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ネコ・ログ #27 [c a t a l o g]

  
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  • いったいネコは人間のことを何だと思っているのだろう? 何匹かのネコと一緒に暮らしていると、いつもそのことを考える。/〔‥‥〕ネコに手を出すと、しきりにペロペロとなめる。これは親ネコが子ネコにする動作、ないし子ネコどうしがする動作で、きわめて反射的なものであるらしい。ある状況のもとで目の前に出てきたものは、毛が生えていようといまいと、ある回数はなめる。ほんとうのネコどうしだと、次に相手の体を軽く咬む。甘えんぼのネコが、人間に咬みつくのも、この動作の延長である。ネコはたいへん親愛の情をこめて、しかも注意ぶかくグルーミングをしているつもりなのだろうが、悲しいことに人間の肌は毛もないし、やわらかい。ときどきざっくり歯を立てられて、血が流れることがある。そのときのネコの驚き! こんなつもりじゃなかったのに‥‥という表情がありありと読みとれる。人間はネコにとって、やはりネコであったのだ。
    日高 敏隆 「ネコの時間」


  • ♯235│エリ│飼い猫? ── 新入りキャット参上!
    中央公園内にはS神井川緑地から移住して来たネコがいる。広い敷地内に1人ぼっちじゃ寂しいかも?‥‥と不憫に思っていたら、木の根元で1匹の黒ネコが腹這いになっていた。最近、ゴハン目当てに来るようになったと公園に屯する老人たちが言う。傍にいるけれど、初対面なので明らかに警戒している。ネコ写真を撮るのには大きく分けて2つの方法がある。ネコに気づかれることなく遠くから望遠で撮る方法と、ネコと親密になってから近づいて接写する方法。前者の「盗撮」はネコにとってもカメラマンにとっても後味が良くない。後者は時間はかかるし、その過程で逃げられてしまうことも少なくない。しかし、奥の手が1つだけないこともない。ネコが初対面の相手を敵か味方か、有害か無害か品定めをしている僅かな時間に撮ってしまうこと。いわゆる「出合い頭」の1ショットである。姿勢を低くしてカメラを構える。瞬時にシャッターを押す。もう1歩近づこうとした瞬間、ソソクサと逃げ去ってしまった。

    ♯236│ハロ│ノラ猫 ── ウィンクするネコ
    人懐っこいハロはブラッシングが大好き。ベージュ色の毛並みを手で撫でるだけでも気持ち良さそうに身を翻してゴロニャンする。ハロがS神井川緑地から中央公園へ移って来たのには2つの説がある。自力で歩いて来た説と誰かが人為的に運んで行ったという説。自力で移動するのは緑地と公園の距離から考えて難しい。ネコ好きの人が少しでも良い環境へと願って移したと想像する方が腑に落ちる。被写体との適切な距離が保てずに手こずったけれど、何とかネバッてゴロニャンしているところを撮れた。公園の植え込みの陰なので暗くなってしまったが、左目を瞑ってウィンクしているように撮れたのだから良しとしよう。ネコ写真を撮っていると、1日に200枚も撮ってバッテリの持ちが悪いとか言う素人カメラマンたちの不満が全然分からない。快心のショットが1枚でも撮れたら幸せなのではないのか。フィルム撮りの時代にも1日に何百枚も撮っていたのだろうか。

    ♯237│マイ│ノラ猫 ── 石の上にも30分?
    I袋駅前公園のマイちゃんは活発に動き回る反面、人見知りする性格なのか草叢の中に隠れて微動だにしないこともある。この日は遊び疲れたのか、水天宮神社の前にある置き石の窪みの上で周囲を観察していた。ネコ写真を撮りたいと思ったら、1匹のネコに最低でも30分くらいはネバッてみよう。逃げ去ってしまう用心深いネコは兎も角、落ち着きのないネコも根負けして静止する時が必ず訪れる。まるで「写真を撮っても良いよ」と意思表示したり、カメラ目線でポーズを決めるネコさえいるのだ。逆に余り執拗に追い回しすぎると、カメラマンを無視して一心不乱に毛繕いをするようになる。グルーミングに没頭するようになったネコの気を惹くのは難しい。「興味が失せたから独りにして欲しい」という暗黙のメッセージを発しているかのようだ。「石の上にも30分」はネコの生態だけでなく、ネコ撮り術の格言でもある。

    ♯238│ダイ&シコ│ノラ猫 ── あたちの首は締めにゃいで!
    久々にI袋駅前公園へ行ったら、オールスター・ニャンちゃんが勢揃い。水天宮神社前の広場で5〜6匹のネコたちが寛いでいる。ゴハンを食べたり、毛繕いをしたり、周囲を眺め渡したり‥‥2匹のネコは互いにジャレ合っている。ネコのプロレスごっこは動きが俊敏なので、写真に撮るのが難しい。組んず解れつの取っ組み合い中に、ちょうど背後から両手で相手の首を絞めるような、白黒ネコが白茶ネコの首根っこに抱きつく(首ったけ?)ような体勢になった。ミラーレス一眼(NEX-5N)のモニタ画面を覗き見た若い女性が、「仲が良いのね」というほどのジャレ合いは見ているだけでも愉しく、心も和む。決して狙って撮れるような構図ではないので嬉しくなる。ささくれ立った心を癒す慰安スポット!‥‥それだけに白っぽい無粋なフェンスで仕切られた改修工事中の公園は居心地が悪いし、景観も損ねている。早く工事が終わってリニューアルされないかなぁ。

    ♯239│ベン│ノラ猫 ── ベンチの上で寛ぐにゃん
    中央図書館前の広場、その奥にはスベリ台や迷路などの遊具を併設した稲荷公園がある。広場はサッカーや野球などに興じる子供たち、公園は幼い子供たちの遊び場になっている。ある夕暮れ時、ひっそりした公園の隅のベンチの上で1匹のネコが寛いでいた。恐る恐る近づいても逃げる気配は全くない。実は、その少し前に図書館裏手の遊歩道でネコの写真(長毛種のロンちゃん)を撮っていた時、散歩中のオジさんから「公園にも4匹のネコがいるよ」と教えてもらったのだ。ネコの背景になっている木製ベンチの背凭れの横木の隙間から午後の明るい陽射しが漏れている。瞳も愛らしく体型も脹よかで毛並みも綺麗なので、もしかしたら飼い猫なのかもしれない。人に懐いているネコでも好奇心に溢れた子供たちが騒がしく駆け寄って来ると怖がって逃げ出してしまうものだが、幸い周囲にはベンチの上のネコに興味を示す子供の姿はなかった。

    ♯240│エム│ノラ猫 ── 逃走する準備は出来ている
    O子・K本通り沿いの小公園にいたフリオくんは、ある日突然姿を消してしまった。毎日ゴハンを運んでネコたちの世話を焼いていたオバさんは悪い人に攫われてしまったのではないか、三味線の皮にされちゃったんじゃないかと心配していたが、久しぶりに公園に立ち寄ると新顔ネコを指差して、「去年(2011)生まれたネコちゃんなのよ」とネコのように目を細める。見知らぬ人を警戒しているので、姿勢も低く目つきも険しい。それでも逃げ出さないのは右隣にネコおばさんが座っているから。もし1対1だったならば瞬時に奥の植え込みや裏手の駐車場へ逃走していただろう。家でもネコを飼っていて、ネコの匂いが躰に染み着いているというネコおばさん(顔もネコに似ている!)には無抵抗で抱かれるのだが‥‥。もう少し仲良くなれると良いけれど、小公園に足繁く通ってネコに顔を憶えてもらわないと無理でしょうね。

    ♯241│クー│飼い猫 ── 恋するゴロニャン
    茶トラのクーちゃんは人懐っこい飼い猫。手招きするとニャンと鳴き、近寄って来てスリスリ、首筋や耳の裏やマズルを優しく撫でるとゴロニャンする。その状態の時に、お腹をマッサージしてあげると高い確率で手(爪)を出して来る。無防備な体勢になるのはネコが相手のことを信頼して気を許している証拠でもある。ネコ本人は無邪気にジャレているつもりなのだろうが、爪の先が掌や指に刺さったまま抜けなくなることも稀にある。その時のネコの困ったような表情!‥‥動物行動学者・日高敏隆が「そのときのネコの驚き! こんなつもりじゃなかったのに‥‥という表情がありありと読みとれる」とエッセイに書いていた貴重な体験を少しの痛みと引き替えに手にすることになるのだ。飼主の奥さんにバンドエイドをもらって傷口に巻いた。今では疵の跡形も残っていないけれど、その時のネコの表情は皮膚下に深く刻まれている。

    ♯242│スズ│飼い猫 ── 警戒注意報発令中
    門柱の上で寝そべっている三毛猫イチゴちゃんの体調は余り優れないようだが、隣家のチビ猫は元気そうだ。女飼主と立ち話をしていると、いつの間にか現われて足許に纏いつく。スズの写真を手渡すと「両耳が横に向いているのは警戒している兆候。私が撮っても、こんな風に怒ったような表情になってしまう。今度は、もっと可愛く撮ってね」とダメ出しされてしまった。この写真を撮った時は近寄っても、珍しく逃げ出さなかった。この調子ならば良いネコ写真が撮れるぞと安心して気を緩めたのが災いしたのか‥‥好事魔多し。次の瞬間、人間の耳には聴こえない物音が家の中からしたのだろうか、一目散に踵を返して玄関の奥へ引っ込んでしまったまま、2度と出て来る気配がない。ネコの行動は一瞬先も予想だに出来ない。会う度に少しずつ親密な関係を築いて来れたかしら?

    ♯243│ロブ│飼い猫 ── レナちゃんの天敵現わる!
    三毛猫のレナちゃんを苛める性悪猫。いかにもイジメっ子タイプの狡賢そうな強面。白黒ネコのロブが近くで歌舞伎役者のように睨みを利かしていると、レナちゃんは怖がって「ネコ小屋」の中から出て来ないのだ。その割には用心深くて近づこうとすると、すぐに尻尾を巻いて逃げ去ってしまう。自分でも悪いことをしているという罪の意識があるからなのだろうか。なかなか撮るチャンスに恵まれなかったネコだが、この日は不思議なくらい友好的だった。少し離れた場所でゴロニャンして、人の気を惹く手管にも長けている。「余りレナに悪さをするので、強く叱った」と飼主は話すが、その効果で少しは従順なネコに改心したのだろうか。ロブは選挙中のマニフェストを全く無視して、公約しなかったことを「不言実行」する野田総理大臣の厚顔に似ていなくもない。

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    各記事のトップを飾ってくれたネコちゃん(9匹)のプロフィールを紹介する「ネコ・カタログ」の第27集です。サムネイルをクリックすると掲載したネコ写真に、右下のナンバー表の数字をクリックすると紹介文にジャンプ、ネコ・タイトルをクリックするとトップに戻ります。ノラ猫や地域猫、飼い猫を差別しない方針で、これまでに延べ240匹以上のネコちゃんを紹介して来ましたが、こんなにも多くのネコたちが棲息していることに驚かされます。第27集の常連ネコはマイとクーちゃん。スズちゃんも3度目の登場です。ネコ派の動物行動学者・日高敏隆の新版『犬のことば』(青土社 2012)には引用した「ネコの時間」の他にも「ネコの家族関係」や「鰻屋の娘とその子たち」など、ネコに関するエッセイが収録されています。「犬」なのに「猫」?‥‥と、読者を戸惑わせるタイトルと表紙カヴァ(白ネコとセーラー服の少女が肩を組む絵)の意外性も面白い。『ネコたちをめぐる世界』(小学館 1993)という正真正銘のネコ・エッセイ集もあります。

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    • 記事タイトルの右に一覧リストのリンク・ボタン(黒猫アイコン)を付けました^^

    • オリジナル写真の横縦比は3:2ですが、サムネイルは4:3にリサイズしています
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    犬のことば

    犬のことば

    • 著者:日高 敏隆
    • 出版社:青土社
    • 発売日:2012/07/21
    • メディア:単行本
    • 目次:動物の自意識 / エコロジーにまつわること / 虹は何色か / 理論と応用 / エポフィルス / 推論の体系 / 選択と適応 / イチジクとイチジクコバチ / 死の発見 / 光の動物学 / 生物の性は何のためのものか昼の蝶の存在について / ネコの時間 / ハリネズミ / 水槽のなかの子ネコ?/「賢いフクロウ」/ ガガンボ / オタマジャクシはカエルの子 / ウラギンシジミ...

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    コメント 2

    ぶーけ

    猫の写真、しかも野良ちゃんの写真、撮るの大変なんですね。
    でもどの子も可愛く撮れてますね。^^
    by ぶーけ (2012-10-13 15:30) 

    sknys

    ぶーけさん、コメントありがとう。
    険相のノラ猫も、馴れて来ると優しい目になります^^;
    午後から「ネコ撮り」に行こうかな?
    by sknys (2012-10-14 13:42) 

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