SSブログ

スニーズ・ラブ 70 [s k n y s - l a b]

  • ♭ ジェスカ・フープ(2020-11-07)
  • ジェスカ・フープ(Jesca Hoop)の5thアルバム《Stonechild》(Memphis Industries 2019)を某ディスクユニオンで見つけた。国内盤(国内流通輸入CD)も発売されているのに、なぜか実店舗には見当たらない。アマゾンなどのウェブサイトには在庫があるけれど、レコードや本などを通販で購入したことはない。このコロナ禍にあって、宅配業者に過度の感染リスクを増やすわけにもいかない。止むを得ない事情がない限り、自分に必要なものは自ら外出して買うべきだし、感染リスクも自分で負いたいと思うからだ。リリースから1年以上経って購入意欲も萎えていたから、中古棚で見つけた時は胸躍った。国内中古品(未開封)扱いなので、安価(約40%オフ)で入手出来た。《Memories Are Now》(Sub Pop 2017)はBlake Mills、《Stonechild》はJohn Parish(PJ Harvey、Aldous Harding)のプロデュース‥‥この人選は的を射ている。タイトルはフィラデルフィアのミュッター博物館(Philadelphia’s Mütter Museum)に展示されていた 「石児」(女性の体内で石灰化した胎児)から。マーノ・マクラフリン(Mano Mclaughlin)のマスク(?)は気味悪いけれど。

  • ♭ ファナ・パンク(2020-11-14)
  • 2018年7月、ファナ・モリーナ(Juana Molina)がデンマークのロスキレ・フェスティヴァル(The Roskilde festival)の会場に着いた時、航空会社の不手際でバックライン(楽器や機材)が届いていなかった。ステージ上にあったギター、キーボード、ドラムスでの演奏を余儀なくされたが、この即興的なパンク・パフォーマンスが意外にも観衆に好評だったという。《Forfun》(Crammed Discs 2019)は既発曲などをパンキッシュにアレンジした4曲入りEP(10")。2020年3月、メキシコのNRMALフェスティヴァルでのライヴ・アルバム《Anrmal》(2020)も、Juana Molina(ギター、ヴォーカル)、Odin Schwartz (キーボード、ベース、ギター)、Pablo Gonzalez(ドラムス)というトリオ編成で《Un Dia》(2008)、《Wed 21》(2013)、《Halo》(2017)から11曲をパンク・ヴァージョンで再演。デザインを手掛けたアルハンドロ・ロス(Alejandro Ros)の意向なのか 、三面デジパックのインナーには一切の記載がなく、シールド面の透明ステッカーを切り取って貼るように促している。

  • ♭ スリーター・キニー(2020-11-21)
  • スリーター・キニー(Sleater-Kinney)は米ワシントン・オリンピアで結成された女性3人組。バンド名はレイシーにあるスニータ・キニー通り(Sleater Kinney Road)に由来するという。1994年のデビュー以来、7枚のアルバムをリリースしした後、2006年から活動休止していたが、2014年に再結成した。《No Cities To Love》(Sub Pop 2015)、《Live In Paris》(2017)をリリースしたが、St. Vincent(Annie Clark)のプロデュースによる《Center Won't Hold》(Mom + Pop 2019)は、Corin TuckerとCarrie Brownstein (ヴォーカル、ギター)、Janet Weiss(ドラムス)という本来のパンク・スタイル(ライオッオ・ガルー)から大きく踏み出した。ドラムマシンを使用したことと関係があるのかどうか、アルバム・リリース後に長年に渡ってベースレスの屋台骨を支えたJanet Weissが脱退してしまったのは惜しまれる。トリオとデュオではバンド・イメージが大きく異なる。

  • ♭ 兎のダンス(2020-11-28)
  • 《クーラーが壊れたので、窓を開けたら、兎が一匹、飛び込んできた。床の一点に片脚で爪立ち、くるりと回転して、床に仰向けになった。躰が二つに開いた》‥‥400字足らずの掌編 「そ、そら、そらそら、兎のダンス」(2011)の中に、皆川博子のエッセンスが詰まっているように思えてならない。時の流れは遅々として進まないように見えるが、一度たりとも止まることはない。少女の50年後の姿を想像することは比較的容易いけれど、その逆は難しい。過ぎ去った時間は巻き戻せない。フィリッパ・ピアスの「トムは真夜中の庭で」のように、老婆と少女が可逆的に結びつかないからだ。ところが不思議なことに、結婚して出産、子育てを終えてから40歳過ぎにデビューしてから約半世紀、今でもバリバリの現役作家の少女時代は鮮明に目に浮かぶ。『薔薇密室』(2004)のミルカ・コヴァリチク、『倒立する塔の殺人』(2007)の阿部欣子、『クロコダイル路地』(2016)のメイ・オコナー‥‥本の虫で、旅行嫌い。方向音痴で、運動神経ゼロの作者が作中の少女たちに投影されているからだ。皆川博子の「兎のダンス」はシュールで可愛い。

                        *
    • 別館ミニ・ブログ「スニーズ・ラブ」シリーズの1カ月分(2020-11)です^^;

    • リンク画像が左に重なって見難いので、サイドバーを右側にレイアウトしました。「SKIN SWITCHER」でデフォルトに戻せるにゃん
                        *


    Stonechild

    Stonechild

    • Artist: Jesca Hoop
    • Label: Memphis Industries
    • Date: 2019/08/10
    • Media: Audio CD
    • Songs: Free Of The Feeling / Shoulder Charge / Old Fear Of Father / Footfall To The Path / Death Row / Red White And Black / 01 Tear / All Time Low / Outside Of Eden / Passage's End / Time Capsule


    ANRMAL

    ANRMAL

    • Artist: Juana Molina
    • Label: Crammed Discs
    • Date: 2020/10/23
    • Media: Audio CD
    • Songs: Un día punk / Eras / Estalacticas / Cara de espejo / Lo decidí yo / Sin dones / Paraguaya / Paraguaya punk / Ay no se ofendan / Bicho auto / Un día

    Forfun

    Forfun

    • Artist: Juana Molina
    • Label: Crammed Discs
    • Date: 2019/11/20
    • Media: LP Record(10inch)
    • Songs: Paraguaya Punk / The Punkish Rat / Un Dia Punk / Vagos Punk

    Live In Paris

    Live In Paris

    • Artist: Sleater-Kinney
    • Label: Sub Pop
    • Date: 2017/05/24
    • Media: Audio CD
    • Songs: Price Tag / Oh! / What's Mine Is Yours / A New Wave / Start Together / No Cities To Love / Surface Envy / I Wanna Be Your Joey Ramone / Turn It On / Entertain / Jumpers / Dig Me Out / Modern Girl


    Center Won't Hold

    Center Won't Hold

    • Artist: Sleater-Kinney
    • Label: Signs & Symptoms(Mom + Pop)
    • Date: 2019/08/16
    • Media: Audio CD(直輸入盤)
    • Songs: The Center Won't Hold / Hurry On Home / Reach Out / Can I Go On / Restless / Ruins / Love / Bad Dance / The Future Is Here / The Dog/The Body / Broken


    夜のリフレーン

    夜のリフレーン

  • 著者:皆川 博子 / 日下 三蔵(編)
    • 出版社:KADOKAWA
    • 発売日:2018/10/26
    • メディア:単行本
    • 目次:夜のリフレーン / 夜、囚われて… / スペシャル・メニュー / 赤姫 / 夜明け / 陽射し / 恋人形 / 赤い砂漠 / 紡ぎ唄 / 踊り場 / 笛塚 / 虹 / 妖瞳 / 七谷屋形 / 島 / 紅い鞋 / 青い扉 / 新吉、おまえの / 桑の木の下で / そ、そら、そらそら、兎のダンス / 水引草 / メタ・ドリーム / 蜘蛛が踊る / そこは、わたしの人形の / あとがき / 編者解説・日下 三蔵

    コメント(0) 

    コメント 0

    コメントを書く

    お名前:
    URL:
    コメント:
    画像認証:
    下の画像に表示されている文字を入力してください。