旅のはじまりはラムセス王のころだった。棚に置かれ、王の足もとにしまわれた彼女は、ミイラにされてリンネルにくるまれたほかのたくさんの猫とともに数世紀を眠って過ごし、目をさますと、ナポレオンの殺し屋たちが、ライオンの体をもつスフィンクスの顔を銃弾であばただらけにしようとしたあと、マムルークの砲弾に海へ追いはらわれたころだった。そのあと猫たちは、この女王猫とともに、商店街をぶらついた。やがてヴィクトリア女王の蒸気機関車がエジプトを横断し、墓場の盗掘品やアスファルトのしみこんだリンネルでくるまれた死体を燃料がわりにするようになった。骨と燃えやすいタールから成るこれらの小さな束は、ネフェルティティ=タット急行と呼ばれるものの煙突のなかでぐるぐると渦巻いた。エジプトの空を焦がす黒煙は、息を吹いて火の粉を風に散らすクレオパトラのいとこたちの幽霊だったのだ。
レイ・ブラッドベリ 「アヌバの到来」
♭『チェシャーチーズ亭のネコ』カーメン・アグラ・ディーディ&ランダル・ライト「その昔、チェシャチーズというチーズがあって、その片面に歯をむきだして笑っているネコの顔が描かれていた」とデズモンド・モリスも書いているように、チーズはネコの大好物。びっけさんと同じく、「ネコ本」ばかり読んでいます。
『九尾の猫』(早川書房 2015)エラリイ・クイーン
『ニャーヴル美術館』(講談社 2015)シュー・ヤマモト
『怪盗グリフィン対ラトウィッジ機関』(講談社 2015)法月 綸太郎
『吾輩は猫画家である』(集英社 2015)南條 竹則
『コトラ、母になる』(クレヴィス 2015)岩合 光昭
『ねこ輝く』(辰巳出版 2015)岩合 光昭
『ネコ学入門』(築地書館 2014)クレア・ベサント
『アーティストが愛した猫』(エクスナレッジ 2015)アリソン・ナスタシ
『愛しの猫プリン』(ポプラ社 2009)小手鞠 るい
『カラスも猫も』(筑摩書房 1995)武田 花
by sknys (2015-09-26 00:43)
♭ スプリング・ブルー ──「オータム・レッド」の休日。渋谷タワレコ・クリアラアンスで
《Mi Burbuja》(Pelo 2013)見つけました。「ヘン顔」のアルゼンチン人かと思っていましたが、Mariana Vegaは南米ヴェネズエラのSSWなんですね。
by sknys (2015-10-13 0:37)
♭ ご無沙汰しております ── ぶーけさんが転んで骨折!高校の体育で柔道を必須履修しました。1カ月間の「受け身」は痛くて辛かったけれど、今にして思えば、意外と実生活で役立っているのかも。あの時から、ン十年?‥‥転んで骨折したことは一度もありません。ぶーけさんも柔道入門してみるにゃん?
by sknys (2015-10-30 22:59)
♭ 乱歩奇譚 ── モバサム中年探偵団?渋谷のハロウィンは凄かったにゃん。マリオ、セーラームーン、ゾンビ、ナース、囚人、綾波レイ‥‥怪人二十面相もいたかもしれません。ハチ公前のスクランブル交差点が渡れないので、地下道からヒカリエ〜エル・スールへ行ったけれど、リクエストしていた
「アルバム」は未入荷。
「El Sur」は老朽化した宮益坂ビルの取り壊しで、近々移転するそうです。
by sknys (2015-11-01 14:35)
♭ 猫記事集めました。Ⅱ ── ビッグ・キャット・ラプソディトミー。さん、こんばんは。近所のネコたちを観察していると、図体の大きなネコほど臆病な小心者で、体の小さいネコの方が勇敢で気が強いように感じられます。メタボ猫ちゃんの多くは、自慢げに抱いている飼主の責任ではないかしら
「ハフポスト日本版」にもネコに関する記事が定期的に掲載されています。
by sknys (2015-11-09 19:30:08)
♭ パリのテロ事件ぶーけさん、こんばんは。死を覚悟した自爆テロは防ぎようがない。アメリカやロシアが空爆を続けてもテロはなくならない。憎しみの連鎖に終わりはない。テロと戦うのではなく、テロの起きない社会や世界を目指すべきではないでしょうか。バタクラン劇場でライヴを行なっていたのは、Eagles Of Death Metalというバンドです。Ringo Deathstarがシューゲイザーであるように、Eagles Of Death Metalもデスメタルではありません。
by sknys (2015-11-20 00:00)
♭ カサブランカ(Casablanca Records)カサブランカから1枚選ぶとしたら、引用文中にもあるParliamentの
《Trombipulation》(Casablanca 1980)でしょうか。George Clinton総帥が
「サー・ノーズ」に扮したアルバム・カヴァはインパクトありました。♪ゾウさん、ゾウさん、お鼻が長いのね。そうよ、サー・ノーズも長いのよ。
by sknys (2015-11-25 23:10)
♭『銀の実を食べた』 大島 弓子miyucoさん、こんばんは。門外漢の読み手としては正直分かり難いところもある少女マンガ。「銀の実をたべた?」(1974)を再読したら、遠野秀野と尾花沢笑の未来を想像して、目頭が熱くなってしまった。当時リアルタイムで読んでいた少女たちは大島作品の深度(萩尾望都は「精神的な奥行き」と書いている)をどこまで理解していたのかしら?‥‥小学館文庫(1977)の解説「ユミコ風」はエッセイ集
『一瞬と永遠と』(幻戯書房 2011)に収録されています。福田里香(お菓子研究家)のヲタク魂が爆発した
『大島弓子にあこがれて』(ブックマン 2014)も必読にゃん。
by sknys (2015-11-25 23:32)
♭ The Beatles「And I Love Her」訳ポールが当時恋人だったジェーン・アッシャー(Jane Asher)の家で書いた名曲。ジョージの弾いているガット・ギターはホセ・ラミレス。シンプルな構成ですが、間奏でEからFに転調しています。中学生の時、レコードを聴きながらギターを弾いた時に気づいて、思わず引っくり返りそうになりました。
「プレミアムXTC廃盤CD/レコードセール」がdiskunion新宿で開催されます。
by sknys (2015-11-26 19:55)
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ブログ記事に付けた「外コメント」を纏めてみたら結構面白いかも?‥‥というアイディアから生まれた再録シリーズの第40集です。コメントは原則としてオリジナルのまま時系列順に転載‥‥事実誤認(誤記)や誤字・脱字、改行の無効化、句読点や記号・顔文字の有無などを精査。内容の分かり難いコメントには補足説明(註)を加え、コメントした元記事にリンクしました。過去3ヵ月間(2015/09/01~11/30)に書いたものの中から、第三者がコメントだけ読んでも面白いものを中心にセレクトしています。ハロウィンの夜、渋谷ハチ公前のスクランブル交差点が渡れず地下通路へ避難。やっと辿り着いた「エル・スール」は入居しているマンション(某ホラー映画のロケ地にもなった!)の老朽化による建て替えで、近々閉店〜移転するという。「パリ同時多発テロ」ではロック・コンサート・ホールとサッカー・スタジアムが標的となった。11月22日、池袋西口公園で待ち合わせて
「れなぴょん聖誕祭」へ‥‥1年半振りに観た河井玲奈は5人組のセンターになっていた。
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Trombipulation
- Artist: Parliament
- Label: Universal Music
- Date: 2015/05/13
- Media: Audio CD
- Songs: Crush It / Trombipulation / Long Way Around / Agony Of Defeet / New Doo Review / Let's Play House / Body Language / Peek-A-Groove
銀の実をたべた? ―傑作短編集―
- 著者:大島 弓子
- 出版社:小学館
- 発売日:1977/07/20
- メディア:文庫
- 目次:銀の実をたべた? / 季節風にのって / なごりの夏の / 誕生 / あとがき・大島 弓子 / 解説・萩尾 望都
塵よりよみがえり
- 著者:レイ・ブラッドベリ
- 出版社:河出書房新社
- 発売日:2005/10/05
- メディア:文庫
- 目次:麗しき者ここにあり / 町と屋敷 / アヌバの到来 / 高い屋根裏 / 眠れる者とその夢 / さまよう魔女 / ティモシーはどこから? / 屋敷と蜘蛛と子供 / はるばるたびをしてkたネズミ / 集会 / 十月の西 / 多くの帰還 / オリエント急行は北へ / ナストラム・パラセルシウス・クルック / 十月の民 / アイナーおんじさん / ささやく者たち /テーベの声 / 生きる...
EL SUR RECORDS
- 店主:原田 尊志
- 住所:東京都渋谷区渋谷2-19-15 宮益坂ビル10F
- 営業時間:15時過ぎ~21時頃
- 定休日:水曜
- メディア:レコード / CD
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