15年目のスニンクス(sknynx)は72本の記事をアップした(2019・12〜2020・11)。月6本の内訳はメイン記事3本(1日・11日・21日)と別館ミニ・ブログの1カ月分を纏めた 「スニーズ・ラブ」(26日)、一覧リストや企画ものなど2本(6日・16日)である。回文シリーズは新年恒例の「回文かるた」を含めて5本。「ネコ・ログ」は4本。洋楽記事は年間ベストや新譜紹介など10本で、漸く「音楽ブログ」らしくなった。石ノ森シリーズは3本。猫ゆりシリーズは
〈猫のワッフル〉。新シリーズ「折々のねことば」は4本。アート関連の記事は
〈夜廻り猫の日々〉以降、コロナ禍の自粛モードに入って、美術館や展覧会への足は自ずと遠のいた。混雑する閉鎖空間に自ら進んで行く気にはなれなかったし、予約制という鑑賞システムにも馴染めなかった。お気に入りの記事(ベスト10)と人気記事(閲覧数トップ10)で重複したのは
〈マグダラの小枝(2019)〉〈クロマティックスの受難〉〈夜廻り猫の日々〉
〈皆川薔薇館〉の4本‥‥2020年のマイブームは「皆川博子」です。
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Sknynx's Favorite 10 Articles Of 2020
● 折々のねことばコロナ禍の 「猫のゆりかご」(猫盤・猫本シリーズ)は〈猫のワッフル〉しか記事にならなか った。〈FAVORITE ー BOOKS〉で紹介した「ネコ本」10冊を纏めただけなので、新鮮味に欠けるかもしれない。ところが瓢箪から独楽というか、意外なところから新シリーズが生まれた。他のブログ記事に付けたコメント
〈折々のねことば〉‥‥「折々のことば」(朝日新聞朝刊のコラム)から引用した記事に、英覆面画家バンクシーの言葉と『バンクシー ビジュアル・アーカイブ』(グラフィック社 2018)の著者ザビエル・タピエスの文章を添えたパロディ・コメントだった。拙ブログの記事には元々ネコに纏わる文章を冒頭に引用することが少なくなかった。引用文(約400字)の中からキーになる「ねことば」を抜き出して、解説文(328字以内)を添えるだけなのだが、これが意外に愉しい。気になった文章を引用するよりも、キャッチーな言葉(ワンフレーズ)を見出しにした方が人目を惹くし、インパクトもあるわけだ。本家「折々のことば」は2千回を超えた。〈折々のねことば〉も続く?
● 皆川 博子〈皆川図書館〉〈皆川薔薇館〉
〈皆川人形館〉‥‥2020年は皆川博子を再発見した年として記憶されるだろう。『聖女の島』(1988)や『猫舌男爵』(2004)は読んでいたが、ドハマリする契機となったのは『死の泉』(1997)である。叙述トリックと入れ子構造という二段構えのドンデン返しに2度殺られた。瀕死の美青年を薔薇人間に甦生させるという荒唐無稽な『薔薇密室』(2004)も面白いし、ジュヴィナイル(YA)として書かれた『倒立する塔の殺人』(2007)も一切の手加減なし。バートンズ・シリーズは『開かせていただき光栄です』(2011)→「チャーリーの受難」(文庫版に併録)→『アルモニカ・ディアボリカ』(2013)→『クロコダイル路地 I・II』(2016)の順番で読むべし。『影を買う店』(2013)、『夜のリフレーン』(2018)、『夜のアポロン』(2019)など初単行本化された短篇集も読み応えがあるし、著者の偏愛するマイナーな作品を紹介する『辺境図書館』(2017)、『彗星図書館 』(2019)も興味深い。著作は百冊を超えるというから、まだ5分の1しか読んでいないけれど、
〈MINAGAWA LIBRARY〉という読書目録を作成した。
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Sknynx's Top 10 Articles Of 2020
● 回文シリーズ〈力み踏み切り〉〈ミスねずみ(回文かるた 2020)〉〈ココナッツな午後〉〈くすまぬマスク〉〈狡いウイルス〉‥‥回文シリーズは60回を迎えた。祝600回文達成を記念して大いに盛り上がりたいところだったが、年間大賞の「3密」を筆頭に「アベノマスク」「アマビエ」「GO TO キャンペーン」など、コロナ禍関連の言葉が上位を占めた「新語・流行語大賞」と同じく、世相を反映する回文もコロナ禍色に染まってしまった。
〈 「ねぶた」 がヤバい。警戒、競馬、屋形船〉〈パンデミック、マラバリスタ肌擦り、バラ撒く罪、伝播〉〈広瀬すず吐く、須磨のペアが「アベノマスク」外すゼロ日〉〈子もコロナ籠もり飛び火。一人模糊なロコモコ〉〈夜飯を異性食べない鍋、大勢を占めるよ〉〈感染拡大、3密悔いた。退屈民、在宅感染か?〉〈強請ったワクチン、3分3地区、渡ったね〉‥‥健康上の問題(モリ ・カケ・サクラ疑惑?)で、アベ総理が退陣して気分が晴れたのも束の間、
〈たたき上げ秋田だ!〉と謂わんばかりに、パンケーキ好きの元官房長官が首相に就任した‥‥ぴえん。
● ネコ・ログ令和2年も毎月3点、1年間で36点のネコ写真をアップした。コロナ禍と関係あるのかどうか、街角で見かける外ネコの姿は更に減少しているようだ。ノラは兎も角、飼いネコも感染防止対策として、巣籠もり自粛しているのかもしれない。「サンシャイン・キティ」 「あらかわ遊園のネコ」 「谷中のネコたち」 など、地域限定のネコ写真が多いのも、その場所にしかネコたちがいないという左証ではないだろうか。暫く見かけなかったネコたちが、いつもと変わりなく暮しているというだけで安堵する。アクセス・ランキング第1位になった
〈ネコ・ログ #58〉の閲覧数は2000pvを超えている。多くの読者に見られているのは嬉しいけれど、この記事だけが〈皆川薔薇館〉〈折々のねことば 2〉などと同じく、なぜ突出しているのかは分からない。日没時刻の早い秋冬は1年を通して最もネコを録り難い時季だが、膝の上に乗ってくる三毛のアンちゃんは暖かい毛皮カヴァつきの湯たんぽ代わりになるにゃん。
● 石ノ森シリーズ〈ゼロゼロ指令 3〉はスパイ・アクション映画「007シリーズ」風のハードボイルド・マンガ「ゼロゼロ指令」。
〈九頭竜の道〉は売薬行商人を主人公とする時代劇画「買厄懸場帖 九頭竜」。
〈青い月の夜に〉は少女マンガ‥‥少女が体験する一夜のファンタジー 「青い月の夜」(1960)、作者本人が登場する作中作 「氷の花」(1959)、「雪の日に」(1960)、「きのうはもうこない、だがあすもまた‥」(1961)を紹介したが、たまたま執筆時とハロウィンが重なった。2020年のハロウィンが46年振りの満月ということは知っていたけれど、まさか「ブルームーン」だとは思わなかった(ひと月に巡って来る2度目の満月をブルームーンと呼ぶ)。意図したわけではないのに〈青い月の夜に〉と「ブルームーン」がシンクロしてしまったわけだ。こういう巡り合わせは愉しい。作者がオマージュした「くるみ割り人形」はクリスマス・イヴの夜だったので、「青い月の夜」 はハロウィンの夜だったりして?‥‥
〈ISHInoMORINDEX〉〈ISHInoMORI COMIC WORKS 3〉も作ってみました。
● スペシャル・バナー〈さよならソネブロ〉で紹介したように、
〈カワイレナ生誕祭 2019〉〈ヒグチユウコの曲猫団〉など一部のトップ画像をランダム表示にしてみた。リロードする度に複数の画像がランダムに表示されます。記事別に異なったバナー画像に変更する
〈スペシャル・バナー 1〉は数年前に
〈骨娘のヘイロー〉で試していた。トップ・バナーを期間限定でファナ・モリーナ(Joana Molina)に変更したのを機に、
〈音速青年ソニック〉〈夜廻り猫の日々〉など をスペシャル・バナーに変えた。デフォルト・バナーはネコ写真(ロンちゃん)だったが、スペシャル・バナーはウェブ上の画像を借用しただけなので、バナー用写真を撮る必要もない(本記事のバナーは
「Albums of the Year 2020」(Rough Trade)から拝借した)。同じ記事でも見た目が大きく変わるバナー効果は新鮮で愉しい。ヘッダ、タイトル
(s k n y s - s y n k s)、リード文が見難くならないように、文字色をピンクからホワイト、グレイなどに変えています。調子に乗って
〈スペシャル・バナー 2〉もアップした。
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Rough Trade's Albums of the Year 2020
- SAULT - Untitled (Black Is)
- Phoebe Bridgers - Punisher
- Rina Sawayama - Sawayama
- Laura Marling - Song For Our Daughter
- Jarv Is - Beyond The Pale
- Dream Wife - So When You Gonna
- Pigs Pigs Pigs Pigs Pigs Pigs Pigs - Viscerals
- Bdrmm - Bedroom
- Porridge Radio - Every Bad
- Rolling Blackouts Coastal Fever - Sideways To New Italy
● ミュージック海外音楽メディアでは2010年代を回顧する「Best Albums of the 2010s」が相次いだ。〈10年代アルバム・ベスト20〉はスニンクス版2010年代ベスト・アルバム20選。
〈大洋レコード〉は神楽坂にあるブラジル・アルゼンチン音楽のセレクト・ショップ。〈マグダラの小枝(2019)〉は年間ベスト・アルバム10選。
〈クロマティックスの受難〉はChromaticsのアルバム、
〈ビキニ斬る!〉は元祖ライオット・ガルーBikini Killのリイシュー・アルバム、
〈蜜蝋ハッチー〉はKatie Crutchfield(Waxahatchee)のアルバムをレヴュー。
〈素敵なキャット・ソングス 2〉はコロナ籠もりのプレイリスト第2集。
〈帰って来たクリアランス 2020〉はタワレコ渋谷のセール。
〈新リオ・ミュージック〉はブラジル・リオのアルバム、
〈ポスト・パンク・ジェネレーション〉は10年代後半のアルバム、
〈アルゼンチンの青〉はアルゼンチンの近作をレヴュー。〈音速青年ソニック〉ではSonic Youthのインディ時代のアルバムに焦点を当てた。「2020年ベスト・アルバム」 は今年も女性上位になりそうです。
The Skinny's Top 10 Albums of 2020
- Fiona Apple - Fetch The Bolt Cutters
- Phoebe Bridgers - Punisher
- Run The Jewels - RTJ4
- Yves Tumor - Heaven To A Tortured Mind
- Rina Sawayama - Sawayama
- Waxahatchee - Saint Cloud
- Jessie Ware - What's Your Pleasure?
- Dua Lipa - Future Nostalgia
- Kelly Lee Owens - Inner Song
- Róisín Murphy - Róisín Machine
Pitchfork's Best Albums of 2020
- Fiona Apple - Fetch The Bolt Cutters
- Waxahatchee - Saint Cloud
- Moses Sumney - græ
- Phoebe Bridgers - Punisher
- Perfume Genius - Set My Heart On Fire Immediately
- Bob Dylan - Rough And Rowdy Ways
- Yves Tumor - Heaven To A Tortured Mind
- HAIM - Women in Music Pt. III
- Jessie Ware - What's Your Pleasure?
- Bad Bunny - YHLQMDLG
The Guardian's Best Albums of 2020
- Fiona Apple - Fetch The Bolt Cutters
- Dua Lipa - Future Nostalgia
- Rina Sawayama - Sawayama
- Perfume Genius - Set My Heart On Fire Immediately
- Sault - Untitled (Black Is)
- Waxahatchee - Saint Cloud
- HAIM - Women in Music Pt III
- J Hus - Big Conspiracy
- Taylor Swift - Folklore
- Moses Sumney - Græ
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