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ロフト外風呂 [p a l i n d r o m e]



  • ねこの性質をよく知っている人ならだれでもわかっていることですが、ねこという動物は、お金持ちになったり、権力をにぎったり、注目を浴びたりすることには、まったく関心がありません。競争の好きなねこなんて、ただの一ぴきだって、いやしません。ねこは、一番になるためにかけっこをしたり、試験を受けたりなど、けっしてしないものなのです。/ ねこは、お皿にえさをたくさんもらえば、よろこびます。窓からよろい戸にうまくとびつけたり、よろい戸から屋根にうまくとびあがれたりすれば、自慢します。でも、出世しようだの、知ったかぶりをしようだのとは、けっして思わないものなのです。勉強で一番になろうと、やっきになるねこもいません。また、おりに入れられたままキャット・ショーにつれていかれ、賞状をもらったり、首のまわりに一等賞のリボンをつけてもらったりするときなど、うんざりして、あくびをしてしまいます。「『人間』て、なんてくだらないことばかりするのかな」と思っているのです。
    クロード・ロワ 『おしゃべりねこ』


  • □ キス下手で地味。能年玲奈なら「オラ7連ね」‥‥鵜呑みして食べすぎ?
    内気な引き籠もり少女のレナちゃんは滅多なことでは外へ出ない。一応在籍はしているけれど、登校拒否で高校にも殆ど通っていない。自室の鍵は常に締めているし、トイレや入浴以外のの用で廊下を歩くこともない。何か欲しいものがある時は用件を書いた紙片をドアの下の隙間から出して置く(1日3度の食事は母親が用意してドアの横に置いてある)本音を話せる親友も、仲の良い女友達もいないし、男子と交際した経験も一切ない。当然キスも下手でというか、そもそも1回もしたことないし‥‥性格も服装も地味だと思う。しかし、引っ込み思案の彼女にも秘密があった。2階の窓からベランダ伝いに下に降りて夜の闇に紛れるのだ。大好きなアイスクリームを買うために‥‥これだけは母親にも頼めない。アイスを食べている時だけは生きていて幸せだと感じる。店内の客の喧騒も気にならない。窓ガラスに映っている(お気に入りのアイスを舐めている)自分の顔を眺めながら、TVドラマに出演していた能年玲奈の口真似をしてみる。「31アイスクリーム」は食べ過ぎてしまうのだ。

    □ 賄い従妹、寝る嫁。夜、猫と良い仲間
    専業主婦のM子は原因不明の鬱状態に陥っていた。1日中独りで思い悩んでいて家事も覚束ない。この惨状を見兼ねた嫁の母親がプータロー(無職)の従妹を「賄い婦」として斡旋した。昔ならば女中、お手伝いさん、今ならば家政婦と呼ぶところだが、彼女は従姉夫婦の家事手伝いには余り乗り気じゃなかった。最初の数週間は変わり果てたM子との折り合いも悪く、こっちまで脱力感や無力感に襲われて気持ちが萎えてしまうほどだった。でも、花嫁修業と割り切って炊事、洗濯、掃除、買い出しなどの家事に奔走している間に家政婦の仕事が楽しくなって来た。幸い若い夫婦に子供はなく、その代わりに2匹の黒ネコを飼っていた。気難しくて我が儘な人間よりもネコの世話をしている方が心安まることも知った。旦那の帰宅は夜遅く、妻の就寝は早い。夜ゴハンの後でネコたちと遊ぶのが従妹の日課である。

    □ 回転画家フラフープ。裸婦画鑑定家
    サルヴァドール・ダリ風のカイゼル髭がトレード・マークの新進画家F氏は風貌から察せられるような一風変わったライヴ・パフォーマンスで知られている。何故かフラフープを腰で器用に回転させながら絵を描くのだ。個展が開かれている画廊に颯爽と現われたF氏はフラフープを手で弄びながら招待客に挨拶する。しかし、耳目を集めたのはF氏ではなく、同じフラフープで局部を隠しているヌード・モデルの方だった。画家も裸婦もフラフープを回し続けるという文字通り目の回りそうな前代未聞のパフォーマンス(ギネス・ブックに認定される?)。F氏の筆捌きはフラフープの回転に負けず劣らず高速で、僅か2時間足らずで絵を仕上げた。奇天烈なパフォーマンスが終わり、シュールな絵画が完成すると、突然ギャラリーの中から1人の女性が現われて「裸婦画」を鑑定し始めた。黒いスーツを着ていたので気づかなかったが、モデルのフラフープ嬢だった。

    □ 新天地暮らす楽チン天使
    あたしは天界から地上へ降りて来た堕天使のルミ。生前のジョン・レノンは「天国なんかない。上にあるのは空だけ」と歌ってキリスト教信者を唖然とさせたけれど、空の上に天国は存在するのよ。もちろん想像上のユートピアだけど‥‥。とっても楽しいところなのに、人間たちは死なないと行けないのが唯一の難点かもしれないわね。でも安楽の地でも長く暮らしていると退屈しちゃう。多感で好奇心旺盛な小天使には刺戟が足らなかったから、天国にバイバイして下界へ楽園を探しに来たわけ。「地上の楽園」って、ゴーギャンが移り住んだタヒチかしら、それとも「天国に一番近い島」と呼ばれているニューカレドニア?‥‥コンピュータ上のヴァーチャル空間やアニメおたくたちが夢想する2次元世界なのかもしれないわね。地球温暖化による異常気象、地震や津波による原発事故、宗教や民族対立による自爆テロや空爆などで地上に楽園は存在しないって?

    □ チタン・マシン「電子一気蹴り」撃墜、新デンジマンたち
    「戦隊ヒーロー・シリーズ」の原型となった電子戦隊デンジマンが34年振りに帰って来た。デンジレッド、ブルー、イエロー、グリーン、ピンクという5色のカラー・コスチュームを身に纏った5人のデンジマンたちが地球の総ヘドロ化を企む悪の異次元族ベーダーと闘う世界観を踏襲し、赤城一平(デンジレッド)や桃井あきら(デンジピンク)などの新デンジマン、ヘドリアン女王やヘドラー将軍などの敵ボスキャラもオリジナルと同じ設定になっている。秘密基地デンジランド、戦闘母艦デンジタイガー、飛行艇デンジファイター、専用バイク・デンジマシーンなどのメカは大幅にリニューアル。巨大ロボ・ダイデンジンもチタン合金にパワーアップされた。新ダイデンジンの「電子一気蹴り」でベーダー軍の戦闘機を撃墜する。「デンジ剣・電子満月斬り」に代わる必殺技は「新デンジ剣・電子三日月斬り」。特撮やCG技術の革新によって戦闘シーンの迫力も増した。桃井あきらのコスプレ七変化やミニスカから繰り出されるハイキックも健在である。

    □ イタチため口、また多摩地区目立ちたい
    うまべぇ(東大和市)、くるりん(立川市)、はっちお~じ(八王子市)、はむりん(羽村市)など‥‥多摩地区の「ご当地ゆるキャラ」が勢揃い。昭和記念公園で「第3回多摩ご当地キャラ祭り」が開催された。会場に遊びに来た市民の投票で人気ナンバー1ゆるキャラが決定するのだ。ゆるキャラの周囲に数多くの人々が集まる公園内で、非公認キャラのタマいたち1匹だけが妬んでいた。どうしてオレの周りだけ人が寄りつかないのか。体臭が強いのか、人一倍目立ちたがり屋の性格が災いしているのか、強面パフォーマンスに子供たちは泣き出し、十八番の自虐ギャグも滑って大人もドン引き。オレもくまモン、ふなっしーみたいに有名になってCMに出たい。TV番組に出演してタモリとため口をききたい‥‥という野望に燃えていた。そのチャンスは意外にも早く訪れた。「ゆるキャラ100m走」で自慢の俊足を生かし、見事優勝したのだ。お立ち台に上がって地元メディアのインタヴューに応じるタマいたちは喜色満面のドヤ顔だった。その時、一発の銃声が公園内に響いた。翌日の地元紙には〈イタチ倒れた! 撃たれ、お立ち台〉という見出しが踊った。

    □ 女子苦しむ蚊、デング熱、危機。キツネくん刑事、毟る駆除し
    ノースリーヴやミニスカート、ショートパンツ‥‥腕や脚を大胆に露出した若い女性たちにとっても夏の薮蚊は大敵である。渋谷駅で下車し、ハチ公前のスクランブル交差点〜公園通り〜代々木公園を散策していた生脚ギャルたちも、原宿駅で降りて公園内で開催されていたイヴェントに参加していた若者たちもヒトスジシマカの餌食になってしまった。蚊が媒介するというデング熱のウイルスに彼らが感染したのかどうかは定かではないけれど、日々増える発症者の拡散に危機感を強めた東京都衛生局は代々木公園や新宿御苑など都内の公園施設を閉鎖することにした。人気のない代々木公園内の繁みに白い消毒液(殺虫剤)を撒布する作業員や蚊を採取する都職員。渋谷署の刑事キツネ君も応援に駆けつけた。躰に纏わりついて血を吸う薮蚊を毟り取って駆除する。ネコやキツネも蚊に刺されるのだ。草叢の中から身許不明の白骨死体が出て来たりして?

    □ 震える手、栗鼠リアル。アリス・リデル、エルフ
    アリスは姉妹たちと一緒に森へピクニックに来ていた。視界の開けた場所に座って持参したサンドイッチを食べていると、突然目の前を1匹の縞リスが走り抜けた。野生のリスにしては不思議なことに2本足で走り、おまけに可愛い服まで着ていたのだ。気がつくとアリスはリスの後を追い駆けていた。急に足が宙に浮いたと思ったら次の瞬間、躰が下降して臀部を強く打った。垂直に落下したのにも拘わらず、余り痛くなかったのは枯葉や下草がクッションの役目をしていたからだった。見上げると丸くて小さな青空が遙か彼方にあった。縞リスの穴の底は意外と広くて明るかった。何匹ものリスたちが興味深そうな目でアリスを見守っている。震える手でリスを撫でる。柔らかな毛並みと暖かい体温が指先から伝わる作りもののCGや幻ではない本物のリスだった。いつの間にか美しいエルフが彼女の傍に飛んで来て歌うように囀る‥‥「アリス・リデルさん、妖精の国へようこそ」。

    □ 烏賊蒸しサラダ、鱒、真鱈、差し向かい
    大人しくて従順な草食系男子や貪欲で脂ぎった肉食系女子の時代は終焉した。これから先はオーガニックで新鮮なサラダ系女子の世紀なのだ。「サラダ女子」の食卓は冷やりと澄んだ空気に包まれている。透明なガラス・テーブルの上に真っ白い皿が置かれる。蒸したイカを青野菜と和えた「蒸し烏賊のサラダ」は下処理したイカを輪切りにし、スライスした玉葱を水に晒す。フライパンにイカと少量のアルコールを入れて酒蒸しにする。イカに火が通ったら一口大に切ったトマトやリーフレタス、カイワレ大根などと和え、お好みのドレッシングを回しかける。今日は月に1度の会食「サラダ女子会」。今回はレティシアが自慢の腕を振るった。「鱒と真鱈のムニエル」は彼女の得意料理の1つである。テーブルの向かい側には親友のアリスが着席して待っている。旧友のイリヤも後から遅れて来ることになっていた。少女たちの食卓にはジャン=クロード・ヴァニエの音楽が良く似合う。

    □ 鰯あるわ!‥‥「タコキャット」1つ焼き、こだわる味わい
    都内23区を巡回営業している移動販売車「タコキャット」の人気メニューは店名にもなっているタコキャットである。メキシコ料理に疎い一見客はタコ(蛸)なのかネコなのか?‥‥と怪訝に思うかもしれないが、ネコの顔を模したタコスのこと。タコ焼きのように本物のタコが入っているわけではないので、どちらかと言えばタイ焼きに近いネーミングである。横長にデフォルメされたネコが可愛いと女子中高生の間で評判になり、「タコキャット」の前には常に長蛇の行列が出来ている。特に期間限定販売中の「鰯入りタコキャット」は直ぐ品切れになっちゃうほどの大人気(ネコちゃんも大好物?)。少し時間はかかるけれど、1枚1枚手焼きしてくれるトルティーヤも美味しい。店主はタコキャットの見た目の可愛さだけでなく、味にも強い拘泥りがあるらしい。

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     スニンクスなぞなぞ回文 #38

     影丸◯△△▢◎☆△ぎ△☆◎▢△△◯るま怪我

     回文作成:sknys

     ヒント:伊賀の影丸、絶体絶命!


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    能年玲奈 1stフォトブック「ぐりぐりぐるみ」

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    • 写真:飯田 かずな
    • 出版社:東京ニュース通信社
    • 発売日:2014/07/31
    • メディア:ムック

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