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ネコ・ログ #8 [c a t a l o g]

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♯64│マナ│飼い猫 ── びっくり猫屋敷の殺人 3
「びっくり猫屋敷の殺人」というコピーは綾辻行人の〈館シリーズ第8作〉『びっくり館の殺人』(講談社 2006)のモジリで、ミステリや殺人とは全く関係はありません(3匹目なのでPart 3)。何匹ものネコたちが棲息している猫屋敷なので、現実の殺人事件が起こればネコが目撃者となる可能性は高いけれど‥‥。人間と一定の距離を保つ用心深いネコも板塀の中は安全だと心得ているらしく、近寄っても逃げない。金網や生垣や柵で仕切られている空間もネコたちの安全地帯なのだろう。その障害物を逆手に取れば、警戒心を持っているネコに対しても接写が出来る。フラッシュの光を嫌がるかどうかは、そのネコ固有の性格や習性に拠るが、マナは全く気にしない。

♯65│パピー│ノラ猫 ── チワワじゃないよパピヨン猫だよ
チワワ犬みたいなパピオン猫は人懐っこいけれど落ち着きもない。S川緑地のネコたちを世話している人の話によると、川へ放り投げられて地元の消防団が出動!‥‥ネコ救出の大捕物騒動になったとか。救助隊はパピーの捕獲に失敗。上流にある昇降口から自力で生還したそうですが、5〜6mも落下したのに良く無傷で助かったと思う。でも、その時のトラウマ(PTSD)なのか、人間を警戒するようになってしまった。ネコにとっては晴天の霹靂‥‥生死に関わる大災難なので無理もないけれど。ネコ族の最大最悪の脅威(天敵)は昔も今も心ない「人間たち」である。悪魔だって猫をロアール川へ放り投げたりはしない。幼気なネコたちを虐待するイカレた野郎に言いたいことがある──「お前が川に飛び込めよ!」。

♯66│ブク│地域猫 ── ブクロの看板猫でニャンす
I袋と言えば東口(地下)に棲息している「イケフクロウ」が有名ですが、地上に出てM治通りを横断‥‥サンシャイン60通り裏の路地に1匹の老猫が暮らしていることは余り知られていません。店鋪と店鋪の隙間に特注の「棲み家」がある。たまたま裏道を通ったら路上にブクが屯していて若い女性2人がケータイで写真を撮っていた。地元の事情通のオバさんが「棲み家」を造るのに2万円もかかったとか、ここに住み着いてから長いのよとか、色々と話している。夜のフラッシュ接写なので顔の白い部分が色飛びしているけれど、「私がブクロの主よ!」みたいな写真が撮れました。それ以来「棲み家」を覗いているのに、いつも不在!‥‥元気に暮らしていると良いのですが。

♯67│ポー│飼い猫 ── 帰って来たポー君
*美粧院のマスコット猫、ポー君。暫く姿が見えないので心配していたら、クルマに轢かれて亡くなっていた。車道を猛スピードで横断したり、駐車中のクルマの下に隠れているネコを見る度に危ないなぁと思っていただけに、ブンコと同じ交通事故に遭うとは!‥‥一瞬言葉を失う。目の前をクルマが通過すると目を瞠って不思議そうに凝視していたポー君。クルマという「走る凶器」の存在を理解出来ないネコ族にとって、猫と自動車の共存は難しい。「クルマ社会」の犠牲者は人間だけではない。ネコを轢いた後の人間の反応は様々だ。運が悪かった、気色が悪い、自分に罪はない、猫が悪い‥‥それでも中には長嶺ヤス子さんのように身寄りのないノラ猫を数10匹も飼うようになる人もいる。今後も機会があればポー君の写真をブログに掲載したいと思います。合掌。

♯68│ミラ│ノラ猫 ── 後ろから撮らないでよ!
S川緑地の見返り美猫。シモンさんと同一ネコの可能性も高いけれど確証はない(同じ柄模様の猫が数匹ずつ棲息しているのだ)。ブログ用の写真映りを考慮すると、どうしてもアップ(接写)撮影中心になってしまう(3倍ズームのデジカメでは一眼レフのように遠くから盗撮出来ない!)。人間を警戒している用心深いネコは撮ろうとして近づくだけで逃げられる。その結果、人馴れしていて近寄っても逃げないどころか、手招きすると向うから近寄って来るネコの写真が多くなる。それが優しい目をした可愛いネコ写真が多い理由でもある。敵意を抱いている凶悪顔のワイルド・キャットを「撮らない」のではなく、物理的に「撮れない」のだ。ミラさんの写真は意識的に背景を入れてみました。

♯69│リン│飼い猫 ── 花屋さんの看板猫です
花屋さんKの美しい三毛猫。人懐っこく、毛並みがフワフワで柔らかい肌触り。ちょっと肥り気味でしょうか。フラッシュで変色した右目(赤目)をiPhotoで修正しています。もう1匹、リンさんほど愛想が良くない白い猫がいる。ところが先日、店内にいたシロちゃんを呼ぶと店先に出て来た。躰を撫でてあげると自らデングリ返し(前転)をして、仰向けのゴロニャン状態に!‥‥その一連の動作を飽きることなく何回も繰り返す。まるでネコ・サーカスの芸を見物しているような不思議な夕暮れ時だった。近所の男性はシロが戯れるのは珍しいと驚き、通りがかりのオバさんは笑顔で誉め称し、女店主はネコは「人を見るのよね」と言う。デジカメを携帯していなかったのは惜しかったなぁ。

♯70│リュウ│ノラ猫 ── 遠い目をして何見ているの?
ネコの生態はミステリアスで、何を考えているのか分からない。テリトリー内を精力的に徘徊。空の鳥をジっと見つめる。躰を横たえて微睡む。置き物のように坐って身動き1つしない‥‥。リュウは遠い目をして一体何を見ているのだろうか。ミーナは隣家の門柱の上で何を思っていたのか。ハナは図書館のエントランスで誰を待っていたのか?‥‥そんなネコたちの姿が記憶の彼方から甦ると、「空の色ににている」(集英社 1980)に登場した三毛猫のチィのように行方不明になる前兆だったのかもしれないと危惧して切なくなる。リュウはカメラ・レンズも撮影者も見ていない。人間には決して見えない虚空を見つめているような気がする(赤瀬川原平のネコ・エッセイみたいになって来たぞ)。

♯71│シッポ│飼い猫 ── 看板猫のシッポちゃん
創業明治44年という和菓子屋O堂の看板猫シッポちゃん。写真よりもスリムな体型で、ピンと立った黒く長い尻尾が精悍な印象を強調する(白黒写真に加工してありますが、オンマウスでカラーになります)。先ほどから店先のワゴンや幟にスリスリ、店頭をウロウロと落ち着きがない。暗くなって来たので、そろそろ暖かくて明るい店内へ帰りたそうにしているけれど、ネコの体重では自動ドアは動作しない。生憎、客も訪れない。ガラス・ドアの前まで行ってはUターンの繰り返し‥‥ところが何度か試みた後に何かの拍子でドアが開く。自分でも良く分からないまま店内に入れちゃったよ、ラッキー!‥‥と思ったかどうか。手招きすると外へ戻ろうとするが、融通の効かない自動ドアは閉まったまま開かない。もう夕食の時間だよね。バイバイ、シッポちゃん。

♯72│ケイト│ノラ猫 ── 別嬪ネコさんのデビューです
ホームレス、サラリーマン、アベック、コギャル、ゴスロリ少女(近くにライヴハウスがある)などが屯するI袋東口P' PARCO裏の駅前公園‥‥その公園内にあるミニ神社「I袋水天宮」はノラ猫たちの絶好の溜り場になっている。彼らも何者かに見守られているという安堵感があるのでしょうか。ケイトちゃんは未だ子猫の面影が残る小顔のネコですが、左前脚を浮かせた緊張気味の表情から「美」が流出している。もしかして怯えているのかな?‥‥《美は恐怖そのものから絞り出せる》とグリール・マーカスも書いていました。ちょっとケイトを追いつめちゃったかなと反省。美少女の初ヌード撮影に挑む加納典明みたいな気分になっちゃいましたよ。一目散に逃げ出さないのは好奇心と恐怖心が相半ばしているネコ娘の思春期だから?

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各記事のトップを飾ってくれた猫ちゃん(9匹)のプロフィールを紹介する「ネコ・カタログ」の第8弾です。サムネイルをクリックすると掲載したネコ写真に、右下にあるナンバー表の数字をクリックすると該当紹介文にジャンプ、各ネコ・タイトルをクリックするとトップに戻ります。ノラ猫と飼い猫を差別しない方針で、これまでに延べ70匹のネコたちを紹介しましたが、これからはポーミラ(シモン?)のように同じネコちゃんが再登場する機会も増えるかもしれません。本文中でも触れているように凶悪顔のネコ写真が1枚もないのは可愛いネコちゃんを選んで載せているわけではなく、敵意を持っているネコは近寄った時点で逃げられて撮れないから。ネコとの親密な関係を築くこと‥‥出来るだけ「接写」を心懸けて来ましたが、ミラのような風景を取り込んだワイド撮影も悪くないなと思います。

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                    *



猫と悪魔

猫と悪魔

  • 著者:ジェイムズ・ジョイス(James Joyce)/ 丸谷才一(訳)
  • 出版社:小学館
  • 発売日:1976/05/10
  • メディア:大型本

タグ:catalog cats
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コメント 2

kovaio

sknysさん こんにちはっ。

skin switcher + mouseover 作ってみました。
サンプルは、右メニューの一番下において置きました。

いかがでしょ?^^;
by kovaio (2008-01-28 10:49) 

sknys

kovaioさん、コメントありがとう。
縦位置をズラすCSS技でカスタマイズしてみました。
a:hover{background-p osition:0px 17px}

サイドに入れるとボタン画像(●)が欠けてしまうので、
{padding:0px 7px 5px 0px}で調整しています。
IEでも正しく表示されているでしょうか^^;
by sknys (2008-01-29 00:01) 

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