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サッカー・エスケーマ・ノーヴォ 1 [s o c c e r]

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2014W杯ブラジル大会(2014 FIFA World Cup)には手放しで喜べない複雑な想いが交差する。一部の競技場が未完成で交通機関も開通しなかったのは兎も角、開催の直前になってもストライキやデモが決行されたのはサンバとサッカーの国に似つかわしくなかった。それだけ国民の生活が深刻なわけで、地球の裏側のファンやサポータたちがお祭り騒ぎに身を投じるのを躊躇させるものだった。もう1つの悩ましい事情は試合開始時刻である。深夜1時、午前4時、早朝7時という12時間時差のキックオフは日本には厳しい。通勤・通学しているサッカー・ファンには寝不足どころではないはずだ。深夜1時はライヴで視聴して、続く2試合は録画で視ることにしたが、結果が分かっているスポーツ試合の再放送ほど興味が削がれるものはない。日本代表の第1次リーグは「1勝1敗1分」が順当ではないかと思っていた。すなわちコートジボワールに引き分け、ギリシャに勝ってコロンビア負ける。ところが結果は予想を下回ってしまった。試合中にワントップをコロコロ代えたり、終了間際にパワープレイに転じてみたり‥‥選手以上に監督の采配が混乱しているような気もする。

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  • Group A(ブラジル クロアチア メキシコ カメルーン
  • 開会式はライヴで視ていたが、開幕戦のブラジル対クロアチア(3 ─ 1)は録画で観戦。前半11分、DFマルセロのオウンゴールで失点するも、同29分、MFオスカルからのパスを受けたFWネイマールがドリブル〜左足のシュートは弱かったが測ったように右ポストに当たってゴールインした。後半26分のPKはGKプレティコサの手に弾じかれるも強く蹴ったのでゴール・ネットを揺らした。後半46分に放ったオスカルの右足トゥキックも技ありだった。メキシコ対カメルーンは大雨の中の試合だった。細かいパスを回すメキシコは後半16分、FWドスサントスのシュートをGKイタンジェが弾くと、ゴール前に詰めていたFWペレルタが決勝点を入れた。優勝候補のブラジルはメキシコ戦を引き分け(0 ─ 0)たものの、カメルーン戦(4 ─ 1)は前半17、35分に2ゴールして1次リーグをトップで突破した。クロアチア戦に勝利(3 ─ 1)したメキシコが2位通過。グループAは順当な結果だった。

  • Group B(スペイン オランダ チリ オーストラリア
  • 南アフリカ大会(2010)で優勝したスペインがオランダに大敗(1 ─ 5)する大波乱。スペインのサッカーは「メッシのいないFCバルセロナ」と揶揄されるように、お互い良く似ている。バルサが欧州CL(2012-13)の準決勝でバイエルン・ミュンヘンに大敗したように、スペインのパス・サッカーも研究し尽くされていた。オランダが5バックで来るとはデルボスケ監督も思わなかっただろう。スペインは前半27分、シャビアロンソのPKで先攻するが、オランダは同44分にFWファン・ペルシのダイヴィング・ヘッド(GKカシーリャスの頭上を越す)で同点に追い着く。後半はオランダの猛攻‥‥8、35分にFWロッベンの左足シュート2発、ファン・ペルシも27分に2点目を決めて無敵艦隊を沈めた。スペインはチリ戦でも精彩なく敗れ(1 ─ 2)、早々とグループ・リーグで姿を消す。オーストラリアは健闘虚しく3戦全敗。オランダは3戦全勝(勝点9)で1位通過、2勝1敗のチリも2位で決勝トーナメントへ進出した。

  • Group C(コロンビア ギリシャ コートジボワール 日本
  • 前半16分、FW本田のゴールで日本は先制するが、後半17分にFWドログバが途中出場すると一変した(前回大会直前の強化試合でDF闘莉王がドログバの右腕を骨折させてしまったトラウマ?)。同19分、21分、右サイドからのオーリエのアーリー・クロスをMFボニとFWジェルビーニョにヘディングされて2失点。コートジボワールに2分間で逆転(1 ─ 2)されてしまう。ギリシャ戦は前半38分、MFカツラニスが2度目の警告で退場したが、数的優位を活かせずに引き分け(0 ─ 0)。自力突破の道が断たれた日本は攻撃的なサッカーでコロンビア戦に挑む。2連勝で決勝トーナメント進出を決めたコロンビアは先発メンバー8人を入れ替えた。日本は前半17分、DF今野がペナルティエリア内でFWラモスを倒し、MFクアドラドにPKを決められて先取点を奪われるが、前半終了間際に本田の右クロスをFW岡崎が頭で合わせて同点で折り返す。しかし後半からMFハメス・ロドリゲスが投入されると同10分、37分にFWマルティネスの左足2発。45分、ロドリゲスに止めを刺されて完敗(1 ─ 4)。後半ロスタイムにPKを得たギリシャがコートジボワールに辛勝(2 ─ 1)して決勝Tへ進んだ。

  • Group D(ウルグアイ コスタリカ イングランド イタリア
  • イングランド対イタリア戦は前半35分、右CKからのボールをMFマルキジオが右足で決めてイタリアが先制。イングランドも同37分にFWルーニーからの左クロスをFWスタリッジが右足で合わせて同点とする。後半5分、MFカンドレーヴァの右クロスにFWバロテッリのヘッドで勝ち越した(2 ─ 1)。コスタリカ対ウルグアイは前半FWカヴァーニのPKでウルグアイに先制されるが、後半9分にFWキャンベル、同12分にDFドゥアルテ、39分にウレニャがゴールしてコスタリカが逆転(3 ─ 1)。イタリアにも勝利(1 ─ 0)して「死のD組」から抜け出たコスタリカ。ウルグアイに勝つか引き分けで1次リーグ突破するイタリアは後半14分、マルキージョがMFアレヴァロの臑を蹴って退場。1人少なくなったイタリアは引き分け狙いだったが、スアレスがDFキエッリーニの肩に噛みついた直後の35分、右CKをDFコディンがヘッド(肩?)で入れて決勝点を奪った。「死のD組」はイングランドとイタリアが敗退するという大番狂わせで終わった。

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  • カスタマイズした「sknysのプロフィール」
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  • Group E(スイス エクアドル フランス ホンジェラス
  • エクアドルは前半22分、左FKをFWエンネル・ヴァレンシアが高い打点のヘディングで先制するが、スイスは後半から途中出場した2人が試合を決めた。ハーフタイムに投入したFWメーメディが後半3分、左CKをヘディングで入れて追い着くと、同30分に交代出場したFWセフェロビッチがロスタイム(48分)にDFロドリゲスの左クロスをゴール左に蹴り込んで逆転した。MFベーラミへのファウルを流した主審の好判断から生まれた劇的な決勝点だった。MFリベリの離脱で不安視されたフランスはホンジェラスに快勝した。前半45分、MFウィルソン・パラシオスの退場(警告2)によって得たPKをFWベンゼマが決めると、後半27分、右CKの零れ球を再びベンゼマが入れた。同3分、右ポストを直撃したベンゼマのシュートがGKバジャダレスの躰に当たった得点は今大会から採用された新技術「ゴールラインテクノロジー」によってオウンゴールに訂正された。エクアドルと引き分けた(0 ─ 0)フランスが無敗で1位通過、FWシャキリのハットトリックでホンジェラスに快勝(3 ─ 0)したスイスも2勝1敗でグループ・リーグを勝ち抜けた。

  • Group F(アルゼンチン ボスニア・ヘルツェゴビナ イラン ナイジェリア)
  • アルゼンチンは前半3分、左サイドで得たFKをFWメッシが蹴ると、DFコラシナツの足に当たって幸運なオウンゴールとなる。後半20分にはメッシがドリブルで中央を切り裂く。FWイグアインとの壁パスから放たれた左足シュートは左ポストに当たってゴールイン。W杯初出場のボスニア・ヘルツェゴビナは同40分、FWイビシェビッチがGKロメロの股抜きシュートで大会初ゴールを決めた(2 ─ 1)。イラン対ナイジェリア戦はスコアレス・ドロー(0 ─ 0)。守備を固めてカウンターを狙うイランに苦しめられたアルゼンチンは後半ロスタイムにメッシが劇的なゴールを入れて2連勝(1 ─ 0)。「チビがランプを擦ってくれて勝った」とロメロが試合後に語ったように、ボールは魔法のランプのような弧を描いてゴール左隅に吸い込まれた。ナイジェリア戦は前半3分にメッシがMFディマリアのシュートの跳ね返りを蹴り入れると同4分、間髪を容れずFWムサがゴール左から右サイドネットへ突き刺す。同46分にメッシがFKを直接ゴール右に決めると後半2分、FWエメニケとのワン・ツーから再びムサが入れ返す。アルゼンチンの決勝弾は同5分、左CKを膝蹴りしたDFロホだった(3 ─ 2)。

  • Group G(ドイツ ポルトガル ガーナ アメリカ)
  • 優勝候補ドイツがポルトガルに完勝(4 ─ 0)した。前半12分、FWゲッツェがペナルティーエリア内でDFペレイラに倒されてPKを獲得。FWミュラーがゴール左に決めると同32分、右CKをDFフンメルスがヘディングで追加点を入れる。ポルトガルは同37分、大袈裟に倒れたミュラーにDFペペが頭突きを喰らわして一発退場。ミュラーは同46分、後半33分にも左右の足でシュートを決めて今大会初のハットトリックを達成した。アメリカは試合開始29秒、FWデンプシーの秒速シュートでガーナに先制。後半37分、FWギャンのヒール・パスを受けたFWアンドレ・アユーに同点とされるが、同41分の右CKをDFブルックスが頭で合わせて競り勝った。ガーナは前半31分、DFボイのクリア・ミスでオウンゴールをポルトガルに献上。後半12分にギャンの同点ヘッドで追い着くが、同35分、FWクリスティアーノ・ロナウドの今大会初ゴールで惜敗(2 ─ 1)した。ポルトガルはドイツに負けたアメリカに勝ち点4で並んだものの得点差(−3)で及ばなかった。

  • Group H(ベルギー アルジェリア ロシア 韓国
  • ベルギーは前半25分、DFフェルトゲンがFWフェグリをペナルティエリア内で倒し、PKでアルジェリアに先行されるが、ウィルモッツ監督の采配が的中する。後半から途中出場した2選手が得点して逆転に成功したからだ。後半25分、MFデブルイネの左クロスをMFフェライニがヘディングで同点にすると、同35分にMFアザールのパスをMFメルテンスがゴールに蹴り込んだ(2 ─ 1)。ロシアは後半23分、李根鎬の右足シュートをGKアキンフェーフがファンブルして失点するものの、後半29分にGK鄭成龍の弾いたボールを交代出場のDFケルジャコフが右足で押し込んで韓国と引き分けた(1 ─ 1)。ロシアを下して決勝T進出を決めたベルギーは先発選手を7人入れ替えて韓国と対戦する。韓国は前半45分、FW金信煜の右足を踏みつけたMFデフールの一発退場(レッドカード)で1人少なくなったベルギーから先取点を奪えない。逆に後半33分、FWオリジのシュートをGK金承奎が弾き、リフレクションをDFフェルトゲンに決められてしまう(0 ─ 1)。アジア勢4チームは1次リーグ敗退どころか1勝も出来なかったのだ。

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