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ネコ・ログ #9 [c a t a l o g]

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♯73│ミルク&アド│ノラ猫 ── 仲良し兄弟姉妹でしょうか?
良く似たネコ兄弟姉妹がS川緑地の草叢に隠れている。白と黒の牛柄のブチ。2匹揃って撮影者を直視(カメラ目線)しているのは珍しいかもしれない。未知の人間を発見して敵か味方か品定めをしているのだろうか。双方ともに微動だにしない、相撲で言うところの睨み合いが続く(撮影者は笑顔ですが)。人馴れしているネコなら近寄って来るし、警戒しているネコはソソクサと逃げ出す。大抵のネコは数秒で相手を見切って、さも興味を失ったように目線を反らすのだが‥‥。ミルク(手前)とアド(後ろ)には、もう1匹の兄弟姉妹がいて、お互いの見分けが着き難い。最近、元気に駆け寄って来るようになったのは仲良くなったわけではなく、あくまでも食物(チーズ)が目当て。ネコはネズミよりもチーズが大好物なのだ。ミルクアドの単独の写真もUPしました。

♯74│タキ│ノラ猫 ──お行儀の良いネコです
今では見かけなくなって久しいけれど、タキちゃんは人懐っこく愛嬌もあった。2回目の登場で、1枚目はユーモラスな「猫背」。今回はキリリとした「男前」に写っています。同じネコでも表情は千差万別で、その日の天候状態や時間帯、本人の気分や機嫌によって、それこそネコの目のようにコロコロと変わる。あの見返りタキちゃんだと言わなければ、別のネコだと思う読者も少なくないでしょう。彼の特徴は右耳の先にある小さな傷痕‥‥雄同士の喧嘩で負った名誉の勲章なのかもしれません。豪華絢爛な羽を扇状に広げて魅せる孔雀の雄のように、雄ネコも興が乗る(?)と華麗なポーズを取ってくれるそうです。クルリと巻いて立った縞模様の尻尾がチャーミングですね。

♯75│サンタ│ノラ猫 ── ヌイグルミではありません
サンド・ベージュの毛並みが柔らかそうなサンタさん。哀愁を帯びた睛に洋ネコ風の気品さえ感じさせます。一般に人に撫でられるのが好きなネコと嫌いなネコがいる。人差し指をネコの顔の正面に近づけると必ず匂いを嗅ぐと言われますが、不用意に手を出して躰に触れようとするとネコ・パンチ(引っ掻き攻撃!)が跳んで来ることも少なくない。その時に備えてノラ猫たちは、木の樹皮や木製のベンチで一心不乱にバリバリ、ガリガリと爪を研ぐ。一方、室内で飼われているネコは絨毯やソファをボロボロにしてしまう。アメリカには高価な家具が傷つくのを嫌がって、ペットのネコの爪を手術で「永久脱爪」してしまう身勝手な飼主もいるそうです。爪研ぎはネコのストレス解消にもなっているので、ハサミで切ったりせずにネコ専用の爪研ぎ器で思う存分、研いでもらいましょう。

♯76│フウ│飼い猫 ── 何を見つめているの?
T小学校前の車道を隔てた路地の奥に4〜5匹のネコたちが棲息している。飼い猫にしては用心深く、人と一定の距離を保つ。そんな中で、フウだけは近寄っても逃げないどころか向こうからスリスリして来る。鋭い目をしてフウは一体何を見つめているのだろうか。奥の塀の上で赤子の夜泣きのような艶かしい声で鳴くネコがいる。ここのネコたちは彼女(?)の存在が気になるらしい。今年(2008)の冬は異常に寒かったので、カメラを持つ手の先から冷えて来る。それに加えてデジカメの機能停止!‥‥突然のバッテリ切れで何度シャッターチャンスを逃しただろうか。外の気温が氷点下になるとノラ猫の凍死を心配しなければならないけれど、その前にデジカメのバッテリが使いものにならなくなるとは!‥‥デジタル機器よりも毛皮常用のネコ族の方が厳寒に強い?

♯77│ハート│地域猫 ── オッドアイが綺麗でしょう
夜間のフラッシュ撮影はAFイルミネータでフォーカスを合わせてから撮ることになるが、その時点で早くも逃げられることがある。もちろんフラッシュ発光した瞬間に逃げられる方が遙かに多いけれど。上手く撮れたと思ったら「赤目」だったり、ピンボケだったり‥‥。しかし、稀にイルミネータの赤い光やフラッシュを全く怖がらないネコも存在する。H商店会にも白と茶ブチの良く似たネコ3兄弟姉妹が暮らしている。その中のハートだけはフラッシュ光を恐れないし、赤目にもならない。不思議なネコちゃんだなぁ‥‥と思って液晶モニタ画面で確認すると、黄色と水色の綺麗なオッドアイだった。可愛く撮れているのに惜しいかなピントが甘い。鮮明なハート君の写真が撮れたので、興味のある方は見て下さい。

♯78│ゴン│飼い猫 ── 怒り顔ですが人懐っこい
とかく人もネコも見かけに拠らないもの。鋭い眼光、特大ボタ餅のような横長顔、ズッシリと重そうな胴体、極太の黒い尻尾‥‥強面の怪傑ゾロみたいなデブ猫「ゴン」は、その外見に反して人懐っこい。少々お天気屋さんなところもあって、近寄って来てスリスリしたかと思えば、急に離れて行って知らんぷり‥‥。久しぶりに道端で逢って懐旧を暖めようとしたら、飼主宅の方へ足早に歩いて行って、玄関の横に穿たれた四角い穴の中に消えてしまったのだ(ニャロメ)。ゴン君の気紛れよりも、ネコ専用の出入口があったことに驚いちゃった(今まで全く気づかなかったよ)。わざわざ飼い猫のために専用出入口を作ったなんて、シンジラレネーション。ネコにもネコの事情がある。今日のゴンは御機嫌ナナメでしょうか。

♯79│チトラ│飼い猫 ── 帰って来たチトラちゃん
常に動き回って一時も落ち着くことのないチトラちゃん(♪疲れを知らないチトラのよぉ〜にぃ〜〈シクラメンのかほり〉の替え歌で)。稀に静止している時は胸部が波打っている。広い外界が珍しいのか、ネコ仲間たちと遊ぶのが愉しいのか、いつも元気に跳び回る。好奇心で一杯のビックリ眼(まなこ)です(写真は右目にピントが合っている)。桜の樹の上に昇って、降りられなくなった夜もあったなぁ。ちょっぴり賢そうに写っているところと、背景の緑のボケ具合がポイントかな。この頃は未だヤンチャ盛りの千登良チビ猫(お耳がデカい!)でしたが、今は立派な成猫に生長していることでしょう。女飼主がS公園に放しに来ていた頃の写真です。

♯80│アリス│ノラ猫 ── フェンスの向こうは安全地帯?
警戒心の強いノラ猫たちも塀や柵で仕切られた向こう側の世界は安全地帯と心得ているらしく、いくら近寄っても逃げる気配がない。動物園の檻の中の猛獣は人間に危害を加えられないように監禁されているが、ペットショップのケージの中の仔猫たちは外界から保護されている。散歩する犬の首輪に繋ぐリードは安全のためだが、束縛を嫌うネコたちは自由に行動出来る反面、外界の危険にも曝される。民家に隣接する都電の金網フェンスの隙間を潜り抜けて、立入禁止の線路を悠々と横断するネコもいる。澁澤龍彦に「城と牢獄」という名エッセイがあったなぁ‥‥。モーリーあざみ野の「ナーゴ」には3種類のネコたち(家猫、自由猫、城猫)が分け隔てなく住民と共存していた。豪邸や高級マンションの中で飼われているネコ姫や王子さまは、現代の「城ネコ」でしょうか。あなたが住んでいるところは「城」、それとも「牢獄」?

♯81│ジョニ│ノラ猫 ── 猫とマンションと私
茶色と焦茶、黒が混じった錆猫のジョニがS川緑地の水飲み場の上で気持ち良さそうに寝そべっている。遠景にマンション、近景にネコ、その手前に撮影者‥‥夕方の陽射しが柔らかい。後日、リュウが先導して歩き、後を尾いて来いと言わんばかりの動作で振り返る。着いたところは同じ水飲み場‥‥喉が渇いたから水道の水を出せという要請らしい(水のある場所は知っているけれど、ネコに蛇口は回せない!)。こんな場面に遭遇すると、賢いネコだなぁ‥‥と感心して、人は「ねこの召使い」になってしまう。下の手洗い用の蛇口を軽く捻ると器用に水を飲む。上の水飲み用のレバーを押すとシンクに溜まった水を舐める。顔がビショ濡れで何度かクシャミをしていましたが‥‥。S川緑地のネコたちは栄養状態が良いらしく、ノラにしては皆さん立派なメタボ体型を維持しています。

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各記事のトップを飾ってくれた猫ちゃん(9匹)のプロフィールを紹介する「ネコ・カタログ」の第9集です。サムネイルをクリックすると掲載したネコ写真に、右下にあるナンバー表の数字をクリックすると該当紹介文にジャンプ、#ネコ・タイトルをクリックするとトップに戻ります。ノラ猫や地域猫、飼い猫を差別しない方針で、これまでに延べ80匹以上のネコたちを紹介して来ましたが、こんなにも多くのネコたちが棲息していることに驚かされます(あそこへ行けば、あのネコに逢えるという「ネコ地図」が頭の中にインプットされている)。これからはタキゴンチトラのように、お気に入りのネコちゃんが再登場する機会も増えるかもしれません。また同じネコかよ!‥‥なんて言わずに、温かい目で見守ってあげてね。あなたの街のネコたちにも愛と平和を‥‥。

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猫のあしあと

猫のあしあと

  • 著者:町田 康
  • 出版社:講談社
  • 発売日:2007/10/19
  • メディア:単行本
  • 目次:仕事場の猫たち / ニゴとトラ / ケージの引っ越し / トラの恢復を祈る / 猫に説法 / カスタマイズ / トラの引っ越し / 猫とギター / トラ丸くなる、しかし…!/ 爪切り大作戦 / ステテコおっさんの悲劇 / 手術、いざ!/ 丸目・丸顔 / いつの間にか命名 / 猫も外見で判断してはいけない / 消失マジックを習得し、ついに脱柵か / ヘッケ一族の奇妙な習性 / ウ...

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コメント 2

ぶーけ

猫さん、たくさん~!
”こんなにも多くのネコたちが棲息している”場所を仔細にご存知なのに驚かされます。^^
by ぶーけ (2008-04-30 07:29) 

sknys

ぶーけさん、コメントありがとう。
S川緑地のノラは「皆さん立派なメタボ体型」と書きましたが、
最近は近隣住民の苦情が多いらしく、
飢餓状態で、個体数も減りつつあります。

自分たちの住んでいる地域からノラ猫を排除しようとする考えは、
チューリップの花を切り取る蛮行と大差ないような気がしますが‥‥。
by sknys (2008-05-01 00:58) 

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