarloのプロデュース。5人編成のバンド・スタイルで、Mat Davidsonのペダル・スチール、フィドル、スライド・ギター、兄弟Dylan Meekのピアノ、オルガンなどがレイド・バックしたオルタナ・カントリーを奏でる。Big Thiefではメイン・ヴォーカルの陰に隠れていたが、Buck Meekのテノール・ヴォイスは意外にも親密で人懐っこい。ディストーション・ギターが鳴り響く〈Ham On White〉、アクースティック・ギター弾き語りの〈Halo Light〉、Adrianne Lenkerとの共作
〈Candle〉を含む全11曲・37分。デジパック仕様、2つ折り歌詞カード付き。
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big thieves like us / sknynx 1024
U.F.O.F.
- Artist: Big Thief
- Label: 4AD
- Date: 2019/05/03
- Media: Audio CD
- Songs: Contact / UFOF / Cattails / From / Open Desert / Orange / Century / Strange / Betsy / Terminal Paradise / Jenni / Magic Dealer
Two Hands
- Artist: Big Thief
- Label: 4AD
- Date: 2019/10/11
- Media: Audio CD
- Songs: Rock And Sing / Forgotten Eyes / The Toy / Two Hands / Those Girls / Shoulders / Not / Wolf / Replaced / Cut My Hair
Abysskiss
- Artist: Adrianne Lenker
- Label: Saddle Creek
- Date: 2018/10/05
- Media: Audio CD
- Songs: Terminal Paradise / From / Womb / Out Of Your Mind / Cradle / Symbol / Blue And Red Horses / Abyss Kiss / What Can You Say / 10 Miles
songs and instrumentals
- Artist: Adrianne Lenker
- Label: 4AD
- Date: 2020/10/23
- Media: Audio CD(2CD)
- Songs: two reverse / ingydar / anything / forwards beckon rebound / heavy focus / half return / come / zombie girl / not a lot, just forever / dragon eyes / my angel // music for indigo / mostly chimes
Two Saviors
- Artist: Buck Meek
- Label: Keeled Scales
- Date: 2021/01/15
- Media: Audio CD
- Songs: Pareidolia / Candle / Second Sight / Two Saviors / Two Moons / Dream Daughter / Ham On White / Cannonball! Pt. 2 / Two Moons (morning) / Pocketknife / Halo Light
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