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スニーズ・ラブ 46 [s k n y s - l a b]

  • ♭ ハロウィン 2018(2018-11-03)
  • 渋谷ハチ公前は満員電車並みの大混雑だった。渋谷に来る人は増えているのに、仮装している人は意外と少なかった。外国人観光者や物見遊山の野次馬が多い。「集う若者 大荒れ渋谷ハローウィン」と新聞記事の見出しにあったけれど、週末に発生したセンター街のビル火災がハロウィンとは関係ないように、週末スクランブル交差点に迷い込んだ軽トラを横転させた輩もハロウィンとは直接関係ない。地元の住民やハロウィンを愉しみに来た人にとっても迷惑な話だ。渋谷センター商店街振興組合理事長の「変態仮装行列」という発言はLGBTへの差別と同じような偏見や無理解を感じる。ハロウィンを初めて知ったのは萩尾望都の「集会」(1978 レイ・ブラッドベリ)や映画「E.T.」(1982)だった(ハロウィンの仮装パレードに紛れ込んでも誰にも怪しまれない)。主催者がいないことや規制がないことで無秩序の無法地帯と化したのならば、昼間はセンター街や道玄坂を親子や家族連れが健全に仮装パレードして、酒を飲んで騒ぎたい若者たちは夜の代々木公園に集えば良いのではないか。

  • ♭ ネコの美術史(2018-11-10)
  • 動物行動学者デズモンド・モリスの『猫の美術史』(エクスナリッジ 2018)はフランス中部ドルドーニュ県のガビュ洞窟に描かれた旧石器時代の猫から始まるが、必ずしもクロノロジカルな美術史ではなく、「聖なる猫」 「都市の猫」 「修道院の猫」 「悪魔の猫」 ‥‥など、15のテーマ別に全134点で構成。絵と文がネコのように自由気儘に混在するカラフルなレイアウトになっている。パウル・クレー、ピカソ、レオノール・フィニ、ミロ、ヴィクトル・ブロ ーネル、ウォーホル、フランシス・ピカビアの「アヴァンギャルドな猫」。モリス・ハーシ ュフィールド、アンリ・ルソー、フレッド・アリス、ベリル・クック、ベル=カリー、ルイス・ウェインなどの「ナイーブ・リアリストの猫」。「これまで出版されたことのない新たな、しかも好奇心を刺戟する絵を見つけたい」と著者が書いているように、初めて見るネコの絵も少なくない。デズモンド・モリスのウイットに富んだ親密な文章も愉しい。浮世絵師の歌川国芳や戯画家ロナルド・サール、覆面画家のバンクシーなど、日本やコミック、ストリート・アートまで目配りしている。「画家は猫が好き、兵士は犬が好き」なのだ。

  • ♭ オレンジ党最後の冒険 (2018-11-17)
  • 〈3つの魔法〉シリーズの新作『オレンジ党 最後の歌』(復刊ドットコム 2011)が28年振りに発表された。「あとがき」 の日付が2008年1月20日なのに、出版されるまでに約3年も遅れたのは敬愛するジュリアン・グラック氏の急逝による喪失感から体調を崩して、絵(装画さし絵)を全く描けなくなったマリ林(マリリンは天沢退二郎の妻・天沢衆子)の回復を待っていたからだという。第4部は第2部『魔の沼』(1982)で転校してしまった名和ゆきえが復帰して、〈オレンジ党〉の6人(由木道也、李エルザ、鈴木ルミ、竜留三郎、森コ ージ)が勢揃い。彼らの父兄や小学校の先生たちなども巻き込んで、〈オレンジ党〉は大白鳥王を暗殺しようと企てる〈黒い魔法〉と対決するのだが、その後に恐るべき大惨事が待っていた。『オレンジ党と黒い釜』(1978)から33年を経ても、六方小学校6年1組の5人と千早台小学校の森コージたちは年を取らない。小・中学校の図書室で読んだことがある元少年少女たちも「〈オレンジ党〉の復活と最後の物語」に巻き込まれて、感慨を覚える。

  • ♭ ケイト・ボックス (2018-11-24)
  • 還暦を迎えたケイト(Kate Bush)さまのアルバム全10枚がリマスターされた。アナログ・ボックスは4セット(4・4・6・4LP)、CDは2セット(7CD・11CD)の18枚組で、全スタジオ・アルバムと12インチ・ミックス、レア・トラックスなどを完全網羅する(CD BOX Part IIにはライヴ・アルバム《Before The Dawn》(2016)も収録)。初リマスター・アルバムを含むCDボックス《Remastered Part I》(Fish People 2018)を購入した。実店舗では1万円以上するけれど、1枚ずつバラで買うよりも数千円も安い。美麗化粧函入り。三面見開きデジパック仕様、歌詞ブックレット(8・12頁)付き。日本の紙ジャケ愛好家は不満かもしれないが、国内盤が発売される予定はない。《Hounds Of Love》を聴いた印象は音量も音圧も低めで、手持ちのCDと比べて飛躍的に音質が向上したわけではない。耳障りな高音圧でなくて逆に良かったと思う。ちなみに彼女のスカートの中から魑魅魍魎が出て来る《Never For Ever》(1980)は隠れ「猫ジャケ」にゃん。

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    • 別館ミニ・ブログ「スニーズ・ラブ」シリーズの1カ月分(2018-11)です^^;

    • リンク画像が左に重なって見難いので、サイドバーを右側にレイアウトしました。「SKIN SWITCHER」でデフォルトに戻せるにゃん
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    E.T.

    E.T.

    • メーカー:NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
    • 発売日:2018/03/27
    • 時間:115 分
    • メディア:Blu-ray(リージョンフリー)
    • ストーリー:満天に星の輝くある夜、森に囲まれた人気のない草原の空き地に不思議な飛行物体が着陸した。ハッチが開き、冷たい夜の空気の中に姿を現したのは宇宙からの訪問者たち。そして‥‥。孤独な10才の少年エリオットと、地球にたったひとり置き去りにされた宇宙人“E.T."との物語が始まる‥‥


    ウは宇宙船のウ

    ウは宇宙船のウ

    • 著者:萩尾 望都
    • 原作:レイ・ブラッドベリ(Ray Bradbury)
    • 出版社:小学館
    • 発売日:1997/08/01
    • メディア:文庫(小学館文庫)
    • 目次:ウは宇宙船のウ / 泣きさけぶ女の人 / 霧笛 / みずうみ / ぼくの地下室へおいで / 集会 / びっくり箱 / 宇宙船乗組員


    デズモンド・モリスの猫の美術史

    デズモンド・モリスの猫の美術史

    • 著者:デズモンド・モリス(Desmond Morris)/ 柏倉 美穂(訳)
    • 出版社:エクスナレッジ
    • 発売日:2018/07/28
    • メディア:単行本(ソフトカバー)
    • 目次:猫の美術史のはじまり / 聖なる猫 / 都市の猫 / 修道院の猫 / 悪魔の猫 / 古典巨匠の猫 / 幸福の猫 / 新しい芸術運動の猫 / アヴァンギャルドな猫 / 伝統主義派の猫 / ナイーブ・リアリストの猫 / ナイーブ・プリミティブの猫 / 部族社会の猫 / 東洋の猫 / 漫画の猫 / ストリート・アートの猫 / 作品リスト / 主な参考文献、写真クレジット、謝辞


    オレンジ党 最後の歌

    オレンジ党 最後の歌

    • 著者:天沢 退二郎
    • 出版社:復刊ドットコム
    • 発売日: 2011/12/17
    • メディア:単行本(fukkan.com)
    • 目次:まえがき / オレンジ党の復活 / 万福山系の冒険 / 九十九谷へ / 物語の中の冒険 / オレンジ党の最後の歌 / エピローグ /〔付録〕/ あとがき


    Remastered Part I

    Remastered Part I

    • Artist: Kate Bush
    • Label: Parlophone
    • Date: 2018/11/16
    • Media: Audio CD(7CD BOX)
    • Albums: The Kick Inside / Lionheart / Never For Ever / The Dreaming / Hounds Of Love / The Sensual World / The Red Shoes

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