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スニーズ・コメンツ #10 [c o m m e n t s]



♭『ドミノ』 恩田 陸
miyucoさん、こんばんは。「ドミノ倒し」というアイディアを思い着いたら、普通は短篇を書くでしょう。ワン・アイディアを長編にブローアップしちゃうのが恩田陸の得意技。必ずしも「水増し」と言い切れないところに彼女の非凡さがある。第2短篇集『朝日のようにさわやかに』(新潮社 2007)は面白いですよ。バカバカしい話なのに冷や汗が出る「冷凍みかん」、スプラッタ・ホラーの「卒業」‥‥。オンダーランドの本質は長編ではなく短篇、ミステリやSFではなくホラーにあるのではないでしょうか。
                          by sknys (2008-03-28 00:52)

♭『サイレント・ランニング』のヒューイ・デューイ・ルーイ
びっけさん、こんばんは。『サイレント・ランニング』(SILENT RUNNING 1972)は素晴しいSF映画ですね。宇宙の中の宇宙ステーションの中の孤独‥‥人間の内と外の孤独が入れ子状になっていて、胸が締め着けられる。主人公の運転するカートと衝突して毀れたロボットを修繕するシーンが忘れられません。捜索隊に見つかるかどうかは五分五分の賭けだったが、「運悪く」発見されてしまう。泣き笑いのような皮肉な結末!‥‥地球上に暮らす人間も宇宙を漂流する宇宙船の孤独なパイロットと同じではないでしょうか。森博嗣も《僕は、僕の形をしたロケットに乗っている》と書いています。
                          by sknys (2008-03-31 00:21)

♭ Comes Alive! ── Music Magazine(2008 Mar.)の表紙
モバサムさん、こんばんは。ジャケット写真を安直に「模写」しただけのイラストも酷いなぁ。「消えた(?)名盤100〔ロック編〕」は兎も角、MM3月号は2本のインタヴュー記事(Sufjan SevensとJim O'Rourke)が面白かった。〈兎男のクリスマス〉を読んでいないと思うので、Peter Framptonとは関係ないけれど、外コメントで書いちゃいます。スフィアン君の〈Come On Feel The Illinoise〉はSladeのモジり。シカゴの上空に消えた(?)スーパーマン、右にアル・カポネ、左はシカゴ・カブスの「呪いの山羊」マーフィーでしょう(71頁参照)。Jim O'Rourkeが日本在住というだけで嬉しくなっちゃう。
                          by sknys (2008-04-03 00:49)

♭ Do you see? ペパー軍曹 ソングは ヘイジュード
『村上ソングズ』(中央公論新社 2007)を読んでみました。「人生のイミテーション」に〈月の時計のアリス〉と同じようなことが書いてあった。R.E.M.の歌詞はアメリカ人にも難解なのね。ドラマーが抜けて、Michael Stipeがスキンヘッドになってからはミステリアス性が薄れたけれど‥‥。The Doorsの〈ハートに火をつけて〉のロング・ヴァージョンはラジオから流れて来ると、今でも耳が釘付けになってしまいます。直訳すると「火に火を点して」(Light My Fire)ですが、日本語でも「お湯を沸かす」と言いますよね。もう少しロック曲があると良かったかな。U2とか、Nirvanaとか‥‥。
                          by sknys (2008-04-05 20:57)

♭ 中途半端な落とし前 ── さらばエロ男爵!
yubeshiさん、こんばんは。やっぱり辞めちゃうんですね。エロ男爵がいないソネ風呂は蝋細工のチョコレート、それとも粘土(インドの駄洒落)カレー?‥‥3年間、お疲れさまでした。愉しい記事をありがとう。おバカなグルメや脱力ギャグ、マジ音楽レヴューに泣されました。いつの日か、暗黒(アフィリ)魔王のように大復活して下さい。まだ書きたいことも残っているので、SKNYNXは、もう少し続けようかな。
                          by sknys (2008-04-15 23:38)

♭『さなえちゃん』と『ポスターカラー』 古井戸
びっけさん、こんばんは。桂小金治が司会をしていたアフタヌーン・ショーに、当時ブームだった自作自演のフォーク歌手たちが出演したことがあります。古井戸の2人が、確か〈ポスターカラー〉を演奏しようとした瞬間に1人のギターの弦が切れた(紅いハミングバードは見た目は綺麗なのに、すぐ弦が切れるのだ!)。急遽、他の出演者からギターを借りたがチューニングのキーが合わない。結局ギター1本で歌える〈さなえちゃん〉を全員で歌うことに‥‥。音楽講師の高木東六がメロディをピアノで弾いてみせて、単純だ曲だ、歌とは言えないとか何とかボロクソに腐して‥‥バカにした。〈ポスターカラー〉を歌っていれば老作曲家の評価も変わっていた?‥‥何故36年前に生放送されたTV番組を鮮明に憶えているのでしょうか。
                          by sknys (2008-04-17 00:36)

♭ Benjamin Biolay(バンジャマン・ビオレイ)
ぶーけさん、こんばんは。Benjamin Biolayはプロデューサとしても有名ですね。そんなに良いのなら、最新アルバム《Trash Yeye》(Virgin 2007)を買ってみようかしら?‥‥鉄腕アト(エ)ム(Mathieu Chedid)のオフシャル・サイトが凄く凝っています。lapisさんからのマル秘情報!‥‥Mylene Farmerの専用チャンネルがYouTubeに開設されました。
                          by sknys (2008-04-26 22:10)

♭ 澁澤龍彦回顧展
モバサムさん、こんばんは。「旧クセジュ文庫」は文庫版よりデカかった。「白水Uブックス」は判型も価格も装幀もネーミングも中途半端ですね。たまたま昨日、『黄色い本』(講談社 2002)を読みました。1960年代の女子高生・田家実地子が卒業するまで約1年間かけて、白水社の「黄色い本」を読むという、メタ・少女マンガの金字塔!‥‥高野文子は天才ですか?‥‥2ヵ月に1回郵送されて来る「白水社の本棚(出版ダイジェスト)の「愛書狂」を愛読しています。「澁澤龍彦回顧展」の招待券は送られて来ませんが。
                          by sknys (2008-04-28 00:05)

♭『群馬カフェ案内』という本のお話。でもって、それを参考にして行ったお店のお話。
こにゃさん、こんばんは。残念ながらマカロンは食べたことありません。メレンゲのデカい奴?‥‥小麦粉が入っていないので、硬いけれど儚い洋菓子ですね。マシュマロの方が好きかもしれません。お菓子作りに凝っていた頃、メレンゲにも挑戦しましたが、ツノ立ちするまで攪乱するって大変なのよ!今ならハンドミキサー(電動泡立て器)があるけれど。パン、ケーキ、パイ、クッキー‥‥洋菓子作りは重労働だと思い知りました。
                          by sknys (2008-05-03 23:42)

♭ DVD『かもめ食堂』
昨夜、TVザッピングしていたら、どこかで見たような既視感が‥‥「つくし図書館」の外観が映ってビックリ!‥‥TVドラマのロケ地として頻繁に利用されているらしい。小林聡美、もたいまさこ主演の深夜ドラマ「2クール」(日テレ)。演出は『かもめ食堂』(2006)の荻上直子でしょう。期間限定で全編配信されています。IE以外では視聴出来ませんが。
                          by sknys (2008-05-18 13:45)

♭ 祝!300記事
kovaioさん、記事300件おめでとう。リニューアル後にカウント方法が変わったような気がしませんか?‥‥1日のアクセス数が2〜3倍に増えているんですが。不具合・大障害で、総閲覧数(累計)が3万ほど減ったことがあった。ソネ風呂内の閲覧数を加えていなかったのが原因らしい。ソネ風呂の読者は全体の1/4に過ぎない!‥‥ちょっとショックだなぁ。「オリジナルスキン[skin switcher]」の記事はソネ風呂以外の読者に愛読されているのかもしれません。
                          by sknys (2008-05-19 01:28)

♭『夢見るシャンソン人形』フランス・ギャル
びっけさん、こんばんは。〈夢見るシャンソン人形〉の原題には2重の意味が隠されていたんですね。〈蝋人形、糠人形〉‥‥Serge Gainsbourgも洒落がキツイなぁ。オリジナルの毒を消した日本語詩は岩谷時子ですね。小林麻美さんもアイドル時代にカヴァしています。舌っ足らずで、調子っぱずれなところが可愛い。Jane Birkinの〈Lolita Go Home〉(S. Gainsbourg / Ph. Labro)も囁きヴォイスで歌っていましたが、何と麻美さんの自作詩だった!
                          by sknys (2008-05-22 01:08)

♭ 色々
mironさん、こんばんは。森ワールドの「那古野」は地元でしたね。S女学園の○ルマも、ジャストミートだったりして?‥‥森博嗣の「引退宣言」はショックでしたが、今直ぐに引退というわけじゃなくて良かった。アニメ版の劇場公開前に『スカイ・クロラ』の記事を書きたいなぁ(原作は1人称独白体の叙述トリックが仕掛けられているので、「僕」に騙されないように‥‥)。石ノ森特集は「とことん」シリーズ(NHK BS)で視たOVA「ギターを持った少年」(キカイダーvsイナズマン)が素晴しかった。009は「小説」より「長編アニメ3部作」で完結して欲しいな。
                          by sknys (2008-05-27 00:34)

「ちょうちん◯ルマ」という落ちですね。殆どの読者は「ピタ短」を思い浮かべるでしょう。でも、年配の方は「ちょうちん」をイメージするかもしれないし、もっと若い世代は◯ルマの存在自体を知らない可能性も‥‥。これはバラしても構わないと思うけれど、第1作目の『スカイ・クロラ』(中央公論新社 2001)がシリーズの最終話なんですよ。2作目の『ナ・バ・テア』(2004)から時系列順に読み始めた方が良いのかどうか‥‥難しいところだなぁ。1人称独白体なので、ちょっと読み難いかもしれません。カラー・イラスト(表紙・口絵)のC★NOVELS版は始めからバレバレ(草薙水素のヌード!)なんですが。「引退宣言」らしきものが「森博嗣のブログ」にありました。
                          by sknys (2008-05-29 00:49)

♭ 崖ボタニーク
tumiziさん、こんばんは。4月に初来日したFlorencia Ruizの記事タイトルを〈フローレンシア逍遙〉にしました。白いエレキ・ギターはアルゼンチンから携行したのかな?‥‥cliff(崖) をOnline英仏辞典で引くと「escarpe」、仏和辞典Webで調べたら「escarpe」(険しい, 切り立った)、「escarpement」(急坂, 絶壁)。「フローラ」という響きは可憐な女性をイメージしますが、「ボタニーク」には雑草の力強さがありますね。『思考の紋章学』の中に「愛の植物学」というエッセイが、Black Uhuruに〈Botanical Roots〉という曲があったなぁ。
                          by sknys (2008-05-29 20:32)

                    *

〈s k n y s - s y n k s〉以外の記事に付けた「外コメント」を纏めてみたら結構面白いかも?‥‥というアイディアから生まれた再録シリーズの第10集です。コメントというよりも「ミニ記事」に近いかもしれません。コメントは原則としてオリジナルのまま時系列順に転載‥‥事実誤認(誤記)や誤字・脱字、改行の無効化、句読点や記号・顔文字の有無などを精査。内容の分かり難いコメントには補足説明を加え、コメントした元記事にリンクしました。過去3ヵ月間(2008/03/01〜05/31)に書いたものの中から、第三者がコメントだけ読んでも面白いものを中心にセレクトしています。2・27リニューアル後の後遺症(不具合・障害)で、この3ヵ月間はブログにもコメントにも集中出来なかった。トラブルの多くは時間の経過と共に解消されたけれど、ストレスは尾を引いた。一番ショックだったのはエロ男爵(yubeshiさん)の離脱!‥‥それがソネ風呂のリニューアルと無関係ではないところに「ストレス障害」の根深さがある。

                    *




朝日のようにさわやかに

朝日のようにさわやかに

  • 著者:恩田 陸
  • 出版社:新潮社
  • 発売日:2007/03/30
  • メディア:単行本
  • 収録作品:水晶の夜、翡翠の朝 / ご案内 / あなたと夜と音楽と / 冷凍みかん / 赤い毬 / 深夜の食欲 / いいわけ / 一千一秒殺人事件 / 邂逅について / 淋しいお城 / 楽園を追われて / 卒業 / 朝日のようにさわやかに / あとがき


サイレント・ランニング

SILENT RUNNING

  • 出演:ブルース・ダーン
  • メーカー:ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
  • 発売日:2008/09/11
  • メディア:DVD




村上ソングズ

村上ソングズ

  • 著者:村上 春樹
  • 出版社:中央公論新社
  • 発売日:2007/12/10
  • メディア:単行本
  • 収録ソングズ:神さましかしらない / 幸福とはジョーという名の男 / 人生のイミテーション / ニューヨークの秋 / ムーンライト・ドライブ / ブルーに生まれてついて / ジーン / 中国行きのスロウ・ボート / イングリッド・バーグマンの歌 / ブルー・モンク(修行はつらい)/ この家は今は空っぽだ / バッチズ / 眠る蜂 / オキナワに戻るよ / 自活する子供を...


黄色い本 ── ジャック・チボーという名の友人

黄色い本 ── ジャック・チボーという名の友人

  • 著者:高野 文子
  • 出版社:講談社
  • 発売日:2002/02/22
  • メディア:コミック
  • 収録作品:黄色い本 / CLOUDY WEDNESDAY / マヨネーズ / 二の二の六

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