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スニーズ・コメンツ #38 [c o m m e n t s]



  • 真崎・守は、本書に収録されたマンガ家のなかでも、あすなひろし、坂口尚と並ぶ高度なテクニシャンといえるでしょう。すでに峠あかねの名前で書いた批評「コマ画のオリジナルな世界」に言及しましたが、真崎はマンガの本質をコマ割に見るという慧眼の持ち主で、その作画技術も鋭い構成意識によって裏うちされていました。「こみっきすと列伝」は3部構成のドラマになっていますが、わずかな例外を除いて、3部が、複雑きわまる、しかし同一のコマ割で描かれています。はるかのちのアメリカン・コミックスの里程標的作品『ウォッチメン』のコマ構成(同一のコマ割に異なった絵を流しこみシンメトリクな絵巻のように処理する)を髣髴させる先駆的な実験です。しかし、これはただの美学的思いつきではなく、太古、現在、未来を通じて、人間が絵を描くという同じ根源的欲望に憑かれていることを作品の形態的な同一性として示しているのです。アルタミラの壁画から、地球滅亡後の宇宙で絵を描きつづける少年まで、絵を描くという欲望の根源を追求したマンガです。
    中条 省平「『COM』はマンガ革命の現場だった」


  • ♭『デート〜恋とはどんなものかしら〜』
  • miyucoさん、こんばんは。長谷川博己は電気ウナギイヌと共演したエネファームのCM「ギター篇」で注目していました。グレッチのギターを弾いているのですが、なぜか全く同じギターがアンプの傍に置いてある。長谷川さんの009(島村ジョー)はカッコ良いですね。アニメ版のコスチューム?‥‥原作にはキスも全裸ベッド・シーンもあります。
    by sknys (2015-03-05 23:26)

  • ♭ 逢魔が時
  • 「たそがれは逢魔の時間」‥‥「オーマガトキ」が「逢魔が時」とは全然気づかなかったなぁ。海外にはSemishigure(蝉時雨)やMoshi Moshi(もしもし)という日本語名のレーベルもあるので、驚きはないけれど。AntenaやAnna Dominoのアルバムは何枚か持っています。昨年(2014)、Marnie嬢のデビュー・アルバム《Crystal World》(Crepuscule 2013)を買いました。
    by sknys (2015-03-08 23:34)

  • ♭『きょうのおやつは』 わたなべちなつ
  • びっけさん、お久しぶりです。今年の花粉は飛散量が去年の2倍と強烈!‥‥まだまだ寒いのに、目は痒いし、鼻はズルズルにゃん。絶好のタイミングでアップルから、超薄型軽量の「MacBook」が発売されます。ちょっと、お高いですが‥‥。
    by sknys (2015-03-12 21:16)

  • ♭ DECADE
  • モバサムさん、10周年おめでとう。『裏面』(白水社 2015)は改訳版でなかったのが、ちょっと残念。挿絵は『対極』(法政大学出版局 1985)に収録されているイラストと同じだと思います。もちろん翻訳は異なりますが‥‥。絵は下手クソなんだから、もっと小説を書いた方が良かったような‥‥。
    P.S.「リブロ池袋」は6月に閉店するそうですね。
    by sknys (2015-04-02 23:39)

  • ♭ 今日のダンナ ── アンジーに会いに行く
  • 「残念な夫」と「◯◯妻」?‥‥「三原順復活祭」に行って来ました。米沢嘉博図書館1回展示コーナーは想像以上に狭かったにゃん。本の販売はしていないので、「三原順フェア」を開催している三省堂書店や書泉グランデなどがある神保町方面から巡回すると良いかもしれません。フェア開催店で既刊本を購入すると、「三原順スペシャル・ポストカード」(1書店1種、全4種)が貰えるそうです。短いメッセージを残して来ました。
    by sknys (2015-04-05 00:05:44)

  • ♭ ハルノ宵子 『それでも猫は出かけていく』
  • 少女マンガ家が描いた軽い「ネコ・エッセイ」かと思ったら、結構ヘヴィな実録ものだった。イラストやマンガ、パステル・カラーの頁が内容を緩和しているように思います。『なぜ、猫とつきあうのか』(河出書房新社 1998)、『フランシス子へ』(講談社 2013)、『開店休業』(プレジデント社 2013)‥‥と芋蔓式に読破。父・吉本隆明の「いや〜‥‥オレも尿モレだから、捨てろとは言えないなぁ」という発言や"最後の晩餐" が「きつねどん兵衛」だったというエピソードには不謹慎ですが、笑ってしまいました。
    by sknys (2015-04-13 01:53)

  • ♭ 白い寅の赤ちゃん、か、かわいい~~♪
  • ぶーけさん、こんばんは。子虎ちゃんは可愛いけれど、親トラは獰猛で怖そうにゃん。同じネコ科の動物でも大きくなると脅威です。可愛さと大きさは反比例するというバロウズの「可愛さの定義」。

  • 「殆どの人間は全く可愛くない。可愛くても、急速に成長してその段階を過ぎてしまう‥‥上品さ、優雅さ、繊細さ、美しさ、自覚のなさ。自分が可愛いと知った生き物は、すぐに可愛くなくなる‥‥。小さいこと。ヒョウは可愛いというには大きすぎるし、危険すぎる‥‥無邪気で疑いを知らないこと」
    ウィリアム・バロウズ 『内なるネコ』


  • パンダがコアラ並みに小さかったら、もっと可愛いはずだし、逆にコアラがクマ並みの大きさだったら不気味かも?
    by sknys (2015-04-22 00:50)

  • ♭ タカナカ
  • 「タバタ〜、タバタ〜」と繰り返すJR田端駅のアナウンスが「アバター」に聞こえちゃう。「うえの〜」「しぶや〜」など、語尾を上げて伸ばすイントネーションは昔からの呼び方だと思いますが、「タバタ〜」には違和感あり。秋葉原が「アキバ〜」になる日も近いかもしれない?‥‥谷村昌彦(花岡実太)さんは石立鉄男の主演ドラマにも出ていましたね。
    by sknys (2015-05-06 16:38)

  • ♭ 映画 「百日紅」 ── 夭逝した少女マンガ家たち
  • 花郁悠紀子、三原順、岡田史子、杉浦日向子、やまだ紫、佐藤史生‥‥少女マンガ家はストレスの多い職業なのかしら?‥‥先月リニューアル・オープンしたS鴨図書館へ行ったら、新刊コーナーに『COM傑作選 上 1967〜1969』(ちくま文庫 2015)があった。『COM』に掲載されたマンガやエッセイ、批評などのアンソロジー集。マンガは雑誌からの復刻(コピー)なので見難い部分もあるけれど、資料としての価値はあると思います。上巻は岡田史子、永島慎二、青柳裕介、あすなひろし、矢代まさこ、長谷川法世、樋口太郎、長谷邦夫、坂口尚、真崎・守の作品を収録。下巻は?‥‥。
    by sknys (2015-05-23 20:46:44)

  • ♭ 花の盛りは短くて
  • 初夏や真夏を想わせる連日の陽気に、薔薇さんも蝶々も戸惑っているのかもしれません。五月晴れの日、岩合光昭さんの「世界ネコ歩き」(日本橋三越本店)に行って来ました。いつものネコちゃんと印象が違う?‥‥解像されて細部まで鮮明に写っていると思ったら、今回の写真は全部ミラーレス一眼(OLYMPUS OM-D E-M1)で撮ったとのこと。「マグリット展」(乃木坂・国立新美術館)は雨の日に行きたいにゃぁ(東京展のチラシを参照)。
    by sknys (2015-05-28 01:53)

  • ♭ 通院待ち時間のお供
  • こにゃさん、こんばんは。運良く帰宅後でしたが、小笠原諸島西方沖地震は横揺れが長く続いて不気味だった。実写版『クロスファイア』(2000)は宮部原作の映画としては良く出来ています。ヒロインの矢田亜希子も輝いていたし‥‥。『スナーク狩り』(光文社 1992)も面白いですよ。
    by sknys (2015-05-31 02:42)

                        *

    ブログ記事に付けた「外コメント」を纏めてみたら結構面白いかも?‥‥というアイディアから生まれた再録シリーズの第38集です。コメントは原則としてオリジナルのまま時系列順に転載‥‥事実誤認(誤記)や誤字・脱字、改行の無効化、句読点や記号・顔文字の有無などを精査。内容の分かり難いコメントには補足説明(註)を加え、コメントした元記事にリンクしました。過去3ヵ月間(2015/03/01~05/31)に書いたものの中から、第三者がコメントだけ読んでも面白いものを中心にセレクトしています。ベルギーのクレプスキュールからはAntenaの実娘、Penelope Queenのデビュー・アルバム《I'd Rather Be Naked》(Crepuscule 2013)が母親のプロデュースでリリースされています。「没後20年展 三原順 復活祭」は会期が2週間延長(〜6月14日)されました。『COM傑作選 上・下』(ちくま文庫 2015)が出版されたのは感慨深いけれど、岡田史子や青柳裕介と共に『COM』から鮮烈デビューした宮谷一彦の作品が未収録なのは惜しまれる。画竜点睛を欠くにゃん?

                        *



    Crystal World

    Crystal World

    • Artist: Marnie
    • Label: Les Disques Du Crepuscule
    • Date: 2013/08/27
    • Media: Audio CD
    • Songs: The Hunter / We Are the Sea / Hearts On Fire / Violet Affair / The Wind Breezes On / Sugarland / High Road / Laura / Submariner / Gold


    裏面 ある幻想的な物語

    裏面 ある幻想的な物語

    • 著者:アルフレート・クビーン(Alfred Kubin)/ 吉村 博次・土肥 美夫(訳)
    • 出版社:白水社
    • 発売日: 2015/03/07
    • メディア:新書(白水Uブックス)
    • 目次:呼びかけ(訪問 / 旅)/ ペルレ(到着 / パテラの創造 / 日常生活 / 魔力のとりこ / 郊外)/ 夢の国の没落(敵対者 / 外界 / 地獄 / 幻影──パテラの死 / 結び)/ エピローグ / 解説・土肥 美夫


    フランシス子へ

    フランシス子へ

    • 著者:吉本 隆明
    • 出版社:講談社
    • 発売日:2013/03/09
    • メディア:単行本
    • 目次:一匹の猫が死ぬこと / 特別なところは何もない / いったい、おまえは何なんだよ / 自分の「うつし」がそこにいる / 猫と子どもはいっしょだよ / 猫になればいい / 猫好きは遺伝する / 消極的な者同士で / 猫型人間と犬型人間 / いい老人にはなれない / ホトトギスの会 / これはたいへんな荷物持ちだね / 親鸞のこと / たったひとりで、全部を捨てて / 境界を...大事に考える / 僕は信じる / いないものはいない / 吉本さんへ あとがきにかえて・瀧晴巳 / 鍵のない門・ハルノ宵子


    COM傑作選 上 1967~1969

    COM傑作選 上 1967~1969

    • 編者:中条 省平
    • 出版社:筑摩書房
    • 発売日:2015/04/08
    • メディア: 文庫
    • 収録作品:太陽と骸骨のような少年 / 夏(岡田史子)/ フーテン(永島慎二)/ いきぬき(青柳裕介)/ 300,000km/sec.(あすなひろし)/ 蝶々の泣いた夜(矢代まさこ)/ 新暦八九一年の皆既日食(はせがわほうせい)/ 地下鉄 / 鳥(樋口太郎)/ バカ式(長谷邦夫)/ おさらばしろ!(坂口尚)/ こみっきすと列伝 VOL.1〜VOL.3(真崎・守)


    COM傑作選 下 1970~1971

    COM傑作選 下 1970~1971

    • 編者:中条 省平
    • 出版社:筑摩書房
    • 発売日:2015/04/08
    • メディア:文庫
    • 収録作品:九つの春(やまだ紫)/ 達磨さん達磨さん...(楠勝平)/ トキワ荘物語(赤塚不二夫 / 石森章太郎 / 手塚治虫)/ 解放の最初の日(樹村みのり)/ 零の発見(大山学)/ 140万光年の沈黙(松本零士)/ ジュン子・恐喝(諸星大二郎)/ 初恋漬(上村一夫)/ 想い出のジュン(石森章太郎)/ 10月の少女たち(萩尾望都)/ 火の鳥 休憩(手塚治虫)


    岩合光昭の世界ネコ歩き

    岩合光昭の世界ネコ歩き

    • 写真:岩合 光昭
    • 会場:日本橋三越本店
    • 会期:2015/05/20~06/01
    • メディア:写真
    • 構成:パリ / プロバンス / ベルギー / ノルウェー / シチリア / クロアチア / エーゲ海の島々 / ブルガリア / イスタンブール / マラケシュ / キーウエスト / ウルグアイ / ハワイ / 台湾 / 沖縄

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