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スニーズ・ラブ 67 [s k n y s - l a b]

  • ♭ アイボ恐怖症(2020-08-01)
  • 曲芸師が鯱を突き刺す(Acrobats Stab Orcas)、鵞鳥は神を見るか?(Do Geese see god?)、パーティ・ブービー・トラップ(Party Booby Trap)、バカの有頂天(Top spot To idiot)、狂人カイン(Cain a Maniac)、地図帳を塩漬け(Salt an Atlas)、紐なし(Strap on No parts)、鳥の肋骨(Bird Rib)‥‥アイルランド・ダブリンのポスト・パンク・バンド、Girl Bandの2ndアルバム《The Talkies》(Rough Trade 2019)に収録されている〈Aibohphobia〉は曲名も歌詞も回文だった。高所・閉所・先端など様々な恐怖症があるけれど、「アイボ恐怖症」(Aibohphobia)は回文から生まれたユーモラスな造語である。精神医学的な症状・症例として実在するわけではない。ロボットやAIに恐怖を感じるような人もいるので、アイボ犬を怖がる人も稀にいるかもしれない(飼主の就寝中にロボ犬が突然凶暴化したりして?)。アイボフォビアを「回文恐怖症」という意味や「あらゆるものが恐怖の対象になり得る」と拡大解釈することも可能かもしれない。

  • ♭ 読ませていただき光栄です(2020-08-08)
  • 『開かせていただき光栄です』(早川書房 2011)は皆川博子の本格ミステリ長編。18世紀ロンドン。聖ジョージ病院外科医ダニエル・バートンの私的解剖室にウェストミンスター地区治安判事に所属する犯罪捜査犯人逮捕係の2人が踏み込む。ダニエルの5人の弟子‥‥饒舌クラレンス・スプナー、肥満体ベンジャミン・ビーミス、骨皮アルバート・ウッド、容姿端麗エドワード・ターナー、天才素描画家ナイジェル・ハートが墓から盗んだ準男爵チャールズ・ラフヘッド卿の令嬢エレインの屍体を暖炉の奥に隠す。ヘイルズ&ブレイを巧く追い払ったものの、相前後して検分に来た治安判事ジョン・フィールディングの助手アン=シャ ーリー・モアに解剖台の上に戻した屍体の包みを発見されてしまう。白布に包まれた屍体を担いで運び出そうとしたアンの助手デニス・アボットがバランスを失って取り落とすと、両手両足を切断された少年の屍骸が剥き出しになる。「ルパート王子の暖炉」から令嬢エレインの屍体を取り出すと、顔を潰された男性の屍骸に掏り替わっていた?‥‥前半は少年ネイサン・カレンの視点から描いた過去と三人称複数描写の現在を交互に挿み込む構成。

  • ♭ ゾラ・ジーザス(2020-08-15)
  • 某ディスクユニオンの100円棚で、Zola Jesusの《Stridulum》(Sacred Bones 2017)を見つけた。2枚のEP《Stridulum》《Valusia》(2010)を纏めた編集盤だが、独レーベルからリリースされた《Stridulum II》(Souterrain Transmissions 2010)には何故か《Valusia》の〈Poor Animal〉だけが未収録だった。このリイシュー盤で、《Stridulum》の6曲と《Valusia》の4曲が完全収録(後者のヴィデオ2曲は未収録)されたことになる。ドゥシャン・マカヴェイエフ(Dusan Makavejev)の映画 「Sweet Movie」(1974)から着想を得たというチョコレート・シロップを頭から被った異形なカヴァ・フォト1枚だけというのは素っ気ないけれど(デジパック仕様の《Stridulum II》には歌詞カード(8頁)が付いていた)、Indra Dunis(Peaking Lights)が撮ったポートレイトはインパクト絶大。NMEの「年間ベスト・アルバム第7位」に選出されたアングラ暗黒女王さまの2ndアルバムが特価(税込 ¥100)で買えたのだから良いか‥‥全10曲・38分。ジュエルケース仕様。

  • ♭ エアリズムマスク(2020-08-22)
  • 日曜日、某ユニクロの前を通りかかると、エントランスにマスクの張り紙があった。6階で洗える布マスクの販売をしているという。エアリズムマスク(AIRism)はS・M・Lの3種、3枚セット販売(税抜 ¥990)。カラーは白のみ。Mサイズを購入して、帰宅後に確認すると、四角いパッケージの右上に小さな文字で「ちいさめ・ホワイト」と記されていた。S=子供、M=女性、L=男性ということらしい。一瞬マズったかと思って、恐る恐る着装してみる。柔らかい布のヒンヤリした肌触りが心地良い。容姿端麗の小顔なので、鼻から顎にピッタリとジャスト・フィットするサイズだった。マスクを着けて炎天下に歩いていると息が少々苦しくなるけれど、意外に暑苦しさはない。そもそも通気性の良いマスクなど、無いもの強請りではないか。花粉症防止にもなるというので、コロナ禍が終息した後でも使えそう。レジ係のいない自動会計、レジ袋有料化に反旗を翻す無料紙袋!‥‥これが「コロナ新時代」の消費スタイルなのかもしれません。

  • ♭ 芥川家のネコたち(2020-08-29)
  • 『芥川家の猫たち』(春陽堂書店 2019)は芥川龍之介の孫娘・芥川耿子(文)と曾孫・奈於(絵)による飼いネコ年代記。昭和20年代から令和元年の現在まで、芥川家に棲み着いたネコたちを愛情深く綴る。幼い頃、年の離れた姉が保護した白い仔猫チーコ。著者が捕まえた仔猫ニャモ。小学生の娘が下校時に雪の中で見つけた白猫ミイ。縞しっぽ母さん猫が連れて来た5匹の中のシミ、ピコ、パー三姉弟。園芸店の広い敷地で逃げ回っていた噛み癖のある三毛猫メルモ。雨の日、庭の片隅にいた長毛の白猫フワ(ターキッシュアンゴラ)。娘がブリーダーから購入した血統書付き猫クローバー(スコティッシュフォールド)。「人と猫との間に」ではネコと子育て、健康と死別、ノラ猫たちの生き難くなった社会と「触れあう心を失いはじめた人間たちの将来を憂う」‥‥「月刊ねこ新聞」(2014~2016)に連載されたエッセイ27篇に、5篇を書下ろし。ネコたちのカラー・イラストも可愛いにゃん。

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    • 別館ミニ・ブログ「スニーズ・ラブ」シリーズの1カ月分(2020-08)です^^;

    • リンク画像が左に重なって見難いので、サイドバーを右側にレイアウトしました。「SKIN SWITCHER」でデフォルトに戻せるにゃん
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    The Talkies

    The Talkies

    • Label: Rough Trade
    • Date: 2019/09/27
    • Media: Audio CD
    • Songs: Prolix / Going Norway / Shoulderblades / Couch Combover / Aibohphobia / Salmon Of Knowledge / Akineton / Amygdala / Caveat / Laggard / Prefab Castle / Ereignis


    開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU―

    開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU―

    • 著者:皆川 博子
    • 出版社:早川書房
    • 発売日: 2013/09/05
    • メディア:文庫(ハヤカワ文庫 JA ミ 6-4)
    • 目次:開かせていただき光栄です / 特別付録 / チャーリーの受難 / 主要参考文献 / 書かせていただき光栄です・有栖川 有栖


    Stridulum

    Stridulum

    • Artist: Zola Jesus
    • Label: Sacred Bones
    • Date: 2017/09/08
    • Media: Audio CD
    • Songs: Night / Trust Me / I Can't Stand / Run Me Out / Stridulum / Manifest Destiny / Poor Animal / Tower / Sea Talk / Lightsick


    Stridulum II title=

    Stridulum II

    • Artist: Zola Jesus
    • Label: Souterrain Transmissions
    • Date: 2010/08/31
    • Media: Audio CD
    • Songs: Night / Trust Me / I Can't Stand / Run Me Out / Stridulum / Manifest Destiny / Tower / Sea Talk / Lightsick


    エアリズムマスク

    エアリズムマスク(3枚組)

    • メーカー:ユニクロ
    • カラー:ホワイト
    • サイズ:S・M・L(男女兼用)
    • メディア:ヘルスケア&ケア用品
    • 概要:付け心地にこだわったバインダー仕様の紐を採用。呼吸を妨げないような立体構造を追求。繰り返し洗って使える。


    芥川家の猫たち まねき猫と猫まねき

    芥川家の猫たち まねき猫と猫まねき

    • 著者: 芥川 耿子(文)/ 芥川 奈於(絵)
    • 出版社:春陽堂書店
    • 発売日:2019/11/28
    • メディア:単行本
    • 目次:猫好き誕生 / 猫の足跡 / 人と猫との間に / うちの犬党と猫党

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