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スニーズ・コメンツ #22 [c o m m e n t s]



  • 私が少年時代を送った昭和十年代の前半は、関東大震災(大正十二年)からせいぜい十数年後の時代であった。昭和二十年の敗戦から現在までに、すでに三十数年の長年月がたっていることを考えると、この近さは意外である。つくづく昭和は長いと思う。/ せいぜい十数年前の近い過去のことだったから、当時のおとなたちは、なにかといえば関東大震災の恐怖の思い出を私たち子どもに語って聞かせたものであった。本所被服廠の大惨事は、かくて私たちの耳に親しいものとなっていた。ヒフクショウという言葉が、なにか私にはハショウフウ(破傷風)と似ているような、まがまがしい響きをもった言葉に聞こえたものである。/ そのころ、滝野川の私の家の隣りに、時事新報の写真部につとめていた井谷さんというひとが住んでいて、私はその井谷さんの家で、公表されていない関東大震災の悲惨な写真を見せられ、そのすさまじさに息をのんだのをおぼえている。それは、折り重なった黒焦げ屍体が丸太のようにごろごろしている写真だった。たぶん被服廠の写真であったろう。/ それから数年後、空襲下の東京で、私自身、そんな光景をしばしば自分の目で眺めるようになろうとは、むろん当時は知るよしもなかった。
    澁澤 龍彦 「水鉄砲と乳母車」


  • ♭ お空を飛びたい みみたん
    お針子姫さん、こんばんは。ドレス・メイキングのブログだと油断していたら、可愛いネコちゃんも棲んでいたのね。みみたんはスコティッシュ・フォールドですか?‥‥なかなか外では出会えないネコ種ですが、1度だけ撮ったことがあります。目が丸くて大きいので、耳が折れていると「フクロウ」みたい。だから「空飛び猫」みたいにを飛びたいのかしら。
                              by sknys (2011-03-05 00:21)

    ♭ 佐藤 史生 「ワン・ゼロ」(2回目)── 1999年のコンピュータ・ゲーム
    トミー。さん、こんばんは。「アトムは完全ではない。なぜなら、悪い心を持っていないから」というスカンク草井の名セリフがありましたね。善と悪、神と魔の闘いは人間の内部にあるわけです(ゆえに摩由璃と都祈雄も合体・融合する)。本当に怖いのは「魔物」ではなく、解脱者=廃人化してしまうこと。某カルト教団を先取りしたようなところもあるし、核兵器や原子炉を「神」と崇めるような気味悪さもある。『イノセンス』(2004)の世界観に近いかも。押井守監督がアニメ化しないかしら?
                              by sknys (2011-04-15 22:47)

    ♭ Numb
    モバサムさん、こんばんは。栞(註:「特別展 写楽」の割引券)は未入手ですが、無料観覧券をもらったので「写楽」(東京国立博物館 平成館)には行くつもりです。でも、夜間開館(金曜)まで「自粛」しなくても‥‥。Mylene Farmerさまの「縫い目人形」は三浦悦子の作。ライヴ会場で「Sextonik」というグッズ(限定1000本)が100ユーロで販売されていたらしい。黒い棺桶を模したケースにヴァイブレータが入っている !?‥‥このネタは女性ファンには振り難いし、エロ男爵は休眠中だし、ミレーヌ好きのlapisさんは亡くなっちゃったし‥‥というわけで、ここに書いておきますね。
                              by sknys (2011-05-04 01:04)

    ♭ 萩尾望都の世界展 ── 春の小川
    トミー。さん、情報ありがとう。「萩尾望都の世界展」(渋谷 PARCO)へ早速行って来ました。入口の外壁にあった「メッシュ」や「アメリカン・パイ」は「原画展」(池袋 西武)に展示されていなかったのでは?‥‥「版画」は「原画」以上に綺麗ですね。「阿修羅王」の「赤」が強烈で目に沁みました。レオくんの写真(パネル)にも心癒されました。本当に目の上が一直線になっている!‥‥会期中に、もう1度立ち寄るかもしれません。
                              by sknys (2011-05-09 00:06)

    ♭ Life goes on ~あいかわらずの日常~
    miyucoさん、こんばんは。大地震や大津波や原発事故の被災者だけでなく、余震や放射能汚染の不安〜ストレスで体調を崩している人も少なくないようです。たとえ街が薄暗くなっても、家が停電することになっても、放射線被曝するかもしれないという恐怖の中で暮らすよりは健全なんじゃないかな。動物行動学者デズモンド・モリスの本によると、ネコは地震を予知出来るらしい。マグニチュード9.0もの大地震が起きる前に、何かしらの「予兆」がないはずがない。いつ飛んで来るかも、撃ち落とせるかどうかも分からないミサイル防衛計画に莫大な予算を投じるよりも、いつか必ず起こる地震・津波対策(特に地震予知)に金を使うべきだと思う。「萩尾望都の世界展」は版画(14点)と複製原画、限定グッズなど‥‥レオくんの写真(パネル)もあるにゃん。目指せ、100万プレヴュー!(もう達成しちゃった?)
                              by sknys (2011-05-14 00:34)

    ♭『パエトーン』 山岸 凉子
    しーちゃん、こんばんは。「パエトーン」はネット上で無料公開されているけれど、オリジナルの「あすかコミックス」は絶版状態!‥‥赤木かん子さんは「出版社がアホじゃないなら復刊してくるでしょう」とブログ「今日の一冊」に書いていますが、復刊出来ない裏事情があるのかな?‥‥実は「グリーン・フーズ」(ASUKA 1987.9,11)が読みたくて、押し入れや物置きの中を探しているけれど、月刊ASUKAが所在不明で出て来ない。もう1つの原発マンガ「Die Energie 5.2☆11.8」(Lala 1982.7,8)は、すぐ見つかったので再読しました。『パエトーン』が復刊してくれれば一挙両得で、『鬼子母神』(山岸凉子スペシャルセレクション)を買わなくて済むのに。
                              by sknys (2011-05-17 02:58)

    ♭『バナナブレッドのプディング』 大島 弓子
    びっけさん、こんばんは。セブンティーン・コミックス(1978)を買いました。当時は月刊STも週刊STも少女マンガ誌だった。前者は1986年に休刊、後者は通巻1000号から隔週刊(月2回)のファッション誌に生まれ変わり、創刊40周年(2008)を機に月刊誌化(Wiki「Seventeen (雑誌)」参照)。榮倉奈々や北川景子もSTモ出身なのだ。「バナプディ」は今読み返すと、ホラー〜オカルト色が強いなぁ。ユーミン版「エクソシスト」(悪魔祓い)だったりして?‥‥今風に言うと、三浦衣良さんは「猟奇的な彼女」かも。びっけさんも、miyucoさんもイケメンの「御茶屋峠」に巡り会ったのかしら?
                              by 昇天峠 (2011-05-19 01:59)

    ♭ らいてう ──「青鞜」と平塚らいてう
    モバサムさん、こんばんは。《Hippopotamomus》(Creation 1991)は仏ミシュランからの抗議で、アルバム・カバ(河馬)の差し替えを余儀なくされただけでなく、〈Michelin Man〉も削除されてしまった。Zombiesの名曲をパクった〈Bluestocking〉には、バタイユ『眼球譚』、サド、マゾッホ、D.H. ロレンス、三島由紀夫など‥‥お気に入りの作家や著作が列挙されます。三島賞落選の『アナーキー・イン・ザ・JP』は無視?
                              by sknys (2011-05-19 23:02)

    ♭ 癒し。
    こにゃさん、こんばんは。岩合光昭写真展「ねこ」が高崎に巡回してたのね。東京会場は某デパート内だったので凄い混雑!‥‥美術館の方が寛げたのではないかしら。愛猫の写真を持参すると割引料金(ネコ写真が外壁に貼り出される)、カタログを買った人には岩合さん本人がサインしてくれるという特典もありました。お寺から譲り受けた海(カイ)ちゃんは特別なネコ。ピンクの肉球で目蓋を指圧してくれる柿右衛門ちゃんは理想のネコ。宮城県・田代島のネコたちも元気に暮らしていると良いにゃん。
                              by sknys (2011-05-20 00:22)

    ♭ サンクチャリ
    tumiziさん、こんばんは。ラジ男(註: 動物ボランティアが福島第一原発20km圏内から救出した「預かり猫」)くんという名前の意味が分かりました。「放射能」(radio-)だったのね。ジョー・ストラマーは〈London Calling〉(1979)の中で「A nuclear error, but I have no fear」と韻を踏んでいましたが、彼ほどには強がれません。もし今、生きていれば、〈Fukushima Calling〉と歌ったかな?‥‥自腹で急遽来日したジェーン・バーキンのように。
                              by sknys (2011-05-27 22:53)

    London Calling (Strummer/Jones 1979)

    London calling to the faraway towns
    Now that war is declared-and battle come down
    London calling to the underworld
    Come out of the cupboard, all you boys and girls
    London calling, now don't look at us
    All that phoney Beatlemania has bitten the dust
    London calling, see we ain't got no swing
    'Cept for the ring of that truncheon thing

    CHORUS
    The ice age is coming, the sun is zooming in
    Engines stop running and the wheat is growing thin
    A nuclear error, but I have no fear
    London is drowning-and I live by the river

    London calling to the imitation zone
    Forget it, brother, an' go it alone
    London calling upon the zombies of death
    Quit holding out-and draw another breath
    London calling-and I don't wanna shout
    But when we were talking-I saw you nodding out
    London calling, see we ain't got no highs
    Except for that one with the yellowy eyes

    CHORUS

    Now get this
    London calling, yeah, I was there, too
    An' you know what they said? Well, some of it was true!
    London calling at the top of the dial
    After all this, won't you give me a smile?

    I never felt so much a' like


                        *

    〈s k n y s - s y n k s〉以外の記事に付けた「外コメント」を纏めてみたら結構面白いかも?‥‥というアイディアから生まれた再録シリーズの第22集です。コメントというよりも「ミニ記事」に近いかもしれません。コメントは原則としてオリジナルのまま時系列順に転載‥‥事実誤認(誤記)や誤字・脱字、改行の無効化、句読点や記号・顔文字の有無などを精査。内容の分かり難いコメントには補足説明を加えてコメントした元記事にリンクしました。過去3ヵ月間(2011/03/01〜 2011/05/31)に書いたものの中から、第三者がコメントだけ読んでも面白いものを中心にセレクトしています。ブログでは「東日本大震災」に直接言及する記事を書かなかったけれど、他の記事にはコメントすることが少なくなかった。この3ヵ月間、大地震や大津波、原発事故(放射能漏れ)に触れた記事が多かったわけである。逆にブログの更新を「自粛」する動きもあった。被災者や避難民はブログどころじゃないだろうし、被害に遭わなかったブロガーも落ち込んで記事を書く気分になれなかったのかもしれない。でも‥‥もし被災者や避難者の中にブログを愉しみにしている人が1人でもいるのなら、いつも通りに記事を更新することが「小さな支援」なのではないかしら。

                        *





    Hippopotamomus

    Hippopotamomus

    • Artist: Momus
    • Label: Creation
    • Date: 1991/04/??
    • Media: Audio CD
    • Songs: Hippopotamomus / I Ate A Girl Right Up / Michelin Man / A Dull Documentary / Marquis Of Sadness / Bluestocking / Ventriloquists And Dolls / The Painter And His Model / A Monkey For Sallie / Pornography / Song In Contravention


    London Calling

    London Calling

    • Artist: The Clash
    • Label: Sony
    • Date: 2000/01/27
    • Media: Audio CD
    • Songs: London Calling / Brand New Cadillac / Jimmy Jazz / Hateful / Rudie Can't Fail / Spanish Bombs / The Right Profile / Lost In The Supermarket / Clampdown / The Guns Of Brixton / Wrong 'Em Boyo / Death Or Glory / Koka Kola / The Card Cheat / Lover's Rock / Four ...Horsemen / I'm Not Down / Revolution Rock / Train In Vain


    夏の寓話 ── 山岸凉子スペシャルセレクション 6

    夏の寓話 ── 山岸凉子スペシャルセレクション 6

    • 著者:山岸 凉子
    • 出版社:潮出版社
    • 発売日:2010/05/20
    • メディア:コミック
    • 収録作品:籠の中の鳥 / 時じくの香の木の実 / 二口女 / 化野の… / 千引きの石 / 鳥向楽 / 夏の寓話 / パエトーン / 夜の虹


    三原順傑作選 '80s

    三原順傑作選 '80s

    • 著者:三原 順
    • 出版社:白泉社
    • 発売日:1998/09/16
    • メディア:文庫
    • 収録作品:ロング アゴー I / ロング アゴー II / ロング アゴー III / Die Energie 5.2☆11.8 / あなたのための子守唄 / 朝になるまで / PM2:30 21F / 夕暮れの旅 / 踊りたいのに


    狐のだんぶくろ ── わたしの少年時代

    狐のだんぶくろ ── わたしの少年時代

    • 著者:澁澤 龍彦
    • 出版社:河出書房新社
    • 発売日:1997/02/04
    • メディア:文庫
    • 目次:チョロギについて / 滝野川中里付近 / チンドン屋のこと / なつかしき大鉄傘 / 狐のだんぶくろ / 昭和十一年前後 / 蘆原将軍のいる学校 / 漫画オンパレード / まぼろしのトンネル / 往年の夏、往年の野球 / 水鉄砲と乳母車 / 替え歌いろいろ / 欠乏の時代 / ラ・パロマを聞けば / 競馬場の孤独 / 花電車のことな / 最初の記憶 / 病気の問屋さん / 東京大空...

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