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P A G E V I E W〔9 0 0 0 0 0〕 [b l o g]

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  • 当時の少年誌では、SFのジャンルは、スポーツもの、忍者もの、戦記ものと並んで、定番人気ジャンルのひとつだった。内容も、ロボット、アンドロイド、人造人間、天才少年などのスーパーヒーローが大活躍していた。/ その第1回目を読んだとき私は驚いた。物語は少年院からの少年たちの集団脱走で始まっていた。今でこそ不良少年を主人公としたマンガはめずらしくないが、東京オリンピック頃の日本の少年たちはもっと素朴で、マンガの主人公は熱血ヒーローか、主体的な犯罪とは縁のないキャラクターたちだった。/ それで、中学生だった私は、/「え、少年院に入っていたこんな悪い子が主人公でいいの? ドキドキ」/ と思いつつ読んでいったのだ。/ その少年、主人公の島村ジョーは、脱走中にさらわれて、サイボーグの人体実験に使われ、サイボーグになってしまう。/ 009の誕生だが、ここでまた私が驚いたのも、世の中から姿が消えてもかまわない人間をさらってきた‥‥というその設定で、この、「いなくなってもかまわない」運命を、002から009までそれぞれが背負っているということだった。
    萩尾 望都 「サイボーグ009に夢中」


  • 読者の皆さん、愛読ありがとう。〈s k n y s - s y n k s〉の総閲覧数が900000pvを越えました(2011/7/12)。2011年3月2日から4ヵ月余りで10万pv(記事数20)に達したことになります。このままのペースで行くと、11月中には100万pv達成することになります。多少スローダウンした感じもしますが、東日本大震災や福島原発事故の影響も少なくないでしょう。ブログ数は兎も角、閲覧数や更新回数は総じて減少しているはず。それは毎日の総閲覧数だけでなく、アクセスランキング(visited)の変動を見れば一目瞭然!‥‥訪問者数が減っても順位が下がらないのはソネ風呂全体の更新回数(分母)が少ないからでしょう。「なりすまし」会員による不正アクセスによって「ソネットポイント」(約10万円)が不正使用されていたニュース(asahi.com 2011.5.20)で驚いたのはIDやパスワードが盗まれたことではなく、ソネ風呂会員が422万人もいたことだった。更新回数ゼロの幽霊会員も含めた延べ数だとしても一桁多いような気が‥‥。

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    真夏のクリアランスセールが始まっている。新年恒例の短期集中型(タワレコ渋谷)ではなく、各店鋪の一角で行なわれる小規模なワゴン・セール。薄暗い人混みの中でCDを漁り回るストレスもないし、大量に購入している業者らしき輩の姿もない。たまたまCDショップに立ち寄ったらセール(¥290)をやっていて、ワゴンの中を覗いたら長年探していたCDに巡り合った!‥‥という「小確幸」もあったり。基本的の他のバーゲン・セールと同じく、音楽CDやDVDも売れ残り商品の在庫処分だが、人気のないアーティストのアルバムが全く聴く価値のない凡作や駄作だけとは限らない。洋楽リスナーの趣味嗜好にもよるし、他の人の興味を惹かなくても、ある人にとっては刺戟的で面白い佳作がセール品の中に混じっている可能性も少なくないのだ。玉石混淆?‥‥たとえば本ブログ(sknynx)でも紹介したことのあるLarkin Grimmの《Parplar》(Young God 2008)やJesca Hoopの《Hunting My Dress》(Last Laugh 2009)をワゴンの中に見つけたり‥‥。

    『一瞬と永遠と』(幻戯書房 2011)は萩尾望都のエッセイ集。『思い出を切りぬくとき』(あんず堂 1998)以来、実に13年振りの新刊というだけあって、文章も研ぎ澄まされているし、テーマや内容も深化している。小中学生時代の思い出やマンガ、SF小説、映画などについて。「季刊へるめす」(岩波書店)、「キネマ旬報」、「ユリイカ」(青土社)などに連載・掲載されたエッセイや文庫解説の書評を収録。興味深いのは少女時代の著者が「少女マンガ」だけでなく、「少年マンガ」を読んで育ったということ。石森章太郎のオムニバス短篇「きりとばらとほしと」を読んでいなかったら「ポーの一族」は生まれなかったかもしれないし、手塚治虫の「新選組」に出会わなかったらマンガ家になっていなかったかもしれない。奈良・興福寺へ阿修羅像を見に行って、壁際のソファで30分も寝入ってしまったというエピソードを新聞の文化欄(朝日新聞 2009.5.18)で読んだ時は「流石はモーさま!」と仰天しちゃった。はぐれ角川の幻戯書房からの上梓というのも感慨深いなぁ。

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  • カスタマイズした「sknysのプロフィール」
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    「特別展 写楽」(東京国立博物館 平成館)へ行って来ました。特別展は東州斎写楽の作品(約140図、約170枚)だけでなく、喜多川歌磨や葛飾北斎、歌川豊国、勝川春英など同時代の版画も展示されていて、入場約20分待ちの盛況だった。「役者は揃った」というキャッチコピーに偽わりなしのオールスター総出演の「顔見世興行」だったが、写楽だけに限っても100点近くは個人蔵も含めて、アメリカ、ドイツ、オランダ、ベルギー、フランスなどの美術館や博物館所蔵の作品である。江戸浮世絵の海外流出という寂しい現実に直面して複雑な想いが交錯する。ゴッホの絵画1枚を30億円も出して買うよりも、流出した浮世絵を買い戻すべきではないかと思うが(皮肉なことに印象派絵画の背景には彼らが愛した「浮世絵」が描かれていたりする)、欧米の美術館や博物館は幾ら金を積まれても手放さないでしょうね。海外から評価されるまで、自国の「アート」の美術的・歴史的な価値が分からないというのも困ったものです。最近になって「クール・ジャパン」の旗の下にマンガやアニメやゲームを認知したのも芸術性よりも外貨を稼ぐ輸出産業品と看做す浅薄な思惑が透けて見えるようで薄気味悪い。

    『プロジェクト写楽』(武田ランダムハウスジャパン 2011)は「江戸のキャラクター・ビジネス」という副題が示しているように、「写楽」が出版プロデューサー・蔦屋重三郎(蔦重)が仕掛けたキャラクター商品だという視点がユニークで面白い。今日のコミックやアニメ、ゲームなどのキャラクター・グッズと同じなのだとしたら、キティちゃんやアンパンマン、ガンダムやエヴァンゲリオン、ポケモンやトラクエが跳梁跋扈する現代よりも、200年前の江戸文化の方が成熟していたということだろう。写楽の正体は「阿波の能役者、齋藤十郎兵衛」ということで決着しているらしいが、なぜ10ヵ月で忽然と姿を消してしまったのかという疑問は残る。ちなみに石森章太郎の「写楽」(1970)は桔梗屋の若旦那で、大旦那に諌められて蔵の中で首吊り自殺してしまう。「東州斎写楽捕者帳之内 早春殺」(1973)は北町奉行所の臨時見廻同心・瀬川右京という設定だった。『時ヲすべる』の「写楽 1795」(1990)では生誕200年記念の写楽展へ行った主人公が十反舎一九に憑依して、山東京伝や滝沢馬琴、歌川豊国、喜多川歌磨に会って「写楽探し」を試みるけれど、謎のままである。

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    時代遅れとなったパソコン(使用歴10年)やデジカメ(同8年)を買い替える前に、地上波デジタル対応TVを買うべきなのか?‥‥と思い悩んでいる間に、アナログ放送終了期限の日時(2011年7月24日)が目の前に迫って来た(それにしてもアナログの上下に強制表示されるテロップやカウントダウン日数、地デジカの脅迫は見苦しい)。果して地デジ対応TVは生活必需家電なのかしら。TVのない断捨離生活の方が省エネ・節電にも貢献するのではないか。ニュースとスポーツ中継(サッカー)程度しかTVを見ていないし、TVの電源スイッチを1度も入れない日もある。何も映らなくなったアナログTVの画面を確認してから、アナログ放送の臨終を看取ってから、アナログ・チューナーの入っていない(地上Aのリモコンボタンのない)地デジTVに買い替えるか、それともデジタル録画機だけを買うか、あるいは2つとも買わないかを熟慮してみようと思う。女子W杯ドイツ大会決勝とコパ・アメリカ(南米選手権)の決勝トーナメントはアナログTVで観戦することになりそうです(7月24日正午を過ぎても、アナログTVが映っているではないか!)

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    コパ・アメリカの準々決勝アルゼンチン対ウルグアイ戦(録画)を見終えてから仮眠したら寝過ごしてしまった。目が覚めたら、W杯女子決勝が始まっているではないか!‥‥またもや同点(1ー1)のまま延長戦へ突入するところで、力尽きて寝ちゃいました。続きは翌日の再々放送で見届けましたが、2試合続けての延長〜PK戦はTV観戦していても疲れる。延長戦後半終了間際の大ピンチ(DF岩清水梓のレッドカード退場とFK)はリアルタイムだったらハラハラドキドキものだっただろう。PK戦を前に組んだ円陣の中で「なでしこジャパン」はアメリカ選手たちと対照的に笑顔だった。最後のPKをゴール左上に決めたDF熊谷紗希の睛はボールを蹴る前に潤んでいた。リラックスして蹴れば確実に入るはずのPKが勝敗を決めるPK戦では如何に難しいかを思い知らされた。南米選手権でも同点(1ー1)で延長〜PK戦決着となったアルゼンチンはFWテヴェスが失敗してウルグアイに負け(PK 4ー5)、W杯女子決勝と同時刻にパラグアイと戦ったブラジル(0ー0)も4人が蹴って1人も決めることが出来ずに敗退した(PK 0ー2)。

    音楽評論家の中村とうよう氏が7月21日にマンションの8階から投身自殺した(asahi.com 2011.7.21)。寝耳に水のショッキングなニュースだったが、腑に落ちるところもあった。「とうようズ・トーク」で加藤和彦の首吊り自殺(2009)には言及したのに、今野雄二の死(2010)には一言も触れなかったからだ。この時に感じた冷たい異和感は今になって漸く氷解する。「ミュージック・マガジン」に映画コラムを連載していた執筆者の死について書けば当然「自殺」についても語らなければならない。「自殺」を考えていた老音楽評論家は意識的に「自殺」の話題を避けたのだろう。政治的な発言は兎も角、音楽面では大きな影響を洋楽ファンに与えた。Bob Marley、King Sunny Ade、Youssou N'Dour、Salif Keita、Nusrat Fateh Ali Khan、Bulgarian Voices 、Khaled‥‥などのワールド・ミュージック(非西洋音楽)を紹介した功績は少なくない。人間長く生きれば良いというわけではない。生まれて来る時は選べないが、死ぬ時は自分の意志で選べる。苦痛のない「安楽死」について考えるべき時代に突入したのではないかしら。合掌。

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    • 〈真夏のクリアランスセール〉という記事を書こうかな^^;

    • 「W杯女子サッカー決勝とコパ・アメリカ準々決勝」を追記しました(2011.7.19)

    • 「追悼・中村とうよう」を追記しました(2011.7.24)
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    一瞬と永遠と

    一瞬と永遠と

    • 著者:萩尾 望都
    • 出版社:幻戯書房
    • 発売日:2011/06/14
    • メディア:単行本
    • 目次:青緑色の池 / 先生の住所録 / 青の時代──「アイロンをかける女」/ 青のイメージ /「声」の通り道──天童大人「聲ノ奉納」/ 宙空漂う「なぜ」の問いかけ / 一瞬と永遠と / 地球の半分の雪 / 安里屋ユンナ / 私は生き物。同じ生き物。/ ガラパゴス・ハイ / 食卓にはブラッドベリの幸福を / 単純な解答 / 幻想に帰すディック / クック・ロビンは一体何をし...


    プロジェクト写楽 ── 新説 江戸のキャラクター・ビジネス

    プロジェクト写楽 ── 新説 江戸のキャラクター・ビジネス

    • 著者:富田 芳和
    • 出版社:武田ランダムハウスジャパン
    • 発売日:2011/04/28
    • メディア:単行本
    • 目次:「写楽」最大の謎 / 写楽研究の不都合な謎 / 写楽の首 / なぜ能役者が起用されたか / プロジェクトの全容解明へ / 謎の解明 / 世界の「写楽」になった理由 / あとがき


    写楽 ── 石ノ森章太郎萬画大全集 10-27

    写楽 ── 石ノ森章太郎萬画大全集 10-27

    • 著者:石森 章太郎
    • 出版社:角川書店
    • 発売日:2008/05/31
    • メディア:コミック
    • 目次:写楽 / 東州斎写楽捕者帳之内 早春殺 / 歌麿暦 / シャクシャイン となりを通った人 / 鳥黐 / こんな仇討ち / 名人上手 / かくれんぼ / イラストコレクション


    s k n y s

    s k n y s - s y n k s

    • no nice!
    • Author: s k n y s
    • Articles: 340
    • Date: 2011/07/16
    • Page View: 900610

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    コメント 2

    miyuco

    sknysさん、900000pvおめでとうございます!
    (*≧∀≦)ノノ゙☆゚・:*
    でも、二週間以上経ってしまったから
    もっともっと大きな数字になってますね^^;
    コメント遅くってごめんなさい。

    我が家から一番近い東京西部の繁華街でも
    CDショップは撤退が相次ぐのに
    なぜかディスクユニオンがオープンしていた…
    久しぶりに見る黒に赤い文字の袋が懐かしかったです。
    (都会に行かないので…)

    地デジ化をきっかけにTVはもう見なくてもいいと
    考えてる人が少なからずいらっしゃるようですね。
    そしてsknysさんのように予想外に映ってしまう人も。
    by miyuco (2011-08-03 18:10) 

    sknys

    miyucoさん、コメントありがとう。
    「管理トップ」の閲覧数とアクセスランキングから、
    大震災後、ソネ風呂の更新総数(分母)が減っていることが分かります。
    早く100万pv越えして、このシリーズを終えたいのですが^^;

    国立駅前店が4月に閉店したので、T川に移転して来たとか?
    Disk Unionは中古棚の中に「未開封新品」が混じっていることがある。
    「中古割引セール」の日に買うと、さらに安い!‥‥
    ディアフーフの《オフェンド・マギー》(P-Vine)は840円だった。

    6月分の朝日新聞を整理していたら、「愛用アナログTV 地デジでも活用」
    「2015年3月までの限定 デジアナ変換サービス」という記事があった。
    未契約者のTVも映るとは一言も書いてないけれど‥‥。

    マンション1人住まいの叔母は、昨年末に慌てて2台目の地デジTVを購入。
    地デジTVのモニター出力をアナログTVのヴィデオ入力に繋げば、
    BSだって見れるのに。
    某巨大掲示板では「デジアナ変換」を知らない人は「情弱」だって!
    by sknys (2011-08-04 00:03) 

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